ゆうしゃ様とまおう様~勇者と魔王の再国譚~「えっ?社畜の俺が魔王の国を復興させる!?無理無理っ!」   作:「団栗珈琲。」

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第2話 魔王の国「サルジニルグ」へ!

「なに?ここどこ?」

 俺は今何が起こっているのか理解できなかった。

 ちなみ、ここはどこ。わたしはだれ。みたいな感じになっているが、俺は別に記憶喪失じゃない。

 

 い、いま起こった事をありのまま話すぜ……。

 白い光が見えたと思ったら、その光の中に人がいて、実はそいつが魔王だった。

 さらにそいつに死の宣告をされた後、いきなり異世界に連れてこられた。

 なにを言っているのかわからないと思うが、俺も何を言っているのかわからない。

 だがこれだけは言える。夢とか映像とか、そんなチャチなもんじゃ断じてねぇ。

 最も恐ろしいものの片鱗を味わったぜ。

 

 というか、異世界って実在したんだな。

 どんな本読んでも、この物語はフィクションです。実際の事件、団体とは一切関係ありません。って書いてあるから現実じゃないのかと思ってたのに、現実にも存在したんだな。

 

 だが、本と違う点がある。それはこの国が中世ヨーロッパ風の街並み、所謂《いわゆる》「なーろっぱ」じゃないことだ。

 なんか「異世界」というよりは、「森」といったほうがしっくりくるぐらいだ。

 自然が豊かなところなんですね。

 

 せっかく異世界に来たのなら剣と魔法のなーろっぱがよかった。

 まあ、そんなこと言っても叶わないから、別にいいけど。

 

 話は変わるが、俺は死んでいないらしい。

 

 いや、死ぬよって、言われたのに死んでないってどういうことだよ……。といったところではあるが、実際のところ死にそうだった俺の体を、現代医学じゃ解析不可能な技で、なんかいろいろして、いろいろして超回復させたらしい。

 

 なので、厳密に言うと俺は死んでない判定らしい。

 ちゃんと説明されたが、意味が全くと言っていいほど理解できなかった。

 

 何かよくわかんないけど、死ぬ死なないって誰が決めてんの?

 まあいいか。そんなこと聞いてもな……ってところはあるしね。

 

 それより、俺は、この国の復興を手伝え。みたいな名目で来たんだよな。

 

「とりあえず、何をすればいいんだ?」

 

 ルナにそう聞く、何もしないと、何も始まらないからな。

 なんだよそれ、小泉構文かよ……。

 

「さぁ?何をすればいいんだろ」

 

 さ・あ?

 おいおいまじかよ…。(絶望)

 

「とりあえず。あなたには勇者として、魔王の国()()()()()()の復興を手伝ってほしいの」

 

 ……?。勇者?。

 

 勇者と魔王って敵対関係にあるんじゃなかったの?いつから仲間になったの。

 

「え?勇者と魔王って敵対関係にあるんじゃないのか?」

 

 俺の質問に対し、ルナはなにを言ってんのかわからない。といった表情をした。

 いやいや、なにいってんのかわかんないのはこっちのほうだから。

 その後、何か合点がいったのか、「ポン」と手を叩き。

 

「そうだった!。君の世界ではそれが一般的な考え方だよね」

 

 ……一般的?

 

「魔王と勇者が敵対関係になるのは、場合によるよね」

 

 場合による?

