機動戦士ガンダム まじかる☆バスク・オムくん 〜俺のゴーグルは全てを『みるみるー』している〜 作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった
宇宙世紀0088年1月。拠点であったゼダンの門をアクシズの激突で失ったティターンズは、その戦力を最新鋭大型戦艦ドゴス・ギアへと集約させていた。公式記録においてドゴス・ギアは、ジャミトフ・ハイマンの肝煎りで建造されたティターンズの象徴であり、圧倒的な火力と艦載機運用能力を誇る『動く要塞』である。
だが、その広大な艦橋の中央に陣取る俺バスク・オム大佐のゴーグルが捉えていたのは、巨砲の射程でもミノフスキー粒子の濃度でもなかった。「みるみるーッ!」
「計算通りだッ! やはり最新鋭艦の空調は違うッ! 湿度は常に45%に維持され、エリートたちの肌は一切の『不純な汗』を許されていないッ! これぞ、みるみるーのための理想郷(ユートピア)ッ!」
湿気という天敵に苦しんだ香港の日々を思えば、この乾いた鋼鉄の城は天国であった。ゼダンの門の崩壊という危機を経てなお、乗組員のパンツはシワ一つない『規律の極致』を保っていた。
「視える。視えるぞ。ジャマイカンッ! 貴様のその、艦隊壊滅の恐怖に震えながらも、必死に『軍規通りのパンツ』を死守しようとする……その痛々しいまでの忠誠心がァッ!」
公式には『ジャミトフ暗殺後のティターンズ再編』という緊迫した政治的局面。しかしバスクの主観において、このドゴス・ギアとは、全宇宙の野暮ったいパンツを焼き尽くすための、巨大な『みるみるーの揺りかご』に他ならなかった。
「パプテマス・シロッコ。貴様はこの艦の指揮権を狙っているようだが……認めんぞッ! 貴様の放つ、あの『木星帰りの甘ったるい柔軟剤の香り』は、この鋼鉄の城塞が育んできた、冷たく清潔なパンツの美を汚す毒でしかないァーッ!」
俺はゴーグルの焦点を合わせ、各ブロックに配置された女士官たちを次々にみるみるーしていく。そこにあるのは、エゥーゴの『自由という名の放任』とは対極にある、絶対的な『管理』が生んだ結晶。彼女たちのパンツが放つ静電気の『統制の輝き』こそが、俺がこの聖戦の果てに求めていた答えの一つであった。
「孤独だ。だが、このドゴス・ギアという完全なる『箱』の中でなら、俺は全人類のパンツを一枚残らず把握し、管理できる。これこそが、ジオンの残党もエゥーゴの反乱分子も到達し得なかった、真のニュータイプ社会の雛形なのだッ!」
公式設定によれば、このドゴス・ギアこそがグリプス戦役の最終決戦場となり、多くの血が流れる舞台となる。だが、迫り来る『裏切り』の影を察知しながらも、バスクのゴーグルは一分一秒、艦内に満ちる規律を網膜に焼き付け、悦楽という名の苦悶に悶えていた。
「来い、カミーユ・ビダンッ! 来い、クワトロ・バジーナッ! 貴様たちの『揺らぐ魂』など、この鋼鉄の城塞が誇る最高級のみるみるーの前では、ただの透け透けの見栄っ張りに過ぎんことを教えてやるァーッ!」
鋼鉄の要塞は、バスク・オムの歪んだ執念を乗せ、最終決戦の地『グリプス2』へと、その巨体を静かに転じさせた。だが――この難攻不落の城の中に、すでに『裏切りの影』が忍び込んでいることに、みるみるーの男は、まだ気づいていなかった――ッ!