スカイリムをオリキャラで遊ぶ 作:Revak
「じゃあ、作戦会議ー」
ジェーンとザックはエンバーシャード鉱山の中にある椅子に座っていた。間にはちゃんとテーブルがある。
「は、はい……」
ザックは怯えながら肉と酒を用意する。ホーカーの肉だ。
ホーカーとはセイウチのような海生生物だ。
上顎に一本、下顎に二本の大きい牙を持つ風貌が特徴的。
肉は美味で嫌いな人間は殆どいない。
ジェーンは肉をむさぼる。
「まずは自己紹介。俺は……うーん。この体に倣ってレイ・アーヴェルスと名乗ろう」
「名字があるってことは貴族ですか?」
「いや一般人」
この世界の一般人は名字など持たない。
商家や貴族などが名字を持っている程度だ。
「お前の名は?」
「ザックです」
「そうか、よろちんこザック」
ジェーン改めレイの下ネタにザックは愛想笑いで返した。
「それで、俺の最終目標はこの大陸の征服だ。帝国もサルモールも打倒して征服する。そのためには兵力と資金の二つが居るわけだが、なんかあてはあるか?」
帝国とは二百年前まではこの大陸を支配していた大国の事だ。
今は一部地域が支配領域から外れている。
それらはデイドラロード(邪神)メエルーンズ・デイゴンのせいである。
オブリビオンの動乱と呼ばれる事件のせいで帝国は弱体化したのだ。
詳しくはオブリビオンかオブリビオンリマスターをやろう! 作者もやったんだからさ!
「そんなこと……」
「出来るわけがないと? かのタイパー・セプティムがやってのけたんだ。出来ない道理はないと思うね」
レイとしては最悪でもスカイリム地方だけでも支配下に収めたいと思っている。
理由は単純でこんな中世以下の暮らしなんぞ御免被るからだ。
一から英雄として成り上がることなどドラゴンボーンではない自分には出来ない。
だからこそ力で全てを手にしようというのだ。
「それじゃあまずは資金集めだ。各地の遺跡や山賊どもを潰して回って金を得るぞ」
「わ、わかった……わかりました」
こうしてレイとザックの旅が始まった。
■
「まるでテーマパークに来たみたいだぜ。テンション上がるな~」
二か月後。レイとザックはマルカルスに来ていた。
スカイリム全体で言うと西にある都市であり、特徴としては石の街だ。
ドワーフ、ドゥーマーが残した都市を再利用している都市であり建物は他の都市と違い石造りの物しかない。
スカイリム最大の銀鉱山を抱える都市である。
そして何よりも最大の特徴は治安の悪さだ。
「フォースウォーンの為に!」
男がそう叫びながらアクセサリーショップを覗いていた女を背中からさして殺した。
男がまだ何か叫びながら暴れまわる。
ついにはレイの方にも来たのでレイは男の頭を掴んで三百六十度ねじ巻いて殺した。
「なんてこと……街にフォースウォーンが!」
フォースウォーンとはこの二十年ぐらいで活動を活発にしてきたこのマルカルスがあるリーチの原住民の事だ。
内部データ的には種族はブレトンである。種族的に魔法に対して高い耐性を持つ。
ゲーム上では厄介な敵だ。レベル百を超えていても難易度次第でフォースウォーンの上位種はゴリゴリ体力を抉ってくる。
因みに男女ともに露出が高い格好を好んでいる上デイドラ信者の魔女と契約を結ぶこともあるなど完全な蛮族である。
「あららぶっそうねぇ」
ザックちゃんこわーいとレイはザックにわざとらしく抱き着いた。
ザックはレイのデカパイを堪能した。
「おい、そこのあんた、これを落としたぞ」
そうしているレイに話しかける者がいた。
ブレトンの男だ。
「ああ、ありがとう」
レイはそう言い受け取った。
「それじゃあ、俺はこれで」
男はそういうと立ち去っていった。
「ボス、なんすかそれ」
この二か月でレイはザックとも仲良くなっている。流石にセックスはしてないがフェラはした。
「ん、この都市を手にするためのピースだよ」
レイとザックも市場から離れる。
離れた先で貰ったメモを開く。
そこには『タロス像のところに来てくれ』と書いてあった。
