BLUE QUEST 〜青春を駆ける戦士〜   作:松花 陽気

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黒服との会話を加筆修正しました


第十三話:筋肉ムキムキマッチョマンの変態だ

俺は黒服に前もって準備した条件を紙を見せながら一つずつ伝えた。

・ベアトリーチェは絶対として他メンバーに言わないこと。

・俺が提示することに全面的に協力すること。

・アリウスについての情報とベアトリーチェの動向、もしアリウスで謎の洞窟を見つけた時は知らせること。

・俺についての能力や存在は絶対にベアトリーチェには明かさない。これは何があっても守ってもらうこと。

・他ゲマトリアのマエストロやデカルコマニーやゴルコンダの奴等には多少話してもいいが、必ずベアトリーチェには話さない誓約を取り付けること。

ん?ホシノに関わらせない条件は?そんなん入れたら先生が信用されるイベントが消えるんですけど。だから、ここは敢えてそうしない。正直、それ以外で先生が信用されるイベントが思いつかないのだ。だから、ここだけは正規で行く。

 

「と、これが俺の出す絶対条件だ」

 

「ほとんどの項目がマダムについてのものばかり……貴方にとってマダムという存在はそんなに大きいのですか?」

 

「こいつにバレるのは普通にめんどくさいんだ。俺の目的の為にも教えるわけにはいかない」

 

「目的……貴方はいったい何を目指して……?」

 

「それをお前に言う理由はない。それに、お前が知りたいのは俺がなぜそれを知るのかということだろう?」

 

「確かに、そうでしたね」

 

「……まさかお前?どさくさに紛れて実験にできるようにとか考えてたな?」

 

「はて、なんのことでしょう?」

 

絶対考えてただろ。契約書出されたってちゃんと読んでからだから騙されんぞ俺は。

 

「そう警戒しないでください。……はい、わかりました。その条件を飲みましょう」

 

「お?意外と簡単にいく「ですが、これだけでは私にあまり利がありません」……ん」

 

やはりそうなるか。

 

「そうですね。私から提示するのは二つ…… ベアトリーチェの動向が知りたいと言いましたね?では、それの交換条件として貴方についての情報を開示していただきたい。私が情報を渡すたびに、貴方にも情報を出していただく……というシステムです。実は、貴方に大変興味がありましてね。本来は、貴方が私たちを知っている理由を聞く為でしたが。少し内容を変えました」

 

まあ、これくらいなら別にいいな。それに、俺が出す情報についても融通が効きそうだしなんとかなりそうだ。

 

「後一つは、貴方が洞窟で集めた道具を月に一度だけ提供してもらう。この二つというのはどうでしょう?」

 

「っ!!?」

 

「ただ、提供する物については貴方に一任します。私にそれを指定する権利が無い事を前提としてね。ただ、一度見せてもらった物は対象外にさせていただきますがね」

 

「……そう来たか。ところで、それは草とかでも対外か?」

 

「えぇ。アレの効果は理解したので。……どういう成分かは気になりますがね」

「もしこれで納得できないのであれば、この件は無かったことにしましょう」

 

それはまずい。

 

「待ってくれ!!後一つ提示させてくれ!それを飲むなら契約だ!」

 

「ほぉ……?」

 

「俺が提供する道具は俺に一任される。それはいい。だが、その道具を他社や他人、お前の判断で勝手に話さず、渡さないこと!」

 

「クックック!……いいでしょう。それで行きましょう」

 

「よし」

 

これで難は去ったな。

こうして、俺は黒服の用意した契約書を受け取り、十回くらい読み返して穴が開きそうなくらい一言一句見て確認してから、それにサインした。小さな文字もなかったし、裏面も変な何かは無かったし、別の紙が挟まってるみたいなこともなかった。透明な文字とかも無い。流石にそんな事はしないか、ルールに反するだろうし。

 

「はい。これで契約は成立です……では、早速何かもらいましょうか」

 

「……もう今月からなのね」

 

と言っても何を渡そうか。今ある道具の中でこいつに渡してよさそうなのは……。

 

