BLUE QUEST 〜青春を駆ける戦士〜   作:松花 陽気

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ネルの短剣スキルをハンマースキルに変更しました。


第二六話:逆転の助っ人は大型犬だった

デスアギトが上げたけたたましい咆哮が、広大なホールの空気を激しく震わせた。

直後、床全体に巨大な魔法陣が眩い光を放って展開される。光が収まると同時に、数十体もの機械兵が一斉に牙を剥いて現れた。

 

「な、なんだこの量は!?」

 

《こ、この数は!?……外に展開していたマシン達が、全員ここに集合されています!》

 

通信越しに告げられたヒマリの悲鳴に、俺たちは息をのむ。召喚魔法のごとく一瞬で全軍が集結するなど、予測できるはずもなかった。

何が何でもここで俺たちを留め置き、殺し尽くすつもりなのだろう。

 

《概算で百体未満といったところだが、この狭窄空間に集結するには過剰すぎる数だ》

 

「ゼ、ゼッタイゼツメイです!?」

 

ウタハの冷徹な分析に、ハントが悲鳴じみた声を張り上げる。これまでの小競り合いとは比べものにならない、決定的な破滅の危機だった。

 

「この数を正面突破するのは、さすがに骨が折れそうだな」

 

《ネル! ルイ! 今すぐそこから離脱して! 生き残ることを最優先に考えて頂戴!》

 

「あぁ!? このアタシに尻尾巻いて逃げろって言うのか!?」

 

《そうよ!》

 

滅多に感情を露わにしないリオが声を荒らげたことに、ネルは目を丸くして驚いた。だがすぐに悔しそうに唇を噛み締め、チラリと俺の方へ視線を走らせる。

 

「……分かった。さすがにルイを護りながらこの大群相手は無謀だしな」

 

折れたネルは俺の前に躍り出ると、かばうようにツインドラゴンを構える。

 

「予定変更だ、ルイ。不本意だが一時退散するぞ」

 

「賛成だけど、この包囲網をどうやって抜けるんだ?」

 

「そこは、気合いだ!気合い!」

 

「根性論でどうにかなる量かこれ!?」

 

とはいえ、他に打開策はあるだろうか。強行突破を図れば無事では済まない。たとえ掠り傷で済んだとしても、魔力が底を尽きれば回復手段すら失ってしまう。

 

「だが、やるしかねえなら突っ込むまでだ!」

 

「バカマスター。もっとスマートでラクなシュダンがあるでしょう?」

 

ハントに呆れたように指摘され、俺は失念していた“それ”の存在を思い出した。

 

「そうだ! 一瞬でここを抜け出せるやつがあった!」

 

「なんだ……まさか、また飛ぶやつか!?」

 

「いや、ルーラは真上に天井がある場所で使うと激突して呪文が中断されるしタンコブが増えるだけだ」

 

「じゃあなんだよ?」

 

「これから使うのは、屋内からでも一瞬で脱出できる脱出魔法――『リレミト』!」

 

有無を言わさず、俺たちはドローンごと眩い光の球体に包み込まれた。メタルハンターと伐採マシンが一斉に弓を引き絞り、打ち放つ。しかし、放たれた矢の先端が俺たちに届くより早く、その身体は空間から完全に消失したのだった。

 

□□□

 

次に目を開けると、そこは荒涼とした地下鉄の出入り口だった。

突然の瞬間移動に、ネルは呆然と立ち尽くしている。ドローン越しに見守っていたリオ、ヒマリ、ウタハ、チヒロも唖然とする。

静寂の後、ようやく事態を理解した彼女たちが通信口を開く。

 

《……君の持ち合わせる魔法は、本当に常識を置き去りにしていくね》

 

「そこまで万能でもないけどね。魔法を封じられたら終わりだし」

 

「チッ、相変わらず唐突な発動だな。使うときは一声かけやがれ」

 

「タスかりました。サスガにもうダメかとオモイましたよ」

 

