BLUE QUEST 〜青春を駆ける戦士〜   作:松花 陽気

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———錬金釜クッキング———

さあやってまいりまいりまいりました!
お待ちかねなのかわからないけど、錬金釜クッキングのお時間です!今回のゲストは、アビドス高校からユメ先輩とホシノです!

「よろしく〜!」

「……どうも」

いやぁ、二人とも楽しそうですね!

「いや、まずなんなんですかこれ?」

ちょっとしたお遊び的なコーナーさ。

「いや、どういうことです?」

「まあまあホシノちゃん。とにかくやってみよう、それで何を作るの?」

作るものが決まってるんじゃなくて、あれこれ混ぜたら何が出来るかなを検証するためのコーナーだよ。いわば、実験室的な?

「?……なるほど!」

それでは、今回混ぜる品を紹介!

『おおきづち』
『ヘビーメタル』

今回はこの二品を入れてみようと思います。
因みにヘビーメタルはこの前のD.U地区の宝の地図探索中にゲットしました。

「誰に言ってる——」

さあ入れてみましょう!!

ヒョイ!カポ!
ポコポコポコ!!

むむ!何か出来そうだな。それでは、また次回!


第二十三話:作戦開始!!

「頼む!私に君を調べさせてくれ!!」

 

「イヤデスヨ!!そんなのワタシをブンカイしますって言ってるようなモンジャないですか!!?ダレガソレヲ望むんデすか!?」

 

「私が望んでいる!」

 

「ブンカイされる側のワタシが嫌ナンですよ!!」

 

「大丈夫だ。悪いようにはしない。ただ少し構造を知りたいだけだ」

 

「だから——」

 

「いや——」

 

「……………………」

 

かれこれ小一時間アイツらはこうしている。何をやってるんでしょうか?

 

とりあえず、突然やってきたロマンチスト系エンジニアの生徒こと白石ウタハさんのメカニックに対する興味を一旦落ち着かせた後。なし崩し的に彼女も踏まえての作戦会議が始まった。と言っても、やることは大して変わらず、恐らくいるであろう親玉を倒すというあっさりしたものだった。だが、もし黒幕がいなくともその原因となっているものを壊せればそれだけで問題は解決する。

しかし、この廃墟はとにかく広い。土地もそうだが建物のビルだけでなく地下通路なんかもあるのだそうだ。そこら辺の地図は彼女達がナビしてくれるみたいなので任せることにするが。

 

「となると……これは耐久戦になりそうだな」

 

「イタシカタナイかと」

 

「だよな〜」

 

「なんだ、弱気になってんのか?」

 

「いや、そういうわけじゃないけどさ」

 

「やるって言ったのはお前だ。今更逃げんのは無しだぜ?」

 

「そりゃもちろんだけど」

 

だが、このまま準備もなく向かうのは早計だ。

というわけで。

 

「バァ〜〜〜ン!!!」錬金釜登場!!

 

「「「「ん?」」」」

 

俺は徐に釜を取り出す。ウタハとかが効果を見たら食い付いてきそうだが。なんかもう、出してしまえと思った。んで、「これなに?」って言われたので簡単に説明もした。

 

「そう。にわかには信じ難いけど、そんな便利な物があるのね」

 

「錬金術……山海経(せんかいきょう)にそのような名前の部活があると噂に聞いたことがあります」

 

「確か、その部活の人が山海経から矯正局に送られたって前にクロノスニュースでやってたね」

 

それって後の七囚人とかじゃないよね?

 

「流石にそいつとは関係ないです。まず、山海経ってなんですか?」

 

知らないふりしよう。実際、知らないからね“この頃の山海経”。その後、軽く山海経について話してもらった後。俺は改めて釜の前に立つ。みんながそれに注目し、俺の持つアイテムを見ている。

 

「まあ、聞くより見ろってことで早速これの凄さを見せようか」

 

と言いながら、『薔薇の鞭』と『蛇のぬけがら』を釜に入れる。本当は、『皮の鞭』と『うろこの盾』を入れるのが正しいレシピなのだが……。あの武器、名前に蛇が入ってるからワンチャンいけるのではと半分賭けのつもりでやってみる。無理だったら、薬草にしよう。……数分後。

 

パカンッ!!

