異世界の英雄たち、赤ずきんチャチャの世界を修正します 作:hoyohoyo
旅は続く。
うらら学園の教師、バラバラマン先生の管理する巨大なバラ、マドンナローズを瘴気で支配しようとしたアブラムシの魔族、アリマッキンを倒し。
双子の魔法使いランランとカンカンの罠―
動物に変化させる薬入りの飲茶を食べさせられ、一同は動物の姿に変えられてしまったが、やっこちゃんの機転でなんとか元に戻ることが出来た。
なおアーリンたちには中途半端に効いたらしく…
アーリンはうさぎ耳。
アリーナは犬耳。
ルナはタヌキ耳。
リナにはリス耳が生えるという何とも言えない姿になり、暫く阿鼻叫喚だった。
チェックポイントの『四途の川』ではヨーダスとハイデヤンスが変装した渡し舟に乗って渡るも途中で逃げ出す2人。
その後、船の底に穴が開いて川の底に沈んでいくチャチャたちを水中でも活動出来る術を持つリナが潜り、ピンチになれば助ける為に見守る。
川の底に竜宮城が建っており、オカマの乙姫―もちろん魔族である―がチャチャを葬る為に策を練るが、あっさりと正体である巨大河童の姿がバレてしまう。
道中でマリンがピンチに遭い、それを助ける海坊主。
「いいところに来たわ!この大ガッパをやっつけてくれたらなんでもあげちゃう!」と魔性っぷりを発揮するマリン。
それに対して「拙者、褒美は何も望まぬ!マリン殿のお役に立てるだけで、うれしゅうござる!!」と涙を流す海坊主。
そんなやり取りを見たリナが「切ない…」とため息を付く。
結局乙姫もチャチャの前には歯が立たず、そのまま城ごと吹き飛ばされるのだった。
この敵たちを倒した時に入手したコイン。
「しかし、不気味な柄よね…」
チャチャが呟く。
六角形をしており、中心に何やら顔のようなものが彫り込まれている。
(まぁ、私たちは知ってるんだけどね…言えなくて本当にごめんね)
心の中で謝るアーリン。
そしてさらに進むチャチャたち。
太陽が地面を照らし、その地面は砂漠と化している。
暑さがジリジリとチャチャたちの体力を蝕み、もう3人はフラフラだ。
なおリーヤは元気いっぱいで砂漠の砂で砂山を作って遊んでいた。
「馬鹿リーヤ!このオツキノ砂漠は昼間は50度もあるんだぞ!」
「へん、道理で暑いと思ったぜー!」
そして地面にぶっ倒れる。
「もうすぐオアシスに付くからそれまで頑張りなさい」
アーリンが3人を 咤激励して歩かせる。
「ああ、アルアルオアシスですね…」
汗でびっしょりなしいねちゃんが力なく歩く。
そして疲労困憊の中、ようやく見つけたオアシス。
アーリンたちも荷物を降ろし、一息付く。
チャチャたちは水着に着替え、清涼な泉の中で泳ぎはしゃぐ。
「確か…ここには火山の魔人が居たよね…」
「だっけ?暑すぎて脳が回らないよ~」
アーリンの声掛けにもアリーナはへろへろな状態で言葉を返すのみ。
ルナとリナは泉に顔を突っ込んで涼んでいる始末。
「緊張感のカケラも無いわね…」
どこからか流れてくる音楽に乗ってチャチャたちが踊っているのを見ながらこの現状に肩を落とすアーリンであった。
踊りまくって、岩場に蹴りを入れる3人。
その瞬間だった。
ゴゴゴ…。
地面がわずかに震える。
「…今、揺れた?」
次の瞬間。
岩の表面に刻まれていた模様が―ゆっくりと、目を開いた。
「誰?今背中をぶったの?」
岩場がゴゴゴ、と動き、岩の表面に刻まれていた顔のような模様がゆっくりと口を開いた。
「ねぇ…怒っていい?あ、だめ、もう怒ってるみたい」
その頭頂からマグマが噴き出し、岩場の全身が灼熱の赤さに染まっていく。
「な、なんでしょうこれ…」
「わたしすっごく怖い…」
しいねちゃんとチャチャが真っ青な顔で震える。
「か、か、か…カザンダーン!」
頭頂が大噴火し、四つん這いになった岩場…魔人カ・ザンダンがチャチャたちに向かってダッシュする。
