「ねえ、真実」
「どうしたの?彩葉?」
彩葉がかぐやの秘密を話してくれた時と同じかそれ以上に深刻そうな顔で相談してきた内容は
「恋人って何したらいいの?」
「は~ほんまこいつは」
結構くだらなさそうだった。
「……真実は出水くんと二人の時ってどんなこと話したりしてるの?」
「私と海斗君?」
別に変なことはしてないと思うけど
「海斗君の受験が終わるまでは息抜きにカフェに行ったりしてたくらいかな?」
「なるほどね」
何かひらめいたらしい彩葉がそそくさとスマホを操作していた
「よし!」
「何が『よし!』なの?」
そう聞くと彩葉が自信満々にスマホをこちらに向けながら
「芦花をデートに誘った!!」
スマホのトーク画面には
『明日、私と芦花と真実と出水くんで出かけよう』
『芦花:いいよ~』
『海斗:おけおけ』
彩葉よ、それはデートのお誘いではなくて遊びのお誘いではないだろうか?
あと、しれっと私達を巻き込むな
「というわけでよろしく真実」
「なんでやねん!!!!!」
似非関西弁もゆるしてください
「あ、真実おはよ~」
「おはよ、芦花」
「にしても彩葉も急に誘ってきてびっくりだね」
「ソダネ」
昨日の彩葉は『芦花なら真実と出水くんと一緒って時点でダブルデートだと思ってくれるはず!!』
と超自信ありげであったが
「たまには普通にみんなで遊びに行くのもいいね~」
「ソダネ」
哀れ、彩葉。
今日の私は彩葉と芦花のサポートはしないと決めていたので何も言わずに集合場所に向かった。
集合場所には彩葉と海斗君が先に到着していたようだが
「なんで、あの二人距離が近いの?」
「なんでだろうね~」
なんで傍からみたら恋人同士にしか見えない距離感で並んでるんだろう?
「あ、真実さん、綾紬さんおはよ」
「おはよ芦花、真実」
「おはよう彩葉、出水くん」
「おはよ、海斗君、彩葉」
私は二人の間にずいっと割り込んでとりあえず、なぜか距離の近い二人を引き離した。
「「??」」
くそボケどもは不思議そうな顔をしていたがそれはこっちのセリフじゃい!!
ていうか、彩葉に関してはデートのつもりなんでしょ!!芦花の前で恋人じゃない人とその距離感は問題では!?
とりあえずお店を探すために歩き始めたので海斗君に聞きたいことを聞いた
「ねえ」
「何?」
「なんで彩葉と距離が近かったの?」
「え?あ~もしかしたら大学での影響かも」
「大学で?」
「うん」
彼らは確かに同じ大学、同じ学部に通っている
「まず大前提として俺も酒寄さんも恋人がいることは言ってんのよね。面倒ごと回避のために」
「それはわかる。」
二人とも顔が整っているし彩葉も高校の時めちゃモテてたのでそれは分かる。
「んで、話がどうねじれたのか全く分からないんだけどなぜか俺と酒寄さんが付き合ってるってことになってて」
「なんでぇ!?」
いや、冷静に考えたら彩葉が一番仲が良い男の子が海斗君だけならば周りは必然的に勘違いしてもおかしくはないのか?
「んで、噂を否定するのも面倒だし。それで恋人紹介してって言われて自分の恋人を紹介したとしてそこから恋人が狙われるのはお互いに嫌だねってことで」
「噂を特に否定せずに放置してるんだよね~」
「ん~~~????」
それって私と芦花が狙われるのも嫌だし。自分たちが変に狙われないようにお互いを利用してるってこと?
「芦花が狙われるのはまだしも私は別に問題ないと思うけどな~」
「………………真実さんは自分も可愛いのだということをもっと理解した方がいい」
「ふぇ!?//」
「ねえ、綾紬さん。酒寄さん」
「どうしたの?出水くん?」
「真実さんって可愛いよね?」
「真実、可愛いよ」
「うんうん、真実は可愛いよ~」
「あ~~!!恥ずかしいからやめて!!//」
彩葉は何言ってんの?くらいの顔で言ってくるし芦花はめっちゃニヤニヤしてくる!!