タロスとはタイパー・セプティムというこの大陸を史上初統一した皇帝の名だ。
死後神、エイドラに祭り上げられた存在でありスカイリム地方では信仰が盛んである。
レイは笑顔で街を歩く。
向かう先は塔の内側だ。
今、レイはズボンと靴、そしてブラだけの格好をしている。
胸を露出しているがこの世界ブラとパンツさえ履いていれば基本捕まることはないので問題はない。
こうした格好をしているのはレイの趣味半分実利半分だ。
レイの戦闘スタイルだと着ている服がすぐに駄目になるので服代を安く済ませるためである。
「~♪」
レイは上機嫌にタロス像の前に向かって言った。
鉄だがなんだかわからない合金製の扉を開けて中に入る。
入ってすぐは階段で降りていくとタロスの像がある。
その像の前には男、エルトリスが立っている。
「よく来てくれた」
「ああ、大方あの襲撃について知りたいんだろう?」
「……そうだ。俺は何年もフォースウォーンとこの街について調べている。だが、進展は無くてな……」
「それなら問題ない。俺がだいたい知っている。全ての黒幕はボロを纏った王、マダナックだ」
その台詞にエルトリスは目を見開く。
「……待て、なんでこの街に来たばっかのあんたが知ってる?」
「独自の情報網、というやつだ」
ニヤリとレイは笑みを浮かべた。
「そ、そうか……なら、そのマダナックをどうにかすれば……」
「いや、悪いがどうにかするつもりはないぞ」
「なんだって?」
「俺はいずれこのマルカルスも手中に収める。夢はでっかく大陸征服だ」
レイの台詞にエルトリスは間抜けな顔をした。何を言っているんだこの女は、と。
はたから見れば急に変なことを言い出した女でしかない。ただし美が頭に着くが。
「それじゃあ、私は投獄されてマダナックに会いに行ってくる。持ち物全部ザックに預ける」
「わかった」
瞬間レイは服を脱ぎ始める。
ブラを外し靴を脱いでズボンを脱いでパンツも脱ぐ。
すっぽんぽんの美女になった。
突然の奇行にエルトリスは頭が混乱しザックはいつもの事かと納得する。
レイとザックはこの二か月でダンジョンや山賊の砦を幾つか攻略しその度に奇行を披露しているのでザックも慣れたものである。
「じゃあちょっと出てくる」
そうしてレイは階段を上って外に出た。
外に出た瞬間通行人の傭兵がぎょっとした目でレイを見た。
全裸の女が街中に現れれば混乱するのも無理はない。
ただの女ならともかく身長百九十二センチという高身長美女だ。
そのまま市場の方に歩いて行くと女性の「きゃー!」という叫び声が上がった。
そこに更に男どもの視線がレイの胸や股間に集中する。
中には勃起する者も居た。
「と、止まれ! そこの女! なんだ!」
騒ぎを聞きつけた衛兵が取りあえず剣を抜いてやってくる。
「私は痴女だ」
「見ればわかる! 何をしているんだ!」
「何って……全裸で外を歩くと気持ちいいいから歩いているだけだが」
「街中でするんじゃない!」
「街中以外ならいいと?」
「そういう訳でもないがやめろ! 子供の教育に悪い! お前を逮捕する! シドナ鉱山にぶち込んでやるからな!」
こうしてレイは逮捕され鉱山にぶち込まれた。
■
「おら、とっとと入れ!」
レイはそう尻を蹴っ飛ばされ鉱山の中に入れられた。
鉄のドアが閉まり鍵をかけられる。
入ってすぐはまたも階段だ。階段をレイは降りていく。
降りた先は広間だ。床に焚火があり何人かが火にあたっている。
真っすぐ進むと其処には鉄の扉があり前にはオークの男が立っている。
オークの元に進もうとしたレイに囚人の一人が話しかけてきた。
「よう、新入り。お前は何の罪でここに来た?」
「全裸で街を歩いてきた」
「は?」
「すっぽんぽんになって街中歩いたぐらいで投獄されるなんてひどいと思わないか?」
「……俺はお前の頭の悪さがひどいと思うが……」
囚人は苦い顔をした。
「まぁいい。マダナックに会いに来た。どこにいる?」
原作知識でわかり切っていることをレイは尋ねる。