「ぎゃあああああ!」
絶叫しながら逃走するチャチャたち、なおしいねちゃんは気絶しながら逃走していた。
チャチャが魔法で足止めをしようとする。
「出でよ、岩!」
地面から突出した大岩が魔人と衝突し―一瞬で壊れる。
再び逃走劇が始まる。
「うおおおお!起こされるのキライなのぉぉぉ!」
突進する魔人にチャチャの召喚術が放たれる。
「出でよ、子守歌!」
マイクを持ち「眠れ良い子よ~♪」と歌うチャチャ。
しかし、次の歌詞を忘れ眠らせるのに失敗。
続いてはリーヤが祖父直伝の眠らせ方だ、と魔人の背後にしがみついて強烈な頭突きをかます。
しかし逆ギレしてリーヤを吹き飛ばす。
チャチャがしいねちゃんを叩き起こし、状況に気付いたしいねちゃんがチャチャと同じように召喚術を連発する。
「出でよ、岩!」
「出でよ、子守歌!」
チャチャと全く同じものを出し、全く効果が無い。
「くぅぅぅ~!僕の魔法はチャチャさん並みかー!」
「それどういう意味…?」
涙を流して悔しがるしいねちゃん、それを聞いて不信感たっぷりのチャチャ。
「『結破冷断(ライブリム)』!」
暑さから復帰したリナの声が響く。
彼女の手から出た冷気の光線が魔人の頭上を凍らせていく。
そして唐突に魔人の動きが止まる。
吹き出るマグマが魔力の氷で塞がれ、全身を膨らませていくのだ。
「止まった!ふくれてる、赤くなってる、トマトみたい!」
「チャチャさん、今のうちに!」
全力疾走してきたリーヤも加わり、チャチャたちはホーリーアップをする。
「マジカルプリンセス、ホーリーアップ!」
変身したチャチャが魔人にマジカルシュートを放ち、あっさり砕けるその身体。
「大したことなかったわね…ね?」
さっさと次に行こうと立ち去ろうとするチャチャの背後で岩が合体する音が響く。
振り向いたチャチャたちの前に完全体になった魔人カ・ザンダンが。
「アタシ完璧に…目が覚めちゃったわー!」
身の丈はチャチャの数倍、オアシスに生えているヤシの木とほぼ同じくらい。
真っ赤な色をした身体からはところどころ湯気が立ち上る。
そしてその両手の、指の形をした、小指に当たる部分に黒い紋様が。
「ちっ、ここで歪みか!」
アーリンたちが臨戦態勢になり、チャチャたちの前に立つ。
「怒りのー、火・山・弾!!」
両手をぶつけてポーズを取り、胸を開けると、そこから飛び出すヤシの実大の火山弾。
その炎の球が1発当たっただけでオアシスを蒸発させ、地面をえぐり取る。
(紋様がぶつかった部分の火山弾が明らかにヤバい!)
普通の火山弾は文字通り火の玉なのだが、ひとつだけ、色が違った。
赤ではない。
黒い。
瘴気を引きずるように空気を歪ませながら、火山弾が飛んでくる。
「ルナは私と結界張って防御!アリーナは片っ端からたたっ斬って!リナ、遠距離から落として!」
「了解!」
「任せて!」
「やってやるわ!」
アーリンの声に一同頷き、それぞれ飛び出していく。
「ホーリープロテクション!」
「竜神結界!」
アーリンとルナがそれぞれ白く輝く結界と赤く輝く結界を前に出し、件の火山弾を弾こうとするが―
ガィィィン!
「なっ…!」
激しい打撃音が響き、アーリンとルナの結界が大きく撓む。
結界を維持する腕が震え、視界が滲む。
「これ…いつもの歪みじゃない!」
「やっぱりね…神の力が入ってるわ、これ!」
「神の力って何よ!?」
「詳しくは後、とにかくいつもの歪みじゃない事は確かよ!」
アーリンが叫ぶ。
「私たちの結界の能力は落ちてるから、物理ダメージ特化で防がなきゃならない!何度も重ね掛けして防ぐわよ!」
その言葉にすぐ体勢を立て直したルナ。
結界を幾重に重ね、火山弾の重い一撃を耐える。
凄まじい衝撃波が砂漠の空気を震わせる。
神の力の一端を宿した「歪み」の重圧に、ルナの腕の皮膚が裂け、鮮血が舞う。
「くっ…この程度の重さで、私の魂は折れないわよ!」