「成分知りたいって言ったよな?」

 

「えぇ。言いましたね」

 

「じゃあ……」

 

と、俺は薬草の束をそいつに渡した。

 

「なるほど……まあいいでしょう。知りたいのは本当のことですし、ひとまずはこれで。では、来月を楽しみにしていますよ」

 

と言うと、そいつは踵を返してゲートを開けて屋上から姿を消すのだった。

つ、疲れた……。なんとかなったようでなによりだが……本当に疲れた。大丈夫かな。俺騙されてないよな?でも、大半は俺に利がある契約は取れている。

ベアおばとアリウスの動向も知れるし、ベアおばが俺を知る事はない。隙はない……はず。

やばい、なんか不安になってきたかも。でも、あんなに確認もしたんだ。大丈夫なはず。

……そう信じよう。

とにかく今日はもう疲れた。さっさと降りてシャワー浴びて寝よう。

 

□□□

 

翌日、そういえばアビドス観光できてねぇ!って事で俺はアビドスを巡りを始めた。まだ砂嵐の影響が少ないアビドスの市街地からめぐり、スーパーとか商店街とかに行った。それと、柴関ラーメンにも行ったね。あそこのラーメン美味いからつい行きたくなってしまう。でも、一人で回すのが大変そうなのでたまにそこの手伝いをさせてもらったりしている。お陰で、住民との関わりができた。柴関に来る人たち全員良い人で、とても可愛がってもらった。ちょっと恥ずかしかったが、悪い気はしない。

あとは、ホシノと一緒に不良を倒したり、騙されたユメ先輩助けたりとかもしたね。

そんなことしていれば、だんだんとアビドスで俺を知らない人はいなくなっていた。

 

あとそうそう……前に手に入れた大量の金貨とかだが、先日ミレニアム自治区に良い鑑定屋を見つけまして、なんと結構な値が付きましたよ。相場を調べているので、俺たちはすぐに納得して、その宝の半分を売って大半を返済に充てたそうだ。これにより、借金の3割を返済。それでもまだまだ残っているので、気が遠いことに変わりはないが。

 

「なんか……ここっていつもそんな感じなんだな」

 

ここ数週間のことを振り返りながら、思わず口からそんな言葉が漏れる。

 

「まあ、仕方ないかな。前からここはそういうところになってたし、まだ生徒の数が多かった頃でも被害に遭ってたそうですから」

 

ホシノは思い出していたのかそう言った後、顔を顰める。ここを去って行った奴らの顔でも出たのだろう。

因みに俺は今、ホシノにさそわれてデート……ではなく事務的な雑用をさせられています。因みに、「お仕事デート?」って言ったらぶん殴られた。

ギリギリ防御してなかったら死んでたんですが??照れ隠しにしては火力高いよ?俺じゃなかったら死んでたぜ。と、自分の鍛えられた反射神経をさりげなく自慢しながらホシノの後について行き今に至る。

 

「つかさ?」

 

ふと、思った事を口にする。

 

「なーんで書類整理させられてんの俺?」

 

俺、中学生だし。アビドス高校の生徒でもないし、生徒会にも入ってないんですけど?そういえば、ユメ先輩から、外部生徒会メンバーにならない?って生徒会長権限で施行された書類を持って来られたりしたっけ?それが通るわけないし、受けるつもりも無いのだけど。一応保険として「俺まだ中学生だから、親の承認無しじゃ無理だぜ!」って言っといたら渋々引いてくれた。

 

「ここに住ませてるんだから文句言わない」

 

「いやそれはそうだけど……これって生徒会の書類だろ?俺が見ていいのかよ?」

 

「貴方が見たところで悪用などしないでしょう。バカですし」

 

「それは聞き捨てならんなホシノン。バカという字は馬と鹿だぜ?」

 

「知ってますし馬と鹿の方が賢いです」

 

「なんだと!!俺は畜生より勉強できるわ!」

 

「この前出した国数英の結果をどうぞ?」

「ホシノさん、この書類ってどこですか?」

「逃げるな」

 

ウルセェ。ここに来てから勉強なんてしてないんだからうろ覚えなんだよ!