「すら!」

 

《ひとまず脱出成功ですね。追手が来る前に離れましょう》

 

「っ!?……おい、そうもいかねえみたいだぞ」

 

ネルの鋭い指摘に視線を落とすと、俺たちの足元の床が怪しく発光し始めていた。先ほどホールで目撃した、あの魔法陣だ。それと同時に咄嗟に飛び退き、囲まれないよう互いに距離を取る。

 

《嘘でしょ!? もうここまで来れるの!?》

 

重苦しい空気の波動とともに、重低音の駆動音を響かせるマシン群が再び空間を塗りつぶしていく。

 

「……マジかよ」

 

思わず口をついて出た本音。ここへ来て背筋に冷たい汗が伝わるのを感じた。

陣の光が収まると、立ち込める黒い霧の奥から赤く巨大なシルエットが姿を現す。

 

[グオォォ!!!]

 

デスアギトの咆哮に応じるように、メタルハンターと伐採マシンが一斉に動き出した。メタッピのジャミングの影響で動きこそ鈍いものの、圧倒的な数の暴力が迫る絶望感をぬぐうには至らないであろう数がそこにあった。

 

「逃すつもりはないってわけか」

 

「こうなると逃げてもアイツら学校まで来るよな」

 

《そうなったらもう、秘密もなにもないわ。全力で迎え撃つ》

 

「よし!んじゃこっからは総力戦だ!」

 

「あぁ!行くぞルイ!」

 

———そう思った、次の瞬間だった。

 

刹那、上空から空を割るような大轟音が響き渡る。見上げれば、いつの間にか上空には黒く渦巻く暗雲が形成され、その隙間から黄色い雷光が不気味に明滅していた。

 

「っ!!……伏せろ!」

 

直感的に惨劇を悟った俺は、スラりんに覆いかぶさるようにして地面に平伏した。

直後、暗雲から無数の稲妻が牙を剥いて暴風のように降り注ぎ、マシン群を狙って大地ごと激しく焼き払っていく。

 

[ギギッ、ギギギギギギ!!??]

 

雷撃を浴びた機体が次々とスパークを散らし、過電流によって機能停止に追い込まれていく。

 

「いったい……なにが起きてんだ?」

 

雷鳴が収まり、ネルが恐る恐る体を起こした。

 

「あー! こんなところにいたんだねー!」

 

突如として響き渡ったのは、どこまでも明るく、高らかなで活発な声だった。

勢いよく飛び出してきたその人物は、躊躇もなくネルに抱きつきに行く。その独特のテンションと声の主を、俺が聞き間違えるはずもない。

 

「なっ!? アスナてめぇ、なんでここに……!?」

 

「だってだって! ネルがいなくて寂しかったんだもん! 探してたらね、なんとなくここにいる気がして来てみたんだ!」

 

ネルの言葉が終わる前に、アスナはその豊かな胸の暴力で彼女を抱きしめ、包み込む。一年生の時点で既に圧倒的なそのボリュームに羨望の眼差しを向けつつも、俺の意識は先ほどの稲妻へと向かっていた。流石に、アスナが魔法を使えるとは思えなかった。

 

「今日は任務で留守だって言ったろうが!」

 

「……そうだっけ?」

 

「ハァ〜……まあいい! それより聞きたいことがある。さっきの雷はお前がやったのか?」

 

「ん〜? ううん、違うよ? やったのはあの子!」

 

アスナが屈託のない笑顔で指差した先。建物の影から、こちらを恐る恐る窺っている巨大な影があった。それは、暗めのグレーをしたレンガを積み上げて作られた石の巨人の姿をしていた。

 

「…………」

 

石の巨人は、建物の影に潜んだまま一切の言葉を発しない。

 

《な、なにあれ……?》

 

通信越しに、チヒロが困惑の声を漏らす。

 

「……アイツが、あの雷を?」

 

