『バギ!!!!』
高熱のビームがビナーの口から放たれようとしち刹那であった。自分の足元に向けて掌を出し、全力で体内の魔力を回し、風魔法で体を空中に上昇させた。なんとかギリギリでレーザーを交わすことができたが、当たらなかっただけでそれによる爆風に体が後ろに吹っ飛ぶ。
なぜ俺が、あのレーザー砲を避けられたのか。
スマブラに参戦した勇者が復帰などで上昇する際にバギ系を使っていたのを思い出し、ならそれで体を浮かせて避けられるのではと思い、すぐにそれを実践した。
しかも、さっきの大量のマドハンドとの戦いでレベルが上がったのだが、なんとタイミング良くバギを覚えたのだ。どうやら、まだ天は俺を見放してはいなかったらしい。
だが、避けられはしたもののまだ終わりではない。レーザーを撃ち終わったビナーが、こちらを睨みつけながら咆哮をあげる。
「次が来るか。……わりいけど、今お前とまともにやる気はさらさらねえぞ……!」
切り抜けたとはいえ、やることは変わらない。ただひたすらに逃げるのみ。それが俺の今回の戦いであった。
ビナーが咆哮を上げ、ナワバリに侵入したと思われる俺を再度睨む。やっぱりメカとはいえ生物、畜生的な部分からの本能なのだろう。なにが神だ預言者だ、神なら少しは見逃せ!と、思ったが礼儀知らずにも聖域に立ち入った俺が言うことではないと後で反省する。
ビナーの外装からミサイルが射出される。それを避けようと走り出すが追尾式のようで追って来た。
「追って来てる!?……なら」
俺はヒャドを唱え、ミサイルと同数の氷塊を作り、向かってくるミサイルに的確に命中させる。ミサイルは空中で破裂しなんとか攻撃を防ぐ事ができた。しかし、ヒャドを使い過ぎたので魔力をだいぶ消費してしまった。
「最後にルーラで帰るんだ。それくらいは残さねえと」
だが、このままでは攻撃を防ごうとするたびに魔力を消費する。ジリ貧になっては元も子もない。どうにかして相手の隙を作らねえと。だがどうする?相手は預言者の中でも一番硬い装甲の持ち主だ。そんなのをたかが火遊びや小さな氷程度で傷つくか?否、傷付くはずがない。なら、どうすれば……。
「……待てよ」
一つだけ……決定打がある。ああいう最強の防御力を持つ相手に、漫画でよく有効打とされる魔法が。
「偏見と思い込みで出来上がった!一か八かの大勝負!!やってやろうじゃねえか!!」
だがまずは……。
「回避ーーー!!!!」
ビナーは、その巨体を震わせ突進して来ていた。だが、人間の足がそのスピードに逃げ切れるわけもなく。体は、ビナーの突進により空中に飛ばされ、大ダメージを受けた。
空中に投げ出された俺を、ビナーが目で捉え、また口を開ける。
「くそ!このままだと」
こんななにもできん空中でレーザーを撃たれれば確実に死ぬ。最近自分も残機を気にし始めているため、あと何回死んだら本当に死んでしまうのだろうと不安でいっぱいだった。例えビナーであってももう簡単には死ねない。だから……全力で抵抗させてもらう!
「なにもしないよりはマシだ!」
こうなったら、もうここで勝負してやる!
「『メラ!』『ヒャド』」
二つの魔法を一気に唱える。だが、唱えた際に力を入れ過ぎたのか……同時に唱えた魔法は暴走した。暴走と言っても、辛うじて操れはしたのでそこに問題はなかった。問題なのは、この二つでちゃんと『メド』が出来るかどうか。いや、できる!やるんだ!やらねば、ここで死ぬだけだ!!
