では、暇つぶしに見てってください。どうぞ!
チュン、チュン
「……んぅ……」
耳に入ってくる鳥のさえずりにゆっくりと意識が浮かび上がる
ゆっくりと目を開けると、そこは見慣れない天井………じゃ、ない
「…この部屋……鈴音の……」
そうだ、昨日は――
鈴音に再会して、
一緒に買い物をして
一緒にご飯食べて
一緒に彩葉とお風呂を巡って争って
一緒に寝て――
「……鈴音……」
そう呟いて、隣に顔を向ける
………あれ?
いない
布団の真ん中で眠っている筈の鈴音が、いなかった
「………え?」
一瞬、思考が止まる
彩葉は、いる。私の反対の位置で、すやすやと静かに眠っている
でも――
「………鈴、音?」
いない
彼が眠っている筈の布団の中央だけが、ぽっかりと空いている
部屋を見渡すけれど、そこに彼の姿は無かった
「………はっ………はッ……!」
胸が、ざわつく
そんなわけない、と現実を否定しようと胸を抑えるけど、嫌な予感だけがゆっくりと広がっていく
――昨日の事、全部、夢だった……?
鈴音に再会したことも、鈴音と一緒に笑ったことも、やっと感じることができたあの人の温もりも
全部――
「……やだよぅ……」
胸が苦しくなる
また、いなくなった? やっと会えたのに……また――
「……鈴音ぇ……!」
目の前の現実を受け入れたくなくて、否定したくても再会した彼の姿はどこにも無くて……
私はただ布団を強く握りしめることしかできなかった
カチャ
小さな音が、聞こえた
「……ッ!」
耳を澄ます
……キッチンの方からだ……誰か、いる?
でも――
もし……もし、本当に鈴音がいなくなっていて、誰もいなかったら――
「……………」
――怖い
でも、確かめないと
ゆっくりと布団から出る。彩葉を起こさないよう足音を立てないように歩き、ドアの前に立つ
……手が、少し震える
……大丈夫
きっと
きっと――
「………!!」
意を決して、ドアを開けた
「――おはようございます。 かぐや」
そこにいたのは――エプロンを身に着けた鈴音だった
「よく眠れましたか? もっとゆっくり寝ていても良かったんですよ」
フライパンを持ちながら、彼が微笑む。その目の下には少し隈があり、おそらく自分達よりもはやく起きたのだろう
その光景を見た瞬間――胸の奥が、じんわりと温かくなる
……夢じゃなかった
本当に、ここにいる
「……おはよう、鈴音」
でも――言葉だけじゃ、足りない
気づけば、身体が動いていた
彼の後ろから、そっと抱き着く
「……ッ!?」
鈴音の身体がびくっと跳ねる
その反応があの頃の彼と変わらなくて、それが懐かしくて――
「か、かぐや!?」
「…………」
何も言わない
ただ、抱き締める
――ちゃんと、ここにいる
温かい……この温もりが、現実だと教えてくれる
「……かぐや?」
彼の戸惑った声が聞こえる。……でも、離さない
今だけ……今だけは、鈴音をもっと感じていたいから
「………はぁ……」
しばらくして、鈴音が小さくため息をついた。彼は一度フライパンを置き、片手で頭を優しく撫でてくれる
「……仕方ないですね……」
そう言って苦笑しながら、再びフライパンを手に持って動かし始める。抱き着かれたまま、彼は朝食作りを再開した
……ふふっ
――本当に、鈴音らしい
「……いい匂い」
「簡単なものですけどね」
「ううん……嬉しい」
「……そうですか」
もう少しでできますからね、と彼の声が告げる
鼻をくすぐるベーコンエッグの焼ける香ばしい香りを感じながら、鈴音を抱き締める力を少し強める
自分は記憶を失っていると、鈴音は言った
けど――貴方は覚えてないけれど、私は覚えてるよ
あの時も、貴方はこうして私を甘やかしてくれた
私が地球に着たばっかりの時も、ライバー活動で伸び悩んでいた時も、彩葉にいたずらしすぎちゃって帰りづらくなった時も……私が困っている時に、鈴音はいつも傍にいてくれた
いつも半泣きになりながら逃げてくる私を、鈴音は笑顔で迎え入れてくれた……時々、頭を抱えてた時もあったけど……それでも、私を追い返すことは決してしなかった
一緒に悩みを解決してくれて、温かいご飯を作ってくれて、私を追いかけてきた彩葉と一緒に食卓を囲む。鈴音が美味しいって言ってくれた料理も、元は貴方が教えてくれたレシピをアレンジしたものなんだよ?