 

「ありがとうねルイ君!手伝ってくれて」

 

「いや、嫌々なんですけど?」

 

「とは言っても、別に苦というわけではないので」と付け足して答える。実際それに嘘はないし本心だ。本音を言えば、ユメ先輩生存の為の理由が尽きていたので助かってもいる。最近は観光も巡り尽きてやる事がなかったのでありがたい。泊まっていた分のお返しにもなるし。

 

「そういえば、あれから洞窟探しも探索もしてませんけど。いいんですか?」

 

ふと、ホシノかそんなことを尋ねてくる。

 

「まあ、戦いはもう正直お腹いっぱいでさ。ヘルメット共で足りてるし。それに、意外とアレって体力使うからさ。確かに、良いもんはいっぱい手に入るが……なんだ、行きたいのか?」

 

「……いえ、なぜ行かないのかと思いまして」

 

「目を逸らすな。俺と行きたいんだろ本当は」

 

「なんで貴方と!思い上がらないでください!」と憤慨して、ホシノは生徒会室の戸を開け「パトロールに行ってきます」と言い残し出て行った。丁度仕事もひと段落したところなので、俺も席を立ち廊下に飾ったあの植木鉢に水差しで水をやる。ついでに道具アプリから自前のマグカップを出して水差しのそれを飲む。これを飲むと元気が湧くし、なによりMPが回復する音が聞こえる。飲み干した後、また俺は生徒会室に戻り夢と会話する。

 

「くくく!ホシノは揶揄いがいがあっておもしろいな」

 

「もう!あんまりホシノちゃんをいじめちゃダメだよ?可愛いのはその通りだけどね」

 

流石ユメ先輩、わかってる〜!

 

「なんたって、私の自慢の後輩だもん!可愛いのは当然!」

 

うんうん、と首肯しながら窓の外を見始める先輩。窓から見える綺麗な青空をバックに、大きな背中を見せる先輩。いつもは情けない姿しかない先輩の姿は消え、何故かその時だけとても頼もしい物に見えた。

 

「ありがとうルイ君」

 

突然、そんなことを言われて頭を傾げる。

 

「……?急にお礼なんて……どうしたんだ?」

 

「なんでって……わかんない?君が来てくれたお陰で、絶望的だった学校がこんなに好転したんだよ!」

 

「いやいや、それは君たちの頑張りだよ。俺はただ出くわしただけ。あの程度の敵なら、君達でも倒せたかもしれないし。逆に、俺がいない方がよかったかもしれないぜ?」

 

「そんなことないよ?あの骸骨との戦いも、あの木との戦いも、借金のことも……君のお陰で切り抜けたんだよ。君がいなかったら、私たちは今頃学校に帰るのすらできなかったかもしれない………だからね」

「ありがとうルイ君。アビドスに来てくれて!君がいてくれたら……――」

 

「……へ?なんて?」

 

「……ううん、なんでもない。あっ、もうすぐバイトの時間だった!?私行ってくるね!」

 

と、何故か焦ったように出ていくユメ先輩を俺は見送るのだった。それに妙な違和感を感じたが、この時は大して気にしなかったのであった。

 

□□□

 

数時間後。ホシノが戻ってきた時間帯の頃。校庭から爆発音が響いた。今日も今日とてヘルメット団が現れたのだろうと思い俺たちは外を出る。

出てみると、そこには何度も顔を合わせたヘルメット達がいた……だが、その集団の中になんとも似つかわしくない奴が混じっていることに気付く。

 

「ほぉ〜お前らがこの女が言ってたガキ共か」

 

「その通りです!マントの旦那!やっちゃってください!!」

 

そこに居たのは、身長や体格は大きく、メインカラー緑、全身タイツっぽい感じの筋肉ムキムキマッチョマンの変態だ。

 

「な、なんですかあの大男は」

 

