私は1人で生きていける   作:ふぁ!?

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第3話

私は今5年間まともに話そうとしなかったあの人…酒寄さんの部屋に謎の赤ちゃんと居る。先ほどまで泣いていた赤ちゃんは今はスヤスヤと寝息をたてて眠っている。

 

「暮葉。あの…この赤ちゃんなんだけどね」

 

目が見えないから分からないけど何か言い辛そうな感じであの人が話し始めた。

 

「バイトから帰ってきたら家の前の電柱がゲーミング電柱になっててね?」

 

「ゲーミング電柱?なんですかそれ」

 

小学生の頃にクソ兄から聞いたことがあったような、確かゲーミングってゲームに特化した椅子とかパソコンの事だよね?なんでそれが電柱に?

 

「あーえっと…虹色いや、七色に光る電柱があったの」

 

「はぁ」

 

ゲーミングとは七色に光る事を言うのかな、だとしたらクソ兄は七色に光る椅子やらパソコンを持っていたのだろうか、黒以外の色を知らないので七色がどんな色かは分からないけど綺麗なのだろう。

 

「その七色に光る電柱から扉が出てきて中に赤ちゃんが居まして…」

 

「電柱の中に赤ちゃん、ですか」

 

電柱を見たことは無いけどそんな事ありえるのだろうか

 

「流石に放置は危ないかな、と思って赤ちゃんを抱き上げたんだけど、そしたら電柱の扉が消えちゃって困ってた所に暮葉が来て…」

 

「今に至ると」

 

「はい…」

 

なるほど…?とりあえずここまでの流れは把握したけどだからといって内容までは理解できてない、目が見えればもっと分かる事があるのかもしれないけど何度も言うが私は目が見えないのだ。

 

「訳わかんないよね。こんな話」

 

目の見えない私には酒寄さんがどんな表情でこんな話をしてくれたのかは分からない、でも目が見えなくても分かることはある。

 

「とりあえず警察いや、こんな話されても取りあってもらえないでしょうね。なら児童相談所は…そもそも戸籍があるか分からない子にそういう機関が使えるのでしょうか」

 

「え、暮葉?」

 

「なんですか」

 

「信じて…くれるの?」

 

「はぁ…?嘘なんですか?」

 

「全部事実だけど…」

 

あぁ、そういうことか

 

「見える人は相手の目線で嘘か本当かを見極めると聞きます。それと同じ様な物で私は人の声色や声の震え方で嘘か本当かはなんとなくですが分かります」

 

あくまでなんとなくなので百発百中でもなければ誰にでも通用するものでも無い、もっともそんな物がなくてもこの人は無意味な嘘、ましてや犯罪行為なんてしないでしょうが。

 

「酒寄さん。赤ちゃんは今何処に居ますか?」

 

「え?えぇーと私のとな、あーいや暮葉から見て10時の方向にある布団の上で寝てる…かな?」

 

「分かりました。ありがとうございます」

 

10時の方向ならこの辺りかな?私は赤ちゃんを起こさない様にゆっくりと這って行く、思ったより近かったようで手に布団の感触が伝わり寝息がより鮮明に聞こえる、音の聞こえ方からして頭はこの辺りだろう…あった。赤ちゃんを起こさない様に優しく、丁寧に触れる。ここは口…頬…鼻…目…おでこ…耳…これは…被り物?何かの耳?を模した感じかなモフモフしてる。うん…輪郭は覚えた。あとは全体的な大きさだけど…片手で持てるくらい、腕に…なにこれ金属?いや、ブレスレットかな。

 

「とりあえず輪郭、顔のパーツ、全体的な大きさは覚えました」

 

知識としては知ってたけど赤ちゃんってこんなに小さいんだ、触れるのは初めてだから今まで知らなかった。私も昔はこのくらい小さかったんだろうか。

 

「とりあえず今日は様子を見て、明日また来ますね」

 

「…え」

 

「…なんですか」

 

「手伝ってくれるの?」

 

「手伝って欲しいから私を部屋まで連れてきて事情を説明したと思ってたんですが」

 

「いや、あの時は気が動転してたというか…勢いというか…」

 

「でしたら私も勢いです。もっとも私がなんの役にたてるか分かりませんが」

 

今まで話をしようとしなかった3年間。話をする事を避けていた2年間。計5年。気まずくて、この人に迷惑や負担をかけたくなくて避けて来たが、そうも言ってられない状況だ。

 

「では、私はこれで」

 

玄関の場所ぐらいは聞かなくても分かる、私の部屋とこの人の部屋は間取りが一緒なのだから間違える筈がない。私は玄関まで歩くと立て掛けていた白杖を手に取り、玄関をくぐる

 

「あ、暮葉」

 

私は振り返り、おそらくあの人が居るであろう方向を向く。

 

「あ、ありがとう。それとあの…うぅん、何でもないおやすみ」

 

「はい。おやすみなさい」

 

あの人が何を言いたかったのかは分からないが、言わなかったのなら気にしても仕方ない。私は戸を閉めると部屋に戻り、白杖をいつもの場所に立てかけ靴を脱ぎ、部屋に上がる

 

「すいません。ヤチヨさん起きていますか?」

 

ベッドまで歩いた私はベッドに腰掛け、スマホを取り出しヤチヨさんに呼びかける。

 

『はいは〜い!起きてるよ〜!』

 

「こんな時間にすいません」

 

『ぜぇ〜んぜん!ヤッチョは問題ないよ』

 

「ありがとうございます」

 

『それでどうしたの、悩み事?』

 

「そんな所です」

 

『なんだい、なんだい?』

 

「戸籍が無い子供でも児童相談所って使えるのでしょうか」

 

『凄い質問だねぇ!?』

 

驚いた声を出したヤチヨさんはう〜んと唸り

 

『戸籍が無いんじゃちょっと厳しいかもねぇ』

 

「そうですか」

 

まぁ予想通りの答えなので特に落胆も無い

 

「となるとやはり育てるしか…」

 

丁度3連休に入るタイミングなのでその期間中なら赤ちゃんの面倒を見れるだろうが、学校が始まったらそうもいかない。日中、生後何ヶ月かの赤ちゃんが部屋に1人だけなのは流石に不味い。なのでヤチヨさんに児童相談所について聞いたんだけど。

 

『え、え〜と暮葉?どうして児童相談所の話になったの?』

 

私はヤチヨさんにゲーミング電柱やあの人の名前、関係を伏せヤチヨさんに話した。

 

『く、暮葉はその子を育てるの反対…?』

 

「まぁ反対ではありますね」

 

『え!?』

 

何をそんなに驚く事があるのだろうか、普通に考えて高校生が見知らぬ赤ちゃんを育てるより他の大人に任せたほうが良いでしょう。

 

「子育てについて詳しくはありませんがそう簡単に出来る物ではないでしょ」

 

『そ、それはそうなんだけどぉ…』

 

何故かヤチヨさんが焦ってる感じがする。

 

『だ、大丈夫だよ!赤ちゃんは聞き分け良いし!うん、大丈夫!暮葉といろ…その子でも育てれるよ!』

 

なんか押しが強い気がするけど現状育てる以外の選択肢も無い。

 

「3連休中になんとかなれば良いのですが」

 

『た、たぶんなんとかなるよ!うん!』

 

その後、ヤチヨさんと軽く話し合ったがやはり育てる以外の選択肢を見つける事は出来なかった。




ヤチヨ『あ、危ない…危うく捨てられる所だった』

思った以上に投稿するまでに時間かかった…
クソぉ!文才がなくて思ったように話が進められない!

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