彩葉と海斗君が二人でゲーセンでゲームを遊んでいるのを芦花がほほえましそうに見ながら私に話しかけてきた
「真実。みんなで遊ぶと楽しいね」
「ソダネ」
やはり、海斗君は当然として芦花もダブルデートとは思ってなさそうだよ彩葉
お昼を食べるために移動しようとしたときに芦花が
「ごめん、私お手洗いに行ってくるね」
「変なのに絡まれたら面倒だから俺、途中までついていくね」
「別に大丈夫だよ?」
「綾紬さん、優しいから断るの苦手そうだし男避けだと思ってくれたらいいから」
「でも…」
芦花が申し訳なさそうにこちらを見てきた
「それに、大事な友達にもしものことがあったら嫌だから。」
「う…//」
あ~芦花が
「じゃ、じゃあお願いします。」
「はい、お願いされます。二人はここで待っててね。」
そういって二人はお手洗いに向かった。
「真実。」
「どしたの?彩葉?」
「ダブルデート楽しいね」
「ソダネ」
「真実は楽しくないの?」
「いや、楽しいよ」
楽しいけどね、この世の無常を感じてちょっと悲しくなってる気がしなくもないといいますか
とりあえず、お昼のお店を探すか…このあたりだとあの店が安くて美味しかったなと思い、脳内でマップを確認していると二人が無事に戻ってきた
「お待たせ真実」
「おかえり芦花」
「聞いてよ、私がお手洗いから出てきたら出水くんがナンパされてたんだよ」
「ミイラ取りがミイラになってんじゃん!?」
「えぇ~」
「誠に申し訳ないです。綾紬さんには後日、粗品を提供させていただきたく思います。」
「いや、そこまでかしこまらなくてもいいよ?」
「芦花、ほんとにごめんね?海斗君が」
「いいよ、真実も気にしないで。出水くん、女の人の話全く聞いてなかったから」
「お兄さん一人ですか?」
「………………」
お手洗いから戻ってきたら出水くんがナンパされてたんだけど…
「お兄さん聞いてます?」
「………」
出水くん、女の人が目に入ってるのかな?全く気付いてないけど?ってくらいにガン無視しててさ
「お待たせ出水くん」
「あ、綾紬さん。これ見てよ」
「どれ?」
そういってスマホの画面を見せてきた
「やっぱり、真実さんはロングスカートが似合うと思うんだよね」
「そうだね~。出水くん中々センスがいいね~」
つい普通に返してしまったがナンパしてきた女の人の顔が怒り心頭で真っ赤になってる!?
「ほんとに?綾紬さんにそういわれると自信がついちゃうな。さ、行こうか」
そういって女の人を無視して歩こうとし始めたので女の人が声をかけて引き留めようとしたんだけどね。
「誰?さ、行こうか真実さん達が待ってるし」
「え、あ、うん(こえー)」
有無を言わさず、私の手を引いて真実達のところに戻っていき
「………………」
ナンパしてきた女の人は茫然と立ち尽くしていた
なんか、うちの彼氏が申し訳ないです
「出水くんってほんとに真実にぞっこんだよね」
「もちろんだよ。俺は真実さんのこと大好きだからね」
「うぅ~~~//////」
嬉しいけど臆することなく堂々と言われると恥ずかしい気持ちが勝っちゃう//
「飲み物取りにいくけど何がいい?」
「俺もついていくよ」
「大丈夫だよ?」
あれ?デジャヴ?
「一人で四人分持つの大変だろうし、俺も男だからね。たまにはかっこつけさせてよ」
「わ、分かった」
彩葉がどこかたじたじになりながらも二人でドリンクバーに向かっていったのを見届けた後に芦花が私に話かけてきた
「真実」
「どしたの?芦花?」
「出水くんってかっこいいね」
「わ、私のだからね!?あげないからね!?////」
「落ち着いて真実」
「芦花が変なこと言うからでしょ!!」
「ごめんごめん。いや~さっきもそうだけど出水くんって優しいな~って思ってさ」
「まあ。確かに優しい人だけど…」
「もしかして。普段のデートもあんな感じなの?」
「ん~~~、まあ大体はあんな感じかも?」
というよりかは仲良くなる前からあんな感じだったかもしれない。
「ふ~~ん」
「な、何さ?」
「真実と出水くんが羨ましいなって思ってね。」
「私は…ほら、その…彩葉と恋人になれたわけだけどさ………実はデートってしたことないんだよね」
「ヘーソーナンダー」
彩葉、やっぱ芦花。ダブルデートとは思ってないみたいだよ。
「真実と出水くんと彩葉と私でダブルデートみたいだなってちょっと思ったりもしたけどさ」
「うん」
「彩葉はそんなつもりなくて普通に遊びたかっただけかもしれないからあんまり浮かれるのもなって思っちゃったわけで」
「うん」
やっぱあの誘い方は無いよ彩葉。アンジャッシュのコントじゃないんだから…
「別に、いいんじゃない?ダブルデートだと思ってもさ」
「いいのかな?」
「いいのいいの、私は少なくともそれっぽいな~ってちょっと思ってたし」
まあ、肝心の自分の恋人がくそボケなのでそう思ってないかもしれないけど
「それに、恋人らしいことって十人十色だと思うんだよね」
「まあ、そうかもね」
「だから、芦花と彩葉らしいことをしていけば必然的に恋人らしいことになるとは思うよ」
「ありがとね真実~~」
「ぎゃ~~!!モチモチしてくるな~!!」
どうやら肩の荷が下りたらしい芦花が私のほっぺをモチモチしてきた
