〜錬金釜による3分クッキング〜
「はい!今回はこの錬金釜を使って!いろいろな物を作っていきたいと思いまーす!ちなみに、今回は助手としてサクラコを呼んでおります!」
「と言うわけで、早速クッキングしていきましょう!」
まずは、薬草と薬草から。
「きっと、上質なものが出来上がること間違いなし!です!」
「何が出来るか、楽しみですね」
「では、いざ!」
釜の中にそれらを入れると。釜はポコポコと白煙を上げて震え出す。しばらくすると、『チーーン』と心地良い音が響き、完成したことを告げる。
「なんと出来たのは!上薬草!」
普通の薬草よりも回復量が上がった薬草!効果としては、ベホイミと同効果だ。
「さあ、今度はこれを混ぜまーす!」
「こちらは?」
「こちらは、キヴォトスのデパートで買った『鉄の鍋の蓋』と俺が持ってた『お鍋の蓋』だよ!これを入れたら、俺のよりもっと良いやつが作れると思ってね?」
「なるほど……きっと、うまくいきます!」
「ほな行くぜ!」
釜に二つの材料を入れ!いざ尋常に勝負!釜の蓋が飛ばないところを見るに何かは生まれそうだ。
さあ、何が出来上がるかな?だいたい予想はつくだろうけど。今回はここまで――また次回!!!
「トリニティを見てまわりたい……ですか?」
あの洞窟探検から数日後。俺はサクラコに、そんなことを提案していた。理由としては、今のところやる事がないのと、強くなった自分がどれだけキヴォトス人に通じるかということの検証をしたいからというのがある。
「いやさ、話だけしか聞いてなかったからさ?ちゃんとこの街について知りたいなぁ、と思ってね。できれば、サクラコが着いてきてくれると良いんだけど……」
「はい。大丈夫ですよ」
「やった!」
「では食後、準備して行きましょう」
許しをもらったということで。朝食後、俺たちは準備をして目的もなく出発するのだった。
□□□トリニティ大聖堂
「ここが、私たちシスターフッドが部活を行う場所となります」
最初に案内されたのは、俺がここに来た時に倒れていた建物だった。ただ、今回はサクラコの休暇申請なためエントランス?と思われるところまでしか見れないそうだ。……教会じゃなくて聖堂だったのか。
……確か、聖堂は組織で国家規模の会議や儀式を行う、信仰の象徴だっけか?逆に教会は信者が集まる所で説教や冠婚葬祭を行う、と昔少し調べた事がある。まあ、簡単に……だが。
でも、原作では秘密主義を突き通してきた組織だから、エデン条約編までは政治に不干渉を貫く姿勢かな。
そのまま、サクラコに言われるまま中に入ると、奥の教壇近くで膝を突いてお祈りするシスターたちの姿が目に入った。
「ここが……シスターフッドか」
圧巻というか、みんながみんな心身共に神を信仰している。本当にすごいな。語彙力が無さすぎて、これ以上の言葉が出ねえ。
「ルイもお祈り、しますか?」
「……え?……いいのかな。俺完全部外者だし」
「はい。きっと、あなたが生き返るのも、この聖堂の前に居たのも、偶然とは考え難くて。なにか関係があるはずです。……ルイには、もしかすると神のご加護が与えられているのかもしれませんね」
と少しおかしそうに笑ってサクラコは言った。
その後、サクラコがここのトップの人に休暇を申請するとの事で、待っている間、俺は遠目から聖堂の中を観察することにしたのだった。
□□□
サクラコが戻って来たので、俺たちは聖堂を後にして街に出る。サクラコが楽しそうに進む街中の事を話してくれた。と言っても、サクラコもあまり歩き慣れないところなのか、少し新鮮な顔で辺りを見渡したりしていて、それを可愛いなと思いつつ話を聞いた。
「あ!あの店は……!」
「ん?知ってるのか?」
「はい!あそこの店は私もよく利用するのですが、あの店のスイーツはとても美味しいんです」
「前に買ったチーズケーキもあそこで買ったんですよ」と楽しそうに語る。
「販売以外にも、飲食も出来るんだなここ」
「……入ってみますか?」
「えっ……いいの?」
思わず聞き返してしまった。
「はい。私も少し小腹が空きまして。もしよければ……」
「じゃあ、お言葉に甘えて」
サクラコの誘いに乗り、店に入る。
「お、おぉ〜」
これも圧巻。内装はオシャレでまさに女子高生ならバエで写真を撮りそうなほど良い店だった。中には獣人の男もちらほらおり、男でも通いやすい落ち着いた空間だとわかる。
中のオートマタに席に案内され、メニューを取り選ぶ。
「……なににいたしましょうか?」
「よし。俺はもう決まった」
サクラコはまだ迷っているようだ。ちなみに、俺が決めたのはミラクル5000と呼ばれるものだ。名前からして味も見た目も想像ができない。ケーキと言われているのはわかるので、スイーツであることは確定だが、全く想像ができない。あ〜口の中が甘さで一杯になる〜。早く食いてぇ〜!