『蛇皮の鞭』を手に入れた!

てれてってって〜〜〜♪

 

「とまあ、この通りです!にしても、蛇皮の鞭か、攻撃力も高いし双竜打ち覚えたら最強だね!」

 

「これは……!なんと興味深いのでしょう。加工するのにかなりの時間が掛かりそうなそれをあんな数分で終わらせてしまうとは、好奇心が掻き立てられますね。……あぁ、この超天才病弱薄幸清楚系美少女ハッカーの私をここまで興奮させるとは……!」

 

「あぁ。組み合わせ次第でなにができるかわからないという話だし。実にロマンがあっていいじゃないか。……色々と試したいところだね」

 

その凄さに感嘆しながら呟くヒマリさんとウタハさんの声を聞き、俺は警戒を露わにして釜に手を伸ばす。

 

「……あげないからね?」

 

「そうか。……ではり「量産もさせないし、その際の分解もさせない」……ふむ」

 

先回りして言うと、リオが前に出て。その理由の確信をついた。

 

「…………それは、不可能だからかしら?」

 

「そうは言ってないけど。……できるとも言い切れないからね。それに、分解した後で元通りに治せるかもわからないからな」

 

一点物の特別なアイテムを調べて、結果直せないとかなったら一生恨む自信ある。二度と貸さねえから!!

つまりは、不安なのだ。分解した結果、直らなくなり、これからなにも作れなくなることを俺は恐れているのだ。だから、簡単に了承することができないし……もし量産されたとしよう?完全模倣は無理でも、それがカイザーなんかの手に渡った際に何か危ないものを作られる可能性が大いにある。

 

「という理由だから。それは出来かねるのだよ。理解してくれた?」

 

「……しょうがない。非常に惜しいが、そこまで言うなら手を引こう」

 

どうやら納得してくれたらしい。

 

「よし!それじゃあ本来の目的のブツを作るか」

 

「何をお作りになれるのですか?」

 

「回復アイテム……まあ薬的な物だよ」

 

「ほお、それは薬も作れるのか」

 

話し込む間に薬草を二つ入れる。それからは、いろいろと話しながら時間を潰しつつ、作戦の最終調整なりなんなりをして自由に過ごす。

 

今日泊まる寮の一室を借してもらい、寝る前にとある人に電話をかける。

 

プルプルプル——ピッ!

《ルイ!ルイなのですか!?いったいいつ!》

 

そう、あれから全く連絡をしていなかったサクラコに俺は電話をかけたのだ。実は、俺がアビドスで一ヶ月の眠りから覚める一週間前から鬼電のようにサクラコからの連絡が来ていたのだ。しかも、それを知ったのはD.U地区のネットカフェで充電してももトーク開いた時に気付いたのだ。

ん?アビドスで充電したときに見れただろって?

それは普通に遠慮しちゃったんですよ。確かに多少の充電はしました。道具袋のアプリ使えなくなっちゃうからね。でも、それ以外で使う事なくて見てなかったんです。

 

「びっくりした……うん。連絡遅くなってごめん」

 

《ルイ!……よかった、無事だったのですね!大丈夫ですか」お身体は正常ですか?》

 

電話越しのサクラコは、目に涙でも浮かべているのか涙声になりながら心配そうに、でも少し安心したような声をしていた。俺はそんなサクラコを落ち着かせながら泣き止むのを待った。彼女が落ち着いたところで、改めて俺は事情を説明する。

 

「うん。実は、とある魔物のせいで一ヶ月も寝ちゃっててさ」

 

《ひ、一月も!?飲み食いも無しに……》

 

「いや、流石にそれは。前に話したアビドスのホシノって子が定期的に水を飲ませてくれててさ。しかも、その水が洞窟で見つけた特別なもので飲むと体が元気になるんだ」

 

