BLUE QUEST 〜青春を駆ける戦士〜   作:松花 陽気

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少しテンプレ気味な感じがするのは気のせいか?
まあ、あの部分はしょうがない。そういうものだからね。


第七話:王の墓場の守衛箱

「ホイミ!……できた!これが呪文なんだね!」

 

「……本当に傷が癒えてる。不思議ですね」

 

道中、何度か戦闘をしながらユメに魔法を教えると、早速怪我したホシノに回復魔法をかけていた。

 

ユメの使える魔法は……。

・ホイミ・キアリー・ベホイミ・キアリク・ザメハ・マヌーサ・マホトーン

 

――である。俺が魔力をユメ先輩に流した際に、頭の中にそれが浮かんだそうだ。コマンドを見せる必要が無いのは説明の手間も含めて楽になるので嬉しい。

ちなみにユメのステータスはこう。

 

レベル17

HP=242

MP=42

力 =100

早さ=42

守り=111

運良=33

??=272

攻魔=0

回魔=346

 

あと、ホシノにも流したがホシノはなにも浮かばなかった。

こっそり『つよさ』を確認したら、魔力も呪文もなかった。ただ特技が一つだけあったので、その高いステータスを活かせば簡単に敵を倒せる力があった。

 

レベル13

HP=404

MP=0

力 =124

早さ=142

守り=80

運良=44

??=346

攻魔=0

回魔=0

 

ホシノだけレベル低いけどそれでも強すぎる。??の数値が圧倒的じゃない?

 

「私も使えたら楽なんですが。……なんの違いでしょう?」

 

「う〜〜ん。……ホシノが武闘派だからじゃない?」

 

「確かに!ホシノちゃん、いつも前線に出て戦ってくれるもんね」

 

「それを言ったらルイも武闘派側でしょう」

 

「いや。俺はどちらにも偏らないタイプだから万能タイプだよ」

 

いつも前線出て戦ってるけど意外と違うのよ。理由は、ステータスの伸び方的にそうなんだと思う。特に何かが秀でてるわけでもなく、どっちつかずだからさ。まあ、勇者ってどうしても器用貧乏で、作品によってはストーリー中は活躍するけど、クリア後最大レベルになるとあんまりだったりするからなぁ。

……仕方ない仕方ない。これも勇者の定めだ。

 

――まだ勇者と決まったわけではないけど。

 

「あっ!見て見て!宝箱だよ宝箱!しかも三つもある」

 

ユメ先輩が指した方向を見ると、三つの階段の先にそれぞれ青い宝箱が一つずつ置かれていた。

……なんだろう?既視感があるな。

 

「お宝ですね!早速開けに行きましょう!」

 

ちなみに、ここに来るまでに二つほど宝箱を見つけています。中身は『聖水』と『鉄鉱石』だった。鉄鉱石は貰われたが、聖水は貰えた。この聖水はいったいどんな効果なんだ?

 

「今度はなにが出るかな?」

 

「もっと高価なものとか入ってませんかね?」

 

とか言ってたら既にユメが宝箱の前にいた。俺は直感を信じて注意を促した。

 

「なぁおい、気をつけた方がいいぞ」

 

「どうしたんですか」

 

「いや、なんか嫌な予感がするんだ」」

 

「嫌な……なんですか」

 

「多分…………トラップだ」

 

パカッ

 

と、俺が告げたと同時だった。

 

「きゃぁぁぁぁーーーー!!!!???」

 

「「「「っ!?」」」」

「ユメ先輩!!」

「マジで当たるのかよ!?」

 

ユメ先輩の悲鳴が聞こえ、すぐに声の方向に俺たちは向かった。階段を駆け上がると、そこにいたのは大きな木箱の中から、牙と舌、目を覗かせた『ひとくいばこ』がユメ先輩の上半身を噛んでいた。

 

「ひぃん!?ベトベトする〜、歯がお腹に当たって痛いよぉ!ホシノちゃん!ルイくん!助けて〜」

 

「あれは……人喰い箱!?」

 

「ユメ先輩!?……今助けますから!」

 

と、ホシノが急いで愛銃をソイツに向けていると。

 