「そうそう! ネルを探してる最中にね、足が疲れた私を運んでくれたんだー! あ、ちなみにこの子喋れないけど、言葉は通じるよ!」

 

アスナの言葉に、巨人は「コク」と静かに頷いた。

 

「一応は味方ってことでいいよな?……おい、ルイ」

 

「……えっと、なに?」

 

「こいつの名前、分かるか?」

 

唐突な問いかけに一瞬戸惑いつつも、俺は記憶の引き出しを開く。

 

「これは、ストーンマンだ。物質系のモンスターだよ」

 

「へ〜、君ストーンマンって言うんだー!」

 

《強みや特性などの情報はあるかしら?》

 

「とにかくガードが硬くて力が強いけど、素早さは高くないです」

 

《ありがとう。さっきの雷を使ってくれるなら勝機はあるけれど。この子は、味方ってことでいいのかしら?》

 

「ん〜? 仲間、じゃないかな? 私はそう思うよ!君はどう?」

 

アスナに振られたストーンマンは「コク」と頷く。

 

「……まあ、アタシらを助けてくれたのは事実だし、アスナがそう言うなら間違いないんだろ」

 

《ええ、それなら問題なさそうね》

 

確固たる根拠もないのに、アスナの一言で全員の意見がまとまる。互いの性格を知り尽くした、ネルとアスナの間にある絶対的な信頼関係が伺える。

 

「もしかして今戦闘中? だったら私も手伝うよ! なんだか楽しそうだし!」

 

アスナとストーンマンという規格外の援軍により、戦局は有利に傾く。これなら、あの圧倒的な数を押し返せるかもしれない。

 

「よし! 行くぞテメェら!」

 

ネルの号令に全員が頷き、戦闘を再開するのだった。

 

□□□

 

「スラ!!『スクルト!』」

 

スラりんが守備力を高める呪文を重ねがけし、俺たちの前衛陣を底上げする。

 

《こちらも上空から援護を行おう》

 

ウタハの合図とともに、ヘリから見覚えのある小型機械が降下してきた。彼女のEXスキルでお馴染みの『雷ちゃん』だ。搭載されたマシンガンが火を噴き、メタルハンターや伐採マシンの装甲を次々と穿っていく。

 

《私はドローンで援護するわ。ウタハは運転代わってて》

 

《了解だ》

 

ドローンの射撃音が響き渡り、マシン達の装甲に傷をつける。

 

「『回転斬り』!!」

 

続いてハントが肉弾戦を仕掛ける。上半身を高速回転させ、右手の鋭利な剣で竜巻のごとく群がる敵を切り刻む。

そして俺は、武器をモーニングスターへ切り替え、軸足を踏み込んで放つ『回し蹴り』を行う。前衛のマシン群がなぎ倒されていった。

 

「…………『稲妻』!」

 

ストーンマンが両手を掲げると、再び空に暗雲が立ち込め、無数の雷光が地上を焦がす。しかし、相手は数百の軍勢。これだけの猛攻をもってしても、敵の数を大きく削るには至らない。

 

「チッくしょう! やっぱ数が多すぎるぜ!」

 

「相手も装甲だけは一人前ですからね!」

 

[ギギギ!]

 

一体の伐採マシンが、無防備なスラりん目掛けて大剣を振り下ろす。俺は咄嗟に割り込み、盾でその一撃を受け止めて弾き返すと、モーニングスターを叩き込んでカウンターを与える。

激しい衝撃とともに崩れ落ちる伐採マシン。その瞬間、俺はある異変に気がついた。

 

倒れたマシンの残骸から、黄色い粒子のような残滓が立ち昇り、吸い寄せられるようにデスアギトへと集まっていく。その残滓を吸収した瞬間、デスアギトの駆動音が乱れ、ほんの僅かに動きが鈍ったのを見逃さなかった。

 

(……これだ!)