ビナーは口を開け、またさっきみたいなレーザーを放とうとしている。だが、それが奴にとって一番の悪手になるとは、思いもしなかったろうけど。
「へん!そんなに食いたいなら、食わせてやるよ!たんと味わえーーー!!」
『メド!!!!』
白く発光する無属性魔法。初期とは比べ物にならないほどのその輝きは。…………見事にその装甲を一直線に貫いた。最初に、ビナーの口内へと入り、溜めていたエネルギーを離散、その後すぐに喉を貫通し背中を貫いて光は通り過ぎた。
ビナーは苦しそうな声を上げ、砂漠を這いずり回る。
「今のうちだ!」
地面に落ちるよりも前に、俺はルーラを唱え、その場からようやく離脱する事ができたのだった。
□□□
その後、なんとかアビドス校舎に戻って来た俺は、グラウンドの前で倒れ伏した。魔法暴走による反動なのか、それともメドを使ったことによるものか……多分どっちも含んでいるんだろうが、とにかくも〜れつに疲れた。
「……早く……寝よう」
中に入ろうと体を起こそうとする。だが、体は一向に動く気がないようで、一度は立ち上がった体は重力に従うように傾く。
「っ……やばっ」
顔からいきそうになって目を瞑る。
だが、次の瞬間?誰かに体を掴まれた。
目を開ける。……視界に映ったのは豊満な暴力だった。誰に受け止められたのか一瞬でわかった。
「ゆ、ユメ先輩!?」
「セ〜フ!危なかったねルイ君」
先輩は、抱き締めるように俺を両腕で包む。やめて、息が苦しいです。死ぬ!死んじゃいます!あ、でもこれで死ねるなら男としては、我が人生に一片の悔いなし!で死ねる。
「せっぱい!ぐるじい!!」
「わわわ!ご、ごめんねルイ君……大丈夫?」
「あっはい。しあわせでし、じゃなくて、死ぬかと思いました」
「ごめんなさい!そんなつもりはなくて〜!!」
「わかってますから、そんなあわあわしないで」
「……ところで先輩は?これから帰りですか?」
「あ……うん。もう眠くてさぁ。また寝泊まりしたらホシノちゃんに怒られそうだし、ちゃんと家で寝ようと思って」
「あーなるほど。……ホシノは?先帰ったのか?」
「う、うん。色々あって疲れてそうだったから、先に帰したの。それじゃあ、私はコレで……」
「あっ……はい」
交差するように俺は学校に戻り、ユメは家への帰路を目指す。ふと、そこでいつも言われていた言葉を言われてないなと思い、振り返ってユメ先輩を呼んだ。
「センパーイ!また明日〜〜!!!」
「ぁ…………うん!!またねー!」
そう大振りに手を振るユメ先輩の姿を見て。俺は手を振るのをやめ、教室へと戻る。その違和感に……気づかないまま。
俺が使ってる教室に戻ると、急にとんでもない眠気が自身を襲った。身体がよろめき……壁に手をつきなんとか支える。魔法暴走による反動と『メド』を使った時の負荷がようやく本格的に襲って来たようだ。
瞼が凄く重い、身体も凄く重い……。
それに、なんか…………。
「気分が……わるく?」
体調もなんだか優れない。疲労だろうか?それにしては、だいぶ重い……肉体的、というよりかは……これは。どす黒い……モヤ?
キーーーーーン
「うっ!!!???」
頭がっっ!!割れるように痛い!!
脳裏に、またあの人影が一瞬映る。
なにっものだ……?これは、あいつの仕業か?
「い、しきが…………お、もい。まさか、これも」
最悪な想像が浮かぶ。フラッシュバックするゲームで見たスチル。絶望するホシノの悲痛な顔、どこかの砂漠に置かれた先輩の盾。その光景が脳裏によぎる。
ユメ先輩が――危ない!
だが、もう限界だった。体からは力が入らない。意識が何かに引っ張られていく。なんとも言い表しにくいが、体から自分が抜けているような……そんな感覚。
「……ま、さか!」
そう気付くも、もう手遅れで……俺の意識は深い暗闇へと堕ちるのだった。
□□□
悪いことをしたなって思った。その気持ちは、怒っている最中でもあった。でも、あの時は冷静じゃなくて溜まりに溜まった不満をぶつけてしまった。
「明日……謝らなきゃ」
明日もまた先輩はいる。いつも来ているあの人だし、それにユメ先輩なら何事も無かったみたいに振る舞ってくれる。ルイの事はまだイラッとしてるけど、ちゃんと話せばいい。
「私……話せるかな。でも、言わないと」
あの時の先輩の顔は、少しおかしかった。
いつもの明るさが、なんだか無理してるみたいで。
私だけじゃないだって、先輩も苦しんでたんだって知れて、こんな事思うのはダメだけど少し嬉しい気持ちになった。だけど、そんな先輩に私は、あんなひどいことを言った。いくらイラついていたとはいえ、自分があそこまでするとは思わなかった。自分が醜くて、情けなくて、あんな弱いとは思わなくて。
「…………ルイのことも、話せばわかってくれますよね」
ユメ先輩のあの発言は、ルイを頼ること前提のものだった。ルイについて行けば、ルイがいればどうにかなるって思ってる。だけど、ルイは元より、ここに縛られる意思はないし、彼は自由を謳歌してこの世界を回りたいとそう言っていた、冒険心に溢れた普通の子供なんだ。そんな、私たちには眩し過ぎる心優しい少年なんだ。そんな子の未来を……私たちの事情に巻き込むのは、考えられなかった。
□□□
翌日。私はいつものように学校に来て、先輩が待つであろう生徒会室に向かった。
「ユメ先輩、戻りましたよ。次からは気を付ければいいですから。それより……」
入った瞬間に違和感に気づいた。
「先輩?」
声をかける……が、返事は返ってこなかった。
今日は来てないのかな?こんなこと、今までなかったのに……珍しいですね。もしかして、また学校に残って寝てるのかな?そう思い学校を回ってみる?
