BLUE QUEST 〜青春を駆ける戦士〜   作:松花 陽気

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第二話:シスターって、実質僧侶だよね

「うむ。やはり洞窟は消えているな」

 

翌日。俺は再度、あの洞窟を見つけた場所に戻ってきていた。朝日が出ている時間。朝食の後、俺はサクラコにまた行くことを伝えて来ている訳なのだが……。

 

「あの……本当にここで合っているのですか?何もないようですが」

 

サクラコと一緒に……である。あの後、また行くよと伝えたら「私も共に同行します」と言われた。流石に危ないから、と止めたのだが、「二度も死んだ人が何を言っているのですか?」と言われてしまい反論出来ず、半ば強制だったが一緒に行くことになった。

戦闘は……まあ、大丈夫だろう。サクラコには銃があるし意外とあっさり行くだろう。

因みに、今日は聖堂の仕事がお休みらしく、いつものシスター服とは違い、女の子らしいかつ動きやすい服になっている。

 

「俺も最初はそうだった……だけど」

 

俺は洞窟が現れた位置に近づき、地図を開く。……すると、その刹那に一瞬光って洞窟が現れた。サクラコはありえないものを見たかのように口を開けていた。

 

「ほ、本当にルイの言う通りに、突然出てきましたね」

 

「言ったろ。それじゃあ、荷物確認でもするか」

 

そうして俺は、サクラコの前でコマンドを開いた。

 

「…………何度見ても不思議な光景ですね。ミレニアムには、こういう技術があると聞いた事がありますが。目の前で見るのは初めてです」

 

「…………ミレニアムが何かはわからんが。まあ、実際は違うと思うけどねぇ〜」

 

実は、ここに来る前にサクラコにこのことを話している。あと、一つわかった事だが、一緒に行動していると《つよさ》と《どうぐ》のところにサクラコが追加されるようです。呪文、特技は?何故か知らんがいなかったよ。ていうか、ミレニアムにもこれ似たものがあるのか。……そういえばエイミのEXスキルはそんな感じだった気がする。

 

因みに、サクラコのつよさはレベル15だってさ。いやさ、ステータス高過ぎだろ!?普通は15でもここまでいかないって!!俺が霞むよ!キヴォトス人怖!!

サクラコ

レベル15

HP=316

MP=214

ちから=50

すばやさ=90

みのまもり=81

うんのよさ=41

攻撃魔力=65

回復魔力=72

??=142

・習得呪文

ホイミ、ベホイミ、バギ

・装備

浄化の繰り手[TAR-21] 攻撃力5

サクラコの私服 守備力15

 

という感じ。呪文まである……俺いらなくね??

というか待て、なんか知らない数値があるぞ。しかも、文字化けして見えないし。なんなんだあれは??

わからないものを考えても仕方ない。今はほっといておこう。

 

「そういえば、先ほど私に呪文があるとおっしゃっていましたが……あれはどういう意味ですか?」

 

だが、一つ問題がある。それは、呪文の使い方がわからないという事だ。呪文だから、唱えるのかな……とも思ったが試したくても俺はまだ呪文を覚えていない。……といって、サクラコに代わりを頼むわけにもいかない。

魔法がある理由?……シスターだから僧侶系って事じゃね?職業は無職だったけど。

 

「そうだな……。その、俺の世界には魔法って言うのがあってな。現実的にあり得ない事だとは思うだろうけど。君はどうしてかそれを覚えている」

「因みに覚えている呪文は、回復系と風魔法ね」

 

ゲームの力だよ。とは言えないので、説明しやすくなるように嘘をついておくことにした。

 

「回復……と言うことは傷を癒すということでしょうか?」

 

「大正解!」と手で大きな丸を作ってあげる。

 

「それが使えれば、俺の減った体力……傷を癒す事ができる。有利性を言えば、俺が死ななくなると思ってくれればいい」

 

「あ、自分にも使えるからね」と付け足して伝える。

 

「!そうなのですか!使い方は?!どうすれば使えるのですか!!」

 

「すぅ〜〜…………そこなんだよな〜」

 

呪文を使うためにはどうするのかが、俺たちはまだわかっていない。

 

「ルイは使えないのですか?」

 

「俺?俺は……授業サボりがちだったから。あんまりかな」

 

「勉強はちゃんとするべきですよ」

 

「はい。身に染みました、気を付けます」

 

呪文の勉強なんてした事ないけどね。そもそも無いし。

 

「とりあえず、行くか」

 

雑談を終えた俺たちは、その洞窟の中へと入るのだった。

 

□□□

 

「意外とっ!!硬いですわね」

 

今俺たちは、グリーンワームとホイミスライムの二体と相対していた。グリーンワームがスカラで守備力を高め、ホイミスライムが削れた体力を回復する。所謂、遅延行為が続いていた。グリーンワームは、何故か前回戦った時より硬くなっていた。目を凝らしてみたら、バフが元からかかってた。……反則だろ??そんなのって、アリかよ!!

