機動戦士ガンダム まじかる☆バスク・オムくん 〜俺のゴーグルは全てを『みるみるー』している〜   作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった

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第4話 ソロモンの残光、あったかパンツの衝撃

宇宙世紀0079年12月24日。チェンバロ作戦。地球連邦軍が総力を挙げて挑んだ宇宙要塞ソロモン攻略戦は、連邦の秘密兵器『ソーラ・システム』の放つ圧倒的な熱線によって、その勝敗を決していた。俺バスク・オム大尉は、戦艦マゼランのブリッジでゴーグルの出力を全開(フル・スペック)まで引き上げていた。

 

真空の宇宙を焦がすソーラ・システムの閃光。それは要塞ソロモンの岩盤を焼く死の光だ。だが、その熱線の向こう側、撤退するチベ級重巡洋艦の窓越しに、俺は思わず唱えていた。

 

「みるみるーッ!!」

 

しゅるるるっ。逃げ惑うジオン女士官の軍服が透け、現れたのは――極寒の宇宙でも凍えぬための、もこもこの『あったかパンツ』であった。

 

「ぬはーッ!! あ、あったかそうじゃ〜〜〜っ!!! こんな寒いのに、こんなに分厚くて、それでいて可愛いだとォーッ!!」

 

鼻の奥から、高熱の熱線を浴びたような鼻血――『刻の涙』が噴き出す。公式記録では、ソロモン戦は後に『ソロモンの悪夢』と恐れられるアナベル・ガトーの八面六臂の活躍で、多くのジオン将兵が脱出に成功したとされる。だが、俺が見ていたのはガトーの駆るゲルググではない。逃げ惑う女士官たちの、極寒でも乱れぬ『あったかパンツ』であるッ。

 

「な、なんだこの分厚さはッ! 連邦の防寒着が、ただモコモコしてるだけの前時代の遺物だというのに、ジオンのそれは、あったかいのに可愛いという、二律背反を完璧に成立させておるッ! みるみるー! もっと見せろォーッ!」

 

ブリッジの計器が火花を散らす。「大尉ッ、敵ゲルググが接近しています、迎撃指示を!」ジャマイカンの悲鳴が響くが、俺の意識はあったかパンツに釘付けだ。ガトーが殿を務める間に、彼女たちは震える手で、その宇宙の誇りを穿き直していたのだ。

 

「……皮肉なものだな。ソーラ・システムがソロモンの門を焼き払ったが、俺の心は、あのチベに残された『あったかパンツ』に焼き尽くされたッ」

 

俺は震える手で鼻血を拭い、激しく呼吸を整えた。ジオンにはサイド3という過酷な環境を生き抜く『パンツの美学』がある。一方、連邦はどうだ。ジャブローの湿気に甘え、白の優しさに溺れ、危機感のない白を垂れ流している。このままでは、たとえ戦争に勝っても、人類のパンツは腐敗し続ける。

 

「ジャマイカン。ガトーとかいう男の戦歴はどうでもいい。今すぐ、撃沈したジオン艦艇の残骸から『あったかパンツの破片』を可能な限り回収しろッ!」「はぁ……?」「これは命令だッ! これからの連邦が必要とするのは、この『凍てつく宇宙で可愛くあったかい知恵』を完全管理する力なのだッ!」

 

ソロモンに散った数多の命。その影で、バスク・オムのゴーグルは、次なる戦場――最終決戦地ア・バオア・クーへと、より深く、より淫らに焦点を合わせ直していた。だがそこで俺が見たのは、パンツの理想を根底から打ち砕く、あまりに『無秩序』な光景だった――ッ!

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