……なんか、普通に入ったけど。今のこれってデート……だよな?………………いや違う!!サクラコとはそんなんではない!いや、こんな美少女と一緒になりたい気持ちはあれど、いっときの感情だそんなもの!そう、友達!あくまで友人だ友人。それ以上でも以下でもない!
「どうされました?」
「いや、なんでもない」
悶々と頭の中で格闘してたせいで彼女に心配されてしまった。
「……決まりました。ミラクル5000に」
お?被ったな……。それじゃあ、決まったし呼ぶか。
「すみません!」
「はい!ご注文お決まりでしょうか?」
「「ミラクル5000をお願いします」」
ハモった。見事なハモリに店員さんは一瞬呆気に取られていたが、すぐに持ち直して接客を続けた。……だがしかし、店員のデジタルの顔が困り顔に変わると、申し訳なさそうに頭を下げだして……。
「申し訳ございません。じつは、先ほどミラクル5000は終了しまして……」
「なん……だと!!?」
ショック!サクラコも「そんな……」と言った顔で驚いている。だが、無いのであれば仕方ない。別のにするまでだな……。
「代わりにアーモンドショコラをお願いします」
「……はっ!はい!わ、私も同じのを!」
喪失してたサクラコだったが、俺が即座に頼んだのを見て焦って俺と同じのにした。それから、サクラコは紅茶を二つ頼んだ。
「人気なのは知っていましたが、もう無いとは……」
「まあ、無いものをねだっても仕方ない。こういう日もあるよ」
俺は視界の端に見えた黒い制服に大きな翼を持ったハスミと思わしき顔の人を横目に見ながら「原因やっぱりお前か」と察してケーキが来るのを待つのであった。
原作二年前ということもあってか、見た目は少し幼さがあり、体型は見た感じ、ボン!キュ!ボ〜ン!なスタイルの面影は無く、これからそうなるのだと思った。
その後、頼んだケーキがやって来て俺たちはそれを楽しみながら談笑した。俺はただ聖堂であったことや授業のこと、最近読んだ本の事など、サクラコの話を聞くだけだったが、それだけでも楽しかった。
「そういえば、ルイのいた場所はどんな所だったのですか?」
「……えっ?」
突然そんなことを聞かれ、思わず呆然としてしまう。
「どんなとこ……か。そうだな……こことは大違い、いやちょっとは似てるかな」
「まず、キヴォトスと違って銃が一般化されてない。いや、国……地域によって異なるけど俺の住んでたとこでは厳しく規制してたよ」
「銃を持たない所に住んでいたのですか!?」
考えられないと言った顔して驚く。当然だろう。あの世界では当たり前に感じる事でも、ここではそうではない。まあ、それのお陰で治安はこっちに比べると断然良い方だからそこは安心である。
「でも、だからこそ平和で良い所だったよ。住みやすいし……四季もあるから季節の楽しみも味わえるし。春なら花見とか、夏なら盆とか夏祭り、秋はハロウィンとか、冬はクリスマスや年越し」
数ある国のイベントを集合させたようなイベントの数々。イベントの闇鍋だよ日本は。……そういえば、ここキヴォトスもそうだったな。
「なるほど……確かに、あまりコチラと変わらないですね」
「……そういえばですが」
「ん?」
サクラコは思い出したように、こんなことを聞いて来た。
「帰り方に関しては、調べはついていますか?」
「……えっ」
言われて思い出す。そうだった、帰り方を探すみたいな話をした気がする。
「ん〜…………」
……だけど、正直もう帰る気、というか帰れる気がしない。自分に与えられたこの力もそうだし、世界に現れた宝の地図も……俺がこの世界に来たことによって起きている。だから、多分……俺は帰るべきではないのだと思う。まあ、まず帰れないだろう。あっちで俺は車に撥ねられ死んだ。今更、帰ったところで居場所なんてないだろう。
「実は……もう帰るのはやめたんだ」
そんなカミングアウトを聞き、サクラコは唖然とした。
「り、理由を伺っても?」
「そうだね……この世界が気に入ったから、かな」
「それは、嬉しいのですが」
「あとは、俺のしかできない何かがある気がするんだ」
「できない……こと?」
「それが何かはわからないけど、多分そんな気がする。……直感だけどね」
宝の地図のことも、魔物のことも……これを知るのは俺だけだ。俺が持ち込んでしまったこれらのせいでもし生徒が死ぬような事があれば……取り返しのつかないことになる。それだけはどうにかしなきゃならない。……まあ、当分は様子見しつつ目的が決まるまで色々するとしよう。
「だからルイは、トリニティを見たかったのですね」
