異世界の英雄たち、赤ずきんチャチャの世界を修正します   作:hoyohoyo

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~魔界の扉~

その頃、別の場所では。

ソーゲスが聴診器、ヨーダスは地中探査機、ハイデヤンスに至ってはダウジング。

しかもソプラノの人望のせいか、非常にやる気も無くだらだらと探索するだけ。

そんな3人の様子にソプラノは苛立ちを隠そうともしない。

「ええい、まだ魔界の扉は見つからんのか!」

いきり立つソプラノを冷ややかな目で見てぶつくさと文句を言う3人に向けて今度は鞭を振るいだす。

『ひえぇ!』

「あたしを甘く見ると、ただじゃ済まないよ!つべこべ言わずさっさと探す!」

「はい、一生懸命探すダス!」

「仰せの通りにゲス」

「…大魔王様より人使いが荒いでヤンス」

痛い目に遭ったというのにやはりモチベーションは上がらないのは、ソプラノの性格が原因なのだろう。

その後、のんびり昼寝に勤しむソプラノを尻目に先程と同じテンションで探索を行うソーゲスたち。

「呑気なもんでゲスね、全く…」

ため息を付きながらも聴診器で岩の中の音を聞くソーゲスの隣で―

「聞こえないねー」

「全然でゲス」

一緒に聴診器を当てていたのは何とチャチャ。

ヨーダスの周りではリーヤが地中探査機に興味を持って「俺にもやらせろー」とちょっかいを掛ける。

ハイデヤンスはダウジングが反応した先を見て、しいねちゃんが挨拶する姿に慌てふためく。

全員脱兎の如く駆け出し、ソプラノにチャチャが現れたことを報告する。

「何をおたおたしている!さっさとやっつけろ!」

そんな3人に鞭を飛ばし、戦うように指示を出すソプラノ。

「ねーねーソーゲスさん!元気だった?」

「どうもー」

「オッス!」

全くもって警戒も緊張の欠片もないチャチャたちとは対照的にソーゲスたちは臨戦態勢に入る。

「俺たちゃならず者でゲス」

「チャチャをやっつけるダス」

「お茶の子さいさいでヤンス」

手に得物を持ちながらチャチャたちに攻撃を仕掛けようと突進し―

『ええーい!』

そのまま横を通過し、箒に乗って逃亡した。

 

「おのれぇぇ!魔族の風上にもおけない腰抜けがぁぁぁ!」

ソプラノの怒りは頂点に。

その姿に気付いたチャチャがソプラノに向かって言い放つ。

「見つけたわソプラノ!ホーリーバードを返して!」

風が止まる。

ソプラノがゆっくり振り向く。

しかし彼女は相も変わらず見下した表情で言葉を返す。

「また出たね、噂のつぶれアンパン」

「つぶれアンパンじゃないもん!」

と言いながらふくれっ面になるチャチャ。

(まぁ、言い得て妙かしら)

(可愛いんだけどね…でもつぶれアンパン)

アーリンとアリーナが苦笑い。

「そんなことより、そのホーリーバードを返せ!」

しいねちゃんがソプラノに指を差す。

「『そんなこと』って…」

「しいねちゃん!」

チャチャのつぶれアンパン疑惑を蚊帳の外に出してしまい、涙するチャチャを慰めるしいねちゃんとリーヤ。

それを見たソプラノは堪忍袋の緒が切れる。

「ええい鬱陶しい!あたしと勝負だ!」

鞭をチャチャたちに振るうが、それを躱して変身するチャチャ。

「愛よ!」

「勇気よ!」

「希望よ!」

メダリオン、ブレスレット、指輪が光を放ち、それに包まれたチャチャはマジカルプリンセスに変身。

「愛と、勇気と、希望の名の元に、マジカルプリンセス、ホーリーアップ!」

続けざまに不死鳥を呼び出すためにビューティー・セレインアローを放つ。

「セイントフェアリー・ナビゲーション!」

「ほう…」

変身する様子をソプラノは不敵な笑みで見つめる。

「ライトニングフェザー・スキルアップ!」

チャチャに向かって突進する不死鳥はその手に乗ると、剣の形を取り、不死鳥の剣が完成する。

それを構えてソプラノに立ち向かうチャチャ。

アーリンたちも同じく武器を構え、ソプラノを取り囲むように陣形を取る。

「ホーリーバードを返しなさい!」

怒りの声を上げるチャチャを冷徹な目で見ながら口を開くソプラノ。

「ホーリーバードが我が手にある限り、あたしの勝ちは動かない」

そう言って手に取り、変化させようとする。

「やめなさーい!」

止めようと飛び掛かるチャチャだが、それよりも早く、ソプラノのホーリーバードが変形していく。

羽根型に変形したホーリーバードがチャチャに襲い掛かる。

それを素早く躱した彼女の足首に鞭が巻き付くのだ。

「チャチャ!」

素早くアリーナが村正で正確に足首に巻き付いた鞭だけを切り裂く。

「ちっ!」

飛び掛かろうとしたソプラノはバックステップで距離を保つ。

「攻撃出来ない分、もどかしい!」

ホーリーバードはアーリンたちにも飛び交い、回避するだけで精一杯。

手を出せば壊れるかもしれない、そんな思いが浮かんでしまう時点で剣を振るえないのだ。

 

「さぁソプラノ、観念するのよ」

鞭を斬られ、得物が無くなったソプラノに近寄るチャチャ。

しかしソプラノはまだ戦意を失ってはいない。

「ふっ、勝負はまだついてないよ」

その言葉に先程までアーリンたちの周りで飛び回っていたホーリーバードがチャチャに襲い掛かる。

「ホーリーバードよ!チャチャをぶっ飛ばしておやり!」

ソプラノの言葉と同時に飛来するホーリーバードを慌てて回避するチャチャ。

アーリンたちと同様、国王の印を傷つけるわけにはいかない。

何度も執拗に襲い掛かってくるホーリバードを回避するのが関の山である。

「バードシールド・ビルドアップ!」

チャチャが盾を構え、バリアを張り、ホーリーバードの攻撃を真っ向から受け止める。

激しい火花が散り、当たり負けしたホーリーバードは制御を失い―近くの岩にぶつかった。

「ああっ!」

 

岩が砕ける。

激しい閃光。

バチバチと音を立ててそれは鳴り響き、そして―浮かび上がる王家の紋章と巨大な穴。

王家の紋章が消え、穴からおぞましい量の瘴気が湧き出てくる。

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