 ちょーっとなに言ってんのかわかんないな。

 

「私のおばあちゃんとかはそうだったね、それはもう暴れまくっていたらしくて、私たち魔族を軽視したやつをボコボコにしたら、いつの間にか世界問題に発展して、「人間VSおばあちゃん」になってたらしいんだよね、私が産まれてなかったからよく知らないけど」

 

「で、ルナのおばあちゃんを倒したのが、勇者って訳だな」

 

「そういう事」

 

 一人の力だけで世界問題を起こせるぐらいの化物を倒せるって、勇者ってどんな化物《ばけもん》だよ。

 

「そのあとから私たち魔族は恐れられ、忌むべき対象になったんだよ」

 

「で、ルナが俺の世界に来たように、俺の世界に来れるこの世界の人が俺の世界の人にその話を教えて、今みたいな「勇者VS魔王」が根づいてるわけだな」

 

「そう」

 ルナは頷く。

 

 まあ、わかりやすいんじゃないだろうか、恐ろしい出来事は初対面の人でも、話せるからな。広まるのも納得だろう。

 

 それはさておきだいぶ話がずれている気がするのだが。

 復興の話はどこに行ったのだろうか。

 

「で、どうしたらいいんだ?」

 

 復興手伝えとか言っておいて、何させたらいいかわかんないとか、意味わかんないことをいうやつに俺は簡潔にそう聞く。

 

「ちょっと!タメ口?私これでも、あなたの国では神様として崇められていたんだから」

 

 え。何言ってるの?この子。

 っていうか、さっきまでタメ口だっただろ。

 いきなり何なんだよ。

 

「それってのなんの神様?名前は?」

 

 冗談だろうが一応聞いてみる。

 

「ふふふ。聞いて驚くなかれ、私は天照大御神と呼ばれていたんだよ」

 

 は?天照大御神?

 

「お前が天照大御神だったら今いくつだよ」

 

「言っとくけど、私二万年は生きてるからね」

 

 

 二万年!?まあ、本当に魔王ならありなくもない話か。

 

 いや、魔王だからって長寿って決めつけるのはよくないな。

 

 まあでも魔王本人がそう言っているんだから、そうなのだろう。

 まあ、証拠はないしどうしようもないからな。

 

「そういえば、ルナのおばあちゃんって何年ぐらい暴れてたんだ?」

 

「ん~?三千年くらい」

 

 ワイルドなおばあちゃんだな。

 そりゃあ、世界問題にも発展するな。

 

 というか人間側もよく三千年も戦ったな。

 

 終わりの見えないものほど恐ろしいものはない。

 仕事だってそうだ。

 

 やっても、やっても、増えていくばかり。

 

 もう、バグだろこんな世の中。

 無限回復並みにゲーム性崩壊するぞ。

 

 まあ、仕事にゲーム性求めているほうがおかしいんですけどね。

 

 でも、そうでもしないとやってられない。

 

 何度上司を心の中で殺したか。軽く数千は越えてるんじゃないか?

 

 でも、口に出してはいけない。

 

 言いたいことも言えないこんな世の中じゃ、毒《ポイズン》。

 

 というか、ルナが本当に天照大御神だとしたら、日本人が長年崇めてきた神様、異世界の魔王だったよ。

 

 神と魔王って真逆の存在じゃないのか?

 

 一人二役とは、二足の草鞋を履きおってからに……。

 

 ……。なんか日本語変だな。

 

「でも、三千年も暴れていたら、もう許してもらえないんじゃないのか?」

 

「いや、もうほとんど許されているよ」

 

 ほとんど?

 

 ていうか三千年も大暴れしたんだろ?

 なんで許されているんだよ。

 

「もう、おばあちゃんが暴れてから、二万年は経つからね。その出来事を忘れている、もしくは学校でふんわり教えられる程度だからね」

 

 魔王の存在は知っていても、別に憎んだりしているわけではないと。そういうことか。

 

「そうそう」

 

 俺は何も言っていないのに、俺の思ってることわかってそうなのどうしてなんだ?。

 

 表情から読み取ったりしているのか?

 それとも、テレパシーみたいな能力が使えるのか?

 

 どっちにしろ。

 口に出さなくても思っていることがわかるっていうのは、俺が考えることをやめたくなるのでやめて下さい。

 

「で、」

 

 で?

 

「そういうわけだから」

 

 そういうわけだから?

 

「私と契約して勇者になってよ」

 ルナはそう、どこかのインキュベーターが言っていそうな、セリフを吐いた。

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