「まあそうだね。他にも見たいところはあるけど。とりあえずはかな?でも、少ししたら旅に出ようとも思ってるんだ」
「旅に……そうですか。では、少しすればこの生活も」
残念そうに、けれど心配そうに俺を見るサクラコに、俺は困った顔をすることしかできなかった。
「そんな顔しなくても、旅出た後もたまに顔を出すよ」
「っ!本当ですか」
「あぁ、もちろん!」
先ほどよりも明るい顔でサクラコは安心した顔をする。
「では、必ず来て下さいね!……約束ですよ?」
「おう!」
「……では、出発はいつに?」
「まだ未定だけど。決まったら三日前には伝えるよ」
そう話をまとめて、最後の紅茶を飲み干す。
「んじゃ、そろそろ出ようか」
「そうですね」
もちろん、会計はサクラコである。だって俺、お金無いもん。厳密にはあるが、単価が高いから払えないのである。だって所持金[970円]なんだもん。というわけで、サクラコにお金を払ってもらい、店を出ようとしたその時だった。
「うごくな!両手を上に上げて、大人しくしろ!」
勢いよく扉を開けてヘルメット団が入って来た。見たところこの店を強盗しに来たようだ。
「おぉ〜ちょうど良いところに鴨がネギ背負ってきたぞ」
腕試ししたいと考えてたところに丁度いいのが来てくれた。
にしても、原作前だというのに、相変わらずそれでも治安が終わってると思える状況に少し苦笑する。
「ルイ、早く私の後ろに」
サクラコが俺にそう言うが、俺は下がる事なく逆に進んだ。
「っ!?……ルイ」
「おいそこの……お、男!?なんで男がここに!?」
「いやでも、これは好都合だ!こいつを攫ってブラックマーケットで売れば高値で売れるぞ」
「よっしゃ!アンタら予定変更だ!」
人道無し、倫理崩壊、物騒極まれり。人の心とかないんか?
「さっきから聞いてりゃ勝手なこと言いやがって……俺を売るダァ?相手をよく見てからものを言えよ?」
「ヘイローもねぇ癖に舐めやがって……!」
「おいお前ら!痛い目な合わせてやれ!だが、殺すなよ!」
銃を一斉にコチラに向けられる。だが、銃口の向く方向は俺の体から若干逸れており、当たっても問題ないところに向けられていた。そして、引き金を引かれるよりも前に、俺は『皮の盾』を装備しわざわざ近づいた。
「なっ!?」
そのまま『兵士の剣』も出し、そいつのヘルメット目掛けて振り下ろした。
すると、ヘルメットに傷ができたが、効き目は薄くあまり効いていなさそうだった。
体が銃に耐えられるのは知ってるが、剣で斬られた場合がわからない。サオリとかがナイフを使うが実際に生徒が切られた描写を見たことない。……だから、刃を向けるべきか、判断しづらいな……。
向けれたら、こんな苦労はしないんだが。
「よし。もう一か八かだ」
こうなりゃヤケだ。もう斬ってやる!もしこれで血が出るなら回復してやれば良い。もうそうしよう!というか、その手があったじゃん。
「なっ!なんで剣?!」
「斬り捨て〜!」
「うわっ!!」
「ごめ〜ん!!」
「うわぁぁ!!」
「ひぃー!!??」
「き、斬りやがった!!」
血は……出てないな。どうやら、剣の攻撃にも耐えられるようだ。……ならば、好都合だ。斬っても問題ないならやりやすい!
「この〜!!」
ドドドド!!
「うがっ!!?」
斬られたことに驚いていた奴らの一人が、起き上がって発砲して来た。油断してた俺はそれをモロに喰らった。腕や胸、おでこ……と撃たれた。やばい、痛い!死ぬかも……。
「……ってあれ?」
おかしいな?なんか、前よりも銃が痛くないぞ、何でや??
「ルイ!?大丈夫ですか!?」
「えっ……うん。まあ、大丈夫だけど。それよりも、こいつらを片付けよう」
「はい!」
サクラコは銃を構える。それと同時に、俺も剣を持ち直して構える。
ちなみに、ハスミはすでにこの店にはいなかったようだ。通りで全く助太刀も鎮圧も無いわけだ。まあ、その方が俺としても好都合ではあるのだが……説明面倒いし。
「さーてと、俺の力がどこまでお前らに通じるかな?」
さて、まずは店の外に出てもらうとしよう。
俺は相手に近づいてそのグループに『まわしげり』を放つ。すると、俺の蹴りに命中した全員が店の外に飛ばされた。
因みにこれは、『格闘スキル』を上げて出に入れた技だ。他にも『剣スキル』を上げたりもしているが、技はまだ未習得である。あと、格闘の特技は武器の攻撃力も乗ります。このシステム大好きです。
「な、なんつう威力だ?!」
「お腹……痛い」
「ひ、怯むなぁ!お前ら」
「サクラコ、アレを!」
「はい!……バギ!!」
シュィーン!てれれれん!
