機動戦士ガンダム まじかる☆バスク・オムくん 〜俺のゴーグルは全てを『みるみるー』している〜 作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった
宇宙世紀0079年11月7日。中央アジア、オデッサ。地球の命運を分かつ大反攻作戦『オデッサ作戦』は、まさに最高潮を迎えていた。空を覆う連邦の61式戦車と、迎え撃つジオンの陸戦型ザクII。大地を震わせる砲声の中、俺バスク・オム大尉は、後方の指揮車両でゴーグルの焦点を敵陣の奥へと絞り込んでいた。
「……みるみるーッ!」
その瞬間だった。撤退戦を繰り広げるジオン女士官の軍服が、しゅるるっと透けた。現れたのは――白でも味気ない官給品でもない。大胆不敵な、真っ赤な『しましまパンツ』であったッ。
「ぬわーッ!! し、しましまじゃ〜〜〜っ!!! 連邦にはなかった柄がァーッ!!」
鼻の奥から、こらえきれない熱い液体――『刻の涙』が噴き出し、ゴーグルの隙間を伝って顎を濡らす。ドップ戦闘機の爆音も、マ・クベが放った禁忌の核ミサイルの光も、俺の視界を邪魔することはできない。俺が見ているのは、爆煙の向こうで必死に撤退する女士官の、その『服の下の主張』だ。
「これは……これは規律だッ! いや、規律を超えた『覚悟』だッ! 連邦が白パンツの安寧に甘んじている間に、ジオンはここまで攻めた柄を……ッ! みるみるー! もう一枚、もう一枚見せてくれェーッ!」
連邦軍がただ『清潔であればよい』と白の平和に眠っている間に、ジオンは『パンツ』という名の第二の装甲を完成させていた。俺は震える手でゴーグルの倍率を上げた。
「大尉ッ、ジオンのミサイルが! 撤退してくださいッ!」ジャマイカンが叫ぶ。だが俺は動かない。今この瞬間、俺は歴史の分岐点を見ているのだ。ジオンの敗因は資源の枯渇でも戦術のミスでもない。『しましま』に走りすぎて、量産的なまとまりを失ったこと――いや、そんなことはどうでもいい。しましま最高ッ!
「……皮肉なものだな。ジオン。貴様らの美しすぎる『しましま』が、俺の鼻血を止まらなくさせるのだッ」
白衣の天使のような白を持つ連邦と、貴族のような大胆な柄を持つジオン。両者の血を吸ったオデッサの鉄の香りが、俺の鼻腔を突く。
「……決めたぞ。俺がティターンズを作る時には、ジオンの攻めた柄と、連邦の絶対的な管理体制を融合させる。全人類のパンツを、俺のゴーグルひとつで統べる時代を、必ず創り出してやるッ!」
「ジャマイカン、報告だッ! 今すぐ最新のパンツ……いや、繊維サンプルを戦場から回収しろッ! 一枚の端切れも残すなァーッ!」
だが、俺のゴーグルはこの時、しましまに気を取られて重大な異変を見落としていた。次に俺を待ち受けていたのは、極寒の宇宙。真空という名の地獄で、ジオンの女たちは、想像を絶する『あったかパンツ』を隠し持っていたのである――ッ!