という事でお久しぶりです!1週間以上投稿しなかった作者です。全然上手く書けなくて色々とやってたらこんなに空いてしまってた…1週間以上も更新してなかったのにお気に入り登録や評価者も増えていつの間にか総合評価1000超えてるし、誤字報告もしてくれて、皆さん本当にありがとうございます!感想とかも良ければお願いします…!
ちなみに前話で今回から2000字に戻すと言ったな、あれは嘘だ。1話1話の文字数が定まらない…!
最初に感じたのは光だった。目を開けるとそこには何処までも広がっていそうな空間、大きな建造物。足元にはたぶん水?があって、周囲には明かりが浮いているその空間は私が知らない物で溢れていた。他に何があるのかと周囲を見渡してみる。
「…あ」
最初に自分の腕が見えた。
自分の着ている服、学校の制服が見えた。
自分の足が見えた。
最後に…水面に自分の顔が見えた。
「こんな顔…してたんだ」
その場に座り込んで水面に映る自分の顔をよく見る。産まれて初めて見た自分の顔の感想は綺麗だとか可愛いとかでは無く、これが私の顔だ。といった妙な納得感だった。ゆっくりと自分の顔に触れ頬を引っ張ったり、目を見開いたり、口をパクパクさせたり、色んな事をやった。ある程度自分の顔で遊んだ私が次に目をつけたのは自分の着ている制服だった。
「学校の制服ってこんな感じなんだ、確か制服は白って教室で誰かが言ってたような」
立ち上がった私はその場でクルクルと回ってみる。現実だと危なないのでこんな動きは出来ないけどココなら出来る。これが白、じゃあこのネクタイとスカートはなんて色なんだろう、それにあの大きな建造物はなんて色なんだろう、見えるってこんなに楽しいんだ。
もっと沢山色んな物を見てみたい。もっと沢山色んな事をやってみたい。
「うんうん。楽しんでくれてるみたいでヤッチョも嬉しいなぁ」
私の背後から声が響く。
「太陽が沈んで、夜がやってきます」
空間全体が暗くなって空から無数の光が降り注ぐ。さっきまで神秘的な景色だった空間が一瞬で幻想的な景色に切り替わった。
「仮想空間ツクヨミにようこそ。暮葉」
目の前に居る肩にぬいぐるを乗せた女の人は私の名前を呼んだ。もちろん見た事のない人だけど私はこの人を知っている、正確に言うとこの人の声を私は知っている。
「ヤチヨさん…ですか?」
「あったりぃ!ツクヨミ管理人の月見ヤチヨでーす!このモフモフはFUSHI!」
「よろしくな!」
ヤチヨさんはこちらに駆け寄ってくると私の手を掴んで握手のような形をとる、というかあのぬいぐる?喋るんだ。まさか喋るとは思っていなかったので少し驚いた。
「ヤチヨさんいつから居たんですか?」
「来たのは今だよ?」
ならあの痴態は見られて無いらしい。
「でも最初から見てたよ」
「え」
「いやぁ〜暮葉が楽しそうでヤッチョも嬉しいよ」
その発言が意味する所はつまり…自分の顔が熱くなるのが分かり水面に映る自分の顔が見える、この時私は初めて赤という色を知った。…こんな事で知りたくなかったかもしれない…。
「忘れて下さい…!」
「う〜ん。どうしよっかなぁ〜」
クスクスと笑うヤチヨさん、改めてヤチヨさんを見るとこういう人の事を綺麗だとか可愛いと言うんだろう。ヤチヨさんにファンが多いのも納得だ。
「どうしたの暮葉?あ、もしかしてヤッチョに見惚れてた?」
「はい、凄い綺麗だなと思って」
「え!?」
ヤチヨさん髪長くて綺麗だな、何色かは分からないけど光に反射してキラキラ光ってる。やっぱりヤチヨさんは美人だ。
