A Cup with Love   作:white flower

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※前話において細かい部分の修正をしました。内容に変化はありません。


第四話 Fake facer

 ジリジリと蝉が鳴くお昼時。

 かぐやが作ってくれたお昼ご飯を食べ終えて、KASSENをしていると突如、玄関を叩く音がした。

 

「あっ来た~!」

 

 かぐやがネットで何か頼んだのだろうか、部屋がまた狭くなるなとげんなりした。

 

「芦花~!」

「やっほ、かぐやちゃん」

「えっ、芦花!?」

 

 まってまって、私オフだったから完全に部屋着なんだけど!?

 

「ちょっと待って、どうしてここに!?」

「あれ?かぐやから話聞いてない?」

「かぐや???」

「アッ…言い忘れてたカモ」

 

 あらぬ方向をむいて口笛を吹くかぐや。

 なんて、事を。

 

「芦花、ごめんね、こんな姿で…」

「いや、全然気にしないで!」

 

 ん?なんか、やけに嬉しそうだし、気にしないでのニュアンスが少し違ったような…

 まぁ、いいや。

 

「それで、かぐや、なんで芦花がここに?」

「水着買いにいくの!」

 

 今日のかぐや、外行きの服を着てるなと思ったら、そういう事だったのか。

 そういえば、この前ツクヨミ内で海にいく話をしたっけ。

 かぐやは水着もってないから、あーだこーだ喋ってたな。

 

「そういう事だったのね…じゃ、かぐや頼んでもいい?」

「えっ、彩葉もくるでしょ?」

「へ?なんで私?」

 

 私は去年の奴があるから別に行かなくても、というかメイクも何もしてないし。

 

「芦花~どうしたの?いろはちゃんに何かあった~?」

 

 そう言って、扉から顔を出したのは椰花さんだった。

 珍しく、いつもの作業服ではなく、黒いレースのトップスに適度なダメージが入ったジーンズ、髪の毛も遊ばせて、丸いサングラスをかけたオフの姿だった。

 

「や!いろはちゃん!こんにちは。」

「うわっ背たかぁ~誰?…なんか芦花に似てね?」

「椰花さん!?こんにちは、こんな格好ですみません…」

 

 うっわ綺麗、いつもの作業服は元気なキャリアウーマンって感じだが、今日の椰花さんは若い綺麗なお姉さんって感じが溢れ出てる。

 

「気にしないで~それで、その子が例のいとこちゃん?」

「あっ、はい。そうです。かぐや、挨拶して、芦花のお姉さんの椰子さん」

 

 良かった、芦花からある程度事情を聞いているようだ。

 

「お~!芦花のお姉さん!かぐやって言います!よろしく!」

「かぐやちゃんね~よろしくね~!」

 

 自己紹介が終わったら、すぐに2人は打ち解けて、好きなものとか、配信についてとかの話をしていた。

 

「彩葉、メイクは私が車の中でしてあげるから、着替えて」

「でも私買うものないよ?」

「水着、去年の奴使うつもりだったでしょ?」

「そうだけど…」

「えっ、それはダメよ」

 

 かぐやとじゃれ合ってた椰花さんが真顔でこちらを向いた。

 びっくりして、ちょっと変な声出た。

 

「芦花、真実ちゃんも新しいのでしょ?」

「うん、そうだよ」

「これから、芦花とかぐやちゃんの水着買うんだから、いろはちゃんも新しいの買いなよ」

 

 確かに、新しい水着は欲しいけれど…

 

「でも、お金が…」

「だぁーそういうのは大人の役割!」

 

 全然分かってないね、と言わんばかりに指差してくる椰花さん。

 

「好きなの買ってあげるから!いろはちゃんは夏を、海を楽しむことが仕事。かぐやちゃんも、いろはちゃんのかわいい姿みたいでしょ?」

「見たい~!!」

「そういうことだから、彩葉、はやく着替えて出かけるよ」

 

 ワクワクが収まらないよ、といった感じにかぐやが目を輝かせて腕を掴んでいう。

 

「いろは~!はやくっ、はやく行こっ!」

「あ~もう!わかった、すぐ着替えるから少し待ってて…」

「素直でよろしい!」

「じゃぁ、私とやーねぇは車いるから、かぐやちゃん連れて来てね彩葉」

 

 そういって、部屋から出ていった。

 

「楽しみだね、いろは!」

 

 咲く前の綺麗な蕾のように笑うかぐや。

 いろいろ考えることはあるけど。

 

「確かに、楽しみだね、かぐや」

 

 思っていることは同じようだ。

 

 

 

 

 それから日が飛んで、当日。

 海水浴場までは椰花さんが送ってくれた。付近にある取引先とのミーティングがあるらしくそのついでとの事。私達を下ろした後はすぐに、仕事あるからと椰花さんは去っていった。

 

「えっ、いろは綺麗すぎ…これは、やばいね芦花」

「やばいっしょ真実」

 

 そういって、口を抑える真実と泣きそうな芦花。

 

「そ、そんな見られると、流石に、恥ずかしい…」

「いろは~最高にかわいい~!あ、芦花、鼻血出てる」

「ぐっ、恥じらう彩葉ヤバすぎ…」

 

 そういって、胸を抑えながら片膝をつく芦花。

 

「ちょ、芦花大丈夫!?」

「芦花はほっといて大丈夫だと思うよ~」

「それにしても、いろはの水着最高に似合ってるね~!!!」

 

 そんなに、似合っているだろうか。

 

「深海のような紺色を基調としたタンキニよりのクリスクロス、腰には流星モチーフの青と水色のパレオ…肌の露出面積は少ないのに、彩葉が生来もつスタイルの良さが相まって、ミステリアスな大人の雰囲気が出てる。のに、可愛さはそのまま…最高っ!!!」

 

 そういって、目のダムを決壊させながらサムズアップする芦花。

 …鼻血拭いたら?

 

「いやぁ…これ誰が選んだの?」

「水着はかぐやだよ!パレオは椰花!」

 

 私がやりました。と言わんばかりにドヤ顔で謎ポーズを決めるかぐや。

 

「え、選んだのは芦花じゃないんだ~意外~」

「私は…使いものにならなかったから…」

「あっ…全部理解したわ」

 

 そんなこんなで、椰花さんが迎えに来るまで存分に海を満喫した。

 

 一通りの遊びをし、もうそろそろ日も沈み始めそうな頃。

 

「海はどうだ~お姫様たち」

「「「あ、椰花~(さん)おつかれ~(お疲れ様です)」」」

「や!ありがと!」

「やーねぇ、おつかれさま。仕事は?」

 

 レジャーシートのうえで各々ジュースや海の家で買ったものを食べて過ごしていたら、いつもの作業服の椰花さんがきた。

 

「終わったよ、思ってたよりスムーズにすんで良かったよホント…どう?楽しめたかい?」

「おかげさまで」

「サイコーの思い出になった!!」

「それは良かった!」

 

 夜空の星のように椰花さんは笑った。

 

「あ、写真撮ってあげるから、そこ並びな~」

「「「「はーい」」」」

 

 そうして撮って貰った写真は、満開の花束のようだった。

 

 

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