異世界の英雄たち、赤ずきんチャチャの世界を修正します   作:hoyohoyo

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第11章:決戦、大魔王編
~決戦!大魔王城~


瘴気と闇に包まれた森の中を、チャチャたち魔法使い組は箒で、リナは翔封界の魔法で進む。

ここまで来れば魔導レーザーの範囲外なので空も飛べる。

雷鳴響く中、彼女たちはスピードを緩めることなく突き進む。

「大魔王の城が近づいてきましたよ、皆さん、十分に気を付けるんですよ」

「はい、やっこ頑張ります!」

「お、お願いします…」

やる気に満ち溢れているやっこの返事に少し引き気味のセラヴィー。

「リーヤも大丈夫かなぁ?」

チャチャは地面を走るリーヤの姿を遠くから見る。

 

地上ではリーヤとお鈴ちゃん、そしてアーリンとアリーナ、ルナの3人。

彼らはやや荒れた道を駆け抜けていた。

「リーヤさん、アーリン先生たちも頑張りましょうね!」

「お鈴ちゃんもな!」

そしてマリンは「リーヤくーん!」と叫びながら城へ続く川を泳いで遡る。

全員が思いをひとつに、漆黒のオーラ漂う大魔王の城へ向かうのだった。

 

「来たか」

城の玉座の間では、大魔王が不敵な笑みを浮かべて手にしたワインを飲み干す。

「フフフフ…伝説の聖戦士と言うから、何かと思えば」

そして握っていたワイングラスを粉々に握りつぶす。

「ハハハ、何が愛と勇気と希望の聖戦士だ…来るがよい、チャチャ」

ゆっくりと立ち上がる大魔王の姿に部下のヨーダスとハイデヤンスは困惑気味だ。

「貴様を倒せば王家の血筋は全て絶える。この儂が、真の支配者として君臨する時がやってきたのだ!」

そのまま目線を闇の奥に向ける。

「我に忠誠を誓う魔族の者どもよ!心してかかれ!」

ヨーダスたちの背後で青白く光る魔族の影たちが現れた。

 

(滑稽なものだな、大魔王とやらも)

玉座の後ろで歪んだ笑みを見せるロキ。

(まぁ良い…早く来るがよい、聖戦士とやら。大魔王と対峙した時に、ようやく目当ての場所が開かれる)

「余計な人間が邪魔だな…このノロワレ・アーマーとやらを弄ってみるか」

彼は手からいくつかの漆黒の魔力球を浮かび上がらせると、壁に並べられた巨大な鎧の人形に植え付ける。

「行け。天界の手先を足止めするがよい」

歪みを植え付けられた数体のノロワレ・アーマーが闇に消えた。

 

チャチャの祖父、ジーニアスが命を賭けて作った結界の柱を通り、大魔王の城の入口に立つチャチャたち。

門は開いており、罠らしきものはない。

「ここが大魔王の城…」

しいねちゃんが呟く。

「そうです。皆さん、心して掛かるのですよ」

セラヴィーの言葉に全員が頷く。

 

暗闇に覆われた通路を歩く。

敵の気配は無く、静寂が辺りを包む。

足音だけが、不自然に響く。

壁に掛かっている松明の明かりだけが頼りだ。

炎が爆ぜる音が時折聞こえ、それが却って不気味さを醸し出す。

アーリンたちも周囲の様子を感知しながら歩みを進めている。

「気を付けて下さい、大魔王の事、何が仕掛けてあるか分かりません」

セラヴィーの言葉に一同に緊張が走る。

「大魔王はどこに居るの?」

「きっと、一番上の階でしょう」

チャチャの質問にセラヴィーが返答する。

 