「く、暮葉…ちょっと見すぎ…!」
「すみませんヤチヨさん、少し顔に触れてもいいですか?」
「え!?…う、うん。いいよ」
「失礼します」
私はゆっくりとヤチヨさんの顔に触れる、さっき手を掴まれた時からそんな気はしてたけど、この世界には触覚が無いらしい。だけど何かを触っている感じはする。
「………」
「………」ペタペタ
「…っ…!」
「………」ペタペタ
「…あの…暮葉…!」
「その辺で勘弁してやってくれ」
「あ、すみません。もう大丈夫です」
触覚が無いのでちょっと分かりにくいけど覚えれた。ヤチヨさんは私に背を向けて両手をうちわのようにパタパタさせて顔を扇いでいる、少ししてからヤチヨさんはこちらに振り向く。
「ん゙ ん゙っ…今から暮葉にはツクヨミでの名前を決めてもらうよ!」
「名前、ですか?」
「ユーザーネームってやつだ」
ユーザーネーム、ゲームはやらないから決まった名前とか無いし、本名は…流石にダメか。
「ではクレアで」
「オッケー!登録したよ!」
本名を少し弄っただけだけど中々いい名前だと思う。
「次はツクヨミに入る為のアバターを作ってもらうよ!」
「アバター…」
ゲームには詳しくないけど確かゲームの中に居る自分の分身とかそういう意味だった…筈?クラスの人が話してたのが聞こえただけだからよく分かんないけど。
「という訳で、どん!」パチン
ヤチヨさんの指を鳴らすと共に私の目の前に画面のような物が現れた。画面には真ん中に私がいて左右に沢山の髪型がありそれに触れてみると画面内の私の髪型が変わる。これで自分にあう髪型を探すのか、横にスライドすると服や頭につける被り物のような物がある。あ、色の名前も書いてるからこの画面を見れば何が何の色かも覚えれる。
「(^o^)」ニコニコ
さて、どうしようかな。髪はこれで…
「(^o^)」ニコニコ
頭につける被り物は…これなんか良いかも
「(^o^)」ニコニコ
……
「(^o^)」ニコニコ
「あの、ヤチヨさん」
「ん?何かな暮葉?」
「その、ニコニコしてて楽しそうなのは良いんですけど…あまりジッと見られるとちょっとやりにくいですが…」
「大丈夫。大丈夫!ヤチヨは空気みたいな物だから!」
こんな存在感がある空気なんかあるわけない。
「諦めろ。ヤチヨはこう見えて頑固だから何言っても聞かねぇぞ」
今もなおニコニコ顔でヤチヨさんは私を見ている、FUSHIさんの言う通りこれは聞いてもらえない感じだ、ここは諦めてアバター制作に戻ろう。とは言っても外見はおおよそ決まったけど服装が決まらない、私が持ってる服は着やすさと耐久性で選んでるからオシャレとか分からないし、どうしよう。
「お困りかな?」
ニコニコ顔でヤチヨさんが聞いてくる。
「容姿は決まったんですけど服装が決まらなくて」
「ならヤッチョがオススメのコーデを選んであげよう!」
そう言うとヤチヨさんは私前から画面を動かし自分の前に持っていくと、慣れた手つきで操作をして再び私の前に画面を戻した。
「どうかな〜?ヤッチョが選ぶ一番可愛い暮葉の服の感想は!」
「そうすね、服は可愛い…と思います」
服は可愛い、これはお世辞とかでは無く本心だ。けどその服が私に似合っているかは別問題というか、正直似合ってるのか似合って無いのかすら分からない。
「お気に召さない感じかな?」
ヤチヨさんは不安そうな顔で聞いてくる。
「そんな事は!ただ、こんな可愛い服が私に似合うのかが分からなくて」
「大丈夫!暮葉は何を着てもかわいいよ!ね、FUSHI?」