「ひぃん!あっ……腰に歯が当たって……あ〜そこそこ!良い感じにツボが当たってるよ〜」

 

「いやマッサージじゃねえよ!」

 

流石キヴォトス人、人喰い箱の顎にも負けず、それを腰ツボに活用とは恐れ入ったぞ。

ほら、人喰い箱の目が微かに涙目になってるよ。凄く自尊心すり減ってそうな顔してるよ(まず顔見えない)。

 

「先輩、今助けます!」

 

「あ、待ってホシノちゃん!あともう少しだけ待って!今凄く良いところだから」

 

「こんな時にふざけないでください、もう撃ちます!」

 

ホシノの一撃により、人喰い箱は瞬殺された。流石ホシノ、今の所どんな魔物も一発でのしてるわ。神秘の力高すぎる。なんて恐ろしい子だ。

人喰い箱に吐き出されたユメ先輩は、制服の上をビチョビチョにしながら出てきた。たくさん濡れたのか、制服が透けている。……見える見える。ブラが見え……スク水だったわ。いや、だとしてもエロいな。

 

「…………さいってー」

 

あ、ホシノがこちらをゴミを見るような目で見てる。

仕方ないだろ!?俺も男なんだからそこに果実があったら目がいくもんなの!やばい、なんかさらにホシノからの好感度が下がった気がする。

 

「よ、よぉ〜し!次だ次!次の宝箱は大丈夫だろ!」

 

「誤魔化しましたね」

 

とりあえず、さりげなくユメ先輩にタオルを渡してもう二つの宝箱を開けるのだった。

 

□□□

 

「…………まさか、全部トラップとは思いませんでしたよ」

 

同感である。どんな乱数調整してんだ。連続人喰い箱とか殺したいのか俺を??

でもよかった〜あの後残り二つを俺が開けたけど、ホシノやユメ先輩に当たらなくてよかったと、俺はホッとしていた。

 

「大丈夫ルイくん!?頭から凄い血が出てるよ!?」

 

言われて気づく。そう言えば、なんか汁が伝ってるなと思ってたがこれ血だったのか。あいつの涎かと思った。

確かにそれもあるだろうが出血のせいかこの時の俺の頭はあんまり機能してなかった。HPが残り6しかない。死にかけだ。でも、ご安心を、私にはあれがある!

 

「大丈夫大丈夫!回復すればこのくらいなんともないから『ホイミ』」

 

「「「………」」」

 

「すら?」「にゃっ?」

 

全員が小首を傾げて俺を見る。

 

「……どうしたんですか。回復しないんですか」

 

ホシノがさっさとしろと言わんばかりにこちらを見ている。俺は、ギギギという効果音が似合いそうな動きでホシノたちを見て――。

 

「魔力……無いなった」

 

「……は?」「……えっ?」

 

と、素っ頓狂な声が響いた。

そう……俺は魔力切れを起こしたのである。

 

「やばい!これじゃあ回復が!」

 

「わわわ!?大変だよ!このままじゃ君が死んじゃうよ!」

 

「ちょっと、こんなところで勝手に死なないでください!」

 

「はは、ホシノ。心配してくれんのか?」

 

ホシノが俺を心配してくれている。やっぱり、人並みには倫理観があるんだな。

 

「違います。貴方が死んだら誰がトラップを処理するんですか」

 

「この薄情者!!」

 

少しでもお前に優しさを期待した俺がバカだったよ。

本当に、身内とそれ以外に対しての落差がとんでもないなこの子。……いつかデレデレにしてやる。

……いや、それは先生の役目か。

 

「そうだ、私のホイミがあるよ!これで回復してあげる!」

 

ユメ先輩が魔法をかけて傷を治してくれた。

あー、ここにいたんですね。私の、アビドスのオアシスはここにあったのですね。

 

「一発で体力全開したわ」

 

回復魔力が高かったから当然と言えば当然だが、凄いなこの回復量。

 

「さあ、傷も治りましたし次行きますよ次」

 

そう言って突き進むホシノに、俺たちはついていく。

しばらく一本道を進んでいると、開けた部屋に出た。だが、道はそこで行き止まりとなっており、中にはなにも無かった。

 

