「いやー、諌山さんが居てくれて助かったよ」
「うん、私も甘いものは大好きだからいいんだけど…」
『カップル限定:DXパンケーキ』
「これ、ど~~~しても食べてみたかったんだよね!楽しみだな~~」
これに誘われるとは思わなかったな~~~~~~~~~~~~~
「諌山さん、土曜日って暇?」
珍しく出水君が学校で話しかけてきた。彼は大概休み時間はお菓子のレシピを考えてるか男友達と話してる様子だった。
「暇だけどどうしたの?」
「実は、ちょっと気になるお店があってさ…一緒にどうかなって?」
それは所謂デートのお誘いってやつなのでは?と思ったがこのくそボケにそんなことわかる訳もないかと判断して了承した。
「いいよ~、どんなお店なの?」
「パンケーキが美味しいお店なんだって、時間はまた改めて連絡するね」
「分かった~~」
そう言って、彼は自分の席に戻っていった。
「真実、出水君と付き合ってんの?」
芦花がそんなことを聞いてきた。
「付き合ってないよ~?愚痴とかはよく聞いてくれてるけど」
「真実、愚痴りたいことあったなら私たちも聞くけど?」
彩葉も私を心配するように聞いてきたが、彩葉が原因ですとは芦花のためにも口が裂けても言えなかった。しかも言い方が完全に『俺の方だけ見てろよ』の言い方すぎる。乙女ゲームのキャラか己は…
「でも顔がでれっでれになってるけど…」
「パンケーキが楽しみなだけ!!////」
他意はないから!!////
二人の怪訝な視線に対して、『お前等が原因なんじゃい!!』と言い出さなかっただけ許してほしい。
「諌山さん?どうしたの?顔赤いけど?」
「な、何でもないわい!!////」
「そう?体調悪かったら言ってね。」
心の底から心配してくれている彼の表情に少しドキッとした。
「う、うん////」
「次でお待ちのお客様お待たせしました~~」
「あ、呼ばれたみたいだよ。行こ」
「そ、そうだね////」
「ご注文は如何なさいますか?」
「この限定パンケーキを二つでお願いします。」
「お客様申し訳ございません、そちらの商品は一組につき一点のみのご注文となっております。」
カップル限定なのに!?恋人同士で来て同じもの食べれないのは問題にならないだろうか…
「分かりました、諌山さんが食べなよ」
「え!?出水君が一番楽しみにしてたじゃん私の事は気にしないで食べなよ」
まさかの発言に戸惑っていると
「お客様、ご安心ください。こちらのカップル限定DXパンケーキは一皿で2人分の量となっておりますのでお連れ様と一緒に食べれますよ」
「そうなんだ!良かったね諌山さん」
「そ、そうだね」
一皿で2人分なのは助かったが恥ずかしすぎるので大きな声でカップルとか言わないでほしい。
周りもチラチラとこっちを見て『高校生のカップルだ~初々しいね~』とか『ブラックください』とか言い出している
「にしても、DXパンケーキってどんなのだろうね」
「え?調べてから誘ったんじゃないの!?」
彼の事だからてっきり下調べしてから誘ってきたものだと思った。カップル限定については『カップルって仲良しの女の子のことでしょ?なら諌山さんかな?』くらいの思考回路だろうと予想している。
「うん、お店の常連さんにお話しとお店の場所を聞いたんだ~。」
「その人、条件の事なんも言わなかったの?」
その常連が誰かは知らないがおかげさまで大変恥ずかしい目にあったのでいつか一言文句を言ってやろうと考えていると
「『いつも楽しそうにお話している女の子を誘え』としか言わなかったよ?」
『いつも楽しそうにお話している女の子』ねー…私じゃん!?////
「そのお客さんも『新刊のネタにしたいからお店に行ったら起きたこと全部教えてね』とも言ってたな」
「絶対に話しちゃだめだよ!?」
下手に話すと、自分の話題がお盆か年末にコミケに流れるとか考えたくない。
「お待たせしました、カップル限定DXパンケーキです。」
注文の品が届いたがちょっとツッコませてほしい。
「わー見てよ諌山さん!美味しそうだよ」
「うん美味しそうだね。」
♡の形をしているのはカップル限定だからだと分かってる、でもなんで
「なんでナイフとフォークが一膳しかないんだろうね?」
一皿で2人分というからナイフとフォークも二つあるか取り皿でも来るのかと思った。
「はい、あーん」
「へあ!?////」
店員を呼んでもう一セット貰おうと考えていると出水君がこちらにパンケーキを差し出してきた
「食べないの?」
「た、食べます////」
半分やけくそになって食べた、美味しいけどあんまり味は分からなかった。
「俺も食べよ、うま!!」
「!?////」
こここここれってかかかかっ間接キス!?////
「すみませーんお客様、ナイフとフォークもう一膳お持ちいたしました。」
「あ、ありごとうございます////」
「「ごちそうさまでした。」」
正直、間接キスの衝撃が強すぎて味なんてほとんど覚えてない。
「お会計は2500円になります。」
てことは一人1250円か…「Suicaで」
「出水君!?」
「ありがとうございました。またお越しくださいませ~」
お店を出てからせめて半分は出させてほしいと伝えると
「だって、こういう時は男が奢るもんなんでしょ?それに元々俺が誘ったんだし気にしないでいいよ?」
「で、でも…」
「うーん、そう思うなら諌山さんが好きなお店教えてよ。またデートしよ」
デデデデート!?////このくそボケにその概念があったのか!?
「諌山さん?大丈夫?顔赤いけど?」
「だだいじょうべい////」
「べい?」
噛んだ////
「わ、分かった。今度教えるね////」
「やったー!!楽しみだなぁ…」
なんか、次のデートの約束をするカップルの会話みたいなことをしてるな…あんまり芦花のこと言えない一日を過ごした。
いや、違うんですよ。本当は一膳しかない理由はあーんで食べさせるためっていうネタを考えてたんですよ。普通にスタッフのミス扱いにしました。理由付けがこじつけすぎた。
原作に突入させるかどうか?
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原作に行け!(時を進める)
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いやいや、このまま原作前で進めよう
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段階踏んだ上で原作へ
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ちくわ大明神