「まぁ、似合ってると思うぜ」
「そう、ですか」
うん、せっかく選んでもらったんだしここで悩んでもしょうがない、ヤチヨさんとFUSHIさんがこう言ってくれてる事だし自身をもとう。
「分かりました。これでお願いします」
「オッケー!これで準備は整ったね!じゃあ…」
ヤチヨさんは私の手を掴むと赤い建造物に向かって走り出す、赤い建造物の手前で立ち止まり私を赤い建造物の下に押し出した。
「いってらっしゃい!」
「い、いってきます!」
反射的にそう返すとヤチヨさんは一瞬驚いたような顔をした後、笑顔で私を見送ってくれた。赤い建造物の下を通過すると私の姿が徐々にアバターと同じ姿に変わっていき、視界もさっきとは違う景色に変わっていく、体が完全に通過しきると私の体は完全にアバターと同じ姿に変わっていた。結構強めに押されたので危うく転びそうになったけど転ばない様にバランスを取るのは得意なので何とか耐えた。
「あ!暮葉来た!」
かぐやさんの声が聞こえたと共に衝撃が体を襲う、流石にこの衝撃は予想外なのでかぐやさんと抱き合う形で倒れた。痛みはなく足元はさっきと同じ水だったけど服も濡れてない、良かった。ログイン早々にずぶ濡れは回避したらしい。
「ちょっとかぐや危ないでしょ!」
「ごめーん!」
「私に謝らない!」
「ごめーん暮葉!大丈夫?」
「大丈夫です。現実でこれをされると危ないですけどここでは痛みも無いので問題ないです」
たぶん現実でこれをされると普通に怪我する。
「あ、暮葉は猫なんだ!かわいー!」
「ありがとうございます」
…ん?何か頭の上で何が動いたような感覚が、それに腰当たりにも違和感が、水面に映る自分の姿をみる。
「……」ピコピコ
そこには頭に黒い猫耳をと腰に尻尾を生やした私の姿が…
「……」ピコピコ
これ被り物じゃなかったんだ…!というか腰の尻尾は何これ!?こんなの知らないんだけど!?あ。アバターの後ろ姿とか確認してなかった…!
「ん?どしたの暮葉?」
「いえ、自分の無知を恥じてるだけです…。そう言うかぐやさんは兎…ですか?」
金髪の髪に溶け込むように長い兎の耳が垂れ下がっている。
「どう?可愛いでしょ!」
「何というか、かぐやさんらしいですね」
月から来た兎耳のかぐや姫。色々とマッチしてて良いと思う。
「ワン!」
「ん?」
足元から鳴き声が聞こえ見てみるとそこには4本足で走り回る犬?が居た。
「犬DOGEだよ〜」
犬DOGEってさっき言ってたやつだよね、よく分からないけどツクヨミに連れてこれるんだ、FUSHIさんと似たような感じなのかな。
「髪、ロングにしたんだ」
「はい。現実では難しいですけどこっちでは、と思って」
私は自分の腰くらいまでに伸びている髪を撫でる、自分の憧れが叶ってちょっと嬉しかったりする。
「ん、良いじゃん。水色のマフラーとか銀色の着物も似合ってるよ」
あの人はそう言ってくれた。良かった変ではないようだ。
「酒寄さんは狐ですか?」
「そ」
あの人の服装は全体的に黒に近い色合いだ。
「大人っぽくて良いですね」
「ありがと、そうだ暮葉。ユーザーネーム教えてフレンド申請送るから」
フレンド申請?何だろうそれは。
「クレアで登録してます」
「オッケー、クレアね」
「かぐやも送るー」
私の名前を聞くとあの人とかぐやさん画面を出して何かを操作すると私の前に画面が現れる。
《イロさんからフレンド申請が来ています。受理しますか?
YES/NO 》
《かぐやさんからフレンド申請が来ています。受理しますか?