「行き止まりって……どうなってんだこりゃ?」

 

「なにもないですね」

 

正直、ここが最後の探索だったのだがボス部屋に辿り着けないとは変なダンジョンだなここは。とりあえず、周囲を観察する。

あるのは二体の石像と何かが書かれた石碑。それと、一部分だけ違う床のパネル。

 

「ひぃん!なにがどうなってるの!」

 

「とりあえず、あの石碑を読んでみよう」

 

俺がそう促しその石碑に近づこうとした瞬間。

 

「待ってよ〜!」ガコン

 

「へ?」

 

そんな音と共に、ユメ先輩の踏んだ床が一瞬凹んだその刹那。凄い勢いでその床はバネの反発のように上がり、ユメ先輩を天井まで飛び上がらせた。

 

「ひぃん!!!!??」ゴスっ!!

 

とてつもない衝撃がユメ先輩の頭に加わり、そのまま彼女は頭を回しながら落下してその場で倒れた。

 

「ユメ先輩!!??」

 

「いったいなにが起きたんだ??」

 

「とにかく、早くこの床から離さないと」

 

「踏まないようにな」

 

そうしてなんとかユメ先輩を救出した後。フラフラになった彼女の意識を覚まし、俺たちは改めて石碑を読んだ。

 

[王の墓標に眠るもの求めし者よ そなたらの知恵を試す 太陽の神が如く 天高く舞 辿り着いてみせよ]

 

「え〜っと?どういうこと??」

 

「天高く舞……ってなんなんですか」

 

「う〜〜ん。なんか覚えがあるなこれ」

 

書いてある内容は異なるが、このギミックはなんか見たことある。まさかここに来てゲームの経験が役立つとは……。まあ、一か八かやってみるか。

 

「多分だけど、あの床と二体の像が関係するんじゃないか?」

 

「わかったんですか?」

 

「うん。なんとなくだけど」

 

二人にもわかりやすいようにギミックの仕組みを説明する。先ほどユメ先輩が高く飛び上がったのは、縦方向と横方向の像の位置がそのパネルを指していたからということ。そこを踏んだことで先輩が飛び上がったことを伝えた。

 

「つまり、この像を動かして正解の天井穴に当たれば良いのですね」

 

「そういうことだな」

 

「凄いルイくん!こんな事がすぐわかるなんて!」

 

「たまたまだよたまたま。というか、ユメ先輩のあれがなかったらわかんなかったと思うよ」

 

「いつものドジがここで功を奏したわけですか」

 

「えへへ。それほどでも〜」

 

「別に褒めてません」

「ひぃん!」

 

「ははは」

 

なんか楽しいな。この二人の会話見てると、凄く尊い。本当に楽しそうで、ホシノもいつもツンケンしてるけど、顔から楽しさが滲み出ているし、ユメは一瞬一瞬を楽しんでて、学校の借金とか色々あるのに、それでも青春している姿が微笑ましい。

 

「ほら、なにをボサってしているんですか」

 

「あ、悪い悪い。んで、どうするんだ?」

 

「とりあえず天井を見てみたのですが、一つだけ穴を見つけました。あの位置に合わせて石像を動かしましょう」

 

「りょーかい」

 

謎が解けたことにより、あとはスムーズに事が進んだ。一気に正解を引き、俺たちはその間へと足を踏み入れた。

 

「……これは」

 

階段のその先には、多分ボスがいるのだろう。

とりあえず、左右に合った犬人間(多分アヌビス像)の石碑を調べる。

 

[ここに辿り着きし者よ 最後の試練だ 最後は力を試す これをクリアすれば 見事我が財宝を与えよう では健闘を祈る]

 

読み上げ終わった瞬間に、俺たちの体が黄色の光に包まれた。

 

「な、なんですかこれ!」

 

「ホシノちゃん!傷が消えてるよ!頭のたんこぶも治ってる!」

 

「魔力も満タンになってる……ってことは」

 

この先のボスは、それだけ強いということか?

