歌姫達の奮闘をめちゃくちゃにする系AI憑依オリ主   作:鈴木颯手

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最近このオリ主をブルアカ世界に投入したいと考えていたりします。そしてアリウス救うついでに色々やらかしたい


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 銃撃を受けた影響で体勢を崩したディーヴァだが痛みなど感じないAIらしく即座に体勢を立て直すと近くの物陰に身を隠した。隠れる寸前に再び発砲されたが辛うじて回避する事が出来ていた。

 

【マツモト、無事ですか?】

【えぇ。ボディは損傷しましたが問題ありませんよ。ただ直接のサポートは難しい状況です】

 

 銃撃をしてきた者を警戒しながらマツモトへの通信を行ったディーヴァは応答があった事で一応の安堵をしつつ今の状況について考える。ディーヴァの肉体は左肩に銃弾を受けた影響で左腕そのものが使い物にならなくなっていた。どれだけ動かそうとしても動かない事から損傷が激しい事が伺えた。それ以外で外傷はないもののマツモトのボディは破壊されてしまったようで支援を受ける事が出来なくなっていた。

 

【監視カメラの映像です。どうやら一人だけのようですがこちらを警戒して一切動かないですね】

【もしかして相手はAI?】

【そうみたいですよ。全員がそうとは限りませんが最低でも半数がサイバーダイン社製の戦闘用AIと考えた方がよさそうですね】

【……】

 

 サイバーダイン社製の戦闘用AI。それの性能がどれほど高いかはサンライズの一件で十二分に理解していた。戦闘用のプログラムをインストールしていたらしいエリザベスを何もさせずに機体のスペック差を生かして瞬殺したアマテラス。元々が戦闘用ではないディーヴァでは逆立ちしても勝つ事が出来ない相手だった。

 それと同等の性能を持っていると思われるAIが最低でも襲撃者の半数分は存在している。絶望的な状況とはまさにこのことを言うのだろうとディーヴァは感じていた。

 

【そして今の発砲で向こうの銃の性能の高さも把握出来ましたよ。ディーヴァ。重要個所に当たったら致命傷は避けられないと考えてください】

【分かってる】

 

 向こうはじりじりと距離を詰め始めている。周辺の監視カメラをハッキングした映像から更に二人が回り込む形で近づいてきているのが分かっている。この調子でいけば数分以内にディーヴァは鉄くずへと強制的に戻されるだろう。

 

【マツモト。相手がAIならハッキングして動きを止める事は出来ないの?】

【無理ですね。直接触れれば可能でしょうがアーカイブと繋がっていないだろう相手をハッキングするのは難しいです】

 

 今のマツモトに出来る事はディーヴァの代わりに監視カメラなどをハッキングして映像を彼女に転送することくらいだろう。

 

【ディーヴァ。こうなったら仕方ありません! 飛び出して真っすぐ通路を進み、T字路を左に曲がってください! そこに外に繋がる窓があります!】

【外に出るの?】

【左腕が損傷した状態では危険ですが海に飛び込んでそのまま本土に逃げましょう。どのみちここにいては破壊されるだけです。一か八かでも生き残る行動をとりましょう!】

 

 マツモトにとっても不承不承の最後の手段であることは声色から伝わってくる。それはディーヴァにも十分に伝わってくる。実際、このままでは数分以内に破壊されるのは分かり切っているのだ。少しでも助かるように行動するのは当然と言えた。

 

【行きますよ! ……今です!】

「っ!!」

 

 マツモトの合図に従い一気に飛び出す。瞬間襲撃者が発砲してくるが何とか被弾することなく切り抜ける事に成功した。しかし、そこからが本番だとディーヴァは全力で走る。後ろから襲撃者が走ってくるのが伝わってくるがただ走って逃げる事だけを考えT字路を左に曲がる。そして直ぐの所に海を一望できる窓が見え、開ける暇もないと窓に飛び込み、ガラス片を浴びながら空中へと身を乗り出した。遥か下を見れば幸か不幸か海面があり、受け身を取りつつ海に飛び込んだ。敵の攻撃を避けるために海中へと潜っていると襲撃者が発砲したらしき銃弾が海面付近でいくつも飛び込んでくるがディーヴァのいる位置までは届く事はなかった。

 それを確認したディーヴァは左腕を庇いながら陸地に向かって泳ぎだした。人間とは違い長時間潜ったまま泳ぐ事が出来るディーヴァだが今は左腕を損傷している。長時間海に使っていれば損傷個所から海水が入り込んで内部の駆動に大きな損傷を与える事になるだろう。

 襲撃者から逃れる事が出来たとしても予断を許せない状況に変わりはないディーヴァは岸に向かって懸命に泳ぐのだった。

 

 

 

 

 

 一方、ディーヴァを逃した戦闘用アンドロイドは高性能な目でその姿をきちんと捉えつつ追いかける事はしなかった。代わりにAI専用の通信で仲間たちに報告を送る。

 

【こちらC小隊。ディーヴァと思わしきAIと遭遇。目標は本土に向けて逃走した】

【了解した。後は本土の部隊に任せて引き続きメタルフロートの破壊を遂行せよ】

【了解】

 

 ディーヴァがやってくる可能性は冴木博士への襲撃時に予想されていた。その場合、()()()()()()()()()()()()()()()だったが失敗した時にはそれはそれでいいと放置しても良いと命令を下されていた。彼はその命令に従い最重要任務であるメタルフロートの破壊任務に戻っていくのだった。

 

 

 

 数日後、メタルフロートは反AI思想のテロリスト、トァクによって破壊されたと全世界に報道される事になる。

 




次話の前にIFルートを投稿する予定です
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