YES/NO 》
よく分からないけどとりあえず両方YESを押すと、フレンドリストという画面に切り替わりそこにはイロとかぐやという文字が入っていた。かぐやさん本名で登録したんだ…
「オッケ、これて私達はフレンドになったから個人でのメールのやり取りとかログイン状態が分かるとか、色んな機能が使えるようになったから」
ほんとだ、色々と使える機能が増えてる。
「あ、それとこっちではユーザーネームで呼んでよね、特にかぐや」
「はーい」
「それじゃあ行こっか」
「おー!」
そう言って歩き出す2人、私も行こうと白杖を前に出そうとして気づく、白杖が無い事に。ここはツクヨミだから白杖が無くて当たり前、というか今は目が見えるのだから白杖が無くても歩ける。大丈夫、大丈夫。と自分に言い聞かせながら一歩、一歩と歩きだす。しかしいつもと比べるとその歩みは遅く視線も足元に向いてしまう、このままでは逸れてしまう。でも足は言う事を聞かず歩みは遅いまま、仕方が無いので2人に先に行ってもらうように言おうと顔をあげると。
「ほら、行くよ」
「行こ、暮葉!」
あの人とかぐやさんが片方ずつ私の手を握り私を引っ張ってくれた。触覚も温度も無いこの世界だけど今この瞬間だけは2人が握ってくれている手がとても温かく感じた。
「わ〜!すごいすごい!これがツクヨミなの!?」
目を輝かせてはしゃぐかぐやさん、かぐやさんがはしゃぐのも分かる。私もこの光景に目が釘付けなのだから。
「すごいですね…」
今私の目の前には見渡す限りの建物と数え切れない程の人々、空には沢山の光が動いていて豪華絢爛とは正にこの事、といった光景が目の前に広がっていた。
『初ログインおめでとう!ツクヨミでは皆が表現者!君も何かをして人の心を動かすと運営からふじゅ〜がもらえるよ!まずは初ログインボーナスをプレゼント!』
FUSHIさんの声が聞こえたかと思うと画面が表示されふじゅ〜が振り込まれる。表現者、つまり配信者みたいな事をすればふじゅ〜が稼げる感じかな。にしても今のFUSHIさんの声何かさっきと雰囲気違ったような。
「すげー!面白そうなもんが死ぬほどある!」
かぐやさんはそこらかしこにある店を回って楽しそうにしている、私はと言うと。
「あの、もう大丈夫なので離しても良いですよ?」
「迷子になるかもでしょ?」
「大丈夫ですよ、子供じゃありませんし」
「こういう人混みは危ないからダメ」
あの人に手を握られていた。かぐやさんは店が見えた時点で手を離して散策に行ったけど、この人は私の手を離さずにガッチリと握っている、そのせいか少しだけ周りから見られているなような気がする。
「行くよ、あのままだとかぐやが迷子になる」
「あ、はい」
それならかぐやさんも手を繋いでいた方が良いのでは?と思ったけど口には出さなかった。その後かぐやさんと無事に合流して店で食べ物を購入し近くの足湯に浸かりながら食事タイムとなった。
「わ〜!あむっ…味しなぁ〜い!」
豪華なパフェを食べたかぐやさんはそう言って不服そうな顔をする。
「味覚とか嗅覚まだまだらしいよ、家に届けてくれるサービスとかもあるらしいけどリアル並みの値段がするからとてもとても」
そう言うと、あの人もかぐやさんと同じパフェを食べる。
「ところでクレア、それ本当に食べるの?」
信じられ無いといった表情でこちらを見るあの人、そんなに変な物だろうか?