すると、グリーンワームはスカラを唱え、ホイミスライムの防御を上げた。

 

「あーー!くそ!硬くなるんじゃねえ!!一番面倒な事をするな!!」

 

「前よりも硬くなっていませんか!?銃が効いてる感じがしませんよ?!」

 

※この世界の1ダメージの基準の影響を受けています。

 

「うっ……こんなかわいい子を攻撃しなくてはならないなんて」

 

今、くっコロフェイスしてる場合じゃねぇんだ。いいからとにかく攻撃あるのみだよ。じゃないとこちらがジリ貧だ。幸い、まだサクラコの攻撃は効いてはいる。

 

「そろそろ死ねぇ!」

 

グリーンワームに飛びかかり、サクラコによって削れた残り体力を削り切る。ワームは倒れて動かなくなった。

 

「サクラコ、今残り弾数はいくらだ?」

 

「もう、弾倉の数はそんなに……」

 

「あと、あと一体。お前だけなのに〜……」

 

俺は歯を食いしばりながらふよふよと呑気に浮かぶホイミスライムを睨む。ホイミスライムは余裕のつもりか、ふよふよと浮いている。

 

「可愛い顔してムカつく奴だなテメェ!」

 

あんなに可愛かったのに、お父さんそんなふうに育てた覚えはないぞ!!

 

「ふん!」

Miss 効かなかった。

硬すぎて通らないーー!!俺の力ではダメだ。どうする??……せめて、バフが消えてくれればいいが……そんなのを悠長に待っていたら俺がまた死ぬかもしれん。……待てよ。そういえばさっきの宝箱で拾ったアレなら。

 

「サクラコ!アレを撃て!」

 

「で、ですが!さっきから避けられてばかりでろくに私当てられてないですよ!?」

 

「わかってる!でも、俺の力じゃまるでダメだ!だからこそ、俺に良い考えがある」

 

俺はサクラコの元に行き作戦を話す。サクラコは少し半信半疑であったが、俺を信じて任せることにした。

 

「行くぞ!ホイミスライム!」

 

俺はそいつに向かって走る。だが、一直線にではなくフェイントを混ぜながら地道に距離を詰めていく。

そして、良い距離になったたところで――――

 

一気に詰める!!

 

っ!?ふわふわ

 

ホイミスライムは回避しようと横に体を動かした。しかし、その近くから銃撃が当たりその場で止まった。

その一瞬を見逃す事なく、俺はそいつにそれをぶつける。

 

「くらえ!」

『どくがのこな!』

 

ホイミスライムは見事にそれを喰らい、力無く宙から落ち固まったまま倒れた。だが、目は開いており意識がまだあった。だから……倒さないと戦闘は終わらないのだ。

――――だから。

 

「サクラコ……トドメを頼む」

 

俺はサクラコにお願いする。

 

「……本当に、いいのでしょうか」

 

俯いたまま、倒れたそれを心配そうに見つめる。

 

「悪いけど。やらないとだよ……コイツらは魔物だ。魔物は基本悪性の心を持つ。善性のある奴は滅多にいない。コイツを治したところで、きっとまた俺たちに襲い掛かる」

「……やるしかないんだ」

 

「………………」

 

サクラコの表情は、納得できない……という顔だった。魔物ではあるが、コイツらもまた生物。生き物を慈しむ心は素晴らしいと俺も思う……でも。

そんな甘いことでは、ここでは生きられない。俺は大丈夫でも、サクラコたちは違う。蘇生できる手段がまだ無いし、生き返れるかもわからない。俺と彼女達では体の作りが違う。だからこそ、油断できない。俺は生徒達を死なせるわけにはいかねんだ。

 

「………………っなに、やってんだろうな」

 

――でも、殺人が重罪のこの世界でそんな事をこの子達にやらせて良いのだろうか。今までの戦闘だって、俺が全部とどめを刺してきた。今更、それを彼女にやらせるのか?冷静になって、ようやく自分がしようとしていることに気付いた。