そんな鈴音と彩葉と過ごす時間がとっても楽しくて、温かくて、幸せで……
『かぐや! アンタまた鈴音先輩の家にッ……!』
『ひっ、い、彩葉!?』
『まぁまぁ、二人共落ち着いて』
『先輩もかぐやを甘やかさないでください!!』
『甘やかしてるつもりはないよ。それより彩葉も上がって。ちょうどご飯もできたし一緒に食べよう』
『また先輩はそう言って……! 今日こそはその手には乗りませんからね!!」
『……残念だ。せっかく今日は僕だけじゃなく、かぐやも手伝ってくれたのに……』
『……彩葉、ごめんね。 でも、鈴音とかぐやが作ったご飯……食べてくれないの?』
『ぬっ……んぅ……! ……あーもう! 食べますよ! 食べればいいんでしょ!?』
『『いぇーい!』』
そんな時間が、私の宝物になってて、いつまでもこんな時間が続けば良いと願った
でも、幸せな時間は長くは続かなくて……
なのに、貴方は――
『――遅れてごめん。もう大丈夫だよ、かぐや』
『君が目指すハッピーエンドはこんなところで終わらない。一緒に行くんでしょ? 最高のハッピーエンドまで!!』
いつもと変わらない笑顔で、まるで英雄みたいに、私を助けてくれる
抱き着く彼の顔を見る
まるで初雪を連想させる純白の髪。中性的な顔立ちで、両目に宿る紅い瞳は温かく宝石のように輝いている
記憶にある背丈より少し縮んでいるが、あの頃と何も変わらない鈴音がそこにいた
記憶を失っていても、自分よりも私達を優先する。そんなお人好しで、馬鹿みたいに優しくて、他人のためならどんな無茶だって平然とやってのける………私の大好きな人
もう一度、鈴音を強く抱きしめる
彩葉には悪いけれど、これくらいの役得は許してほしい。鈴音の事を心配していたのは彩葉だけではないし、それに彼女も酔っぱらって彼に抱き着いていたではないか
だから、今だけは――この温もりは、私だけのもの
私と鈴音の間に会話はなく、静かな時間が流れる
それは、おそらく私と同じ理由で鈴音を探しにきた彩葉がやってくるまで続いたのだった
~~~
鈴音SIDE
「仮想空間『ツクヨミ』?」
昨夜眠りにつけたは良いものの、早朝に目が覚めてしまい、左右を挟む美少女に緊張して二度寝ができなかった高校生はだれか? ――そう。僕です
結局再び寝付くことが出来ず、時間的にはちょっと早かったけど、昨日のお礼や気持ちを落ち着かせる目的もかねて朝食を作ることにした
幸い冷蔵庫には昨日調達した食材がまだ残っていたのでそれを利用させてもらったが……改めてみても、普段見たことない食材ばっかりだった。昨日は二人共意地でもお金受け取ってくれなかったので、せめてこれくらいの恩返しはさせてほしい
まぁでも、結局はじめて見る食材を使って失敗はしたくなかったので、ベーコンエッグやみそ汁、サラダなどの簡単なものしか作れなかったけどね
そして調理を始めてしばらくすると、かぐやが起きてきて僕に抱き着いてきた。寝ぼけていたのかと思ったけど、彼女の雰囲気から僕の過去関連のことだと何となく察することができた
そのため、そのまま調理を再開したけど……今度は彩葉も起きてきてかぐやと反対方向から抱き着いてきた。その時にはちょうど料理が完成したからよかったが……今度は二人を落ち着かせるのに時間を要した
結果として、朝食は冷めた
その後、何とか二人を落ち着かせ、朝食を温めなおして食事をとる
食事も終え、後片付けも終わらせて
彩葉が僕に聞いてきた
「はい。先輩って今日の予定はありますか?」
「いや、特にないですけど……」
「なら、私達と一緒にツクヨミに行きませんか?」
「一緒に行こうよ、鈴音!」
彩葉の誘いにかぐやが同調する
仮想空間『ツクヨミ』
自分の
僕でも名前だけは知っていた
