第一話-暗き夜の住民、幻想郷へ降り立つ
〜忘れ去られた存在がたどり着く最後の楽園幻想郷。明治時代の頃、妖怪の賢者によって張られた博麗大結界によって外の世界とは分断されていた。そして今日この幻想郷に一人の吸血鬼が入ってきた〜
八雲藍「今日も紫様に言われた通りに博麗大結界の確認をするか。」
彼女は八雲藍。九尾の狐にして幻想郷の賢者の一人、大妖怪八雲紫の式神である。彼女は自分の主から言博麗大結界に異常がないかを確認するように言われたので博麗大結界の近くに足を運んでいた。
八雲藍「さて、どうせ何も異常はないだろう。」
藍は適当に結界を確認する。もはや確認と言っていいのかと言いたくなるほど雑に速さだけを求めた確認をする
八雲藍「私は人里に油揚げでも食べに行くとするk……ん?何か今結界を通ったような…。気のせいか。通ったとしてもどうせ外で忘れ去られた道具か何かだろう。さてさてさっさと油揚げを買いに行って妖怪の山にいる…いやたしかこの時間帯は寺子屋に学びに行っているのか。よし油揚げを買いに行くついでに橙に会いに行こう。」
藍は自分の感じた違和感を気のせいだと片付け、人里にある油揚げ屋に油揚げを食べに行った。要するにサボりである。一方その頃マヨヒガにある八雲邸では八雲紫が顔を顰めていた。
八雲紫「何かわからないけど…今何か博麗大結界を通ったわね。しかも道具とか外の世界の人間なんかじゃない。妖怪…それも強い妖怪ね。」
紫はため息をつきながら扇をパチンと閉じる
八雲紫「藍は何してるのかしら。見に行かないと」
八雲紫は藍がいるはずの場所に行く
八雲紫「藍〜?ちょっと聞きたいことが……ってあら?藍〜?いないの〜?………まさか。サボってるわね…!」
紫は怒りでワナワナと震えている
八雲紫「絶対最近人里にできた新しい油揚げ屋に行ってるでしょ!これは月に変わってお仕置きが必要ね!…こんなことしてる場合じゃないわ。早く藍を捕まえて、そしてさっき入ってきた妖怪を捕まえないと…ああ、忙しい」
〜〜人里〜〜
その頃人里では、八雲藍が大量の油揚げを買って寺子屋まで上機嫌で歩いていた。
八雲藍「油揚げ大量に買えた〜♪今日はきつねうどんにしようっと♪ふんふふーん♪橙のお迎えっ♪橙のお迎えっ♪」
その時、般若のような顔をした八雲紫がスキマから出てくる。そして金色の文字で『何をしてんの』と書かれた緑のスリッパで藍の頭を叩く
八雲紫「藍〜〜〜!!なんで仕事サボって人里ほっつき歩いてるのよ!とりあえずその大量の油揚げ没収!!」
八雲紫は藍の油揚げをスキマで全て没収する。これに思わず藍は非難する
八雲藍「何するんですか、紫様!いくら紫様でも許しませんよ!」
八雲紫「ふ〜〜ん?私の命令を無視して油揚げ屋に行っていたくせに?」
八雲藍「いえそれは…」
八雲紫「それは?なにかしら?何か申し開きでもあるのかしら?」
八雲藍「ありません…。命令を無視して油揚げを買いに行った私が全て悪いです…。」
項垂れている藍。そこに藍の式神である橙が来た。どうやら寺子屋からちょうど帰っている途中だったらしい。
橙「あ!紫しゃまと藍しゃま!何してるんですかにゃ?」
八雲藍「橙!?あ、いやこれは…その…」
八雲紫「あら〜橙。先に家に帰っておきなさい。私は藍とお仕事があるから」
八雲紫はそう言って自分たちの家である八雲邸へのスキマを開く
橙「?……わかりましたにゃ!」
橙はスキマを通って八雲邸に一足先に帰って行った。
八雲紫「ちょっと着いてきなさい、藍」
八雲紫は藍を連れて最寄りの茶屋に行く
八雲紫「…こんなことしてる場合じゃないのよ。いい?あなたがサボろうとした時、何か違和感を感じなかった?」
藍は顎に手を当て思い出そうとする
八雲藍「………あ。そういえば…結界を何かが通った気がします。あの時は外の世界で忘れ去られた道具かたまに迷い込んでくる外の人間だと思って気にしてませんでした。後者なら野良妖怪たちが処理すると思って…」
八雲紫は頭を抱える。自分の従者はこんなにも抜けていたかと記憶を手繰り寄せる
八雲紫「………まあ、いいわ。それでね、あなたがサボろうとした時、何か強力な妖怪が幻想入りしたみたいなの。まるであなたがサボったのを見計らったように」
八雲藍は驚く。自分がサボったせいで幻想郷に不審な妖怪が入ったからだ
八雲紫「摩多羅隠岐奈にも確認したんだけど、彼女もその妖怪がなんの妖怪なのか、そして一体しか入っているのかそれとも何体も入ったのかが把握できてないの」
八雲藍「あの摩多羅隠岐奈でさえ正体を掴めないんですか!?それは…不味くないですか?」
八雲紫「まずいなんてもんじゃないわよ。もし幻想入りした妖怪が幻想郷に害をなす存在だった場合、私たちは正体もわからない妖怪に背後から殺される可能性もあるわ。とりあえず藍はこのことを霊夢に共有して。」
八雲紫と八雲藍は話終わった後、藍は博麗神社へ紫は八雲邸に戻る。
〜〜博麗神社〜〜
20分後、博麗神社では幻想郷の博麗大結界を管理する巫女、博麗霊夢が八雲藍と話していた。
八雲藍「………というわけで謎の妖怪が幻想入りしたんだ。紫様の見解によると…おそらく本気の紫様と本気のお前が組んだとしても互角に渡り合える強大な妖怪が」
博麗霊夢は驚くと同時に怪訝な顔をする
博麗霊夢「は?紫とアンタは何やってるのよ。その妖怪の侵入にも気づけなかったの?」
八雲藍は笑顔を引き攣らせしょげる。
八雲藍「実は…仕事をサボって油揚げ屋に行ってたんだ……」
霊夢は盛大にため息をつく
博麗霊夢「はぁ〜〜〜……何やってるのよアンタ。」
その時、近くでとんでもない爆発音が響く。空気が震え鳥たちが大量に飛び立つ
博麗霊夢「………今の聞こえた?」
八雲藍「あ、ああ。なんだったんだ、今のは…」
博麗霊夢「とにかく行ってみましょ。行って見ないことにはわかんないでしょ」
爆発音が聞こえた場所に行くと周りの木々は倒れ、粉々になった岩が散らばり、巨大なクレーターができていた。そして……
博麗霊夢「穴の真ん中にいるのって……魔理沙と早苗!?」
誤字脱字や見にくいとこがあったら言ってください。訂正します