「倉庫でしょうか?」
それから私は、学校中を探し回った。いつもはもう少し賑やかで明るい校舎が、今日は妙に静かだと思う。そういえば、ルイの姿も今日は見ていない。いつもなら早朝に剣の素振りをしている筈のからの姿は、校庭になかった。
小一時間が経過したが、先輩の姿は見当たらなかった。最初に入った教室でルイを発見したが、寝ているようだったので、なるべく起こさずそのままにして放置した。しかし、影一つすら人の気配を感じなかった。
「どこに行ったんですか、全く。かくれんぼですか?それともドッキリですか?」
怒った翌日にそれをする度胸があるのは、呆きれを越えて尊敬するが。そんな変なことをする人では流石にない。ワンチャンの可能性を思考の外にやり、まだ見てないところを探しに行く。それでも、まだ先輩は見当たらなくて……もう2時間が経過したのにどこにもいなかった。
「ここが最後……」
残りの体育館を開けて中を見渡す。中を見ると、ゲレゲレとスラりんが身を寄せ合って眠っている姿が見えた。でも、ここにある気配はこの二匹のみのようで結局、そこにもユメ先輩はいなかった。
「今日は……いないのかな」
モモトークを開くも特に連絡も無い。
まあ、先輩だって人だしたまには休む事だってあるよね。でも、それなら心配だな。早く昨日の事謝りたいし、後で家までお見舞いにでも行ってこようかな。
そう決めて、今日の業務を行いに生徒会室に戻る。
だがその前に、ルイを起こしに向かう。
「ルイ?……まだ寝てるんですか」
小さな寝息を鳴らして窓際を向くルイ。顔を見に移動して見る。とても疲れた顔をして眠っていた。とても険しく怖がっているような……そんな顔。でも、呼吸は非常に落ち着いているので、特に問題はないと理解した。
「寝顔は……年相応なんですね」
少し可愛くて、頬をツンとして見る。
「……ほぇ……」
閉じていた口から空気が抜けたような声。でも、起きる気配は全くない。流石に、そろそろ行きましょうか。最後に頭を撫でると、ルイは幸せそうな顔を浮かべて朗らかに笑った。
結局、その後もほっといて私は生徒会室に戻ったのだった。
――――――――
「…………」
一人の生徒会室で、黙々と業務を進めていく。
すると、ゲレゲレとスラりんが部屋に来て、私の両サイドに座って来た。特に気にせず仕事を進める。
「フニャ?」
ゲレゲレが辺りを見渡して誰かを探している。きっと、ユメ先輩が居なくて探しているのだろう。
……そういえば、ゲレゲレの世話とかはいつもユメ先輩がしていたっけ?今日は学校にそのままいたけど。忘れて帰ったのかな。
すると、ゲレゲレのお腹から腹の虫が唸りを上げる。
「全く、仕方ないですね先輩は。確か、あそこの棚にゲレゲレ用のご飯が……」
席を立ち、ゲレゲレのためのご飯をお皿に入れて目の前に出して頭を撫でてから、自分の仕事に戻った。
しばらく食べる姿を見届けてから書類に目線を戻す。カリカリと食べる音が室内に小さく響く。だが、その音も長くは続かなかった。最初は勢いよく食べていたのだが、音がしなくなってそちらに目を向けると半分程を残して扉の前で座っていた。尻尾は少しへなっており、後ろ姿からは寂しさのようなものを感じた。
多分、今日まだユメ先輩に会えてないからなんでしょうね。
「ゲレゲレ。午後にユメ先輩の家に行くんですが。一緒に来ますか?」
そう聞くと、嬉しそうにこちらに振り向いたゲレゲレ。すると、スラりんも「行く!」という顔で軽く跳ねた。元々は、悪い心を持つ魔物と言われても、信じられないような純粋に喜ぶ姿に、思わず笑みが溢れる。
ルイも誘おうと考えるが、あんなにやって起きなかったアイツだし、どうしようかと悩む。ただまあ、置き去りも可哀想なので行く前に声だけはかけようと考えるのだった。
□□□
コンコンッ
「先輩?起きてますかー!」
一人と二匹でユメ先輩の部屋の前で少し大きめに声を出す。ルイは来ていない。あの後、再度様子を見てから体を揺らして起こそうとしたが、全く起きてくれなかった。なので、三人?で来たのだが……。
「おかしいですね。まだ寝てるんでしょうか?」
インターホンを鳴らす。でも、いくら待っても声が掛かる事は無かった。試しに、聞き耳を立てる。何かが動いたりとか、寝息のようなものを集中して聞き取ってみるが。音一つすらしない異様さに私はようやく違和感を感じた。
「先輩、入りますよ!」
前にもらった合鍵を取り出し、慌てて部屋に入る。