「なんか、芦花が真実を攻撃してんだけどどゆこと?」
「い~な~俺もやっていい?」
「いいよ~」「駄目だからね!?//」
「え~~…」「やったらしばらくむぎゅむぎゅ禁止だからね!!」「は~い」
私のほっぺをとても触りたそうにしていた海斗君は明らかに不満顔で席に戻ってきた
「おまたせ、芦花。はい烏龍茶」
「ありがと彩葉」
「出水くんはどうしたの?」
「真実とイチャイチャしたいってさ」
「その通り!」「違うからね!?//」
「まあでも今日はみんなで遊ぶ日だし我慢するけどね」
「え?今日ってダブルデートじゃなかったの?」
「え!?今日ってダブルデートだったの!?」
「え!?」「え?」
彩葉と芦花の動揺が目に見えて伝わっていく。
「はへ?」
特大の爆弾を落とした
「ろ、芦花?怒ってる?」
「怒ってないよ。ただね」
「デートのつもりだったならそう言ってほしかったなって思っただけだよ」
「ごめんなさい」
芦花つおい
「出水くんなんて見てよ」
「………………デートだったのか」
「衝撃の事実に言葉を失ってるんだよ」
「ほんとになんで!?」
「だって……デートだったんなら俺……」
「真実さんと手を繋ぎたかった!!」
「……//」
確かに、今日の海斗君は人とぶつかりそうな通路側だったり車道側だったりをずっと歩いていて私の横に来ることも少なかったな
「繋げばよかったじゃん」
「だって……みんなで遊んでるだけなのにそういうことをするのはどうなのかと思ってね?俺だってTPOくらいは弁えてるんですよ?」
「ほんとかな?」
高校2年の秋ごろから大学入試が終わるまでの期間、テストの結果が返ってくるたびにむぎゅむぎゅされたり海斗君曰く『真実吸い』なるものを堂々とされ続けた過去を思えばTPOを弁えた行動かについて疑問が残る。
「ていうか、あの誘い方でダブルデートだと分かるわけないじゃん」
「出水くんが鈍いだけでは?」
彩葉が鈍い海斗君が悪いのでは?と疑問に思っているが
「出水くんの言う通りだよ彩葉。あの誘い方は完全に普通に遊びに行くときの誘い方だからね」
「そうなの?」
「そうだよ。私だって普通に遊びに行くだけだと思ってたからね。」
「真実が何も言わなかったからあれでいいとばかりに思ってた」
「彩葉!?」
ほぼ有無を言わさずに予定を組んできたのに!?
「ほほ~う、つまりは真実は全部知ってたわけなのね?」
「ま、まあ知ってたかどうかで言えば知ってた……かな?」
「ふ~~~~~~~~~ん」
「で、でも知ってたと言っても誘ったのは彩葉の意思と言いますか……彩葉が楽しそうだし二人のことだしあんまり私がでしゃばるのもどうかな?っていうか……」
「問答無用、出水くん」
「はいはい?」
「私が許可するから真実のほっぺをモチモチしてやりなさい」
「おっしゃ、やるか。」
「ぎゃ~~!!やめて~~!!」
せめて人前でモチモチしてくるのはやめて~~!!
「ははは」「い~ろ~は~」「うわ!」
「他人ごとだと思ってないかな~?」
「そもそも彩葉が分かりづらい誘い方してきたのが問題だよね~?」
「ろ、芦花さん?怒ってないんじゃ?」
芦花の様子がおかしいことに彩葉が焦ってる
「怒ってはないけどあんな分かりづらいデートの誘いをしてきた彩葉にお仕置きはするよ」
「ろ、芦花?ほんとにごめんね?」
「問答無用」
「ひ~~~」
私と彩葉は芦花と海斗君の気が済むまでほっぺをモチモチされ続けた。
芦花と彩葉と別れた帰り道、海斗君が私の手を取ってきた
「か、海斗君!?」
「今日ってデートなんでしょ?なら手を繋ぎたかったなって思ってさ」
「うん…//」
彼の手の温もりを感じながら歩いていると私の家の前まで着いてしまった。
「じゃあ、またね」
「うん、また」
別れを告げて帰ろうとした海斗君が慌てて戻ってきた
「どうしたの?」
「忘れ物した」
そういって海斗君は私の唇を奪っていった
「じゃあ、今度こそまたね」
帰宅していく彼の背中を茫然と見つめることしか私は出来なかった。
「はぁ~~~~//」
やばいな~~私、本当に彼に心底惚れてるんだな~~
「顔戻らないや//」
この熱がずっと続けばいいのに
書きながら何書いてんだろ…となりました。
大まかなイメージとしては
彩葉:くそボケ一号。誘い方下手くそ
芦花:ある意味不憫?あの誘い方は遊びの誘いにしか見えないって
真実:巻き込まれた人。芦花がめっちゃいじってくる
海斗:我らがくそボケ2号。メッセージを見たときにダブルデートという単語がよぎるわけなかった。
原作に突入させるかどうか?
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原作に行け!(時を進める)
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いやいや、このまま原作前で進めよう
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段階踏んだ上で原作へ
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ちくわ大明神