特に今のアパートに引っ越してきてからは買い物やアルバイトをしているときなどに関連グッズらしき物も見かけたし、イベントの告知などもやっているのを何度か見た。学校でも友人が話題に出すくらいだし、かなりメジャーなものなんだろう
けど――
「……ごめんなさい。僕はちょっと遠慮しておきます」
そう言うと、二人の動きがぴたりと止まる
「……え?」
「どうして……?」
真っ直ぐな視線が突き刺さる。その顔はどこか悲しみが浮かんでいた
……いや、そんな深刻なことでもないんですけど
少しだけ言いづらくて、頬をかく
「いや、その……確か、ツクヨミにログインするためには、ある物が必要なんですよね?」
「……スマートコンタクト」
「あ、多分それです」
僕の疑問に彩葉が答えてくれる
『スマートコンタクト』通称スマコン
VR世界「ツクヨミ」に没入するために装着するコンタクトレンズ型デバイスであり、同時に
ちなみに僕の学校ではスマコン禁止の校則があり、友人達が嘆いていたのを思い出す
しかし、このスマコンが問題なのだ
「スマコンって、高いじゃないですか。今の僕の状況だとちょっと厳しくて……」
そう。スマコン本体の値段は最安でも何と12万円越え
孤児院出身であり、ただでさえ無理をお願いして一人暮らしをさせてもらっているのだ。アルバイトも行っているが、それも家賃や生活費、食費でほぼ消えていく。友人と遊ぶための娯楽費も何とか確保できているが、貯蓄は雀の涙ほどしかない
一度食費を切り詰めて生活を送ろうとしたが、学校の友人に止められたあげく、何処から情報が伝わったのか孤児院の先生にまで話が伝わってしまい「もしも体調不良が続くようなら一人暮らしを取り消す」とまで言われてしまったため断念した
先生は仕送りをしてくれると言ってくれたが、僕以外にも孤児院の子供たちは居るし、経営自体もギリギリであるため、仕送りは断っている。その代わり、次に同じことをすれば即孤児院に戻るという約束を交わしているのだ
友人達は僕の事情を全てではないが把握しているので、あまりツクヨミの話題は出さないようにしているが……本当に、いい友人を持つことが出来て良かった
まぁ、つまり……普通の男子高校生である僕には天地がひっくり返っても手が届かない品物であるということだ
「「………なるほど……」」
僕の話を聞いた彩葉とかぐやは何か考えこんでいる
正直、興味がないといえば嘘になる。友人が言うには、ツクヨミでは『ふじゅ~』なる仮想通貨があり、これはツクヨミ世界だけでなく現実世界でも使うことが出来るらしい
もしもその『ふじゅ~』があれば、自分の生活費に充て、余裕ができた分をこんな記憶がない僕を拾ってくれた孤児院に寄付することが出来るのだが……
「鈴音先輩」
「鈴音」
彩葉とかぐやの声が重なる
……なんだろう、すっっっごく嫌な予感がする
「昨日、私が渡したもの覚えてますよね?」
「え? ああ、なんかお詫びの品って言ってたやつ――」
そこまで言って、止まる
ゆっくりと、視線をテーブルの端へ向ける。そこには昨日受け取った箱が置かれていた。開けようにも昨日は色々な事が起き、開けるのを忘れていたのだ
……まさか……いや、そんなはずない
最悪の予想が頭をかすめる
「開けてください」
「開けてみて!」
……逃げられない空気だ
観念して箱を手に取り、ゆっくりと蓋を開ける
中に入っていたのは――
「……スマート、コンタクト?」
それは、ツクヨミに接続するための端末――通称スマコンだった
しかも、前に友人に見せてもらったものとは少し違う………明らかに高性能モデル
「…………え?」
思考が止まる
「二日前のお詫びです」
「いやいやいやいや! お詫びのレベルじゃないでしょこれ!?」
思わず立ち上がる
「こんなの受け取れないですよ! 絶対高いですよねこれ!?」
「気にしないでください。必要なものですから」
「そうそう! 鈴音に使って欲しかったし!」
いや必要って……!