 

「リオさん! ヒマリさん!」

 

《……!? な、何かしら!》

 

「あいつの攻略法が分かりました!」

 

《本当ですか!?》

 

「さっきマシンを倒した時、黄色い残滓が出ただろ? 多分、一定数マシンを倒すと、デスアギトの動作に致命的な隙ができるのだと思います。その隙を狙って、最大火力の一撃を叩き込めば倒せるはずです!」

 

《そういうことね。でも、その一撃は誰がどうするの? 正直、ネルの攻撃でもマトモなダメージにならない相手となると……あなたの一閃突きくらいしか》

 

「いや、俺の力じゃ多分テンション溜めても多少削れる程度で倒し切れない。今この場でそれが可能なやつは……」

 

俺は横目で、ストーンマンこと『ユーガ』に視線を向ける。

 

「それを可能にできるのは、この場でコイツしかいません」

 

《ユーガさんに?確かに力が強いとは言いましたが》

 

「あぁ、ユーガの一撃じゃ一発は無理だ。でも、テンションを溜めれば勝機はある」

 

《ということは、アレもそれができるのね》

 

《ですが、チャンスを待つ間ユーガさんの稲妻は使えなくなります。そうなれば、必然とルイ達にマシン群任せることになります》

 

「でも、これ以外に方法はないと思う。……それに、ネルがこの程度の数で苦戦すると思うか?」

 

「その通りだ!」

 

《……ネル?》

 

「アタシはルイの作戦に賛成だ。奴の装甲は硬すぎる。たとえ弱ったとしても銃弾は効かねえと思う。だったら、多少リスクがあろうとやるべきだと思うぜ」

 

《ですが、ルイを守りながらでは……》

 

「心配しないでよヒマリさん。リオさんなら俺が死なないように完璧にナビゲートしてくれるだろ?……それに」

 

俺は一拍置き、通信越しに不敵に笑ってみせて。

 

「“お姉ちゃん”が守ってくれるんでしょ?」

 

《っ!! 当然です! なんたって私は――》

 

「あ、長くなりそうな口上は今大丈夫です」

 

《もう!最後まで聞きなさい!!》

 

そんな会話の後、リオとヒマリが立案した作戦が全員に通達される。狙うは、『グロッキー状態』へと追い込んだ敵への一撃必殺。残された敵の数を考慮すれば、恐らくチャンスは一度切り。

 

「よし!やってやるぞ!」

 

全員が意気込みを一つにし、ついにクライマックスに到達する。

 

□□□

 

猛攻を凌ぎ切り、やっとのことでマシン達の数を一桁にまで減らした。

ユーガには後方へ下がってもらい、最後の一撃に向けてテンションを溜めてもらっている。俺たちはデスアギトの動きを警戒しながら、残ったマシンを討ち漏らさないよう立ち回る。

 

[グガァァァ!!!]

 

デスアギトが口から『燃え盛る火炎』を吐き出した。

すぐに近くの遮蔽物へ滑り込み、火炎放射をギリギリで耐えしのぐ。

 

「よし、耐え――えっ!?」

 

安心したのも束の間、今度は大量の『ミサイル』が射出された。テンションを溜めていたユーガが構えを解き、防御姿勢を取る。飛来するミサイル群の中に、一発だけ空へ逸れていくものが見えて一瞬焦るが――

 

「させないよ〜!」

 

アスナの射撃により、逸れたミサイルは空中で爆散した。

 

「おっと……!」

 

手前に迫るミサイルも忘れてはならない。道中で何度も見せられた攻撃のため、避けるのは容易だった。

 

俺はマシン兵を警戒しつつ、デスアギトを分析する。あの赤い装甲は炎を受け付けない。戦闘中、ユーガをアシストするために試した結果、効くのはデイン系やヒャド系だと判明していた。だが、魔法で削りきる前にこちらのMPが底をついてしまうため、現実的な手ではない。

装甲の硬さゆえに、ネルのSMGやチヒロさんのARのような連射型の武器は相性が悪い。対物ライフルなら有効だろうが、あいにくこの場に扱える者はいない。未知数の新規モンスターを探っている暇はないが、少しでも削る手立てを考えなければ……。

 

《ルイ! ついに最後の一体です!》

 

煙が立ち込める中、最後まで立っていたマシン兵へネルが肉薄し、至近距離から銃弾を叩き込んだ。

 

「よし、ならそろそろだな」

 

俺は後ろに控えるユーガの状態をコマンドで確認する。――テンション50。これなら間違いなく倒し切れる!

