8000年待ってるんだし数日くらい待てるよね?(暗黒微笑)
一通り泣き枯らした後にお医者さんを呼んで精密検査をしてもらったが
「見えてる?」
「ぼんやりとだけ」
出水君の視力が落ちていた
「一応、4月の健康診断の時が2.0だったんだけど今は裸眼で0.001まで下がってるから」
「裸眼だとほとんど見えないと思ってね」
「メガネかコンタクトにすれば見えるから大丈夫だよ」
「そうですか」
何処か元気が無いように感じる。
「一応、今日までは検査入院って形で病院に居てもらうから。明日には帰れるからね」
「分かりました。」
そう言って立ち上がろうとしたが
「あ、あれ?」
上手く歩けてすらいなかった。
「ごめん、諌山さん病室まで連れてってくれない?」
「いいよ、はい」
そういって私と出水君は手を繋いで病室まで戻った
病室に戻ると出水君のお母さんとお父さんが居た
「おかえ…母さん、父さんと一緒に少し席外しておこうか?」
「そうだね、彼女と一緒の所にお邪魔するわけにはいかないし」
そう言えば、普通に手を繋いでいた////
「そうだね、ちょっと話たいこともあるから少し外してくれると助かる」
話したいことって何だろう?
それを聞いた出水君のお母さんとお父さんが病室を離れた
「諌山さん、実は明日…墓参りに一緒に行って欲しくて」
「お墓参りに?」
「そう、陽兄ちゃんの」
そう言えば、意識を取り戻そうとした出水君が呼んでいた
なんて言えばいいんだろうか?『お兄さん居たんだ?』なんか違う気がする。
「明日も学校あるのにこんなこと頼んでるのは変かもしれないけど」
「いいよ、お兄さんのお墓参りに私も連れてって」
「ありがと、諌山さん」
良かった、何処か表情が暗い気がしていたけど少し明るさが戻ったように感じる
「真実ちゃん、もう夜も遅いしお家まで送るわよ」
「ありがとうございます。」
「母さん、諌山さんをお願いね」
「あんたそれが人にものを頼む態度なの?『大事な彼女が心配なのでお願いいたしますお母さま』くらい言いなさいよ」
「!?//」
「諌山さんが大切なのは本当だし心配だけどババアにお母さまとか言いたくない」
「真実ちゃん、本当にうちの馬鹿でいいの?」
「まあまあ二人とも」
出水君のお父さんは家できっと苦労してんだろうな~
「大体、母さん免許持ってないじゃん」
「失礼なこというボケカスにはメガネ渡しません」
「謝りますのでそれを私にご提供くださいお母さま」
「よわ!」
「いや、だって今の俺歩くのもやっとなんだよ?」
「確かにそうだけどさ」
「真実ちゃんが手をひいてくれるから甘えてんのよこの子は」
「いやいや、それは無いですよ」
流石に申し訳なさそうにお願いしてきたので本当に見えづらいんだろうと思うのでそういう意図はないだろう。くそボケだから
「//////」
え?本当にそうだったの?
「は~ほんまにこいつは…真実ちゃんは私達で責任もって送り届けるから安心しなさい。明日は雷君に退院とかお願いしてるから」
「分かった、雷にぃにも謝らないと」
「じゃあ、またね出水君」
「うん、また明日」
そう言って、私は出水君のお父さんとお母さんに連れられて病室を後にした
「ねえ、真実ちゃん」
「はい?どうしました?」
「あの子、目覚める時に何か言ってなかった?」
「………一人にしないでって、置いてかないでって言ってました。」
「………そう」
「あと、陽兄ちゃんって呼んでました」
「諌山さんは海斗にお兄ちゃんが居たのは知ってる?」
「いえ、今回のことで初めて知りました。」
やっぱり、お兄さんと何かあったんだろうか?
