機動戦士ガンダム まじかる☆バスク・オムくん 〜俺のゴーグルは全てを『みるみるー』している〜   作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった

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レコア・ロンド、揺れる境界線(すきま風パンツ)

宇宙世紀0087年11月。グリプス戦役は、エゥーゴ、ティターンズ、そしてアクシズの三つ巴という最悪の混迷期を迎えていた。公式記録において、エゥーゴの士官でありカミーユの良き理解者でもあったレコア・ロンド少尉は、ジュピトリスへの潜入任務、そしてシロッコとの接触を経て、その魂をティターンズ側へと塗り替えられていく。

 

だがドゴス・ギアのブリッジで、投降者として連れてこられた彼女に呪文を向けた俺バスク・オム大佐のゴーグルは、公式記録には決して残らない『パンツの悲鳴』を検知していた。「みるみるー……」

 

「計算が、合わんッ! なぜだッ……なぜ彼女のパンツは、これほどまでに熱を失い、スカスカの『すきま風』を晒しているのだッ!」

 

透けて見えたレコアのパンツ。それはエゥーゴという『自由』の名の元に集まった寄せ集め組織の、あまりにも統一感のない、そしてあまりにも『守られていない』野暮ったい一枚であった。

 

「視える。視えるぞ。レコア。貴様は、その機能ばかりの『戦う女の鎧』に、もう耐えられなくなっているのだな。女としての自分を、軍紀という名の粗末な布に削り取られる日々に……ッ」

 

公式には『シロッコのカリスマに惹かれた』とされる彼女の転向。だがバスクの眼から見れば、それは『自分という存在を、もっと絶対的な力によって管理されたい』という、魂の飢餓感に他ならなかった。

 

「シロッコは、貴様に甘い言葉をかけるだろう。だが、奴が与えるのは、奴の悪趣味に染め上げられた『支配のパンツ』だッ! それでは、貴様の渇きは癒えんッ!」俺はゴーグルの出力を最大にし、彼女に凄まじい鼻息をぶつけた。

 

「バスク・オム大佐。そんなに睨まないでください。私はただ、自分が居るべき場所を探しているだけです」レコアが不敵に、それでいてどこか投げやりな微笑を浮かべる。その瞬間、俺のゴーグルは捉えた。彼女の発汗によって、エゥーゴ官給品の頼りない布地が、その危うい境界線を透けさせ、彼女の『本音』を剥き出しにしている様をッ。

 

「認めんッ! 認めんぞ、レコア・ロンドッ! 貴様のその、崩れかかったパンツの規律を、エゥーゴの連中(クワトロ・バジーナ)は、ただの一度も正しくみるみるー(ケア)しようとはしなかったッ! それが、貴様という最高級の観測標本を、これほどまでにボロボロにしたのだッ!」

 

公式設定によれば、彼女は後にボリノーク・サマーンを駆り、かつての仲間カミーユたちと刃を交えることになる。その悲劇の根源は、組織の腐敗でも政治の対立でもない。ただ一人、彼女の『パンツの綻び』に気づき、それを情熱的に管理できる指導者がいなかったこと。それこそが宇宙世紀の真実なのだ。

 

「来い、レコア。ティターンズなら、貴様にふさわしい、一分の隙もない『黒』を用意してやる。それはシロッコの愛ではなく、俺の『みるみるー(愛)』という名の究極の規律だッ!」

 

アレキサンドリアが暗黒の宇宙を突き進む。裏切りの境界線に立つ女を、バスクのゴーグルは血の滲むような解像度で追い続ける。だが――そのレコアの手が、やがて俺自身の城塞を撃ち抜くとは、この時の俺は、まだ知らない。物語はいよいよ、宇宙最大級の要塞が砕け散る、破滅の序曲へと突入する――ッ!

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