「先輩!……先輩!?」
声をかけながら、部屋中を探索する。だが、髪の毛ひとつも見つからなかった。再度、部屋を調べる。そこで、昨日から帰った痕跡がなかったことに私は気付く。
「どこに……まさか!?」
最悪なケースが頭に浮かぶ。
思考がよぎるよりも前に体が動き、背中の銃を持って駆け出す。そして、今ある詐欺師たちを片っ端から潰して回るのだった。
□□□
それから、三日掛けて詐欺師たちのアジトを潰しまくった。だが、ユメ先輩の姿はなかった。何か知らないか聞いてみたが。
『そんな奴は来ていない!』
『お前はアビドスの!?ま、まだなにもやってないぜ?会長……?なんだ、アイツ去ったのか?違う?』
『会長だと?……そんな奴は知らん。来てないし、お前がいるのに誰が手を出すというんだ?』
『本当に知らないんだ!だから頼む!見逃してくれ!』
どいつもこいつも知らないの一点張りで……。
結局、それ以降は聞くことすら諦めた。
次の日から、寝る間も惜しんですぐに先輩を探した。覚えのある場所をとにかく全部回った。
先輩と一緒に行ったとこ、出会った場所、一緒に巡った場所、心当たりのあるところをとにかくひたすらに走り回った。学校や家も何回も回った。でも、何度行っても、戻って来てるかもっていう期待を裏切られて終わった。
「先輩……せんぱい…………せんぱい!!いったい………………どこへ……?」
さらに翌日。昨日は学校に戻って来てすぐに寝た。待っていたら、帰ってくるかもと思って……でも、今日も先輩の姿はない。
「…………うぅ」
生徒会室を出て、いつものようにあの部屋を目指す。
「……ルイ」
ルイのいる教室に入り、隣に座る。
ルイも、あれからずっと眠ったままだった。
あの日からもう十五日も経過したが、いまだに目覚める気配がない。寝る子は育つというけど、流石にこれは寝過ぎだ。食べ物だって食べてないのに。辛うじて水を飲ませているけど……どうやってそれだけで生きてるの?いい加減起きないと、本当に死んじゃうよ。
……もしかして、生き返れるからって食べなくていいとか思ってるの?そんなことなら、本気で殴ってでも起こすよ?
「おき、てよ……ルイ。おきて」
もう……辛い。誰もいない、喋らない、人の声がしない校舎を一人歩くのは。辛い……苦しい……悲しい……。
「寝過ぎだよ。……早く起きないと。このまま餓死しちゃうよ?だから……おね、が…い。だから…………」
―――私を……助けて。
そんな切実な願いが届く事はなく……その期待も私を裏切る。
「あっ……そろそろ水分を補給させないと」
目覚めなくなったあの日から、こうして定期的に水を与えている。流石に、なにも飲まず食わずなのは良くないから。もしかしたら、目覚めるかも知れないし。それに、私が管理しなかったせいで死んだら絶対に後悔するって思ったから。廊下に置かれた植木鉢の横にある水差しを取り、彼のコップに水を注ぐ。戻って彼の体を起こし、チビチビと気管に入らないように飲ましてあげる。呼吸はいつも通りに安定。意識がないだけで体はなぜか健康的だ。そういえば、コレを飲むようになってから体が元気になったような気がする。
「う〜ん……」
「っ!……ルイ!?」
ルイが微かに口を開く。ついに起きたのかと期待する。
「か……さん……まだ……げー…ぅ…す……る〜」
「どら……く、え……や、り……い」
でも、しばらくカタコトのように何かを喋っただけで。それ以上は何も言わず、また寝息を立て始めた。私は必死に体を揺らした……今を逃したら。もう起きないと思ったから……。
「…………」
それでも、ルイが目を覚ます事はなかった。
「すら……」
「にゃぁ……」
「ゲレゲレ、スラりん?」
二匹が心配そうに私の足元に来る。
そうだ……まだ私にはこの子達がいる。この子達が居れば……私はまだ頑張れる。頑張らなきゃ……。
□□□
さらに数日が経過する。先輩捜索からもう一ヶ月が経とうとしていた。街をあらかた探し回ったが……ユメ先輩はどこにも見つからなかった。お世話になった街の人や大将さんにも度々話を聞いたけど、手がかりの一つも見つからなかった。
「あと探してないのは……」
砂だけが視界いっぱいに広がる方向を見やる。
残るはもう、砂漠のみ。砂漠化により広大に広がった……アビドス砂漠。アビドス衰退の大きな要因である、憎き砂漠。……その砂嵐。
しばらく眺めていると、久しぶりに私の携帯から着信が入る。
「ルイ……!?」