 

「ユーガ! 思いっきり力一杯、ソイツをぶん殴れーー!!」

 

指示を受けたユーガが即座に飛び出し、グロッキー状態のデスアギトへ猛スピードで肉薄する。

 

「……!!!!」

 

勢いそのままに、ユーガは巨大な石の拳を固め、渾身の鉄拳を叩きつけた。

 

グシャアアァァァァァッ!!!!!!

 

ユーガの一撃により、デスアギトの体は胴体から爆散するように砕け散った。中のコアごと破壊された装甲が無残に崩れ落ち、千切れた首や脚が転がる。目のランプが静かに消灯した。

 

完全に沈黙したことを確認し、ヘリから降りてきたチヒロとウタハが接近して状態をチェックする。

再起不能の判定が出た瞬間、俺は歓喜の声をあげた。

 

「勝ったーーー!」

 

「スラァー!!」

 

「やったねー!」

 

俺の反応に合わせ、アスナも飛び跳ねて喜ぶ。豪快に揺れる胸元からさりげなく目を逸らした。

 

「ふぅ〜、こんなに手強いのは初めてだぜ。たく……」

 

《本当にそうね。ネルでも勝てないと思った時はどうしようかと――》

 

「おいリオ? 私があのドラゴンに勝てねえとは言ってねえぞ。今回は数が多すぎただけだ。それさえなきゃ、私一人でもなんとかなった」

 

《……そうね》

 

「とにかくお疲れ様、みんな。ここで話すのもなんだし……一度帰ろうか」

 

「そうだね。……ところで、このマシン達は私が貰ってもいいかな?」

 

全員「ダメに決まってるでしょう!!」

 

「しょぼ〜ん」

 

セルフ効果音を口にするウタハを横目に、俺たちはミレニアムへと引き揚げるのだった。

ちなみに、ユーガはヘリに乗れないため、俺やハント達と一緒に『ルーラ』でミレニアムまで帰還した。すでに夜が深まっていたこともあり、誰にも見られずに済んだのは幸いだった。

 

□□□

 

「では改めて、ルイ。今回は私たちを手伝ってくれたこと、感謝するわ」

 

「いえいえ、そんなことないですよ」

 

帰還後にある程度の治療を終えた俺たちは、セミナーの応接室(防音・盗聴防止が施された特別な部屋)に集まり、今回の依頼について話し合っていた。

 

「それで、報酬の件なのだけど」

 

「あー、その話なんだけど」

 

「……なにかしら?」

 

リオの言葉を遮るように、俺は挙手した。

 

「報酬なんだけどさ。お金以外に変更できたりする?」

 

「突然ね。……理由を聞いても?」

 

「実は、密かに考えていたものがあってさ。まだ構想段階なんだけど、イメージが固まってきたから今絵に描くね」

 

紙とペンを取り出し、頭の中のイメージを忠実に紙へ落とし込んでいく。描き終えたスケッチを全員に見せた。

 

「……なんだこれ?」

 

ネルがそれを見てぽつりと漏らす。

 

「この形は……馬の頭?」

 

みんなが首を傾げる中、ただ一人、目を輝かせる人物がいた。

 

「ほお、馬とは斬新なデザインだ。これは興味深いね。これを作って欲しいのかな?」

 

嬉々とした口調で尋ねるマイスターに、俺は深く頷いた。

 

「リオ、私はいいと思うよ。今回は彼に色々と助けられたし……それに、私自身これにはとても興味がある」

 