そのまま階段を登り、扉を開ける。

大広間なのだろうか、だだっ広い空間の部屋。

家具も何もなく、薄暗くて遠くは見えにくいのだが…。

「おお、でっかいブドウだ!」

リーヤが天井を見て喜ぶ。

「え?」

全員が同時に天井を見上げると、そこには巨大な球体が連なるようにぶら下がっており、リーヤの言う通りブドウにしか見えない。

「ブドウ…」

「チャチャさん、あれは…!」

チャチャとしいねちゃんの言葉が終わると同時にその球体が次々と落下していく。

「ブドウじゃありません!鉄球ですー!」

しいねちゃんが叫び、全員が散り散りになって逃げる。

「物理で分断してくるとはね…!」

アーリンたちもチャチャたちとは反対側に走って逃げる。

転がってくる鉄球は、まるで意志を持ったかのように彼女たちを追い掛け回すのだ。

多分チャチャたちも同様だろう。

「ええい、鬱陶しい!」

アリーナがくるり、と振り返り、拳に気を込める。

バチバチとナックルガードに火花が散り、彼女は一歩前に足を踏み込むと拳を前に突き出す。

「『閃光烈火拳!』」

拳の先から気で練り上げた炎の塊が鉄球に襲い掛かる。

ただの炎ではない、アリーナの極限まで練り上げた気の塊でもある。

それが鉄球にぶつかると、粉々に砕けた上に鉄球が高熱を発しその場で解けていく。

「こらこら、城が燃えちゃうでしょ…『氷結弾(フリーズ・ブリッド)』」

溶解した鉄をリナが魔法で凍らせ、温度差によってさらに粉々に砕け散った。

「とりあえず、みんなと合流しないと…」

と、そこまで言ったアーリンが前方の殺気に気付いて素早く剣を抜く。

ガキィン!

高速で襲い掛かってきたノロワレ・アーマーの斧を受け止めるのだ。

「敵のお出ましね!」

「…待って、魔力の揺れが酷いわ。歪みを植え付けられてるわ、アイツら!」

柱の後ろから何体ものノロワレ・アーマーが現れる。

「結構居るわね…」

「何体相手になろうが、ボクたちを止めれるかな!?」

アリーナはそう言って再び格闘の構えを取る。

ルナが斬りかかるが、魔力で弾き飛ばされる感覚。

「硬いわね…!」

「敵は鎧人形、ボクやルナの剣だと少し手間が掛かる!」

アリーナのエンジェル砂鉄で出来たナックルガードが真紅の輝きを見せる。

「この拳でやる!あとアーリンの剣なら殴りつけながら斬る事が出来るよ!メインはボクとアーリンで!」

「OK!ルナは防御中心で!リナはこういう系に効く魔法ぶっ放して!」

『了解!』

ルナとリナの姉妹が同時に声を上げる。

 

ノロワレ・アーマーの斧が振り下ろされる。

「遅い!」

アリーナは紙一重で回避。

背後へ回り込み、蹴りを叩き込む。

鎧が揺れる。

さらに跳躍―踏みつける。

ヒビが走った。

「硬いけど…これなら叩き割れる!」

アーリンもアークスレイヤーを振るい、ノロワレ・アーマーの胴体ごと吹き飛ばす。

壁に当たり、崩れた瓦礫の下敷きにしてから飛び出していた頭の部分を唐竹割りで叩き潰す。

「竜神結界!」

リナに襲い掛かる剣と斧はルナの結界で弾き返す。

「姉ちゃん、ありがと!『増幅版・青魔裂弾波(ブラム・ブレイザー)』!」

彼女の手から放たれた青色の衝撃波が先頭のノロワレ・アーマーをバラバラにして、さらに後ろにも衝撃波を飛ばす。

「よし!これで全部…」

「いや、まだまだ居るわね…」

柱の奥からさらに数体、その後ろにもまた数体。

「相手もこちらを脅威に思ってるみたいね。この数の歪みを相手は骨が折れるわよ?」

リナがやれやれといった表情を一瞬見せるも、すぐに真顔に戻って呪文を詠唱し始める。

「まだ本番が残ってるわ!最小限の体力消耗と魔力消耗で突っ切るわよ!」

アーリンの声と同時に多数の歪みを植え付けられたノロワレ・アーマーが立ちはだかる。

 

だが―

アリーナの拳が一体を砕き、

アーリンの剣がまとめて薙ぎ払う。

リナの魔法が後続を焼き払い、

ルナの結界がそれを防ぐ。

「さぁ行きましょう、チャチャたちと合流するわよ!」

時間的に多分自分たちが一番遠回りした感覚がする。

そう感じた彼女たちは、先程より速いスピードで廊下を走っていく。

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