「いや無理無理無理! 無理です! こんなの貰ったら僕もう一生二人に頭上がりませんよ!?」
「別にいいじゃないですか」
「よくないです!!」
必死に返そうとするが、彩葉がさっとそれを押し戻す。ならばかぐやにと返品を試みるが、こちらも押し戻して抵抗されてしまう
「却下です」
「却下ー!」
「なんで!?」
どうして……どうして……
床を拳で叩きつけながら項垂れる僕の元へ、彩葉とかぐやが近づいてくる
「とにかく、これで『スマコンがないから』という理由はもう無くなりましたよね?」
「ぐっ……」
「観念しなー鈴音ー」
「……そもそも、どうやって
「これでも私、天っ才研究者ですから。色々と融通はきくんですよ?」
「ツクヨミの超・絶! 人気
「………ハァ……」
小さくため息をつく
おそらく、彼女達が引くことはない。昨日の事だけでなく、こうなった彼女達には何をいっても無駄だという確固たる確信がある
「……分かり、ました。使わせてもらいます……」
「本当ですかっ……!」
「やった! やった! やった~!!」
「ただし!」
ぴしっと指を立て、二人に宣言する
「これは『借りる』ってことにさせてください。いつか絶対に料金はお返ししますから!!」
「……好きにしてください」
「細かいなぁ鈴音は〜………彩葉、どうしたの?」
「いや……なんか、昔の自分を見てるみたいで……」
「あー……」
彩葉とかぐやが何か言っているが、これだけは僕も譲れない。何年かかろうともいつか絶対にこのスマコン分の料金は返済する
その後、僕は二人にスマコンの使い方を教わった。そして、向こうでの再会を約束し、僕は無事に仮想空間『ツクヨミ』に降り立つのだった
「――後は、これをコンタクトの要領で目につけてください」
「……あの、彩葉……僕コンタクトって付けたことなくて……少し抵抗が……」
「かぐや。先輩をおさえて」
「アイアイサー!」
「ちょ、かぐや……せめて自分のタイミングでやらせてくださいよ!?」
「ほら、覚悟を決めてください。
「彩葉! 私が鈴音の目を開くからその隙に……!!」
「…い、彩葉? 嘘ですよね? 君はそんなことしn……い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」
………僕は無事に、ツクヨミに行けるのだろうか?
~~~
視界を包むのは宇宙のような果てしない空間
かと思えば、全身を眩い光が包み込み、浮遊感に襲われる
そのまま水面を突き抜け、波しぶきが上がり、目の前に大きな鳥居が現れる
足元を見れば、終わりが見えない浅い湖と、その水面を覆う数多の灯篭。空には無数の星々がきらめく満天の星空が広がっていた
「ここが……ツクヨミ?」
「――厳密には、ゲームを始める前のチュートリアルみたいな場所だよ」
背後から声が聞こえた
振り返ると、一人の少女が視界に入る
端正で綺麗な顔立ちに、いつか読んだ海の姫様の物語のような海洋生物をモチーフにした和の装い。紅い傘を片手に持ち、僕とは違う淡い白髪を揺らしながら、どこか神秘的な雰囲気を纏っていた
けど、僕を見るその顔はどこか儚げで、今にも泣きそうで……よく見れば、傘を持つ手が微かに震えている
それでも、涙一つ流さずに笑うその姿が……どこか昨日の彼女と重なって――
声も違う。容姿も違う。雰囲気も違う
でも、僕には彼女が――
「……仮想空間『ツクヨミ』へようこそ! 管理人の――」
「……………かぐや?」
~~~
ヤチヨSIDE
その一言で――私の時間が止まった気がした
「……ッ……」
喉が、詰まる
名前を呼ばれた。あの時のように
思い出していないはずなのに。今の私を、鈴音は知らないはずなのに
でも、確かに彼は『私』を見ている
「……違う、よ?」
