機動戦士ガンダム まじかる☆バスク・オムくん 〜俺のゴーグルは全てを『みるみるー』している〜 作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった
宇宙世紀0087年、晩秋。グリプス戦役は、シロッコ率いるドゴス・ギアの参戦により、いよいよ混沌の極致へと向かっていた。公式記録において、パプテマス・シロッコを盲信する少女サラ・ザビアロフは、爆弾テロやMS戦を通じ、その身を捧げるような献身を見せる。
だがドゴス・ギアの格納庫で彼女に呪文を向けた俺バスク・オム大佐は、溢れ出る鼻血を拭うことも忘れ、憤怒に震えていた。「みるみるーッ!」
「計算が、合わんッ! なぜだッ! なぜこの少女のパンツは、これほどまでに味気ない『機能一点張り』なのだッ!」
透けて見えたサラのパンツ。それはシロッコによって与えられた、無駄をそぎ落としただけの、色も柄もない、血の通わぬ布であった。可愛げも、遊び心も、夢もない。
「シロッコォォォッ! 貴様ァッ! 少女のひたむきな想いを、ただの『兵器のパーツ』として最適化し、そのパンツから『夢』という名の柄を完全に奪い去ったというのかァーッ!」
鼻から溢れる『刻の涙』が、義憤で沸騰する。俺が目指す管理社会(ティターンズ)とは、規律の中に『可愛らしさ』を見出すためのもの。だがシロッコのそれは、相手を思いのままに操るための『去勢(コントロール)』に過ぎない。
「みるみるー、視える。視えるぞ。サラ。貴様のその、一切の遊びもない機能パンツの裏側で、行き場を失った少女の心が、行き場のない汗となって布を濡らしている様がァッ!」
公式には『献身的な部下』と評される彼女だが、バスクのゴーグル越しに見れば、それはあまりにも悲惨な『個の消失』。『言うことを聞け』というシロッコの呪縛が、彼女のパンツ一枚にまで浸透し、彼女自身の意思を窒息させている。
「認めんッ! 俺は認めんぞッ! こんな、冷たい計算だけで塗り固められたパンツなどォーッ! 人類が管理されるべきは、その『可愛くありたい』という心においてのみだッ!」俺はゴーグルの出力を最大にし、格納庫に響き渡るほどの鼻息を放った。
「大佐ッ、敵機接近ッ! サラ少尉、ボリノーク・サマーン、出撃しますッ!」ジャマイカンの声。だが俺の目には、出撃していく機体の装甲を透過し、シロッコという冷たい男に縛られたまま死地へ向かう少女の『悲鳴』が視えていた。
「……孤独だ。サラ。君を救えるのは、シロッコの甘い毒ではない。俺の、このすべてを見抜く『みるみるー』だけだったというのに……ッ」少女の献身が灰へと変わる戦場で、バスク・オムのゴーグルは、次なる獲物――裏切りの境界線に揺れるレコア・ロンドを捉えようとしていた。だが、そのレコアのパンツこそ、俺の聖戦の意味そのものを揺るがす、最も哀しい一枚になろうとは――ッ!