「陽太はね、海斗の3つ上だったんだけど、海斗が7歳の時に病気で亡くなっちゃったの」
「それであの子、一年くらいかな?最近の海斗みたいな感じって言えば伝わるかしら?」
「すごいピリピリしてて、大好きなお菓子作りもせずに勉強しててね。殺気立ってたくらいよ」
『陽兄ちゃんが死んじゃったのは俺が頭悪いからだ』
『俺がもっともっと賢くてお医者さんよりも賢かったら陽兄ちゃんが死ぬこともなかったんだ』
「てね、ガキの癖に偉そうに勉強ばっかしてた。」
殺気立つ出水君というのは想像できる。彼は責任を全部自分で抱えようとしていた。
「もう、お医者さんになるより先にあの子が遠くに行っちゃうんじゃないかって親の私達が気が気じゃなかったの」
「その時だったかな?陽太の部屋から海斗にだけ当てた遺書が見つかったのは」
「遺書ですか、なんて書いてあったんですか?」
『変化を恐れるな自由に未来を生きろ』
「それだけよ、親の私でも意味が分からなかったわ」
「海斗も最初は意味が分からなかったみたいだけど、理解しようとしていくうちに自然とね…今の海斗みたいなぽやぽやのくそボケに落ち着いたわ」
「お兄さんは出水君のこと、分かってたんですね」
きっと、お兄さんは自分が死んでしまったら優しい彼のことだから『俺がもっと!』って追い込んじゃうんじゃないかって気が付いてたんだろうな
「陽太も海斗に負けず劣らずのくそボケだったのよ。」
「確かに、お見舞いに行った時に部屋に居ないと思ったら入院してる女の子を励ましてたことあったな」
「そうそう、当時8歳とかだったのに5歳の女の子が注射されてるのを自分がされてるかの様に痛がったりしてね。終わったらその子を抱きしめながら『偉いね』って何回も言ってた」
「薬を嫌がってる子と一緒に薬を飲んで出来たら『よく頑張ったね』なんて言ってたっけ?」
「海斗なんて『俺の兄ちゃんなのに』なんて珍しく拗ねたりしてたしね。」
可愛いな
「それ知った陽太が海斗を抱きしめて『俺の弟が宇宙一可愛い』とか言ってたりしてたわ」
「仲良し兄弟だったんですね」
「陽太、料理はヘッタクソだったけどね」
「目玉焼きを黒ずみにするのは才能あるよ。マイナスの方向で」
「明日、陽太のお墓参りに行くんでしょ?」
何でそれを知ってるんだろうか?
「あの子、陽太のお墓参りだけは今まで何言っても行きたがらなかったの」
「………そうだったんですか」
だったら、何で私を誘ってくれたんだろう?
「きっと真実ちゃんのおかげね」
「だといいんですけど」
なんて話してたらもう、家の前まで着いてしまった
「真実ちゃん、海斗の事…息子の事お願いね。あの子はくそボケで向こう見ずで変わった子だけど」
「大丈夫です」
だって、私は
「そんな海斗君が大好きですから」
陽兄ちゃんはよくこんな退屈なところで過ごせたな…
体感、たった一日入院していただけなのに…こんな時に兄の偉大さを感じることになるとは思わなかった
「おはよう、出水君」
「おはよ、諌山さん」
一度、病院の前で待ち合わせをしてから雷にぃを待つことにした
「おはよう、海斗。諌山さん」
「おはよ、雷にぃ」
「おはようございます」
何話したらいいか迷っているうちに雷にぃが来た
「毎回思うけど、雷にぃなんで待ち合わせの度にベジータの指のやつするの?」
何?未来に息子でも帰るの?
