歌姫達の奮闘をめちゃくちゃにする系AI憑依オリ主   作:鈴木颯手

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 1年かけて製造された肉体に入り、世界を観光しているんだがやばいわ。楽しい。というか肉体スペックが高いから動きやすいこと。見た目も好きなように変装できるから同じ店に何回も顔をかけて入店するなんて遊びもしていたりする。

 因みに戦闘用なアンドロイドなのできちんと原作のような武器を所有している。とはいってもあんなプラズマ砲は無理だったから人間を感電死させられる程度の電気を発射する装置だけどね。まぁ、十分すぎる性能でしょう。

 

「ニーアランドね。オートマタを思い出すなぁ」

 

 そんなわけで現在は日本にあるニーアランドに来ている。ここはAI複合テーマパークで転生する前の世界の千葉なのに東京を名乗っているあのテーマパークみたいな感じの場所だ。

 遊園地なだけあってとても楽しい場所だ。キャストは人型だけど人間のような親しみやすさは皆無だからお近づきにはなりたくないけどな。やっぱ美形が一番だな。どっかに美人なアンドロイドでも転がっていないものか……。

 

「……およ?」

 

 ふと、歌声が聞こえてきた。とても綺麗な声だ。視線を向けてみれば施設の間に押し込まれたような場所に小さなステージがあり、誰もいない観客席に向かって歌声を披露する女性がいた。いや、女性ではないな。女性型のアンドロイドだ。青髪の美人なちゃんねーだ。

 

「見たことあるな。あれって確か……」

 

 俺が転生するあたりで誕生した歌う人型AIだったな。ディーヴァというピッタリな名前のカワイ子ちゃんだ。成程、綺麗な歌声で歌う女性だけどいまいちだな。これならまだ張三姉妹の方がまだマシだ。向こうはきちんとアイドルとして成長しているしマシって言い方は失礼か。

 

「綺麗だけど心が籠ってないなー」

 

 棒読みってわけじゃないんだけど、いや心が籠っていないから棒読みではあるな。なんかもったいねー。まぁ、初号機なら仕方ないのかもしれないけど。

 

「ご清聴ありがとうございました」

 

 観客席には誰もいないのに健気に挨拶。あれが人間だったら心折れててもおかしくはないな。AIだからこそ歌い続けられる状態だ。

 ……やっば、なんか推したくなってきた。歌声は綺麗だし心さえ籠れば人気でそうなだけに残念な感じなたまらない。醗酵していないシュールストレミングみたいな感じか。変なくせになりそうな子だ。

 

「よし。どうせ暇だし今日は一日彼女の為に使ってあげようではないか」

 

 本当なら他にもパーク内を回ろうと思っていたけど全部やめだ。今日は閉演まで彼女の歌を聞いていよう。

 

 

 

 

 

 史上初の自律人型AIであるディーヴァはここ最近毎日のように歌を聞いてくれている女性に興味を抱きつつあった。稼働と共にこのニーアランドのキャストとなった彼女だが歌声に反して観客席は大して埋まらない日々を送っていた。当初こそ何人か聞いてくれている人もいたが最近では誰も席に座っていない状態が続いていた。

 ニーアランドのメインステージで歌える日を目指して頑張っているがこの調子では何時になるかも分からない状態だったがここ最近は最低でも1人、聞いてくれる人がいた。

 

『お疲れディーヴァ。彼女、今日も聞いてくれてるのね』

「そうね」

 

 彼女のサポートをしてくれているAI、ナビの言葉にディーヴァは短く返事をした。歌が終わったというのに件の女性はニコニコと次の歌を待つように席に座ったままだった。ここ最近は毎日見ている光景だった。

 

『良かったじゃない。ここまで聞いてくれるって事はファンになってくれたって事でしょ?』

「そうだと嬉しいですね」

 

 もしそうであればディーヴァにとって初めてのファンをゲットしたという事になる。メインステージで歌うための第一歩を歩み始めたと言ってもいいのだがディーヴァは彼女を見るたびに言いようのない感覚に襲われていた。

 

『どうしたのよ? 初めてのファンなのよ? もっと喜びなさいよ』

「……」

 

 ナビの言葉に何と返していいのか分からなかった。ディーヴァは言いようのない感覚、まるで()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()とさえ感じる彼女をファンとして数えてはいけない気がしたのだ。

 とはいえそれでもそんな相手でも彼女には唯一まともに歌を聞いてくれる客に違いはない。えり好みは出来ないと次のステージの時間まで待機する。

 そして、その待機時間で彼女はかけがえのない人間の少女と出会う事になる。

 




2回目の転生
原作:進撃の巨人
転生期間:15年
死因:巨人に捕食される。
概要:1回目とは違い進撃の巨人の世界に転生する。しかし、転生先がパラディ島ではなくマーレと敵対する小国で戦争になった際に主人公の街に巨人が現れて捕食される。
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