私は1人で生きていける   作:ふぁ!?

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この小説は『深く考えたらダメ脳死で見ろ』をキャッチコピーにしています。


第4話

 

翌朝。昨日の宣言通りあの人の部屋を訪れた私は妙に狼狽しているあの人に手を引かれるまま部屋に入り、赤ちゃんが大きくなったと慌てるので触って確認してみたのだが…

 

「……触るまで半信半疑でしたが確かに大きくなってますね」

 

「本当この子何ぃ…」

 

昨日の夜の時点では片手で抱えられるぐらいの大きさだったか、今では両手で抱えないといけないくらいの大きさにまでなっていた。

 

「あ」

 

「え、どうしたの」

 

「…シーツ、濡れてますね」

 

「嘘!?」

 

立ち上がる事すら出来ない赤ちゃんが自力でトイレに行ける筈もなくシーツから少し嫌な匂いが漂っている。

 

「早急にオムツなどのベビー用品を購入した方が良さそうですね」

 

私は立ち上がり玄関に向かう。

 

「暮葉?」

 

「ベビー用品は私が買ってきますので酒寄さんは赤ちゃんをよろしくお願いします」

 

「それなら私が」

 

「酒寄さんが買い出しに行くとなると私は赤ちゃんと部屋に2人っきりになります。ずっと拘束し続ければ大丈夫ですがそれで泣かれてしまうと泣きやませる事が難しいです。」

 

「じゃ、じゃあ赤ちゃんは私が連れてく」

 

「そうなると酒寄さんはその歳で赤ちゃんを連れてベビー用品店に入る事になりますよ?知らない人に誤解されるならまだしもクラスメイトや教師などに見つかると少々面倒くさい事になりますよ?教師は酒寄さんが1人暮らしなのを知ってるでしょうし、最悪の場合親に連絡がいきます」

 

「そ、それは困るかも…」

 

「なので私が買い出しに行くので酒寄さんはその子の面倒を見てて下さい」

 

「でも…」

 

この人は頭が悪い訳ではないしなんなら良い方だ、だからこれが最良の判断だと分かる筈なのになんでそこまでして私を買い物に行かせたくないんだろうか?……やっぱり嫌いな相手だからかな。

 

「…分かった」

 

「分かってくれましたか、では「私も行く!」…え?」

 

この人は何を…?

 

「何を言ってるんですか、そうしたら赤ちゃんは1人になりますよ」

 

「赤ちゃんも連れて2人で行けばいい、そうしたら家の手伝いに見えるでしょ」

 

「それは…そうですが」

 

さっきはこの人が渋っていたけど今度は私が渋っている。だって2人で行くとなると否が応でも迷惑をかけてしまう。

 

「2人で行かなくても私1人で」

 

「ダメ、私も行く」

 

なんでそこまで私に着いてこようとするんだろうか…?

 

「ほら、行くよ」

 

「あ…」

 

出かける準備を終えたのかあの人は私の右手に白杖を握らせると左手を引きゆっくりと歩きだした。こうやってこの人に手を引かれながら歩くのは何年ぶりだろうか。そんな事を考えながら私達は3人で買い出しに出た。

 

 

 

ーーー

 

ーー

 

 

 

 

 

「あー疲れたー!」

 

「だから私も持つって言ったんですよ」

 

「それはダメ」

 

「なんでですか…」  

 

朝から買い出しに出た筈なのに帰ってきたのはほぼ夜。こんなに遅くなったのは赤ちゃんに必要な物が分からず色んな店に行ったからと

 

「……途中で私を置いて行けばもっと早く帰れましたよ」

 

私の所為だ。目が見えない私はどんな所であれ走る事は無く危険なのでゆっくり歩く、その為この人1人で行けばもう少し早く帰れた筈だ。

 

「それもダメ」

 

「…左様で」

 

移動中も買い物中もずっと手を引かれるので離そうとすると「ダメ」と言われ私がお金を払おうとするのも「ダメ」と言ってきたり…まぁ折半で手を打ったけど。とにかくこの人のダメの判定が分からない。

 

「とりあえず放置していたシーツでも処理してきて下さい。その間私はオムツを履かせますので」

 

そう言うと私は手探りで買い物袋を見つけ中からオムツの袋を取り出す。事前に買った品を触って覚えていたので簡単に見つかった。

 

「大丈夫?」

 

「問題ありません。やり方さえ分かれば後はなんとかなります」

 

私は片耳にイヤホンをつけオムツの袋にスマホをかざしオムツの袋をクルクルと回転させる。こうする事でスマホのカメラが文章を読み取りイヤホンから音声として流れる。

 

「なるほど…やり方は理解しました。赤ちゃんは何処に?」

 

「私が抱っこしてる」

 

「では私の前に足がこちらに向く様に寝かせてくれますか」

 

少ししてからあの人から「出来たよ」と言われたので私はオムツの袋を開けてオムツを取り出す。今は何も着ていないので脱がす物はないので楽だ、いきなりオムツをつけるのでは無く汗をかいてるかもしれないので軽く股の当たりを拭く。

拭き終わったら足の位置を確認し左足、右足をオムツに通す、通し終わったら赤ちゃんの腰を軽く持ち上げオムツを上まで引っ張れば。

 

「完成です」

 

「おぉ〜」

 

「何感心してるんですか、早くシーツをなんとかして下さい」

 

「はい…」

 

その後、あの人にミルクをあげてもらった。お湯を沸かすだけなら出来るけど、粉ミルクを哺乳瓶に入れる作業やお湯を哺乳瓶に入れる作業が私には出来ないからその辺は任せるしかない。ミルクを貰った赤ちゃんはその辺をハイハイで移動しているらしく赤ちゃんが這っている音がずっと聞こえた。流石に危ないので途中で私が抱き上げ膝に座らせていたのだけど

 

「ひゃぁ!?」

 

突如として指に感じた事のない感触が生じ、思わず悲鳴をあげてしまった。

 

「何!?どうしたの!?」

 

哺乳瓶を洗っていたあの人がこっちに走ってくる音がする。

 

「ゆ、指がぁ、変な感じで…」

 

「指?あーしゃぶられてるね」

 

しゃぶられている…?つまり私の指はくわえられているのか、赤ちゃんは何でも咥えるとは聞いていたがまさか人の指まで咥えるとは

 

「それは私の指なので、離してください」

 

無理矢理離そうとすると赤ちゃんの手が私の手首を掴む、けして強い力では無いので離そうと思えば離せるが

 

「はぁ…少しだけですよ」

 

何故か力づくで離す気が無くなってしまった。赤ちゃんとは不思議なものだ。その後は赤ちゃんをあやしたりあの人に誘導されつつミルクをあげたりして赤ちゃんの世話をし、眠気が来たのであの人の提案で今日はここで寝かせてもらう事にした。

 

「痛ぁ!?」

 

まさかお腹に強烈な痛みを感じで夜中に飛び起きるとはこの時には夢にも思わなかったけど。





色々と言いたい事はあるでしょうが許して!

ちなみに暮葉が眠っている場所は窓付近です
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