ようやく絞り出した声は、ひどく掠れていた
「私は……月見ヤチヨ。ツクヨミの管理人で――」
「……そもそも、君は……かぐやに、会ったでしょ?」
そう。昨日鈴音は彩葉とかぐやに出会っている。それどころかつい先程まで二人と話していたはずだ
なのに――
「えぇ、彩葉とかぐやに会いました」
「なら――」
「――でも、貴女はかぐやです」
『僕が知ってるのは、好きな人のために8000年間頑張り続けたかぐやという少女だよ。もし全世界や君自身がどれだけ否定しようと、僕だけは君を肯定する』
その一言で――限界だった
「……ッ……!」
否定しようとした言葉は、喉の奥で崩れた
視界が滲む。もう、無理だ……誤魔化せない
「……っ、すず……ね……」
一歩、踏み出す
「――鈴音ッ……!」
気づいた時には、鈴音に抱きついていた
強く、逃がさないように
「……っ!?」
鈴音の身体が揺れる
でも、離さない
「やっと……会えたっ……」
抱き着いたまま彼の胸に顔を押し付ける。耳に響く心臓の音が、私に貴方がここで生きていることを教えてくれる
「………かぐや?」
最初に否定したのは私だけど、それでも今、貴方に呼んで欲しい名前は――
「……かぐや、だよ……」
絞り出すように、名前を告げる
「私は……かぐや……ッ……!」
今だけは、あの頃に戻ることを許してほしい。彼と二人で歩んだ、あの頃に――
「……そっか」
ぽつりと落ちたその声は、驚くほど優しかった。鈴音はそう言葉をこぼし、私を抱きしめた
「……ねぇ、かぐや。貴女の話を聞かせてください」
「……………ぇ?」
そう言って、鈴音は私を抱き締めたままその場に座り込む
水に濡れようと関係なく、彼は一層私を強く抱きしめた
「僕の記憶はないけれど、もう逃げないって……最高のハッピーエンドを目指すって約束しましたから」
笑顔で告げるその顔は、私の記憶にある顔立ちよりも少し幼いけど……あの頃と何も変わらない決意を秘めた表情をしていた
「……いいの? 私の話はとっっっても長いよ? もしかしたら8000年分くらいあるかも」
「上等ですよ。寝ずに聞いてみせます!!」
「アハハ!……でも、鈴音ってこの後、彩葉とかぐやに会わないといけないんじゃなかった?」
「へ? ……………あ゛」
「完璧に忘れてたね~」
「ど、どうしよう!? 時間もかなり経ってるし……どうすればいいんですか!?」
「まったく仕方ないにゃ~。ここは
「お願いします、かぐや!」
「あっ、ここからはわt……ヤッチョの事はヤチヨって呼んでね。他のユーザーにバレると色々と大変だから」
「わ、分かりました。よろしくお願いします、ヤチヨ!!」
「うけたまかしこまつかまつり~~~~☆」
――あぁ、このやり取りも懐かしい
本音をいうと、もっと鈴音と話していたい。もっと鈴音と一緒にいたい
……でも、これで最後じゃない。最後では、ないのだ
目の前で必死にキャラメイクウィンドウを操作している鈴音に声をかける
「――鈴音!」
「え…あ、はいっ」
「――おかえりなさい……!!」
「――ただいま。
――今度こそ
あとがき失礼します。本作品を呼んでいただきありがとうございました。
次回 いざゆかん、ツクヨミへ
ヤチヨの話が思ったより長くてまとめきれなかったため、二話か三話に分けてやっていきたいと考えています。
そして、少しずつ主人公の失われし過去も明らかにしていきたいです。
ですが、ご安心ください。この物語は、必ずハッピーエンドで終わらせます。絶対に
長くなってしまいましたが、今後も自分なりのペースで投稿していきますので、気長にお待ちいただけると幸いです
では、また次回のお話で。
追記
主人公のアパートの目安ですが、1DKの木造で、家賃はおおよそ5万前後を考えています