 

「悪い、酷な願いだった。代わりに俺がやる。もうそろそろ、バフの効果も切れる頃だしな」

 

ナイフを逆手に構え、ホイミスライムの前に立ち腰を下ろして刺す準備をする。

 

「悪く……思うなよ」

 

そうして、バフが消えたのを合図にとどめの一撃を与え……魔物達は泡となり、床に通貨を残して消えたのだった。

 

・魔物の群れをやっつけた。

・48円拾った。

 

てれれれてってってーー♪

そして、俺のレベルが4に上がった。

ふと、サクラコを見ると。――両手を握り祈っていた。

 

「……どうか、次は良き心となって、産まれますように」

 

「………………」

 

俺は、ただそれを見ているだけだった。

 

□□□

 

あれから一度調べた宝箱を周回しながら下を目指した。青い宝箱はドラクエ9と同じでもう一度地図を展開し直すと中身が更新されるようだ。素晴らしい。

 

「収穫は……かしの杖に薬草数個(敵ドロップ含む)皮の盾……か」

 

「あまり強そうなものでは無いですね」

 

「まあでも、無いよりかはマシだよ」

 

この『鉄の鍋蓋』もいつまでもはもたない。初心者の加工だからあまり強くも無い。幸いこれで弾丸は防げるし役には立ってるが……。

 

「普通に売り物の盾買えばよかったかもな」

 

ホシノやミネが使ってるような奴。でも、アレって大盾の枠だから俺が装備できるかなんか怪しいんだよな〜。

 

「あっ、そういえば……」

 

コマンドを開き、自分のステータスを開きそれを確認する。

 

「やはりな……そろそろ覚えることだと思ってたぜ」

 

俺の呪文欄には一つの単語が表示されていた。

○習得呪文

・ホイミ

 

「サクラコ、そろそろここの主のところだが、ここで少し確かめたいことがある」

 

「なにをするんですか?」

 

「簡潔に言うと、魔法を試す」

 

敵と戦う前に、どうしてもこれは確かめておきたいことでもあった。まずは、なんとなくで色々やってみるとするかな。

こうして、俺たちは魔法道を解明するため、ジャングルの奥地へと足を運んだ。

 

まず、最初の検証は。

 

「シンプルに唱える!『ホイミ!』」

 

………………。しかしなにも起こらなかった。

一応魔力はある。検証の為一応ダメージをそのままにもしてる。だから、俺の傷を回復できるまでが検証の目標だ。

とりあえず、言葉だけではダメだった。というか、魔法唱える時に周りに魔法陣の輪が現れるから、傷が癒えてないって事はもしかしたらそういうことなのだろう。だがしかし、呪文ってことは口で唱える必要があるわけで、これでダメとなるとやることないんだよな。

 

「……ダメでしたか」

 

「うん。傷が癒えてないみたいだ」

 

残念。では、次のやり方。

なんとなくで意識を集中させる。まずは、魔力というものを感じ取る事にした。

 

「むむむ……むむむむむむむむ!!」

 

「すぅ〜〜〜、ホイミーーーー!!!」

 

……………………。しかし、これもなにも起こらなかった。

全くなにもわからなかった。そもそも、魔力ってどうやって感じ取ってどうやって扱うんだ??わからないんですけど??頼む!ここに超助かるお助けキャラをお呼びください!!お願いし『お呼びですか?』うわビックリした!?

 

『どうもお二方様。よくぞここまで来ましたね』

 

「誰ですか!」

 

サクラコが警戒してその男に銃を向ける。

その人の見た目は、青が基調の服でいかにも神を愛してそうな敬遠な信徒さんだった。

つまり、何故か知らんが神父さんが現れたのだ。

 

『呪文の使い方に、困っているようですね』

 

「話が早くて助かるね」

「サクラコ、大丈夫。彼は信用できるよ」

 

「ルイ……わかりました」

 

改めて、神父に俺は向き直って聞く。

 

「それで、どうやったら使えるようになるんだ?」

 

『そうですね。……簡単にいえば、今のあなたたちでは無理です』

 

「はっ??」

 

おい。お助けキャラで来たんだろうが、爆速で立場破綻すな。

 

『勘違いしないでください。まだ今は、無理なだけです。その理由も、ご説明します』

 

「簡潔に」

 

『……つまりは、魔法・魔力の感覚を知らないのです』

 

「感覚?」

 

『詳しく言えば、体を巡る魔力の流れ、その通り道、その力自体に触れた事がないから、魔力を掴もうにも使えないのです』

 

「……つまり?前知識無しでは解けない、という事ですか?」

 

『わかりやすく言えばそうですね』

 

「ん?……どういう事?」

 

俺にはさっぱりだ。そもそも、魔力に触れるというのが少しわかりにくい。そもそも、魔力って触れられるのか?