「食べますよ?」
「いくら味覚が無いとは言え、それはちょっと…食べ物の色じゃないよ」
「大丈夫ですよ」
そう言って私は先ほど店で買った食べ物…ゲーミング3色団子を口に入れた。色が綺麗だったから買ってみたけどゲーミング、虹色の時点で3色じゃなくない?とは思った。もちろん味はしないし食感もないけど何かを食べているような感覚はある。ちょっと味が気になっていたから味がしないのは残念だ。
「そろそろ時間だ、行くよ」
そう言ってあの人が立ち上がるので私も立ち上がると。
「クレア、手」
手を出すように催促される、なんとか断ろうとしたけど結局押しに負けてしまい。手を繋ぐ事になり、いつの間にか空いていた方の手もかぐやさんと手を繋いでいて、結局3人で手を繋いだ状態で目的地まで移動した。
目的地に着くと沢山の人が居た。
「今日が楽しみすぎて昨日寝れなかった!」
「分かる!」
「やっとチケット取れた!」
「今日はなに歌うんだろ」
というかすごい今更だけどこれから今から何が始まるのか何も知らないんだけど。
「さか…イロさん、あの」
私が声をかけようとあの人の方を見るとあの人はニコニコとした表情で何かを見ていた。月見ヤチヨ…湾岸部…ライブチケット…どうやらあればヤチヨさんのライブのチケットらしい、そう言えば今朝ヤチヨさんがライブをするって言ってたっけ。
「ねーねー。さっきヤチヨに会った」
「しー!あれはチュートリ、これから出てくんのが本物」
さっきのヤチヨさんは本人じゃなかったんだ、ヤチヨさん分身出来るらしいしあのヤチヨさんも分身の1人なのだろうか、凄い受け答えがちゃんとしてたから本人だと思ってた。
『キタキタキター!これがないとツクヨミの夜は始まらない!本日もヤチヨミニライブの開催だぁぁぁ!』
空中に大きな画面が出たと思ったら女の人が映りカウントダウンを始めた。
赤い建造物が現れ、沢山の光が赤い建造物の上に集まり出す。
5
4
3
2
1
沢山の光の中からヤチヨさんが現れた。
「ヤオヨロー!神々の皆!今日も最高だったー?」
ヤチヨさんは辺りを見渡すと
「よ〜し!今宵も皆を誘っちゃうよ!Let,s go on a torip!」
『幾千の時を巡って今、僕ら出会えたの ほら、見失わないように 手を離さないで 』
初めて見たヤチヨさんのライブは正に圧巻の一言だった。ヤチヨさんの歌はよく聞くけどイヤホンで聞くのとライブて聞くのでは何もかもが違う、なんというか、全身に音が響く感じがしてとても心地良い感じがする、演出も凄かった。現実では絶対に味わえないヤチヨさんだからできるでであろう演出の数々、人生初めて見るライブがヤチヨさんのライブで良かったと心の底から思うほどの凄いライブだった。途中で小さいヤチヨさんが3人飛んできたのも可愛くて良かった。
「ライブ…凄かったですね」
「うぅ、ヤチヨぉ…」
隣を見るとあの人が泣いていた。そう言えばこの人が泣いてるのを初めて見たかもしれない、いや、目が見えないから見るのは初めてなのは当たり前なんだけどそうじゃなくて、私はよく泣く方ではあったけどこの人が泣いてるのを聞いた事がない、そう言えばこの人赤ちゃんの頃のかぐやさんをあやす時にヤチヨさんの曲を歌ってたっけ、ということはヤチヨさんのファンなのだろうか?それなら泣いてるのも分かる。
「イェーイ!感謝感激雨アラモード!ヤチヨは果報者なのです。あ、ここでお知らせ!ヤチヨカップってイベントを開催するよ!」
空中に大きな画面が現れる。
「参加資格があるのはツクヨミの全ライバー!1ヶ月の期間内に一番多くの新規ファンを獲得した人が優勝だよ、優勝者にはなんとヤチヨとのコラボする権利を進呈!世界一盛り上がれるコラボライブを一緒に作れるよ!」
FUSHIさんがヤチヨカップについての説明をしてくれる、やっぱりさっき会った時と感じが違うような…?
「うっそ!コラボぉ!?」
「何それ?凄いの?」
「当たり前じゃん!配信でのコラボはあったけどライブはいつも1人で歌ぅてたんだよ!何!?誰と!?」
確かに、ヤチヨさんから配信でコラボした話は聞いた事があるけどライブでコラボした話は聞いた事が無い。
「じゃあ彩葉一緒にやろ?暮葉も!」
「私らみたいなモブとやる訳ないじゃん、こういうのはだいたい誰とやるか最初から決まってるの。」
「ちょっとライバーは難しいですね」
目が見えないライバーとか何をすればいいんだろうか、そんな事を考えていると後ろから大きな音が近づいてくるので振り返って見ると、あれは虎かな?虎が小屋みたいな物を引っ張ってきている。
バーン
虎が止まると小屋が轟音を立てて壊れ中から3人の人影が現れる、メイド服、ローブ、そして一際注目を集める赤い髪の人。
「凄いですねあの人達」
そう言ってあの人の方を見ると。
「げっ…」
とても嫌そうな顔をしてかぐやさんの後ろに隠れてしまった。あの人達に苦手意識があるのだろうか?かなり整った顔をしてるしいい人そうな感じがするんだけどな。
「よう、小ウサギども、お前らの帝様が来たぜ」
ん?