《そんな物が……それのおかげで今こうして生きられているのですね。ということは、まだアビドスに?》

 

「いや。今はミレニアムにいる」

 

《ミレニアムですか。それはいつから?》

 

「4日前だな」

 

《四日……ルイ?》

 

「ん?」

 

突然、俺たちの間の空気が電話越しだというのに冷え始めた。

 

《因みに聞きますが、いつから起きていられたんですか?》

 

「え〜っと、七日前くらい……からかな?」

 

《なぜ、折り返してくれなかったのですか?》

 

あ、もう察した。それから俺は、サクラコにえらいを心配をかけたこと、目覚めたなら電話してほしかったこと、連絡が来るまでずっとずっと不安だったことをぶつけるように静かな怒りの籠った笑顔で説教された。

 

《はぁ……あなたという方は》

 

「はい。大変すいませんでした」

 

《まあ、私も普段からシスターのお仕事で忙しいのでスマホを見る暇があまりないです。でも、あなたの場合は一ヶ月もの間音信不通だったのですから、一言くらい何か言ってほしかったです》

 

「うん。ごめんなさい」

 

《……ところで、次はいつ帰ってきますか?》

 

「へ?」

 

話が突然変わったことに、素っ頓狂な声を上げる。

 

《ですから、その……久しぶりにお会いしたいと、思いまして》

 

少し甘い声音でそう言うサクラコ。その声に一瞬ドキッとする。可愛すぎて惚れてまうやろ!

だが、会いたい……か。まあ、今回の件でだいぶ心配をかけてしまったし、この件が片付いたら一度サクラコのとこに戻るのもアリだろう。それに、ハントの事も紹介したいしな。

 

「今、ミレニアムの問題解決のために手助けしててな。言っていい事なのかわからないから、他言もできないんだけど。これが終わったら必ず会いに行くよ」

 

《っ!……わかりました。では、楽しみにしていますね。帰ってくる日は連絡くださいね!》

 

「うん。それじゃあ、明日は早いからそろそろ寝るよ。おやすみ〜」

 

《おやすみなさい》

 

ふーー。なんか、遠距離恋愛中のカップルの会話みてえだなと、一切そんな気の無い会話だというのにふとそんなことを思ってしまった。そんなことに少し顔を赤くしながら、次サクラコと会ったら何をしようかなと、悩むのであった。

 

□□□翌日

 

早朝。早速、俺とスラりん、ハント。そしてネルさんと共に、機械兵の根城である廃墟に向かった。ヘリを使って、廃墟の高いビルから着地して侵入する。

 

《それじゃあ、作戦の最終確認を行うわ。準備はいい?》

 

インカムからリオさん達の声が響く。近くには、リオのAMASドローンが見ている。それに向かって頷いて返事をする。

作戦はこうだ。

とりあえず、廃墟内の地下を調べ尽くす。途方もないと思ったろ?確かにそうかもしれない。この場所の面積は約半径1キロメートルちょい。その中から地下通路のある建物を探すのは骨が折れる。だが、それが実現する方法がある。

 

———回想———

 

「私たちがあらかじめ地下通路がある建物を調べ尽くしました。その中で、あのマシン達の出入りが頻繁にある通路だけをリストアップしています」

 

「特に出入りが多いのはこの四箇所よ」

 

まず、廃線となった地下鉄の入り口が二箇所。どちらも離れた場所にあるそうで、線路が繋がってたが瓦礫により塞がれているらしい。

次に、ショッピングモールの地下。ここは、建物の上階に鳥っぽいマシンが飛んでいるそう。

そして最後は、特に建物の損壊が激しい自治区の外れだと言う。だが、この場所は先程言った三箇所とも近い位置にあるそうで、マシンの出る数は最も少ないがたまに高エネルギーの反応を観測するらしい。

 

「まずは、一番目撃数が多いモールから言って、そこから随時、地下鉄とこの場所に行くわ」

 

