男の娘が魔女になって大変な目に遭う話   作:クエクト1030

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5話「ほとんど全裸なんだけど、この教師」

「はい、受講者は五人ですね。魔女としての初授業を開始します」

 

「(なんだこの人……!?)」

 

 

 意気揚々と向かった教室には僕の他に生徒が四人集まっていた。

 しかし、一つ異常な点がある。

 教壇に立っているこの女性だ。

 

 

 

 ほとんど全裸なんだけど、この教師。

 

 

 

 滅茶苦茶ボンキュッボンの高身長で局部だけシールみたいなので隠しているけど……いやそれ隠しているって言うのか?

 

 

「せんせー、なんでせんせいは、すっぽんぽんなんですか?」

 

「いい質問です」

 

 

 聞くか普通!?いや、質問者は小学生低学年くらいの女の子だ。素直に質問しても不思議じゃない、うん。僕もなぜ裸なのかは気になるから丁度いい……。

 

 いい質問です。じゃねーぞ。

 

 

「魔女には形、スタイルがあります。これはスカイクラッドと呼ばれる魔女の形で、全裸に近いほど魔力が高まるのです」

 

「へー、そうなんだー」

 

 

 んなわけあるか。

 

 

「魔女のスタイルについては教科書の○ページにも記載されています。気になる場合はめくってください」

 

「うわ本当だ、嘘でしょ!?」

 

 

 思わず声が出る。

 マジで専用のページがあった。しかもちゃんと丁寧に解説されてる。

 嘘でしょ……?露出狂の力が強い世界とか終わってるでしょ……。

 

 

「さて改めて、皆さんの記念すべき初授業を行います」

「まずは教科書の──」

 

 

 な、何でもなかったように授業始めたぞこの人。

 動揺を隠せないけど誰も僕の動揺なんか気にしてない。

 

 

「さて。魔女になった場合、男女問わず身体が緩やかに『理想的な女性の身体』に変化します。これを『魔女の変容』と呼びます。またこれは意識的に姿を想像していない場合、無意識の願望が反映されると考えられており──」

 

 

 なんだって?男女問わずに「理想的な女性の身体」に変化?

 え、じゃあ僕のこの身体って僕が理想的だと思う身体なの?

 マジか。僕って胸が小さいのが理想的だと思ってたのか。いや意識的って言ってたし、僕意識してないからこれは無意識の僕の願望なのか?

 

 ……あれ、問題点ってそこだっけ。

 

 

「男の魔女の場合は男性生殖機能を維持したままを問わず、女性器の発露及び妊娠を可能とする事も確認されており、可逆性を持つ事も知られています。ただしこれらの可能性はあまり高くなく、男側が強い妊娠願望を持つか、あるいはポーションや魔法によって魔法的に変化させるケースの方が──」

 

 

 実質性別ごと変わるって事か……しかも妊娠可能?可逆性って戻れるって意味だったよね確か。妊娠出産した後に元の性別に戻れるってすごいな、これ女性も逆の事出来たりするのかな?

 ……ってか魔女って本当に人外なんだな。イコールで僕も人外なわけだけど。

 

 

「──さて、魔女は男女で異性の体液や魔力を摂取する場合その効果が飛躍的に効果が向上します。そのため男性の魔女は貞操には気をつける必要が──」

 

 

 はいはいはい異性の魔女の体液と魔力はとても効果が高くなるんですよねそれはもう知ってるよ!校長先生から教わったし何なら道草食った時にその現場に遭遇したからな!!

 

 襲って搾り取るんだろ、精液を!!

 

 

 

 

 

 

 

「──以上で講義を終えます。さて、初授業を終えたとして、皆さんに杖の授与を行います。杖は道具ですので、大事に使用してください」

 

「はぁ……」

 

 

 記念すべき初授業は、実に45分間行われた。

 うち、その時間の半数以上を男の魔女の説明に割かれ、残りを魔法世界についての説明で占められていた。実に驚きと驚愕と震天動地の授業だった。

 

 ありがとう先生、もう二度と聞きたくないかも。

 

 

「ミコさん、どうぞ」

 

「あぁ、ありがとうございます……」 

 

 

 なんだがぐったりと疲れたけど、無事に杖を受け取ることが出来る。

 杖は太い木の枝に大きな宝石か水晶のようなものが嵌め込まれていて結構綺麗。薄暗い魔女ってよりは、ファンタジーの杖って感じがするな。

 

 全長は……僕と同じくらい。150cmくらい、かな?

 

 ……何だよ、小さくて悪かったな。食べるもの食べられてなきゃ人間は成長しないんだよ。

 

 

「さて皆さん、《杖よ消えろ》と唱えてみてください」

 

「《杖よ消えろ》。うわ、ほんとに消えた!?」

 

「続けて、《杖よ現れよ》と唱えてください」

 

「《杖よ現れよ》……おぉ」

 

 

 杖が呪文一つで消えたり現れたりする。

 これがフレスノさんが言ってた格納呪文ってやつなのかな?

 

 

「これは杖に備えられた機能で、魔法道具に分類される力です」

 

 

 違うんかい。

 

 

「その機能は格納魔法と呼ばれる、物品を任意で消したり出したり出来る魔法です。使用者が魔法を知っていなくても魔力を通すだけで利用できる事が魔法道具の利点です」

 

 

 合ってるんかい!

 なんかこの先生、僕色んな意味で苦手だな……!?

 

 

「これでどこにでも杖を持ち運べますね。」

「はい。では、杖の授与と説明も終わったので皆さんの初授業はここまでになります。お疲れ様でした。」

 

 

 きっぱり言い切ると質問だとか補足だとかをもう加える事は一切なく、先生はそのまま堂々と教室を後にした。滅茶苦茶胸が揺れてる上に全裸だけど、ここまで清々しいと性欲って反応しないんだね。

 

 

「……帰るか」

 

 

 僕も教室を後にして自室へと戻る。そうだ、今日は何も見なかった事にしよう。うん、きっとそれがいい。今日がより良い人生への転換期なのは間違いない。

 だから最後に見た変なものは忘れてしまおう。

 

 

 

 その後。圏域外派のロビーに少しだけ顔を出した後、部屋に帰った。

 僕は始めて使うベッドの、マットレスというもの柔らかさと、ふかふか〜の毛布の温もりとを堪能しようと潜り込む。

 

 人生初のベッドは快適で。

 5秒くらいで眠りに落ちた。

 

 それ故、堪能するのは目が覚めてからの事になった。

 

 ちなみにふかふか〜は最高だった。




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