もしかして、とその名を呼んで画面を見る。だが、表示された名前は予想と外れた……でも希望となるものだった。
「せんぱい!!」
先輩から送られて来たのは、一通の音声メッセージ。私はそれの再生ボタンをタップし、恐る恐る耳に当てて聞き入る。
『ごめんね、ホシノちゃん。電波がうまく@#$%』
『砂漠にいたら@#&%砂嵐に遭って&#@』
数週間ぶりに聞く先輩の声が響く。よかった!まだ先輩は生きてた。でも、その声にはいつもの抑揚はあまり無く、弱っていた。
『ホシノちゃん……ごめんね。またコンパス忘れちゃった。メモも残したけど、ここでも送るね。私の手帳は、あそこにあるから』
『ホシノちゃんもよく知っている@$^$%@#$――目立つ場所に置いたから、すぐわかると思う』
『ホシノちゃん、私は――――』
そこで電波が切れたのかあるいはバッテリーが無くなったのか……その言葉の続きは発せられる事はなく。プツンと切れた。
「あっ――」
「先輩!!??」ユメ先輩に電話をかける。数回に及ぶコールが流れるが、一向に出る気配はなく、留守番電話になる。
早く……早く行かないと。先輩を助けに行かないと!でも、今から砂漠に行ったって私まで遭難して、最悪二人とも死ぬ。悩んでる時間はない、早速準備をしないと……。
準備のため全速力で学校を目指す。
一刻も早く、助けないと。このまま、仲直りできないままは嫌だから。そもそも、なんで先輩は砂漠になんて行った?なにか目的がある感じだったが、ノイズばかりでマトモに聞こえなかった。考えるのは後だ、今は早く見つけに行かないと。
数十分ほど走って、ついに校舎が見える。
それと同時に、校舎の前で一人佇む影を見つける。
その背格好と黒で埋め尽くされたシルエットには、身に覚えがあった。そいつは、今最も会いたくない奴で、完全に私の邪魔な存在であった。
「お久しぶりです、暁のホルス。いえ、小鳥遊ホシノさん」
「黒服……!」
殺気を出しながら奴に向かって銃口を向ける。
「まあまあ、落ち着いてください、ホシノさん。今回私は別件でこちらに参っただけのこと。あなたと契約をしに来たわけではありません。ですので、そう警戒しないでください」
「別件ってなに……まさか!」
「前もって言いますが。アビドス生徒会長の件に関しては、私は一切関わっておりません」
「そんなの信じられない!」
「別に信じていただかなくても大丈夫ですよ。確かに、それを証明する術を私は持ち合わせてはいません。ですが、私のこの言葉に嘘はありません」
「それで、はいそうですかって済むと思う?」
「えぇ、思っておりませんよ。ですが……そうですね。お気に入りの映画の台詞がありしたので、それから引用して言うなら」
「この言葉に嘘がない事をルイさんに誓ってないと、ここに宣言しましょう」
黒服の口から出てくる筈のないその人間の名前が飛び出て来て……。
「…………は?」
そんな素っ頓狂な声が、漏れたのだった。
感想と高評価、ここすき、などお願いします!励みになります!
実は大量のマドハンドとの戦いでたくさん経験値を手に入れてます。
○ルイのレベルが上がった。
レベル13→14
H P=104→115 +11
M P=59→64 +5
力 =54→61 +7
早さ=30→33 +3
守り=29→32 +3
運良=13→13 +0
??=10→10 +0
攻魔=37→39 +2
回魔=39→45 +6
・バギを習得 スキルポイント+7p
過去アビドス編の後、次なる冒険が見たいか?
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そのまま本編〈前に○○○○編をやる〉
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○○○○編やらずに本編
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過去ミレニアム編 幕間程度
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過去ゲヘナ編 プロット無し
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過去百鬼夜行編 プロット無し
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過去山海経編 プロット無し