なにはともあれ、油断はできないな。それに、この作りに既視感しかない。ボスはいったいなんだろうか。

 

「とりあえず。お祈りだな」

 

てーれれれてーれれ〜〜〜♪

 

俺はサクラコから貰った御守りを両手で包み、祈った。よし、これで大丈夫だな。

正直、このお守りにお祈りの効果があるとは、説明欄見た時は助かったと思ったよ。

 

「……なに祈ってるんですか」

 

「いや、この先はきっと危ないからさ。無事をお祈りしようと思って」

 

「神頼みとは、そんなもの意味ないでしょう」

 

まあ側から見れば意味はないだろうが、俺には意味があることだから。

 

「そんなことより進もう。宝はもうすぐだ」

 

話を戻して、階段の先を目指して歩く。

登り切ると、なんと目の前にあったのは、大きな宝箱一つのみだった。

 

「誰もいないじゃないですか」

 

「…………」

 

「見て見て!大きな宝箱だよ!きっとこれが財宝かな?ほらみんな、早く開けに行こう!」

 

「それもそうですね。丁度よく留守のようですし、何か来る前にさっさと開けましょう」

 

なんだ……この、違和感は?何か変だ。さっきから既視感しかない。あの剣士像のギミックに全回復の石像。そしてあの大きな宝箱。大きな……宝箱?

 

「っ!?……待て!その箱は!!」

 

パカッ

 

一足遅かった。気づけば二人はその箱を開けており。

箱から嫌な瘴気が溢れ出した。

ホシノが即座に反応し、ユメ先輩を連れて後退する。

 

「な、なんだ!?」

 

煙がだんだんと晴れ、その姿が輪郭が、少しずつ露わになる。そこにあった美しい装飾の箱は姿を消し、代わりにそれは現れた。宝箱型の箱から骨の体を出し、長いベロを垂らす、人喰い箱の中身が顔を出したかのような不気味なデザインの化け物。

……『トラップボックス』が現れた。

 

「箱の中から骨の人が出てきた!?」

 

「どう見ても人ではないでしょう!?来ますよ!」

 

[ばぁぁ〜!]

舌をゆらゆらと揺らしながら、こっちに突っ込む。

 

「あぶねぇ!」

 

俺はホシノを突き飛ばして奴の腕に持つ蓋部分の攻撃を受ける。

 

「グフ!?」

 

これはかなり痛い。でも、あと二発なら耐えられそうだ。

 

「スラ!『ルカニ』」

 

トラップボックスの体に青い光が掛かると、上手くかかったのか弱ったような顔をする。体に青く淡い光が宿る。

 

「よし、効いてるぞ!」

 

これならダメージもよく通るはず。だが、相手の攻撃もそこそこに痛い。

 

「スラりん!スクルトだ!」

「スラスラ!『スクルト』」

 

味方全員に明るい青の光が宿り、体が硬くなったのを感じる。守備力アップ完了。

 

「シャーっ!!」

 

ゲレゲレが飛び掛かる。

トラップボックスの体に爪を立て引っ掻いた。

守備力低下のお陰で少しは効いているが相手は余裕そうだった。トラップボックスは腕を振り上げ、下にいるゲレゲレに攻撃しようとする。

 

「これでも喰らえ!」

 

だが、その隙をホシノがSGを放って攻撃する。

 

カキンカキン!

「っ!?」

 

だが、腕の蓋部分により防がれてしまった。

木箱硬すぎだろ!だが、これで攻撃箇所がわかった。あの骨の体に攻撃すればいいわけだな。

 

[ヒャダルコ!]

