異世界の英雄たち、赤ずきんチャチャの世界を修正します   作:hoyohoyo

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~決着、そして最後の歪み~

大魔王とチャチャの戦いは熾烈を極めていた。

バードシールドで大魔王の暗黒エネルギー弾を防ごうとするが、威力負けしてしまい吹き飛ばされる。

そのまま鍔迫り合いが繰り返されるが、チャチャは防戦一方だ。

さらに大魔王の額の宝石から放たれた魔力弾に当たり、壁に激突してしまう。

「チャチャー!」

「チャチャさん!」

リーヤとしいねちゃんが大魔王に向かう。

「チャチャに何するんだよ!」

「僕たちだって居るんだぞ!」

リーヤは大岩を持ち上げ、しいねちゃんが魔法を唱えるが、その前に大魔王がエネルギー弾を放ち、2人を飲み込んでしまう。

「リーヤ!しいねちゃん!」

慌てて駆け寄るも、邪悪なバリアに阻まれてしまうチャチャ。

「さて続けるか、チャチャ」

大魔王は余裕たっぷりの表情でチャチャに剣を向ける。

「…許せない」

圧倒的不利と分かっていても、チャチャは不死鳥の剣を構え、大魔王に対峙した。

「はっ、愚かな。なら面白いものを見せてやろう」

そう言うと、大魔王のエネルギー弾がチャチャの背後の壁を叩き壊す。

「フフフ、後ろを見ろ、チャチャ」

大魔王の言葉にチャチャが振り返ると―

「あっ!」

瓦礫と瓦礫の間に鎮座されている石像。

そう、これが―

「これは…!」

「そうだ、国王と王妃だ。チャチャ、お前の父と母だ!」

チャチャの両親、そして魔法の国の国王と王妃。

「親子の対面もこれが最期だ。王家の歴史は今日ここに幕を閉じるのだからな」

大魔王はそう言うと勝ち誇った笑いを止めようともしない。

 

(負けられない…!でも、バーニングフラッシュもバードシールドも効かない、一体どうしたら勝てるの?)

迷いと焦りの表情で目の前の大魔王を見つめるチャチャ。

その時、不意に聞きなれた声がチャチャの耳に入ってきた。

「チャチャ、あなたはまだ本当の力を出していません!」

「え!?」

足元を見ると、セラヴィーの大切な人形、エリザベスがチャチャを見上げるように立っていた。

「あなたには仲間がいるんですよ。みんなと、みんなの心と共に戦うのです」

エリザベスを通して、セラヴィーの言葉がチャチャの心に染み込んでいく。

「チャチャ、王家の血筋を引くあなたは、みんなの、愛と勇気と希望をパワーに変える、不思議な力を持っているのです」

(セラヴィー先生…!)

チャチャは結界に閉じ込められているセラヴィーを見る。

隣でどろしーが叫ぶ。

「そうよチャチャ!みんなの心がひとつになれば、すごいパワーになるのよ!頑張って、チャチャ!」

同時に瓦礫から脱出したリーヤとしいねちゃんもチャチャに応援を送る。

「チャチャ、頑張れ!俺たちはチャチャと…」

「ずーっと、一緒ですよ!」

声が重なり、ひとつになる。

「リーヤ、しいねちゃん!」

無事な姿の2人に喜びの表情を浮かべるチャチャ。

「チャチャさんなら勝てると思います、大魔王を倒してください!」

お鈴ちゃんが。

「チャチャー!頑張りなさいよ、リーヤくんはわたしに任せて、大魔王なんかやっつけてよー!」

マリンが。

「大魔王なんて大嫌い、やっつけちゃいなさいよーチャチャー!」

そしてまだ寝ていたやっこちゃんはマリンのビンタを喰らい寝ぼけながら。

と、セラヴィーの姿を見た瞬間に覚醒して結界の近くまで駆け寄る。

「セラヴィー様はこのやっこが、お助けします!」

そう言うと懐から魔法薬を取り出し―

「こんなこともあろうかと懐に温めしこの薬!『やっこ印のどんな障害も乗り越えて愛する2人はラブラブハッピー(はあと)』!セラヴィー様に届け、えい!」

それは大魔王の結界に掛かると、亀裂が入り、そのまま砕け散った。

「ぬ!?」

大魔王の表情が曇る。

セラヴィーは着地するとどろしーの結界を呪文で破壊し、落下するどろしーを受け止める。

「みんな、魔法陣の位置に付きなさい!」

セラヴィーの叫びに全員が動く。

「魔法陣だと!?」

大魔王はそうはさせじとエネルギー弾を放とうとするが、チャチャが立ちはだかり、剣を振り下ろす。

呪文をキャンセルされ、剣でチャチャの攻撃を防ぎ、再びエネルギー弾を放つために構えるが―

 

