ゆうしゃ様とまおう様~勇者と魔王の再国譚~「えっ?社畜の俺が魔王の国を復興させる!?無理無理っ!」   作:「団栗珈琲。」

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第7話 スキルを駆使して武器作り?

 働こうと決意した俺だが、何をすればいいのか全く分からない。

 

 とりあえず、作業時間をスキップして物作りができるという俺にスキルを活かして何かしたものだが……。

 

 なにか良い具体案はないものだろうか。

 

 そうだ武器を作ろう。

 

 と、そうだ京都に行こう。みたいな感覚で思ついたものの何をすればいいのかサッパリわからない。

 

 武器作りの「ぶ」の字も知らない俺が何か武器をを作ろうとするのは無理だな。

 

 もう諦めようか……。

 

 その時、俺に電流走る。

 

 石とゴムを使って「石バズーカ」とかどうだろうか。

 

 割り箸鉄砲を大きくして、石にしたようなものを作れないだろうか。

 

 とりあえず、材料と案が頭の中にあればいいんだろ。

 

 石はそこらへんに転がっているが、問題はゴムだ。

 

 そこで俺はある欠点に気付いた。

 

 ゴムの作り方わかんねえ、それ以前に材料知らねえ。

 

 なんだっけ、南アフリカとかそこらへんで取れるやつだろ。

 

 ここ年中暑くないだろうし、何より今、涼しいしな。

 

 ということで、石バズーカは没になった。

 

 何なら俺、錬金できない錬金術師みたいなことできるんじゃないの。

 いや、錬金できない錬金術師は、錬金術師じゃないか。

 手を合わせて。

 

 地面に手を付けて。

 

 頭の中ですごく大きな手を思い浮かべて。

 

「『万物製造(ポゼッションメイキング)』―――――」

 

 すると、地面から土で出来た巨大な手が現れる。

 

 すげえ、これで俺も錬金術師(違う)。

 

 武器をつくる必要なんてなかった。

 

 俺そのものが武器なんだ(迷言)。

 これはチート能力なのでは?

 

 チート能力ゲットだぜ☆

 

 なんて考えてると、巨大な土で出来た手が崩れ落ち、元の砂へと変化する。

 

 今、気付いた。

 

 この能力、めちゃめちゃ体力と神経消耗するわ。

 

 これはそう何度も使えなさそう。

 

 チート能力をポンポンポンポンつかって、無双したかったよう。

 

 まあ、願っても叶わない夢なので諦める。

 

 これで何とかなるかなあ、バルメント強そうだったけど。

 

 まあ、ルナの助けになればいいや。

 

 というか、逃がされたのにまた同じ場所に行くとか、どんな恩知らずだよ俺。

 

 そう思いつつ、音のなる方へと俺は足を進める。

 

 そうすると、ルナとエネミルが見える。

 

 ルナ~。と声をかけようとしたその時。

 

 ルナが転倒し、エネミルが立ち上がれないように押し付ける。

 

 不味い。

 

 気が付けば俺は走り出していた。

 

 材料さえあれば、製造はできるはず。

 

 材料は地面の砂。

 

 想像するものは砂の剣。

 

「『万物製造(ポゼッションメイキング)』――――!!」

 

 出来上がった砂の剣を手にし、ルナのもとへと駆けてゆく。

 

 今にもスキルの発動をやめたくなるような、疲労感に包まれるも、ここでやめるわけにはいかない。

 

 まだ、出会って数日だが、俺の中では彼女は大切な存在になっていた。

 

 別に、異性として大切なわけじゃない。

 ……多分。

 

 ここで死なせるわけにはいかない。

 

「ぶっ殺すぞぉぉぉぉ!!!!!!」

 

 だからこそ、ここで止まるわけにはいかない。

 

   ✕   ✕   ✕   ✕

 

「ぶっ殺すぞぉぉぉぉ!!!!!!」そう叫びながら、俺は砂の剣(自家製)を手にし、男の方へと向かう。

 

「ふっ。よっぽど死にたいらしい」

 

 エネミルの意識が俺に向く。

 

「クロス。ありがとう」

 

 ルナは左手を突き出し……。

 

「『デスフレア』―――――!!!!!!」

 

 そう叫ぶ。

 すると、紅蓮の業火がバルメントとルナを囲う。

 

「まさか、こんなにも早く魔力回復がっ……。クソぉぉぉ!!!!!!。油断したぁぁぁ!!!!!!僕は死なんぞぉ!お前らの心の中で一緒生きてやる!そして呪ってやるぅぅ!!!!!!」

 

 エネミルの悲痛な叫び声が聞こえる中、ルナだけが業火の中から出てくる。

 

「私を敵に回すことは、こういう事だよ」

 

 ルナは冷徹な声つきで言う。

 まるで、魔王を見ているような気分だった

 

 まあ、こいつ魔王なんだけどね。

 

 それでも、魔王だと再確認させる迫力が彼女にはあった。

 

 

 業火が収まったころには骨も残っておらず、ただバルメントであっただろう塵《ちり》だけが残されていた。

 

 ただこいつも、国の命令を受けて戦っただけだというのに、死ぬ。

 

 

 あちらも、本気で俺たちを殺そうとしていた。

 

 相手が本気だったからこそ、俺たちは殺すという選択をとったのだ。

 いや、取らざるを得なかった。

 

 だか、そんなものは言い訳だろう。

 

 彼の敗因はきっと驕りだろう。

 

 あんな話をせず、さっさとルナを殺しておけば俺は戦意喪失したかもしれない。

 

 だが、そんなこと言ったって起きてしまったことは変わらないし、死んだ人も生き返らない。

 

 きっとあいつにも、家族がいて、死を悲しむ人もいて、そんな中、ルナは、俺たちは彼を殺した。

 

 きっとそれは仕方のない行動で、きっと正義は俺たちにあるだろう。

 

 だが、エネミル=ウォードという一人の男の人生を終わらせた。いくら俺たちに正義あったとしてもその結果は覆らない。

 

 そして、正義なんて立場や場所によって変わる曖昧なものだ。

 

 殺したからには俺たちも殺されたとしても文句は言えない。

 

 それが人の命を終わらせたものへの罰なのだから。

 

 

 

 後ろを振り返ると、「エネミル=ウォード」と書かれた墓が立っている。

 

 これが、俺が彼にできる、せめもてものの贖罪であり罪滅ぼしなのだ。

 なんの贖罪にも罪滅ぼしにもなっていないかもしれないが。

 

 贖罪を罪滅ぼしをしたと俺が思いたい。だから、墓を作ったのだろう。

 

 企業と国という違いはあれど、上からの命令で死んだものとしての、共感……でもあったのだろうか。

 

 いや、違う。

 それはただの自己満足で彼のために何かをした。

 と、俺がそう思いたかっただけなのだろう。

 

 それは、俺に対しての欺瞞だろう。

 だが、欺くしかない。自分自身をそうでもしないと、人を殺したクズだという自責の念から逃げたいだけなのだ。

 

 俺が実際に彼を殺したわけではないが、間接的に殺した。

 だから俺も人殺しだ。

 

 

 

 

 空を見上げる。

 

 青い空は晴れ晴れとしていている。

 

 きっと何が起こっても、この空はずっと青いままだろう。

 

 誰が死んでも。

 

 誰が泣いても。

 

 誰が人を殺しても。

 

 変わらないものはある。

 この空のように。

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