ホシノも思わずその姿に絶句している。

 

「テメェらみてぇなガキに名乗ってやるのも烏滸がましいが。今日の俺様は気分がいいから、特別に名乗ってやろう!」

 

「さすが!マントの旦那!」

「どんな敵でもまず名乗りから!そこに痺れる憧れる〜」

 

取り巻きのヘルメット達がめっちゃ持ち上げてる。一応ヘイロー持ってないマント野郎の部下も見えるから、コイツが誰かはめっちゃ見当つく。

 

「俺様の名は、世界一の大泥棒!大盗賊のカンダタ様たぁ〜俺様のことよ!」

 

「流石は親分!!」「かっこいい!」「よっ!大泥棒!」

 

「そう持ち上げるな子分ども」

 

「なんなんですかあれ?」

 

「……さあ?」

 

カンダタってこんなキャラだったのか?

 

「んで?お前ら、ここがアビドス高校の校舎ってことであってるか?」

 

急にそんな質問をしてくるカンダタ。なんだ、コイツは何が目的て来たんだ?少なくとも金目になるようなものなんて……宝石類しか無いのだが。

 

「そんな事を聞いて、どうするんですか?」

 

「決まってんだろ?俺は盗賊だぜ?盗賊来るところに!お宝ありよ!お前らの持ってる宝石達を貰いに来たのさ!」

 

「……なにっ!?」

 

ホシノが目に見えて警戒する。俺も武器を取り奴の攻撃に備える。

 

「親分、あいつらやる気でっせ!」

「身の程知らずな奴め、ここで叩き潰しちゃいましょう!」

 

「……ハッハッハー!どうやらここに宝があるのは間違いなさそうだな」

 

カンダタ達は武器を出し俺たちに向ける。カンダタの武器は片手で振るうにはあまりにも重そうな斧を容易く振り回している。

 

「私たちも加勢だ!今日こそアビドス共に目に物見せてやるぜー!!」

 

こうして、俺たちの戦いは始まった。

 

□□□

 

戦いが始まり約数分が経過。

俺とホシノはまず周りの取り巻きから処理を始めていた。俺は錬金釜で作った『ハイブーメラン』を装備して『クロスカッター』で倒していく。倒しきれなかった奴らをホシノがSGで攻撃し次の攻撃で削り切れるように攻撃する。だが、その間もカンダタが自慢の腕力で攻撃をかましてくる為、距離を取らざるおえない状況を強いられていた。

 

「喰らえ!『石つぶて!』」

 

カンダタが地面の石をひたすらにこちらに投げつける。俺とホシノは盾でそれを防ぐが、スラりんとゲレゲレがそれをまともに喰らってしまう。『スクルト』を掛けてもこの火力……やはり油断ならない筋肉野郎だ。

 

「隙ありーー!『疾風突き!』」

 

「っ!?ぐは!」

 

子分の剣突き攻撃に反応出来ず俺はそれを喰らってしまった。

 

「ルイ!?」

 

「余所見すんなよチビ!」

 

別の子分がホシノを襲う。だが、ホシノは盾で攻撃を防ぐと下から銃を突き出し発砲する。子分の鎧がひび割れ目に見えてダメージが入る。

 

「俺も忘れんなよチビ!」

 

今度はカンダタがホシノを襲う。

 

『大木斬』

 

先ほどの攻撃の直後だったホシノだが、難なくそれを盾で防いで見せた。やっぱりホシノは強いなと思う。

 

「チビだからと舐めるなぁ!!『正拳突き!』」

 

カンダタの攻撃を弾き返し、すぐにカウンターで正拳突きを決めた。

 

「ごふぁ!!???」

 

「「兄貴ーー!!??」」

 

鳩尾に一発喰らって苦しそうに悶えるカンダタ。だが、気絶はしておらず膝を着いて少し吐くくらいですぐに立ち上がってみせた。……なんてタフさだ。あれ喰らって生きてるわけないだろうに。

 

「やるじゃねえか。舐めて悪かったなぁ」

 

「流石はカンダタ……油断できねえな」

 

カンダタが後ろの奴らを見下ろす。ヘルメットのほとんどが倒れて気絶するなか、数人だけはまだ立っていた。

 

「……旦那!私はどうすれば……?」

「どうします兄貴!?」

 

「よし。娘っ子、お前の爆弾で撹乱してくれ!その間に俺らが叩く!」

 

「はい!わかりました!」

 

目の前で作戦会議してる、あの全部聞こえてるんだけど?