「元を断つのが目的ですが、あそこに司令塔がいるとなれば、辿り着いてすぐ一斉に仲間を呼ばれ挟み撃ちにされる可能性もあります。なので、まずは敵を減らす事を最優先にしましょう」

 

———回想終わり———

 

まさか、あれだけの地下の中から短時間で数箇所に絞るとは流石はミレニアムの天才達だ。この人たちを相手に戦うのは、一筋縄じゃ行かないだろう。いや、戦闘面は意外とそうでもないか?少なくともネルさん以外なら勝てる自信あるよ。

そんな冗談は置いといて……だ。

 

「よし。さっさと片付けるぞ」

 

「おー!」

 

掛け声を上げながら、俺たちは屋上から降りていく。

なんというか、上から入って侵入するのってドラクエ4のライアン編のボスの塔みたいだよねと、ふと思った。

 

《気をつけて下さい。ここのマシンは鳥の形状をしたものです。プロトキラーと違い初見の敵です》

 

《ネルも十分気を付けてちょうだい》

 

「わぁてるよ」

 

少しめんどそうに、でも真面目にそれを聞いて頷くネルさん。流石はミレニアム最強のネルさんだ。一年生だというのに既に潜ってきた修羅場が違う。武器の『ツインドラゴン』はいつでも発砲可能といった具合に準備万端だ。

 

《鳥のように羽ばたいて飛ぶマシン……か。ふふ、実に面白いじゃないか。マシンが鳥のように飛ぶなど、なんて興味深いんだ》

 

《ウタハ、落ち着いて》

 

「ルイも気をツケテくだサイよ」

 

「ん?まあ、大丈夫でしょ」

 

だって、そのマシンってメタッピーでしょ?ドラクエ8とかだと序盤の洞窟で出て来る少し硬いだけの雑魚モンだ。そんな奴に負けるほど弱くはない!

 

「…………ハァ。なるほど、これはスラりんも苦労シマスネ」

 

「????」

 

「おい、何話してんだ?」

 

「いや、なんでもない」

 

ハントが何かを呟いたが、なんて言ったのか聞き取れなかった。聞き返そうと思ったが、ちょうどネルに呼ばれたので話を終わらせて向かった。

 

「リオの話だと、ここを降りた先から鳥のマシンがウヨウヨいるんだと」

 

「……まじか。因みに、鳥ってどんな色の?」

 

《黒と赤の配色しかいなかったわ。あれも戦うのかしら?》

 

「戦いマスヨ。あの翼で羽を飛ばしてきます。よく切れヤスイので注意を」

 

「了解。ま、やることは変わんねえわけだな。片っ端からぶっ壊せばいいんだろ?」

 

「そうだねー!というわけで、もう行こうか。ここで止まってても意味無いし」

 

その一言にネルさんも同調し、俺たちは同時に下に降りる。因みに、先程俺たちがいた階が4階で、その下の3階に敵がいます。

 

□□□

 

・メタッピー達が現れた。

 

メタッピーの大群が一斉に俺たちを見て襲ってきた。

ネルさんは颯爽とツインドラゴンを向け全体に向けて連射する。やはり、雑魚なだけあってネルの攻撃を喰らった瞬間、頭がとれてすぐに倒れた。

 

「おいおいどうした?骨がねえじゃねえか、あぁ?」

 

「ネルさんや、アレに骨は無いよ」

 

「ちげーよ。そういう意味で言ったんじゃねえ!」

 

「ナイスツッコミ!……おっと?」

 

キンッ!!