「魔法陣、書き切ったわ!」

アーリンたちはこの時の為に先回りして床に魔法陣を描いていたのだ。

「リナ、陣は任せた!」

「もう描いてるわ!」

「ルナ、神力を!」

「分かってる!」

アーリンたちが役割分担をする。

そして今、その魔法陣に8人の聖戦士が立った。

 

「さぁ、戦うのです、チャチャ!愛と勇気と希望の名の元に!」

セラヴィーの言葉と同時にチャチャたちの身体から聖なる光が溢れ、包み込む。

「それがどうした!」

大魔王が先程放ちそびれたエネルギー弾を魔法陣に向けて放つ。

しかし直撃する前に、彼女たちから溢れた聖なる光がドーム状になり、エネルギー弾はあっさり霧散する。

「ぬわぁぁぁ!」

聖なる光に目を焼かれ、思わず目を閉じ後ずさる大魔王。

 

(みんな、ありがとう…!)

チャチャの身体が黄金に光り、魔法陣から飛び出して大魔王に剣を振るう。

それを防ぐ大魔王だが、先程とは一変、押し負け、よろめく。

一撃、二撃、そして三撃。

とうとう大魔王は剣を後ろに弾き飛ばされてしまうのだ。

「ぬぅあぁぁぁ!」

今までとは違うチャチャの力に焦りを隠そうともしない。

連続で魔力の弾を発射するが、全てチャチャの不死鳥の剣で弾かれる。

「ば、馬鹿な…!」

慌てる大魔王、しかしふと横を見るとそこには国王と王妃の石像。

「フハハハ、チャチャ、お前の父母は、これまでだ!」

大魔王が石像に向けてエネルギー光線を放つが―

「守護結界!」

アーリンがアークスレイヤーを構え、石像を守るように光り輝くバリアを張る。

飛んできたエネルギー光線が吸い込まれるように消える。

「ありがとう、アーリン先生!」

「こっちは心配無いわ!大魔王をやっつけなさい、チャチャ!」

 

(みんな、わたしに力を貸して!)

『ウイングクリス、バーニングフラッシュ!』

チャチャの声に合わせ、全員が叫んだ。

仲間たちの想いが、刃に重なる。

同時に各々の聖なる光が不死鳥の形を取り、チャチャの聖なる光と合わさって巨大な不死鳥の形になる。

それは大魔王を包み、もがき苦しみながら叫ぶ。

「何故だ…!この邪悪なパワーを集めたこの儂が…!」

真紅の光に飲まれ、身体が徐々に崩壊していく。

「何故、お前のような小娘に…!」

 

その時、大魔王の足元が黒く、歪む。

「見つけた!歪み!」

アーリンたちは素早い動きで大魔王に向かっていく。

その歪みの中心から無数の漆黒の魔力球が解き放たれるが、アリーナとルナは刀と剣で、リナは黒魔法で弾き飛ばし。

アーリンはそのまま一直線に駆け抜け、歪みの中心にたどり着く。

蠢く歪み、物語を裂こうとする黒。

(これが、元凶!)

アーリンが息を吸う。

そしてアークスレイヤーを両手で持ち、床から突き上げるように斬り飛ばすのだ。

「物語は―壊させない!滅びろ歪み、そして大魔王!」

歪みだけでなく、大魔王の身体も切り裂くアーリンの一撃。

 

一閃。

世界が、一瞬止まった。

 

音も無く消え去る歪み。

 

「あなたがどんなに強く、どんなに邪悪なパワーを集めても…あなたは1人」

大魔王の身体が一瞬元に戻ろうとしたが、その力の源をアーリンに潰され、再び消滅の道を進む。

「わたしは1人じゃない、わたしはみんなと…一緒に戦う、愛と勇気と希望のマジカルプリンセス、チャチャ!」

「うわぁぁぁぁぁ!!!」

聖なる光に飲み込まれ、絶叫を上げながら大魔王の身体が消えてなくなっていく。

城の最上部が崩れ、光の柱が天に突き上げていった。

その光が収まったと同時に周囲を覆っていた邪悪な瘴気は消え去り―青空が再び戻ってきたのだ。

 

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