機動戦士ガンダム まじかる☆バスク・オムくん 〜俺のゴーグルは全てを『みるみるー』している〜   作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった

3 / 3
オデッサの鉄、あるいは目もくらむ『しましま』

宇宙世紀0079年11月7日。中央アジア、オデッサ。地球の命運を分かつ大反攻作戦『オデッサ作戦』は、まさに最高潮を迎えていた。空を覆う連邦の61式戦車と、迎え撃つジオンの陸戦型ザクII。大地を震わせる砲声の中、俺バスク・オム大尉は、後方の指揮車両でゴーグルの焦点を敵陣の奥へと絞り込んでいた。

 

「……みるみるーッ!」

 

その瞬間だった。撤退戦を繰り広げるジオン女士官の軍服が、しゅるるっと透けた。現れたのは――白でも味気ない官給品でもない。大胆不敵な、真っ赤な『しましまパンツ』であったッ。

 

「ぬわーッ!! し、しましまじゃ〜〜〜っ!!! 連邦にはなかった柄がァーッ!!」

 

鼻の奥から、こらえきれない熱い液体――『刻の涙』が噴き出し、ゴーグルの隙間を伝って顎を濡らす。ドップ戦闘機の爆音も、マ・クベが放った禁忌の核ミサイルの光も、俺の視界を邪魔することはできない。俺が見ているのは、爆煙の向こうで必死に撤退する女士官の、その『服の下の主張』だ。

 

「これは……これは規律だッ! いや、規律を超えた『覚悟』だッ! 連邦が白パンツの安寧に甘んじている間に、ジオンはここまで攻めた柄を……ッ! みるみるー! もう一枚、もう一枚見せてくれェーッ!」

 

連邦軍がただ『清潔であればよい』と白の平和に眠っている間に、ジオンは『パンツ』という名の第二の装甲を完成させていた。俺は震える手でゴーグルの倍率を上げた。

 

「大尉ッ、ジオンのミサイルが! 撤退してくださいッ!」ジャマイカンが叫ぶ。だが俺は動かない。今この瞬間、俺は歴史の分岐点を見ているのだ。ジオンの敗因は資源の枯渇でも戦術のミスでもない。『しましま』に走りすぎて、量産的なまとまりを失ったこと――いや、そんなことはどうでもいい。しましま最高ッ!

「……皮肉なものだな。ジオン。貴様らの美しすぎる『しましま』が、俺の鼻血を止まらなくさせるのだッ」

 

白衣の天使のような白を持つ連邦と、貴族のような大胆な柄を持つジオン。両者の血を吸ったオデッサの鉄の香りが、俺の鼻腔を突く。

 

「……決めたぞ。俺がティターンズを作る時には、ジオンの攻めた柄と、連邦の絶対的な管理体制を融合させる。全人類のパンツを、俺のゴーグルひとつで統べる時代を、必ず創り出してやるッ!」

 

「ジャマイカン、報告だッ! 今すぐ最新のパンツ……いや、繊維サンプルを戦場から回収しろッ! 一枚の端切れも残すなァーッ!」

 

だが、俺のゴーグルはこの時、しましまに気を取られて重大な異変を見落としていた。次に俺を待ち受けていたのは、極寒の宇宙。真空という名の地獄で、ジオンの女たちは、想像を絶する『あったかパンツ』を隠し持っていたのである――ッ!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

妹に撃たれない方法(作者:Brooks)(原作:ガンダム)

ア・バオア・クーでキシリアに射殺されたギレン・ザビは、目を覚ますとジオン・ダイクン逝去の当日に戻っていた。次は絶対に妹に殺されたくない。その一点だけを現実的な目標に定めた彼は、戦争より先に家族会議を整え、暗殺より先に議事録を作り、歴史より先に妹の機嫌を取りにかかる。しかし未来を知るのは彼だけではなかった。動乱へ傾くサイド3で、兄妹は奇妙な休戦に踏み込む。笑え…


総合評価:561/評価:6.25/完結:226話/更新日時:2026年05月06日(水) 19:56 小説情報

戦犯にはなりたくない!(作者:蒼天)(原作:ガンダム)

一年戦争の初日にコロニーに毒ガスを注入してしまったオリ主(ニュータイプ)が、戦犯にならないためにいろんなガンダム作品のキャラクターたちと交流しながら奔走するお話。▼※一部原作キャラクターの設定を変更しておりますので、ご注意ください。


総合評価:1392/評価:7.91/連載:76話/更新日時:2026年07月17日(金) 18:00 小説情報

黒いガンダムの宇宙世紀(作者:いずりょう)(原作:ガンダム)

U.C.0070、サイド7。▼数年後、ジオンの襲撃によってアムロ・レイがガンダムに乗る、あの始まりの場所。▼ただし、この宇宙世紀はレンの知るTV版と同じではない。▼早くからサイド7にいるアムロ。存在するRX-78-1。▼MSV? THE ORIGIN? それとも。▼知識はあるが、未来は確定していない。▼レンは生き残るために準備を始める。▼普通の子どもを装い、…


総合評価:225/評価:5/連載:49話/更新日時:2026年07月18日(土) 18:00 小説情報

地球連邦軍上層部はいつも多忙です。(作者:はにわはにわ)(原作:機動戦士ガンダム)

宇宙世紀0083年。核攻撃で観艦式が壊滅する中、地球連邦軍最高司令部の苦労人大将は、コロニー落とし阻止のため胃薬片手に奔走する。▼第二章スタートしました。0083年から機動戦士Zガンダム本編開始直前の0087年までを描きます。


総合評価:5981/評価:8.36/連載:24話/更新日時:2026年07月03日(金) 01:00 小説情報

【完結】私、ジャブローのモグラ志望って言いましたよね???(作者:むにゃ枕)(原作:ガンダム)

お前はひっこんでろ、私は安全に出世したいんだよ。▼出世すりゃあ私の持てる権力も多くなるからな。▼ジオン残党は跳梁跋扈しているが、とりあえず私はそこそこの残党を討伐してジャブローのモグラになるぜ!▼


総合評価:8185/評価:8.37/完結:24話/更新日時:2026年04月17日(金) 17:54 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>