 

飛んできた鋼鉄の羽達を盾で防ぐ。因みに、スラりんからスクルトをしてもらってます。そのスラりんはというと。

 

「すぅ〜らぁ!!」『火の息』

 

小さな炎をメタッピー達に吐き散らして燃やしたていた。ハントも、上半身を回転させながら斬りかかっている。 

 

「つか、お前のその盾なんなんだよ。なんで鍋の蓋でそれだけ防げんだ?」

 

「知らねえ。これもあの釜で作ったから、加工の質が違うんだろ。と、オラァ!!」

 

襲ってきたメタッピーにモーニングスターを振るって攻撃する。そこから余裕そうに話しながら敵をバッタバッタと倒していくのだが、とにかくどんどんと敵が湧いてくる。広いモールなのもあってかかなりの数がうろついていた。

 

「あーもう、一気に倒せたら楽なのに……」

 

「なら、あの爆発とか使えばいいだろ?」

 

「できるだけ魔力を消費したくない。この後もメタルハンターとかプロトキラーとか、ボス戦も控えてんのにバンバカ使えるかよ」

 

「……難儀だなそれは」

 

「まあ、格闘技なら消費無いけど」

 

「だったらそれ使えよ」

 

「この数相手だと全員に当たらないから無理だな。取りこぼした奴らに攻撃されるだろうし」

 

囲まれてるような構図のこの状況でそれは悪手だ。それに、メタッピーとはいえマシン系は魔法に耐性を持つ個体がほとんどだ。なので、効かない可能性が高いのだ。実際、ハントは氷を無効にできる。こういう奴がいるからマシン系は侮れない。

 

「アタシの攻撃ならあっという間に倒れるが、これだけいると流石に面倒だな。こうなりゃ手榴弾で……」

 

「待て!2階にも敵は居る。まだまだ補給はあるが数を節約するなら一気にするべきだ!」

 

「はぁ!?じゃあどうすんだよ!?」

 

《ネルの言う通り、ここで出し惜しみをするのは危険よ》

 

「……じゃあ」

 

俺は高く飛び上がり、天井に向かって膝を向ける。

 

『飛び膝蹴り!』

 

で真上の天井を攻撃し、上の天井と4階の床を突き破り貫通させる。

 

「そして!!」

 

即座に武器を『金のオノ』に変え、その地面に向かって着地と同時に『かぶと割り』を放つ。瞬間、兜割りが当たったところからみるみる床に亀裂がはいる。

 

「いったい、ナニヲ?」

 

疑問符を浮かべるハントを横目に、俺はまだ崩れない床に「これで準備はよし!」と呟きながら、天井に開けた穴の真下に立ち、ここに固まるように言う。

 

「おい、本当に何するつもりだ?」

 

「時間が無いから手短に言う!今から飛ぶから、合図したら手榴弾を投げて!」

 

「えっ……と、とぶ?」

『ルーラ!!!』

「……って、うわぁぁ!!?」

「スラ!?」「いきなりデスカ!?」

 

全員で穴を開けたところに向けて飛んでいく。

 

「今だ!!」

 

穴に入る直前でネルさんに合図をし、手榴弾を投げさせる。爆弾を投げた先は、先程まで俺たちが立っていた場所。ちょうどそこにあのマシン達が群がっていた。

 

「一か八かの賭けだ!!喰らえー!」

 

俺の声と共に、手榴弾が着地と同時に破裂した。

 

「よっし!!

 

また同時に、俺達の頭にも別の衝撃が走った。

 

「いて!?」「ウッ!?」「スッ!!」「ギギッ!?」

 

天井に阻まれたことにより、ルーラの効果が中断され、俺たちの体は自由落下する。

一方、爆発した3階は一掃され、亀裂の入った3階床が爆発の衝撃を受け、2階にいる奴らも瓦礫の下敷きになっていた。

 

俺以外のみんなは大丈夫だ。俺が開けた3階へ落ちる穴から少し離れた位置に頭をぶつけたおかげで、俺以外は下の階に落下しない。

 

「間に合えー!!」

 

今度は『蛇皮のムチ』に武器を取り替え、近くの柱に引っ掛けてなんとか難を逃れる。

 

「ふぅ……危ねぇ。なんとかなったな」

 

なんとか落下を免れ4階の床に足をつける。

 

「おい!!頭を打つなんざ聞いてねぇぞ!」

 

「スラ!」

 

「オ陰で五秒ぐらいフリーズしマシタよ」

 

「あ……ごめん」

 