 

「子分共はあの娘っ子を守れ!俺は後から続く!」

 

カンダタ達が連携で接近する。他の起きてるヘルメットもスモークを投げつけ、こっちを撹乱してくる。

 

「ち!めんどくさいですね!」

 

「スラりん!スクルトを」「させねぇよ!!」「っ!?」

 

カンダタがいつの間にかそこにおり、スラりんに斧を振り下ろそうとする。

 

「フシャー!!」

 

それをなんとかゲレゲレがスラりんを引っ張りギリギリのところで回避した。

 

「ナイス!」

 

「見つけたぜ!」

 

「おっと!?」

 

突然、背後から奇襲で現れた子分が剣を振り回す。俺はハイブーメランから『兵士長の剣』に変え迎え撃ち『メタル斬り』を放つ。

 

「ぐはっ!……なんの!」

 

だが、それで引く事なく部下は続けて接近し攻撃を仕掛ける。それに押され、俺はだんだんと後ろに押されていく。

 

「オラオラオラオラーー!!」

 

ガキンガキンガキン!

 

「くそ!反撃の隙もねぇ!」

 

ふと、背後からとてつもない気迫を感じる。その瞬間。目の前の相手の攻撃も止まった。

……後ろを向くと。

 

「待ってたぜ……小僧?」

 

「っ!!……まず――」

 

「くたばれー!『まじん――

 

「ルイ!!あぶ――」

 

ホシノがこちらに気付き、こっちにくる。ダメだ、来てはダメだ。見てはダメだ。守ってはダメだ。お前まで死んでしまう。そんなことは……ダメだ!

 

『――斬り!!!!』

 

瞬間。頭頂部から今までで感じたことのない痛みが走った。痛みのすぐ後に、俺の視界が真っ二つにさかれたが、その景色は一瞬にして暗転したのだった。

 

□□□

 

「ルイ!!あぶな――」

 

【グシャァーーー!!!】

 

「――――い」

 

刹那、彼の体が大男の手斧により真っ二つに裂かれた。まるで、映像を見ているかのように、それはゆっくりと刃が通り豆腐を切るかのように滑らかにスローに映った。

 

「――――――」

 

そこから私の記憶はほとんどうろ覚えだった。

その後のことは、何も確かなことは覚えていなかったが……気付けば私は一人でそいつらは倒していた。

 

「ひ、ひいいいい!!!たたた助けて、助けてだんなぁー!」

 

「このガキ!急に強く!なんてスピードなんだ!?」

 

目の前の殺人鬼達が尻餅をついて倒れ、私に恐れ慄いている。

 

「……よくも」

 

怒りがまた沸々と湧いてくる。

 

「……よくも……よくも!……よくもルイを!!」

 

「ま、待ってくれ!まさか、あの技で死ぬとは思わなかったんだ!!他のやつにこれ使っても死なねえから!バンバカ使ってただけで、殺すつもりなんてなかったんだ!本当だ!信じてくれ!!」

 

そんなふざけた言い訳をつらつらと言うマントの男。だけど、私の耳はそれを拒否した。ルイを殺したコイツらを、私は許さない。コイツらも同じ目に遭わさなきゃ。じゃないと、ルイに申し訳が立たない。私はカンダタと呼ばれていたそいつにショットガンを向け額につける。

 

「あの世でルイに、泣いて詫びな――」

「ストップホシノ!『弱跳び膝蹴りー!』」

「っぐえ!!??」

 

