僕が蒼を纏う理由 ―かつて十天の頂点だった男のハーレム戦記― 作:鵲くん
アーシアちゃんと黒歌を連れて家に帰宅した。
俺達は皆で料理を作り、食べて団らんを楽しんでいた。
「そういえば、アーシアちゃん、俺の名前聞いて同じだって言ってたけど知り合いと一緒の名前だったの?」
「いえ、私なんかが知り合いだなんて恐れ多いんですが…大天使ガブリエル様の恩人…それが十天衆番外アマタ様なんです。それでアマタさんと同じだなって驚いたんです。」
アーシアちゃんは嬉しそうに語る、二天龍との戦いにて彼が何をしたのかを。
それに同調するように黒歌も同意する。
「私も知ってるにゃ、悪魔にもかなりその話は流れていて、英雄…だそうにゃ。」
アーシアちゃんも頷く。
「戦いの後、三大勢力の方々に『それでも』と言って手を取り合うように言ってたらしいです。」
「そうそう、それでそれを言った後光になって消えちゃったんだって、また会おうって言葉を残して。」
確かにそんなこと言った気がする…また会おう…か、次はいつ会えるんだろうな…
「そういえば、今更なんですが、アマタさんは天使とか悪魔とか知ってらっしゃるんですね。」
「うん、黒歌に聞いたんだ、黒歌は悪魔だからね。こっちも今更だね、良かったら仲良くしてあげてほしい。」
俺は横に座る黒歌の髪を撫でる。
「ご主人様…ありがとう。」
「大丈夫です、悪魔だからといってすぐに仲良くなるのをやめようとしたら、ガブリエル様に怒られちゃいます。」
「誰かが言ったからって、そう言える人は中々いないよ、それは君の美徳だ、誇ってほしい。」
アーシアは嬉しそうに柔らかい笑みをほころばせる。
「ありがとうございます、でもアマタさんも黒歌さんも凄いです、見ず知らずの私にこんなに良くしてくれるんですもの。」
「アーシアちゃんが良い娘だから、俺たちはそうできるんだ。」
そう言うとアーシアちゃんが顔を赤らめる。
お、これはチャンスか?彼女は家族に欲しい…言ってみるか。
俺は彼女の手を取る
「アーシアちゃんはなんか放っておけなくてね。それにもしよかったら…」
アーシアちゃんが息をのむ。
「俺のハーレムに入ってほしいって思ってる。」
空気が凍る。
黒歌から恐ろしいほどの怒気を感じ、アーシアちゃんはアワアワと目を回している。
「ごす、正座」
あ、めっちゃ怒ってる時の呼び方だこれ。
「はい。」
俺は正座する他無かった。
―――――
私は、嬉しかった。
今日は悩みを聞いてもらって、友達になってもらって、そしてご飯までご馳走になって、一緒にお泊りして…
今日一日でどれだけ救われたのだろうか。
昨日までの私にこんな事有ったんだよって言われても絶対に信じなかったと思う。
それくらい私にとってアマタさんと黒歌さんの存在は救いになっている。
私は例えこの先何が有っても今日の事は忘れないと思う。
少しでも彼らに恩返しをしたい…で、でも…ハーレムにいきなり入れってのは急だと思います‼
―――――
「ふぃ~、久々に黒歌に説教されたなぁ。」
以前も黒歌には説教をされたこと、その内容は家族に迎え入れたいのはわかる、ただちゃんと言葉を選べと。
今回も同じように終わったが今回は次もしも同じ事したら搾り取る…って言われたんだよね。
思わず「搾り取る???」ってなった俺は悪くないハズ、雑巾と同じ目には遭いたくないな。
そんなこんなで、今は縁側で休んでる、ウチは一軒家、クレーリアちゃんの伝手を使って安く借りれた借家だ。
優しい風が吹いた気がした…ふと普段から付けているアクセサリーに目をやると一瞬だけ淡く光る。
「そっか、アイツら…元気にしてるって事かな?」
このアクセサリーは十天衆番外になった時に、十天衆の皆が魂とする武器をほんの少し削って作ってくれたアクセサリーだ。
その日から俺が今までもらった何よりも…そう、何よりも代えられない宝物だ。
それを片手に持ち、空を見ていると、黒歌が後ろから抱き着いてくる。
「にゃはは~今日のお酒はいつもよりおいしく感じるにゃ~。」
酔っぱらってやがるなこいつ…
「ったく…黒歌が抱き着いてくれるのは嬉しいけどさ、当たってるぞ。」
「当ててるにゃ、にゃふふ~。」
ダメだ、今の黒歌無敵だ。
「アーシアちゃんは?」
「疲れてたのかぐっすり寝てるにゃ。」
「そっか、少しでもいい夢見てくれたらいいんだが…」
彼女には辛いことが有りすぎた…少しでも力になれてれば良いんだが…
「ねぇ、ご主人様…」
「ん?どした?」
「帰りたいの?皆の所に…」
俺は凍り付いてしまう。
黒歌には一応十天衆の事を話している、今は俺が遠くに来てしまったから会えない…と。
しかしそれは以前軽く話しただけ、アクセサリーの由来も…なるほど、そこからかな?