真空の刃が彼女らを包み傷付ける。だが、流石はキヴォトス人と言うべきか……アレを喰らって尚立っている様子。
「な、何だ今のは……!?」
「き、急に風が……!」
ジャキンジャキン!!
「「ぐはぁ!!?」」
相手が困惑してる間にそいつらを斬り、気絶させる。
こうして、キヴォトスで初めて俺は対人戦闘に勝利する事ができたのだった。
「ルイ!今すぐ回復を……!」
「ありがとう」
サクラコの回復により撃たれた痛みが引いていく。
「ありがとうございました!」
すると、騒ぎが落ち着いたのに気付いたのか、店のオートマタが店員が頭を下げてお礼を言って来た。
「いえいえ、このくらい当然ですよ」
「はい。そうですね……これもまた、神のお導きでしょう」
「はは!かもな」
「ですが、助けて頂いたのは事実!なにかお礼をさせて下さい。そうですね、これなんてどうでしょう」
すると、オートマタはチケットを取り出した。
ケーキと紅茶セット無料券、それが二枚だった。
「なっ!?……い、いいんですか!?」
「はい!店を救ってくださったのですから!これくらいはしないと。またご贔屓にお願いしますね!」
思わぬ収穫……というべきか。良いことするってのは、良い気分だなやっぱり。
「よかったですね」
「あぁ、また今度行くか」
「はい!」
二人でそう約束して、俺たちは次なる場所を巡り、夕方になって帰宅するのだった。
□□□???
「ねぇねぇ見て見てホシノちゃん!この子すっごく可愛いよ!」
「ゴロゴロふにゃ〜」
少し大きめの子猫を撫でるユメは、ホシノに向けて絶賛する。つい数日前、宝の地図探しの途中で暑さにやられた猫を発見し救助したのだが、どうやらユメに懐いたようで野に返そうとホシノが何度か奮闘したが諦めずについてくる為、結局飼うことになり、アビドスの仲間となった。
砂漠に似た体毛を持ち、頭から背中に連なる背びれのような毛は焦茶色をしていた。尻尾の先端にも同色毛が生えている。砂漠にいた割にはフサフサでアビドスの抱き枕として今はなっている。
「ほらほらホシノちゃんも!撫でたいでしょ?撫でたいよね!」
「フニャ〜」
つぶらな瞳でホシノを見る子猫。ホシノは急に詰めてきた可愛い奴に抵抗するも。
「そ、そんなに見られたら仕方ないですね。撫でてあげますよ」
「ゴロゴロ……ゴロゴロ」
結局、押し負けて撫でるのだった。
「じゃなくて、戻って来ちゃったせいでもう一度行かないとじゃ無いですか!まだバツ印のとこにもついてないのに!」
「ひぃん!そうだった……ごめんねホシノちゃん!」
「……まあいいですよ。流石にこの子を放っておけませんからね」
そうして、出発の準備を整えていると。
「ニャァ!」
子猫が鼻を鳴らしながら、「連れて行け」と奮起しました。
「なんです?あなたも行きたいんですか?」
コクッ
そうと言わんばかりに頷く子猫に、ホシノは呆れた顔でダメだと言った。しかし……。
「いいじゃん!行こう行こう!」
「なっ!?ちょっと先輩!?いいわけないじゃないですか!!」
「ひぃん!……でもホシノちゃん?そんなことしたらこの子ここで一人で待つことになるんだよ?!それは流石に可哀想だよ!」
「でもじゃないですよ!それでまた弱ったらどうするんですか!」
「大丈夫!勘だけど、もう大丈夫だろうから!」
「何を根拠に……はぁ、わかりましたよ」
少し言い争ったが、ユメの押しにより連れていくことが決まった。再度準備をして、校舎を出発した二人と一匹。……さて、いったいどんな出会いと財宝が彼女らを待つのか?この子猫の正体はなにか?
高評価と感想、ここすき、よろしくお願いします!励みになります!!
実は、連邦生徒会長出すか迷った。
でも、やめました。まあ、アビドス編で出るんですけどね。
さあ、何パンサーかな?アレってさ、砂漠にいるイメージないよね。ならばどうするか?せっかく、あの『タグ』があるのだ。活用するべき。
追記
投票の結果。アビドス編をやります。
プロットが頭の中で出来上がって来たので、そこそこ良さそう。
原作二年前 アビドスをやるかやらないか
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ん!やるべき!
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ん!すぐ本編!
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ん!どっちでも