機動戦士ガンダム まじかる☆バスク・オムくん 〜俺のゴーグルは全てを『みるみるー』している〜 作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった
宇宙世紀0088年2月。グリプス戦役の舞台は、ついに最終局面『グリプス2(コロニーレーザー)』を巡る壮絶な争奪戦へと突入していた。公式記録において、ティターンズの指導者ジャミトフ・ハイマンは、中立コロニー・ロンデニオンでの交渉を隠れ蓑にしつつ、パプテマス・シロッコの手によって暗殺される。これを受けシロッコは、暗殺の犯人はエゥーゴのクワトロだと虚偽の情報を流し、ティターンズの実権を掌握する稀代の簒奪劇を完成させた。
だが、ドゴス・ギアの艦橋で、血走った眼差しをゴーグルの奥に隠す俺バスク・オム大佐にとって、その政治的動乱は『必然の劣化』に過ぎなかった。「みるみるーッ!」
「計算通りだッ! シロッコォッ! 貴様の野心など、その木星帰りの高価なネクタイの結び目の『弛み』を見れば、一目瞭然だったのだッ!」
俺のゴーグルが映し出すのは、シロッコに恭順を誓い、一瞬にして『色』を変えた士官たちの、あまりにも浅ましいパンツの動揺であった。
「視える。視えるぞ。ジャマイカンッ! 貴様、ジャミトフ閣下の死を知った途端、その花柄トランクスのゴムが、恐怖のあまり数ミリ伸びているではないかァッ! それが……それがエリートの末路かッ!」
公式には『戦局の混乱に乗じた権力移行』とされるこの瞬間。しかしバスクの主観において、それは『絶対的な管理』を標榜したティターンズが、内側からシロッコという名の『甘い柔軟剤』によって汚染されていく過程であった。
「裏切りなど、ゴムの劣化と同じくらい予想の範疇だッ! 俺は認めんッ! 規律を捨て、ただ一人のカリスマの放つ『偽りの芳香』に酔いしれるような、軟弱な組織運営などォーッ!」
俺はゴーグルの出力を最大にし、グリプス2周辺に展開する艦隊を走査する。そこには、コロニーレーザーの再調整を急ぐ技術士官たちの、焦りによる大汗。そして、その湿気で肌に張り付き、輪郭を露骨に晒してしまった官給品パンツの『限界』があった。
「美しいッ! だが、醜いッ! 崩壊寸前の組織の中でこそ、パンツの情報密度は最大化される。シロッコよ。貴様がこのドゴス・ギアという『箱』を奪おうとも、俺のゴーグルが捉えた『全乗組員のパンツの秘密』までは奪い去ることはできんッ!」
公式設定によれば、シロッコによる実権掌握の後、バスク・オムは自身の旗艦ドゴス・ギアにおいて、レコア・ロンドのパラス・アテネによる急襲を受けることになる。だが、迫り来る『最期の瞬間』を予見しながらも、バスクの指先は震えることなく、ゴーグルのピントを合わせ続けていた。
「来い、レコア・ロンド。貴様がエゥーゴを捨て、シロッコの毒に染まったその『中身』が、今どれほどの憎しみで俺を睨んでいるのか。この『みるみるー』が、余すところなく暴いてくれるわッ!」
裏切りのレーザー光が宇宙を切り裂く直前、バスク・オムは孤独な艦橋で、組織が『死』へと向かうその瞬間まで、愛しき部下たちのパンツの『最期の規律』を記録し続ける覚悟を決めていた。だが、その覚悟すら嘲笑うかのように、破滅の女神は、もうすぐそこまで迫っていた――ッ!