「また、祭りが始まるな」
「俺って今日も作画良すぎ♡でしょ♡」
「俺たちに優勝してほしいよな?底なしの夢を見せてやるぜ!」
んん?
「という訳で俺たち優勝するから。ヤチヨちゃんコラボ、よろしくね」
んん!?
「あの、イロさん?もしかしてアレって…」
「うん…そうだよ」
え?いや、え?久しぶりに会って?初めて見るのがあんなチャラいセリフを吐く姿なの?
「そう言う運命なら、もちろんヤチヨは従うよ」
「黒鬼とヤチヨのコラボライブだ!」
「やば!楽しみー!」
「…黒鬼?」
「ライバーとしてのグループ名、あのメイド服の人が乃依さんでローブの人が雷さん、そしてアレが帝アキラ。3人でブラックオニキス、黒鬼って呼ばれてる」
あの人が説明してくれる、というかアレの事を一瞬でも整った顔してるとか優しそうと思った自分が恨めしい…!なんかだんだんイライラしてきた、いっその事今から一発ぶん殴りにいこうかな、私の思考がバイオレンスになりつつあったその時。
「ヤぁぁチぃぃぃヨぉぉお!!」
とてつもなく大きな声が辺り一帯に響き渡る。
「かぐやがヤチヨカップ優勝する!そんでコラボする!いろh…むぐっ!?」
慌てて口を押さえるあの人と体を掴んで後ろに引っ張る私。
「……いとかわゆし」
「あんたは…!もう約束忘れたの!?目立たないっでって言ったよね!?」
「かぐやさん。あれはダメですよ」
大丈夫かな?ライブの妨害になって損害賠償とか請求されないかな?新幹線とかも少し止めたら凄い金額の損害賠償を請求されるって話だし。
「ほいでは、ライブはここで一旦クローズ!皆とちょこっとお話させてね?さらばーい!」
どうやらライブは終わったようでお咎めなしのようだ、良かった。
「楽しくなりそうだな、小ウサギ共。いい子にしてろよ」
声が聞こえ視線を向けるとアレは小屋に入りそのまま虎に引かれて帰っていった。てかその小屋さっき壊してたよね、帰りに使うなら壊すなよそれといつ直したんだよ、相変わらず派手好きな人だ。かぐやさんのおかげで冷静なれたから殴りかからずにすんだけど次に会ったら絶対に殴る。
「ねぇ彩葉、暮葉、一緒にやろ?」
「ダメ!そんなの無理!」
今からライバーを始めて優勝を狙うのはだいぶ厳しいと思う。そんな事を考えていると、誰かがこっちに歩いてくる音がする。
「無理無理!小娘共が!」
「こらっ」
私達の前にヤチヨさんとFUSHIさんが現れる。どうやら音の正体はこの2人だったようだ。このFUSHIさんはチュートリアルで会ったFUSHIさんと同じ雰囲気だ、もしかしてFUSHIさんって複数いるんだろうか。
「お忘れかな?ヤチヨカップの参加条件はライバーである事、ヤチヨカップはライバー限定なのです〜」
そうヤチヨさんは言った。…なんかヤチヨさん小さくない?