 

「な、なに!?」

 

瞬間、空中から氷が飛来した。

それは辺りを凍らせた後、激しく弾け破片を飛ばした。放たれた氷の急速冷却の効果なのか僅かに体の一部が凍傷になり、弾けた破片が擦り傷を与えてくる。

 

「いっっった!!?」

 

「急に、さむ!」

 

「ひぃん!盾が冷たいよぉ!」

 

俺は盾で防御したが、完全には防ぎきれず多くダメージをもらった。ホシノは諸にそれを喰らったがまだ少し余裕がありそうで、ユメはデカい盾で守ったお陰か一番ダメージが少なくすんだ。

 

「すっ…ら」「……にぁ」

 

「スラりん、ゲレゲレ!?」

 

くそ!まだHPが多くない二匹にはこの攻撃は流石に痛いか。耐性も無い二人には後退して貰うべきだろう。

 

「先輩!ルイ!」

 

「大丈夫だ」「私もだよ」

 

すぐに二匹を回復して、後ろに下げる。

 

「ユメ先輩、お願いします」

 

「うん。やばくなったら、私が回復するから!」

 

彼女に二匹を任せて、俺はホシノと共に前に出る。

 

「これは……ヤバいですね」

 

「これ以上二匹を戦わせられない。俺たちだけでやるぞ」

 

「そのつもりです。……足、引っ張らないでくださいね」

 

「……善処するよ」

 

そんな雑談をして、改めてそいつに向き直る。

 

[ばぁぁぁ〜!]

 

またそいつは、一直線に向かってきた。しかも、またホシノに対してだった。

 

「またそれですか!」

 

ホシノは走って交わし、奴の真横から銃を放つ。

今度はしっかりと命中したようで背骨、肋骨部分に被弾した。

 

[ぐああぁぁぁ〜〜〜!!]

 

さっきのゲレゲレのよりも何倍も効いていそうな悲鳴を出す。だが、それでもまだ倒れない。ホシノは連続で銃を放つ。だが、流石に二度は喰らわないのか防がれる。

 

「チッ!……厄介ですねその蓋!」

 

ホシノの舌打ち!?助かる〜。因みに俺はドMではないので勘違いなく。そんなことよりも。

 

「俺も忘れんなよ!『火炎斬り!』」

 

それもテンション5のだぜ!

流石に効いたろ!すると、敵の体の青黒いオーラが消えた。

と、どうやら相手に掛けたデバフが消えたようだ。

 

[ルカナン!!]

 

切れた瞬間。相手が狙ったようにルカナンをしてきた。突如、体に違和感。なんか柔くなったような感覚になる。これが、ルカナンの感覚か。

 

[ラリホーマ!!]

 

「っ!?」

 

今度はラリホーマを唱えてきやがった。これはヤバい、ここで眠ったらやられてしまう!?

だが、いつまで経っても俺に睡眠作用はこなかった。

 

バタン。隣から大きな音がする。

そちらを見ると、ホシノが脱力したように倒れていた。

 

「ホシノちゃん!?」「ホシノ!?」

 

周りを見れば、スラりんやゲレゲレも寝ていた。残ったのは俺とユメだけ。

 

[ばぁぁ!!]

 

「やべ!」

 

攻撃を剣で受け止め、弾き返す。そこからカウンターで剣を当てた。

しかし、傷は浅くそこまで効いていなかった。

 

非常な戦力がここで眠るのは痛い。これは本当にやばい。今こいつに有効なのは彼女なのに!……どうする!どうする!どうすれば切り抜けられる……!考えら!またテンションか……いや、さっきやったからまた溜めないとならない。しかし、ユメに三人を守りながら時間稼ぎをさせるのはあまりにもリスクが高過ぎる。盾があっても不意にやられる可能性が高い。なら、どうすれば……。

 

「……そうだ!」

 

ザメハだ!ユメが持ってる、目覚めの呪文があるじゃないか!

 

「ユメ先輩!ザメハだ、ザメハを唱えろ!」

 

「えっ……う、うん!!」

 

何が何だか、という顔で困惑していたユメだが俺の言葉に迷わず頷いた。

 

[……ばあぁ!!]

 

俺が指示を出した瞬間。トラップボックスがユメ先輩に向かって走り出した。なにしようとしたのか理解しているのだろう。魔物に知能があるのか、あるようには思えないが……いや。おおきづちの時を思い出せ。アイツも考えて戦っていただろう。ゲームと同じに考えてはいけない。ランダムでは無いんだ、コイツらもまた生き物で頭を使うし、思考がある。スラりんやゲレゲレだってそうだ。コイツらもまた指示無しで自分で考えて行動した。いい加減、自分も現実を見ろ!