でも黒歌…
「俺は、帰りたいって気持ちはある…」
俺は、明るくて俺の隣にいてくれる…
「でもさ、今すぐじゃなくていいんだ。」
君が、好きだから…
「いつかでいい、こいつを見てたのもアイツらが元気にしてるって便りが届いたんだ。」
「だから…」
今は君が隣に居る…それが俺の幸せだ。
「今は君が隣に居る…それが俺の幸せだ。」
「ご主人様…」
黒歌の抱きしめる強さが強くなる。
―――――
私には家族が居る。
一人は妹の白音…とっても可愛くて、守ってあげないとって思わせる…小さいころは「ねえさま」なんて言って私の後をついてくるのが可愛かった。
今、遠くから見てもその時の可愛さは何も変わってない、むしろ増している。
抱きしめてあげたい…頭を撫でてあげたい…それでも今は叶わぬ思い。
私は過去に悪魔を殺している。
私だけに害が来るなら白音の為に我慢できる、けど白音に害が及ぶなら話は別だった。
私は貴族を殺した事で、追われる身になった…
他に方法はなかったのだろうか?白音と別れてからずっと考えていた。
しかし常に追われる状況で摩耗した精神では、どうして…としか考えられなかった。
そんな時人間界にて酷い傷を負った時があった。
今追手が来たら確実に死ぬ…そんな未来が見えていた。
白音と過ごした日々、不自由ながら幸せな日々を思い出しながら目を瞑っていた。
しばらくして足音が聞こえた。
死の足音だと思った。
「大丈夫か…って聞いてる場合じゃないな、この場合は杖だな…力を借りるぞ。」
温かい…目を開くと私は光に包まれていた。
「目ぇ覚ましたか?良かった…生きていてくれて…ありがとう。」
目の前の男を見る。
整った見た目をしており、街を歩いていればほぼ全員が振り返るであろう視覚への暴力。
そんな彼が杖をこちらに向け…私は癒されていた。
見知らぬ男、それまでの追手とは違い、私の身体を見て下卑た視線を全く見せない男性。
何故か、私は目の前の彼に惹かれていた…
運命…という物なのかもしれないと思った。
「ほんと、無事でよかった…君、泣いてるのかい?」
私は手を頬に当てると、確かに泣いていた。
「私…なんで…」
戸惑う私に彼は温かい笑みを向けてくれる。
「面倒ごとに巻き込まれたのかわかんないけどさ、もう大丈夫…俺が居る。」
それからの私の生活は変わった…彼、アマタの家に居候となり、最初は追手が来るから…とすぐに家を出ようとしたのだが…
「大丈夫、俺が居るって言ったろ?なんとかするよ。」
そんな、なんとかなる筈がない…等と考えているとアマタの言った通りになってしまった。
「言ったろ?なんとかするって。任せろよ、俺は最強の十天衆の番外なんだぜ?」
「今すぐには指名手配自体は解除出来ないらしいけど、それもそのうち解除してやるさ。」
「妹ともその時笑いあえるような環境、作ってやるからさ。」
涙が止まらなかった。
そんな私の頭を撫でてくれている彼。
私がそんな彼に惚れ込み、ご主人様と呼ぶまでに時間はいらなかった。
そして彼の過去…空の世界での冒険、十天衆の仲間たちとの絆の話を聞いた。
壮絶…としか言えなかった、しかもそんな冒険をしながらまだ20にも満たない年齢だと言う。
ハーレムの一員になってくれって言われたときは急すぎて、照れ隠しで怒っちゃったけど嬉しかった…必要とされるのが…求められるのが嬉しかった。
そんな最高の雄が寂しい思いをしている、それを慰めれなくて何が彼の雌か。
でも貰った言葉に私は強く抱きしめることしかできなくなってしまう。
ホントこの人は…人たらし。
「ご主人様。」
「ん?」
「大好き。」
前回との落差で皆風邪ひいてないですか?
アマタ君どう?良い子?
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いっぱいちゅき
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爽やかだね
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ん~魅力が…