「なんか、かっこいい」
雷にぃはそういうところがあった
雷にぃの運転で走る車の中は何を話したらいいか分からなかった
「そう言えば、乃依から伝言預かってるぞ」
『黒鬼の経費でお菓子買う話は無しね。あと、今度チョコケーキ作って』
「だと」
「は~い」
まあ、そうだよな。色々やらかしたし
「あと、チート返しとけよ」
「うん、そうだね。雷にぃから渡しといて」
「駄目だよ、自分で返さなきゃ。」
「一緒に謝ってあげるから…ね?」
「うん、ありがと」
なんか、諌山さんに甘えてばっかだな俺
「海斗、車止めてくるから先に行ってくれ」
「分かった、ありがと雷にぃ」
「気をつけてな」
出水家之墓と書かれた墓石の前に着いた
「陽兄ちゃん、来たよ。」
今日は大事な人を連れてきたんだ
「はじめまして、海斗君の友達の諌山真実と言います」
線香を焚いて手を合わせた
兄ちゃん、俺さ好きな人が出来たんだ、それも二人も。
一人はいま、横に居る諌山さん。
俺が作ったお菓子を超美味しそうに食べてくれる笑顔が素敵な人なんだ。俺が迷ったりしてると背中を押してくれる。俺さ、この人に会ったおかげでお菓子作りの楽しさを思い出せたと思うんだ。
諌山さんに会うまでは見知らぬ誰かの笑顔を想像してたけど最近は諌山さんが美味しいって笑う顔が見たくてお菓子作ってた。最高に楽しかったし、笑顔が見れると最高に嬉しかった。
もう一人はかぐやっていう女の子なんだ
この子の楽しそうに何でも挑戦する姿に俺は惹かれたんだ。かぐやが何か頑張ってると俺も頑張ろうって気になってくるんだ。歌が得意で笑顔が素敵なんだ。
なんか、笑顔が素敵しか言ってないね。でも、二人とも本当に綺麗に笑うんだ。
かぐやの事、好きだって分かってたのに何で気持ちに答えれあげれなかったんだろうってずっと後悔してる。
陽兄ちゃん、俺………どうしたらいいんだろうね。
生きてたら何か教えてくれたのかな?…そっちに逝こうとしてた俺を追い返したのは兄ちゃんだったね
兄ちゃんが追い返してくれたおかげで俺、自分の気持ちに気づけたよ。
「諌山さん、今日は本当にありがと」
「いいよ、私の方こそありがとう」
2人とも、こんなに不安にいっぱいになりながら気持ちを伝えてくれたんだな
「諌山さん」
「どうしたの?出水君?」
「好きだ」
「それは、友達として?」
「ううん、俺は諌山真実って女の子が一人の女性として好きなんだ」
「………嬉しい」
「でもね、海斗君。自分に嘘ついたら駄目だよ」
「別に嘘なんてついてないよ?」
「駄目だよ、自分の気持ちから逃げたら」
「逃げてないよ。本当に好きなんだ」
「分かってる、それは嬉しい」
だったら何で逃げてるとか言うのだろう?
「かぐやの事も好きなんでしょ、分かるよ。ずっと君を見てたもん」
「………ごめん」
本当はどっちかを選ばなきゃいけないんだと思う。でも俺はどっちも選べなかった
妥協で諌山さんを選んだと思われても仕方ないと思う
「かぐやにも好きってちゃんと言わないと。それを言った後にもう一度私に告白して」
「でもかぐやはもう………」
月に帰ってしまった。もう一度地球に来る保証なんてどこにも
「彩葉が今、頑張ってかぐやの為の曲を作ってるらしいの」
「そうなんだ」
「きっとそれを聞いたかぐやはすぐに帰ってくるよ」
「うん、そうだね。かぐや、酒寄さんが作る曲大好きだもんね」
「そうだよ、だから君が今することは皆に元気な顔を見せることだよ」
「そんな顔してたら駄目だよ。皆心配しちゃうから」
「うん………ごめん………昨日からずっと甘えてばっかだね俺」
「いいんだよ、辛いときは私がそばにいるから」
「うん………うん………」
「私の前だと頑張って強がろうとしなくていいんだよ。弱くたって泣き虫だったっていいんだよ。」
「諌山さん………俺………俺………」
「私は海斗君が大好きなの、だから大丈夫。私は絶対に君の前から居なくならないから」
枯れたと思った涙がまた零れだした
「かぐやにだってもう一度会えるよ。」
「かぐやだって私と同じで海斗君の事大好きだもん。だからもう一度絶対会える」
「泣き虫な海斗君に特別なおまじないをしてあげる」
そう言って諌山さんは俺の唇に軽く触れる優しくて柔らかいキスをした。
「ほらね、泣き止んだでしょ?」
すげえ、直近三話の文字数が平均4000近いぞ!!筆が進む進む。
あと、数日のうちに最終回迎えそうだわ。
時間だけだ無限に欲しい。
一応、陽太兄ちゃんの簡単な設定だけ。
ブラコン、年下に対するくそボケ力高め、料理下手、運動神経は良かった。
死因は肺炎
小児科のお兄さん的存在で看護師さんからの信頼も厚かった。
原作に突入させるかどうか?
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原作に行け!(時を進める)
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いやいや、このまま原作前で進めよう
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段階踏んだ上で原作へ
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ちくわ大明神