私は突然の攻撃に反応出来ず、さっきまで聴いていた男の声と共に放たれたそれで一メートルくらい体が飛んだ。頭に血が昇っていた私は、攻撃した相手が誰かわからなかった。でも、視認した瞬間すぐに我に返った。

 

「どうだ?止まったかホシノ?」

 

「……るい……?」

 

私はルイに駆け寄り、感触を確かめるように触り、抱く。

 

「ルイ……よかった。ルイ……るい!」

 

今の私は、ボロボロと泣いているのだろう。こんな姿、恥ずかしいのに……それ以上に生きていた事にまた会えた事に、私は喜ばすにはいられなかった。

ルイが私の頭を撫でようとする。同じ身長……最近は私と同じになったけど、頭に手を乗せて撫で始めた。

 

「ごめんなホシノ。心配かけたな」

 

何か言おうとするけど、感極まっていて出そうにも出せなかった。すると、ルイはカンダタの方を向く。

カンダタ共はこっそりと逃げようとしていたがルイが声をかけた事で動きを止めた。

 

「おい待て」

 

ビクッ!!!!

 

「このまま見過ごすとでも……?」

 

ルイが片眉を上げて問う。しばらくの沈黙が流れる。

 

「ま、まいったぁ!!」

 

「…………へ?」「ほぉ?」

 

カンダタは、恥を捨てたように頭を下げて土下座してきた。あんなに風格のあった大男はどこへやら。一気にそのイメージが崩れ去る動きを抵抗なく行った。

 

「まいった!それと、殺してすまなかった!!もうここにはこねぇから!……だから、許してくれ!」

 

この男は何を言っているんだ?私は怒りがわかずにはいられなかった。そんな私を諭したのか、ルイが再度私の頭を撫でる。落ち着くように言われた気がした。

 

「……ただ謝るだけってのはなぁ〜」

 

「……な、なら!俺の持ってるもんなら!なんでもやるから!だからそんなこと言わずにさ、許してくれよ!な!な!」

 

「ん〜〜〜、まあいいか!じゃあ見逃すからなんか頂戴?」

 

それでいいのか?私はこの男がバカなんじゃないかと思えてきた。自分を殺した相手に……なぜそんなにも柔らかく甘く許す。理解ができない。

 

「ありがてぇ!」

 

すると、カンダタは袋を開けて、綺麗な装飾のついた装飾品をいくつも置いた。

部下の奴らが親分を慰めるように誉めながら、ゆっくりとした足取りで帰っていった。

 

「……なんで、そんな簡単に……」

 

そんな簡単に許した彼に疑問符しか出てこなかった。

 

「まあ、どうせまたどっかで会うだろうし。その時はリベンジしたいからね」

 

と、理解できない理由を話したのだった。

その後、ユメ先輩が戻ってきたが、その惨状に驚いて理由を説明した。そして、先輩から聞いたルイの特性を改めて聞き、私も含めてユメ先輩と共にルイを叱ったのだった。




感想と高評価、ここすき、などよろしくお願いします!励みになります!

○装備
・ハイブーメラン 攻撃力32
 ブーメランと鉄の釘を錬金して作る武器。『刃のブーメラン』以上に火力が高く強い。

○ ルイのレベル
レベル12→13
H P=94→104 +10
M P=57→59 +2
力 =48→54 +6
早さ=29→30 +1
守り=28→29 +1
運良=13→13 +0
??=10→10 +0
攻魔=33→37 +4
回魔=35→39 +4
・イオを習得

○スラりん
レベル10→11
HP=72→74 +2
MP=36→40 +4
力 =41→44 +3
早さ=61→67 +6
守り=26→28 +2
運良=30→33 +3
??=85→96 +11
攻魔=21→26 +5
回魔=28→35 +7

過去アビドス編の後、次なる冒険が見たいか?

  • そのまま本編〈前に○○○○編をやる〉
  • ○○○○編やらずに本編
  • 過去ミレニアム編 幕間程度
  • 過去ゲヘナ編 プロット無し
  • 過去百鬼夜行編 プロット無し
  • 過去山海経編 プロット無し
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