「そっか!じゃあかぐやライバーになる!そうと決まれば準備準備〜」
そう言ってかぐやさんは消えた。たぶんログアウトしたんだろう、準備って言ってたけど何をするんだろう、不安になってきたかも。
「あ、じゃあ私も今日はこれで…」
「待って!」
ログアウトしようとするあの人を呼び止め、ヤチヨさんはあの人を両手をギュッと握る、手を握ったときあの人もヤチヨさんもとても嬉しそうな顔をしていた。
「あの、ありがとうございました!」
そう言い残してあの人もログアウトした。
「さて、どうだったクレア?ヤチヨのライブは!」
「凄かったです。なんて言うか…言葉にならなかったです」
「んふふ〜そんなに喜んでもらえたならヤッチョも嬉しいなぁ」
ヤチヨさんは嬉しそうにクルクルと回る。
「あ、そうでしたヤチヨさん」
「なんだい、なんだい?」
「ヤチヨさんのライブのお祝い、何か決まりましたか?」
今朝の約束。ヤチヨさんの記念ライブのお祝いをすると言った約束、ヤチヨさんはライブが終わるまでに考えておくと言ってたし、もう考えているだろう。
「え、本当にお祝いしてくれるの?」
「はい、と言っても対した事は出来ませんけど」
ログインボーナスでもらったふじゅ〜もそこまで多い訳ではないから何かを送るのも難しい、あれ、私これ何も出来なくない?
「じゃ、じゃあさ、クレア」
ヤチヨさんは下を見ながらモジモジとした様子で言った。
「顔を、顔を触らせほしいなぁって…」
「顔、ですか?」
私もヤチヨさんの顔を触ったし顔ぐらい全然、あ、でもあれはヤチヨさんの分身だから違うのかな?ややこしいな。
「良いですよ」
今のヤチヨさんは何故か小さいので、顔が触りやすいように屈んで顔を差し出す。
「どうぞ」
「う、うん」
ヤチヨさんはゆっくりと両手を伸ばして私の頬に触れた。まるで割れ物を扱うかのように優しく触れていく。最初は戸惑っていたヤチヨさんだったけどだんだんと笑顔になっていき今では
「暮葉の猫耳触り心地がいいね〜」
ニコニコで私の猫耳を触っている。リアルにはない部位だから触れるとなんか変な感じがするけどヤチヨさんが楽しそうなので我慢しよう。前に私の顔をかぐやさんが触った時があったけどあの時のかぐやさんはどんな顔をしてたんだろう。
「ぷにぷに〜」
こんな笑顔だったら嬉しいな。
それから少し経ち、ヤチヨさんは私の顔からゆっくりと手を離した。
「ありがとね、クレア。最高のお祝いになったよ」
「喜んでもらえて良かったです」
にしてもなんで私の顔なんかを?ヤチヨさんが喜んでくれてるから良いんだけどちょっと謎だ。
「それじゃあヤチヨさん、私もそろそろ行きますね」
私はヤチヨさんから少し距離をとる。
「ヤチヨさん。今日はありがとございました。色とりどり世界、ヤチヨさんのライブ、そして…」
「ヤチヨさんを見る事が出来て本当に楽しかったです!ありがとうございました!」
私はヤチヨさんに向かって頭を下げた。
「ふっふふ…あははは…!そっか、そんなに喜んでもらえたんだ、良かったぁ」
「では、失礼します」
そう言って私はもう一度頭を下げ、ログアウトする。
「いつもありがとね。彩葉、暮葉」
ヤチヨの服があの色なのか知っているかい?彩葉の服と同じ色だからだよ。
ヤチヨの簪が金色なのはかぐやの髪色と一緒だからだよ。
ヤチヨの服に赤色が入ってんのはかぐやの服の色と一緒だからだよ。
じゃあ銀髪と水色はなんだよだって?暮葉の服の色とマフラーの色だよ…!(暴論)
と言った感じで決まりました。え?ピンクはなんだって?愛とか恋とかってピンクで表現されがちじゃん?つまりそう言う事よ(暴論その2)
ちなみに暮葉がちょくちょく言ってる赤い建造物ってのは鳥居です。この子鳥居を見た事ないから分からないんです。
あと黒鬼の小屋に関してはいつ直ったんだよ…