「それなら、野獣のボルクルの奥にある扉の先だ。ただボルクルは獣のように強い。会うのは無理だ」
「いいや、会えるさ。ありがとな」
レイは礼を言うとボルクルの前に立つ。
「ボロを纏った王に会いに来た」
「ほう、おまえのような女が? 肉奴隷になりに来たの間違いじゃないか?」
「そんなものにはならん。会わせろ。さもないと殺すぞ」
その台詞に聞いていた囚人たちとボルクルが大いに笑った。
「はっはっは! 女が粋がるものじゃないぞ! どれ、拳で少し痛めつけてやろう」
ボルクルが拳を構え、レイに突撃する。
レイはそれを避け、ボルクルの横っ腹に蹴りを入れた。
手加減した蹴りだが威力は充分。ボルクルを横に吹っ飛ばした。
笑っていた者たちも目を点にして驚いた。
「で、どうする?」
レイはにやにやと笑いながら倒れたボルクルに問いかけた。
「ど、どうやらお前は強いな……」
横腹を抑えながらボルクルは呟いた。
「いいだろう。ボロを纏った王に会わせてやろう」
「サンクス。じゃあな」
「待て、鍵を渡──」
「んなもんいらん」
レイはそういうと鉄の扉を捻じ曲げて開け中に入っていった。
中は一本道の通路だ。右手側に通路があり左手にトイレがある。
奥に進むと小部屋になっており机とテーブル、そしてベッドが置いてある。
「ボロを纏った王、マダナック。取引をしに来た」
「……露出狂が何の話だ?」
「流石耳が早い。俺の目的は単純にこの大陸の征服。それをするにあたってこのリーチの支配権をお前に与えてもいいと思ってな。その代わりにフォースウォーンという戦力を寄越せ」
その台詞にマダナックは笑った。
「はん! 有史以来タロス以外出来てない大陸統一をお前がするだと? 出来るわけもない妄言を垂れ流すのはさすが馬鹿な女と言ったところだな!」
「いいや、出来るさ。証拠はここにある」
レイはそういうと己の腹を膨れ上がらせる。
そこから脳みそ、心臓、肺といった内臓を作り出し更に人型にし骨も筋肉も作る。
そうしてレイから一人の人間が分離され生み出された。どこにでもいるノルドの男の容姿をしたものが生み出された。
実際は乗ノルドではなくホムンクルスという種族だ。
ホムンクルスはレイの前に膝をついて忠誠を示した。
「こ、これ、は……」
「命の創造。俺は俺から俺に忠実なシモベを量産できる。やろうと思えば一秒に一体かな。それを時間にすると三千六百体作れるていう訳だ」
マダナックは開いた口がふさがらなかった。
それはつまりかつて帝国を滅亡の危機に陥れた狼の女王、ポテマと同じことが出来るという事。
無限の兵力とはそれだけで脅威である。
マダナックはごくりと唾をのんだ。
確かにこの女の力があればスカイリム征服ぐらいはたやすいだろう。帝国もストームクロークも蹴散らせる。
「いいだろう、乗った。お前のその甘い甘言に乗ってやろう」
「契約成立だな」
レイはニヤリと笑い手を差し出す。
マダナックも手を出し握手をした。
「だが悪いが、今すぐ行動を起こすわけにはいかない」
「何故だ?」
「世界を食らう者、アルドゥインが復活した。それをどうにかせねば大陸征服の前に世界が滅ぶ。まぁ、そこはドラゴンボーンに任せるとして……最短でも半年は潜伏する必要がある」
「ノルド神話に出てくる終末の竜にタロスと同じドラゴンボーンか……わかった。潜伏するとしよう。だがその間この監獄に居るのは飽き飽きだ。脱獄するぞ」
「おk」
そうしてマダナックとレイは小部屋から出て外に集まる。
「ボルクル。囚人たちを集めてくれ」
「わかった」
ボルクルに指示を出し囚人を集める。
五分ほど待つと囚人全員が集まる。
「よし、これから我々は脱獄する。ルートは既にある。坑道の一つがドワーフの遺跡と繋がった。そこを通っていけばマルカルスに出る。武器や防具は伝手があるので脱獄前に手に入る。外に出たら市警隊と戦闘だ……何か気になることは?」
「何もない」
「よろしい。なら行くぞ」
そうしてレイとマダナック、囚人一行は脱獄を始める。
「フォースウォーンの為に!」