 

「そうですね。例えば、数式があるとしますが、私たちはそれの解き方を知りません。なので、最初からそれを解く事はできないですよね」

 

「なるほど。つまりは、解き方か。……この場合は、流れ方、動かし方と言うべきか」

 

『未知の生物に相対したとして、それを見ただけでは理解できないように、実際に触れて、調べて、理解する必要があるという事です。サクラコ殿……説明、ありがとうございます』

 

「いえ、私も教えてもらう立場なので、私もまだまだですから」

 

『……それでは、実際にその流れを感じていただきましょうか。ルイ殿、お手を出して下さい』

 

「?こうですか」

 

すると、神父さんは俺の手に自信の手を乗せた。

すると、彼の腕からなにやら生暖かい、体温とは違った熱が体に巡っていくのを感じた。

 

「うわぁ!!……なにこれ」

 

『それが魔力です』

 

「……これが」

 

『サクラコ殿も、手を』

「はっはい」

 

サクラコも彼の手を取りその力を感じる。

 

『これで同様に、あなた方は魔法使いとしての一端になれました。ここからは、あなた方の努力次第で内にある魔力を操れるようになる筈です』

『では、私はこれにて…………ダンジョン制覇、頑張って下さい』

 

そう言い残し、神父はどこからともなく姿を消した。

 

「い、今のは……なんだったのでしょうか」

 

「き、消え……た?」

 

ドラクエ5のレヌール城の焚き火にいたお爺ちゃんみたいな消え方だったな。

何はともあれ、こうして俺たちは魔力を使えるようになれたらしい。試しに内にある魔力を感じてみたが無事操れるようになった。これで『ホイミ』を唱えると体の傷も回復した。

 

「無事に使えたようですね」

 

「あぁ、これなら今度は死なねぇぞ!」

 

よっしゃぁ!リベンジじゃぁー!!

 

「覚悟しとけよおおきづち!!テメェのハンマーかち割ってやる!!」

 

奴がいる大扉の前で高らかな宣言をして、俺達はその扉を…………開ける前にサクラコにお祈りをして、再度殴り込みに行くのであった。

 

てーれれてーれれ〜〜〜♪

――ここまでの冒険を記録致しました――

 

次回:ルイ死す バトルスタンバイッ!!




○装備
・かしの杖 攻撃力9 MP吸収率1.0%
 特殊効果は無し。銃にも負けない硬さを持つ杖。なぜか洞窟で取れた物は大体が頑丈で壊れにくいようだ。

・皮の盾 守備力4
 皮の帽子同様、銃弾を防ぐのには適さない盾。ただ、魔物の攻撃はなんとかなる。

○新装備
・浄化の繰り手 攻撃力5
 サクラコ本人と同じくらい、徹底的かつ敬虔に手入れされている銃。
他人は触れることすら難しい。
 基本銃の攻撃力は固定です。種類によっても異なりますがアサルトライフルの攻撃力は基本これが一定です。使う弾の素材が変われば、威力も変わります。AR系統は攻撃力5固定《例外を除く》
キヴォトス人が使う事で、攻撃力以上のダメージを与える事ができる。

・サクラコの私服 守備力15
 サクラコがシスターフッドの時以外で着ている外出用の服。キヴォトス製かつ丈夫で良い質の物を使っている為頑丈。

レベル3→ レベル4
HP=32→41 +9
MP=8→13 +5
ちから=13→14 +1
すばやさ=10→12 +2
みのまもり=13→17 +4
うんのよさ=8→9 +1
攻撃魔力=2→7 +5
回復魔力=6→12 +6
・ホイミを習得 スキルポイント+8p

職業→無職
○全体強さ
攻撃力23
守備力41
(今回は一番防御が高い装備で計算)
・装備
かしの杖
鉄の鍋蓋or皮の盾
フォーマルセット
バンダナor皮の帽子

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原作二年前 アビドスをやるかやらないか

  • ん!やるべき!
  • ん!すぐ本編!
  • ん!どっちでも
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