「……ふむ。なるほど、そういうことですね。いいんじゃありませんか? ルイ君はすごく頑張ってくれていましたし、私としても賛成です」

 

「ヒマリまで……分かったわ。その条件で行きましょう」

 

「よし!」

「よかったですねマスター」

「スラァ♪」

 

「ルイ君よかったねー!」

 

「それでは早速、これについて話し合おうじゃないか、ルイ!」

 

「では、私も行きましょうか」

 

「いや、なんでヒマリさんまで……」

 

「『ヒマリお姉ちゃん』ですよ?」

 

「……ヒマリ姉さんまで来る必要が?」

 

そこはかとない圧を感じつつも、追及するのはやめておくことにした。

 

「私の専門はハッキングですが、機械作成の知見もあります。一緒に作業すれば、より優れたものを作れるでしょう」

 

「あー、なるほど」

 

「……そういえば、ユーガはどうします?」

 

「あっ! ユーガくんね……どうしよっか?」

 

「お前が主人だろうが……自分で考えろよな」

 

「なら、使っていない整備場があるからそこで寝泊まりというのは?」

 

「コイツ寝るのか?」

 

「普通に寝るよ」

 

「マジか寝るのかよ」

 

「いいね。ユーガはアスナさんのことを気に入ってるみたいだし、一緒にいればアスナさんが困った時に助けてくれると思う」

 

「…………」(こくり)

 

「ふーん。なら、そうすっか」

 

「やったあー!これからよろしくねユーガ!」

 

ひとまず、これで大体の問題は解決した。それじゃあ俺は、目的のアレの作成について相談に行くとしよう。

 

こうして、ミレニアムを脅かした危機は去った。ケセドのことや、マシンマスターの言った『彼の方』という存在など、気になる謎はまだ残っている。不安要素はあるものの、ひとまずは一安心だ。

 

翌日、目的のブツが完成するまでの暇潰しとして、あの廃墟の地下にあった宝箱をこっそり探しに行くことになるのだが———それはまた、別のお話。




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○ネルがレベルアップした!
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HP=364→381 +17
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守り=64→82 +18
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・メダパニを習得した。

○ハントがレベルアップした!
レベル4→5
HP=102→113 +11
MP=38→45 +7
力 =92→98 +6
早さ=75→79 +4
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運良=79→81 +2
??=139→166 +27
攻魔=0→0 +0
回魔=0→0 +0
・レーザーアイを習得した

○ユーガが、アスナ達の仲間になった!
レベル5 ストーンマン
H P=210
M P=0
力 =125
早さ=37
守り=134
運良=20
??=100
攻魔=0
回魔=0
○特技
・きあいため・いなずま
○呪文なし

これにて、一応過去ミレニアム編は終わりです。
まあ、この後また怒られるような事をするルイ君なのですが……次回にそこらへんの結果とか、ルイ君がお願いしたものについての言及があるのでそれをやったら、今度はオリジナルのイベント、一応過去トリニティ編と言いましたが、イベントストーリー的なものです。因みに、これからきっと、バンバン仲間モンスターが出てくるようになると思われます。

あと、アスナは登場させるのをすっかり忘れていたので、アスナらしい登場をさせました。まあ、原作でも作戦にない動きで現れてたし、勘が良い彼女だからこそ、成立するものだと思ってます。
本当は、もっと彼女達の魅力を出したい気持ちでしたが、アリウス編がやりたすぎで早歩きになってしまっています。次のイベントでは、もう少しゆっくりできたらなと思います。

……アリウス編のキャラ分析しなきゃ。

追記

勇者の剣は、別にルイが装備するとは言ってない。

勇者の剣 登場させるなら、どれ?

  • ロトの剣(王者の剣、勇者の剣・真)
  • 天空の剣
  • ラミアスの剣
  • オチェアーノの剣
  • 竜神王の剣
  • 勇者の剣・改
  • 青春世界の勇者の剣
  • 全部!!!
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