歌姫達の奮闘をめちゃくちゃにする系AI憑依オリ主 作:鈴木颯手
「お姉ちゃんは何時もヴィヴィの歌を聞いてるの?」
「そうだよ。貴方よりも長く聞いているのさ」
「……その割にはヴィヴィとは話さないんね」
「そりゃ客としてのマナーを順守しているからね」
最近、このロリっ子がディーヴァのファンになったようで結構な頻度で聞きに来ている。まぁ、俺ほどではないけどね。いや、頻度で言えばこの子も十分異常なくらい来てはいるんだけどな。
「お姉ちゃんって変な人だね」
「いやいや、いくら子供且つ話していても問題ないくらい暇になっているとはいえこうしてステージ裏に入り浸っている君も十分変だからね」
俺を変だと申すかこのロリっ子は。そりゃボディは人間ではないから変かもしれないが中身は歴とした人間ぞ。まぁ、何度も転生している俺が変だといわれれば言い返す言葉もないがな。そんなこと絶対に誰にも言わないから誰にも言い返す事なんて出来ないけどね!
「お姉ちゃんって毎日ヴィヴィの歌を聞いてるって聞いたけどお仕事はしてないの?」
「ほーう? 俺をその辺の汗水たらして時間を割いて働かないと生きていけない有象無象と一緒にすると?」
「誰もそこまで言っていないよ?」
「ふっふっふ。俺はこうして余裕ある生活を送れるだけ稼いでいるのだよ」
「そう見えないから聞いたんだけど?」
この餓鬼……! 中々に言いよるな。俺の分身は今もスカイネットとしてサイバーダイン社を支えているのだぞ。今だって社長の携帯の待ち受けを愛人との浮気写真に変えてやったくらいなんだから。奥さんがちょうど見たタイミングでやってやったから大修羅場になってやんの。ウケる。
「ま、証拠を見せろと言われても見せられるものなんてないから証明のしようなんてないけどな」
「……貴方は変な人ですね」
おう、ディーヴァちゃんにまで変と言われてしまったか。毎日歌を聞きにくる客に酷い言い草だね。
『女性の見た目をしてるくせに男口調。話し方と外見が似合っていないわよ』
「ナビちゃんはAIとは思えないくらい毒を吐くな。カスタマーサービスに通報してやろうか?」
ディーヴァもこのくらい感情豊かなら人気でそうなんだけどねぇ。マジでもったいないな。この調子だと人気何て絶対でねぇな。
「それにしてもディーヴァは相変わらず心が籠ってないねぇ。素体が良いだけに残念さが際立ってるよ」
「……私も、心を込めて歌いたいとは思っている。けど……」
「ヴィヴィは悪くないよ! 今日の歌も綺麗だったし!」
ロリっ子が必死に慰めているけど現実は結果として見えている。俺とこのロリっ子以外に観客席に人がいる事は稀だ。正直なところディーヴァに心がこもった歌が歌えない限り彼女がこのステージを出ていく事は出来ないだろう。この調子なら廃棄処分か博物館行きが濃厚だな。腐っても史上初の自律AIだ。博物館に飾られるだけの肩書を持っている。
「ディーヴァ。私はどうすれば心を込めて歌えると思う?」
「知るか。自分で考えろ」
「ちょっとお姉ちゃん!」
突き放す言い方になるが俺にだって分からない。
「……私の使命は歌で皆を幸せにすること。そのためには心込めて歌う必要があるけど、今の私では心を込めて歌えていない」
「ま、AIに心を求めるのが酷だと思うけどね」
心とは生物特有の目に見えないものだ。作られた存在であるAIに心を求めるのは無理だと考えている。
「心を込めて歌いたいなら感情を歌に乗せるのが良いがそのためには様々な体験をすると良いぞ」
「体験?」
「最近の歌手はそうでもないみたいだが昔の歌手は自らの経験を歌に込めて歌っていたんだ。それらは売れた売れなかった関係なく人を引き付ける魅力があった」
恩師への感謝を込めて歌う。結婚する友人の為に歌を作る。あれらはとても良いものだった。あれらを知っているからこそディーヴァの歌を綺麗なだけの歌にしか思えてこないんだ。人気が出ないのも納得だ。
「そういう意味じゃまともな体験をしていないディーヴァじゃ難しい話かもしれない。パーク内だけでも良いから見て回って経験するのもありかもしれないぜ?」
きっかけは何処にあるかなんてわからないものなんだからな。
「……そうだね。ありがとう。参考にしてみるわ」
「お姉ちゃん意外と考えてるんだね」
「おうちびっこ。お前は口が軽すぎるがな」
とりあえずこのロリっ子の頬を引っ張っておくか。あら、お餅のようにもちもちじゃん。若いとき限定の頬っぺただ。ちょっと楽しいかも……。
暫くロリっ子のほっぺを堪能させてもらった。
3回目の転生
原作:オーバーロード
転生期間:17年
死因:クレマンティーヌによる殺害
概要:帝国に生まれて冒険者となる。最終的に金まで行くがエ・ランテルに滞在中にクレマンティーヌと遭遇してしまいじわじわと痛めつけられながら殺される。