俺のルーラに巻き込んで頭を打ったみんながこちらに詰め寄る。ただ、ハントとスラりんは怒っているが、ネルさんはそうでもなかった。

 

「たく、別に頭を打ったことに関しては気にしてねえけど。前もって事前に注意くらいしろ。そのせいで舌噛んじまった。……いって」

 

「よかったら回復しましょうか?」

 

「……別にいらねえ。この程度の痛みは慣れてるからな。気持ちだけもらっとくよ。ところで、下のマシン共はどうなったんだ?」

 

そう言われて、穴から顔を覗かせて下を見る。メタッピーの残骸が瓦礫の隙間から大量に見えた。爆発のおかげでさらに下の奴らも一掃できたので一石二鳥だ。

 

「どうやら、ココの奴らは片付いたヨウですね」

 

ハントが感心したように言う。

 

《なんと奇抜で大胆な……それに空も飛べるだなんて。本当にオカルトめいた能力で、調べがいがありそうです》

 

《いや、もうなんでもありじゃん》

 

ヒマリさんはとにかく楽しそうに、チヒロさんは呆気に取られながらそうコメントした。

 

《すごいわね。でも、そういうことは私たちに任せてほしい。より合理的な作戦を用意できるから》

 

「ごめんごめん。いつも出たとこ勝負でやってるからさ。つい癖でね」

 

「……たく」

 

《でもこれで、3階と2階の敵は一掃できた。一階には敵がいないからすぐに地下に行けるわ》

 

「なら、行くか」

 

ここで止まるのも時間の無駄なので早速俺らは地下へと向かった。

 

地下はそこまで入り組んでいるわけではなく、地下駐車場という感じで、どこかに繋がっているとかそういうのもなかった。通気口とか、排水溝とかも調べてもらったが、結局何もなかったし秘密通路的なものもなかった。強いて言えば、ここの監視システムだけ。

他には特にないので、安全の為とりあえずそれを壊した。

それからも探索を続けるが。結果、地下には特にこれといったものは見つからなかった。あったものといえば、この世界のオーパーツらしきもの。それと———

 

「なぁ、ありゃなんだ?」

 

《ん?》

 

地下の探索中。ネルさんが妙なものを見つけた。そこに目をやると、そこにはなんと赤い宝箱が置いてあった。

 

《……なんだろうこれ?》

 

《やたら豪華な箱のようですが。なぜこのような廃墟にこんなものが……?》

 

と、なにやら考え込むハッカー二人。俺はみんなの反応を無視してその箱へと近づいていく。

 

「っておい。勝手に近づくんじゃねえ!」

 

「でも、開けないとわかんないだろ?」

 

「いや、完全に罠でしかないだろ」

 

そんなことは……無いとはいえない。

 

「でも、他にこれといったものなかったしね?ここは俺が開けるから、それでいいかい?」

 

《……あなた、これが何か知ってるのね?》

 

天才は流石鋭い。とは言っても、これはドラクエに出てくるメジャーもメジャーなオーソドックスなアイテムBOXであることと、たまに人喰い箱が罠として出ることくらいだ。

そうして、ゲームの部分を誤魔化して説明すると、少し考え込んだものの開ける事を了承してくれた。まあ、俺死んでも生き返るし大丈夫やろ。

 

宝箱に近づき、俺は中を開けた。そして———

 

・宝箱は人喰い箱だった。

 

「あ、おわっ——」

 

・人喰い箱はいきなり襲いかかってきた。

・人喰い箱の会心の一撃!!