そして、やる事を見失うな!

 

[ばぁぁーー!!!]

 

「させるかぁー!!」

 

ザメハを唱えるユメ先輩の体を押し除け、奴の攻撃に盾を出して――あれ、真横から箱の蓋ga?

 

グシャ!

 

…………え?

 

気づけば俺の視界は横向きになっていた。

 

「……あ、……あ?」

 

何が起こったのか、わからなかった。腰にすごい一撃を喰らった事は少なくとも理解はした。でも、そこから先は理解し難いものだった。

腰から下に感覚がない。お腹がやけに熱い……と思ったらだんだんと冷えてきた。

 

「……る――ん?」

 

か細く弱々しい声が聞こえる、しかし姿は見えなかった。倒れる自分は、目だけを動かして辺りを見た。

ふと、脚のようなものが視界に入る。

これは……また会心の一撃か。これでやられるのもう三回目くらいな気がするんだけど。……でも、そうか。

 

「…………ぁー」

 

これが原因で、俺は真っ二つになったのか。

幸いにも既に痛覚は無く、先ほどよりも楽になっていた。……ならあとは、身を任せるのみ。

意識が落ちる。暗闇に引き込まれる。早く戻ってこなければ……こんな亡き別れのの姿では、戦えない。

 

次に目覚めたその瞬間には…………悲鳴と銃撃だけが音を支配していたのだった。




高評価と感想、ここすき、などよろしくお願いします。励みになります!

○梔子ユメの装備
・HG 攻撃力3
・iron horusの盾 守備力50
・アビドスの制服 守備力16

○小鳥遊ホシノの装備
・SG(Eye_of_Horus)攻撃力42 [基準攻撃力25]
・アビドスの制服+防弾ベスト 守備力16+10

○新装備
・iron Horusの盾 守備力50
 梔子ユメが愛用するアタッシュケースサイズに折り畳める頑丈な盾。何の素材かは不明だが、炎、氷、風、爆発属性に高い耐性を持つ。
炎、氷、風、爆発系のダメージを50%減。

・アビドスの制服 守備力16
 ユメとホシノが着ているアビドス生徒が愛用する制服。キヴォトス製品なので銃弾でも穴開かない。

・ホシノの防弾ベスト 守備力10
 ホシノが制服の上に着ている防弾ベスト。

・SG(Eye_of_Horus)攻撃力42 [基準攻撃力25]
 ホシノが愛用しているシンプルなデザインのショットガン。砂漠では砂が多いので、銃の整備だけは入念にしており、絶対に怠らない。

実は、スラりんとゲレゲレは強くなってます。
○スラりん
レベル7→8
HP=52→57 +5
MP=27→30 +3
力 =32→34 +2
早さ=46→53 +7
守り=19→23 +4
運良=17→24 +7
??=31→48 +17
攻魔=13→19 +6
回魔=19→22 +3

○ゲレゲレ
レベル2→4
HP=52→69 +17
MP=0→0 +0
力 =29→38 +9
早さ=25→41 +16
守り=16→20 +4
運良=13→21 +8
??=31→53 +22
攻魔=0→0 +0
回魔=0→0 +0

追記

投票は終了しました。
主人公以外のキャラクター、生徒達にも武器防具、呪文特技、転職のフルセットで行こうと思います。

新たなアンケートを実施します。
私の中のプロットでは、本編行く前に必ずやる話があります。
ズバリ言いますが、過去アリウス編です。
もうとっくに内戦は終了しており、ベアトリーチェの支配下にあるアリウス自治区の冒険は、これからの話において欠かせない物となっています。ただ、敢えてせずに本編で明かしていくのもまた一興な気もしていて判断つきません。というわけで、アリウスまでの間の話も兼ねてアンケートをしようと思った次第です。

過去アビドス編の後、次なる冒険が見たいか?

  • そのまま本編〈前に○○○○編をやる〉
  • ○○○○編やらずに本編
  • 過去ミレニアム編 幕間程度
  • 過去ゲヘナ編 プロット無し
  • 過去百鬼夜行編 プロット無し
  • 過去山海経編 プロット無し
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