・ルイは90ダメージを受けた。

 

後退しようとする一瞬の間に、人喰い箱に右腕を噛みつかれ、骨まで痛みが貫通した。すぐに離れようとするが、まだ腕が繋がっているのか離れようとしても無理だった。すると、人喰い箱は犬がおもちゃで遊ぶとき顔を左右に振るみたいに思いっきり俺を揺らし始めた。それにより壁に何度も打ち付けられ、最後にはネルさん達の方にぶっ飛んでようやく解放される。

因みに、右腕は食いちぎられました。

 

「……なっ!!??」

《……うぷ》

《……は???》

《……ヒッ!!??》

《…………っ!!!!》

 

やばい。ミレニアムのみんなにこんなグロいものを見せてしまった。それに片腕欠損……初めての経験だよ。こんなに痛いんだなこれって……。

 

「……かは!?——うっ」

 

右腕だけで無く口からも血が出る。それでも、なんとか意識だけは残っていた。正直、死んだ方がマシなレベルでクソ痛い。

 

『回転斬り!!』

 

ハントが胴を回転させながら人喰い箱に攻撃。バラバラに切り刻まれた人喰い箱はすぐに動かなくなった。

 

「ルイっ!?おいルイ!!!」

 

《……そんな》

 

ショックを受け、放心したリオさんの声が聞こえる。

他の人やネルさんは、必死に俺に声をかけてくる。

 

《し、しっかりしてくださいルイさん!》

 

「マスターよ!気をタシカに……!」

 

あーくそ。痛い痛い、まじで痛い。腕も取れちまったし、多分回復してもこれ治らないよな。ホイミ系の効果は回復だが、傷を塞ぐものであって肉体欠損を治す魔法ではない。前に洞窟の神父に聞いたら、ベホマが使えれば欠損もピッコロの再生のように生えるらしい。

 

「だい……丈夫だ。これくらいなら、なんとかなる」

 

「何言ってんだ、それだけ血ぃ出して大丈夫なわけねえだろ!こんなときに強がってんじゃねえ!」

 

《流石の穏やかな私も怒りますよ!そんな怪我で大丈夫などと冗談抜かさないでください!》

 

「いや、本当に大丈夫だから……」

 

やばいな。できれば死ぬところを見せたくないのだが……だが、欠損した部位を元に戻すには死なないといけない。

ん?なんで確信を持って言えるのか?

んなもん、アビドスでの最初の死でも真っ二つにされたのにしっかり繋がって復活したから、死ねば戻るのは確定なんだよ。

だから、もうこの痛みから解放させてください。お願いします。

 

「………………ごめん!」

 

「は?なにあやま……て」

 

その言葉を最後に、ナイフで胸を突き刺し……一気に意識は暗闇へと引っ張られるのであった。




感想と高評価、ここすきなどよろしくお願いします!励みになります!

○美甘ネル
レベル16
HP=364
MP=31
力 =104
早さ=119
守り=64
運良=63
??=461
攻魔=0
回魔=0
○特技
なし
○呪文
なし

○ネルの装備
・SMG(ツインドラゴン)攻撃力44
 [基準攻撃力8]
・C&Cのメイド服 守備力24
・ネルのスカジャン 守備力22

○装備
・ヘビ皮のムチ 攻撃力23
 皮のムチを強化したムチ。薔薇のムチをあっという間に超える武器で、ドラクエ8 が初登場。一気に攻撃力が上がるので、ゼシカの双竜撃ちにお世話になった方々はすぐ作ったのでは?

○新装備
・SMG(ツインドラゴン)攻撃力44
 ネルが使用する2丁のサブマシンガン。
 どちらにも黄金の龍の美しい文様が刻まれている。
 [基準攻撃力8]

・C&Cのメイド服 守備力24
 ネルの部活の指定服なのだが、彼女は前を開けて着ている。エージェントということもあり耐久性も高い装備のようだ。

・ネルのスカジャン 守備力22
 効果、炎、吹雪、爆発系のダメージを30%減。
 ネル愛用のお気に入りのスカジャン。桜などのとにかく目立つデザイン。本人がこれを着る理由を尋ねると、単純明快な答えが返ってくるそう。

○ネルの持つスキル
・ハンマースキル
・格闘スキル

追記

私は思った。生徒達にもレベルという概念を付与したことにより、ルイと共に強くなれるということに。そして、1UPに対するリターンが圧倒的に大きい(その分経験値は多量に必要)なので、ルイがどんなに強くなろうと生徒に一撃でやられることにあまり変わらないのでは?……と。

錬金釜クッキングがいるか?

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