TS転生人外ロリ、厭世魔法少女の使い魔になる   作:蓋然性生存戦略

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誤字報告有難き幸せ……。
何度確認しても産まれる誤字ってなんでしょうね……。


TS転生人外ロリ、知るも変わらず

あのさぁ、俺思うんだけど。

すっげー気まずい。

 

なんでかって?

任務目標である《ヴェスペルベル》ちゃんを連れて帰ってきたらご主人がおかしくなって、それをみた《ヴェスペルベル》ちゃんが辛そうな顔をしてるからだよ!!

クソがよ!お通夜みてーな地獄の空気だぜ!!

これじゃあ、どれだけ美味いもんを作っても味が分からん。

 

「……」

 

セラフはずっと瞑目してるし、ヴェスちゃんはどうしたらいいか分からなそうだし。

……。

 

あーもうばかばかしい!!

 

なーんでこの俺が仲を取り持たなくちゃいけないんだ。

知るかもう、全員纏めてゲームに引き込んでやる。

おら、コントローラーを握れ!!

一緒にスマ〇ラっぽいゲームやるんだよ!!

ん!んっ!!!!!

 

「エスカ、お願いだからあとに」

「ンッ!!!!!!!」

「……わかったわ」

「ん」

「あ、はい。ご一緒させていただきます」

 

こちとらな!!ここ数日大変やってん!!

任務の関係書類をどうにか片付けて!!

一人分増えたご飯の用意をして!!

ご主人が使い物にならなくなったから掃除洗濯買い物も全部やって!!

俺ぁね、それに文句言うつもりはないですよ!!

誰だって辛いときはあるだろうさ!!

けどな、このおっもい空気が解決しなさそうなのは許せねえ!!

 

ちゃんと話し合えバカタレ!!

 

お前らアレだろ!?

どうせあれだろ!?

俺の知らない過去で何かがあった仲良しペアだろ!?

だったらさっさと再会を喜ばんかい!!

ゲームすっぞ!!俺は下手だけどな!!

良い感じに下手なのでピエロになるにはちょうど良かろう。

 

「……使い魔に気を使われてたら、世話ないわね」

 

コントローラーを握りしめながら、大型液晶に映し出される画面を見て、セラフはそういった。

ヴェスちゃんも席に着いたので、乱闘を開始する。

 

「色々と言いたいことはあるけど、詳しいことは後で聞く」

「はい」

「だからまずは言わせて。おかえり。そしてごめんなさい」

「ただいま戻りました。そして、私もごめんなさい」

 

ふん、それでいいんだそれで。

全く、ヤキモキさせやがって……。

 

「……ところでヴェス」

「なんですか?」

「何となくムカつくからこのクソガキを最初に倒さない?」

「良いですよ」

 

えっ、ちょっと待って。

それは違うくない?ねえ?

ちょっと?ご主人はともかくヴェスちゃん?

おーい、聞いてますかー!!

 

「ま、負けないから……」

「声震えてるわよ」

「……私、下手だもん……」

 

うぅ……この二人が俺より下手であることを祈ろう。

ふぁいと~、お~……。

 

 

 

なお結果は惨敗であった。

 

 

 


 

 

 

とまあ、変な壁は壊したわけですが。

 

「やり方はともかく、感謝しないといけないわね、エスカ」

「うっ……うぅ……」

 

俺はッ、弱いっ!!

普通に数の暴力に負けた!!

いじめだ、いじめだよこんなの……!!

 

「いじけてる……かわいい……」

「どうにも人間臭いのよ、そいつ。それとも、ヴェスみたいに人間から魔人になったのかしらね?」

「そんな事例、私しかいないと思うんですが……」

「ああ、そうだった。それを聞かせて欲しいんだけど。なんで魔人になってるわけ?」

「まあ、はい。それを語るには3年前からになるのですが……」

 

そこから続いた昔話をかいつまむと。

 

馬鹿がご主人を殺そうとした。

それを庇ってヴェスちゃんが死んだ。

ヴェスちゃん死んだけど、死体からチョメチョメして魔人《ヴェスペルベル》が生まれた。

死体をチョメチョメしたのは人間。

今まで実験体として大人しくしていたが、人→魔人ができるなら魔人→人も可能なのでは?というアレが発生。

次元の歪みへの大規模な侵攻作戦が予想される。

ついでに死体も回収しちゃおう!!

流石にヤバいと思ったのでご主人を頼った←今ここ

 

「……まずくない?」

「マズいわね、ええ、本当に。ヴェス。場所は覚えてる?」

「え、あ、はい。でも私の脱走を見て移転している可能性が……」

「地獄の果てまで追いつめて殺す」

 

ご主人がキレた←new

 

こいつぁマズいぜ!!

何を言っても聞かないバーサーカーモードだ!!

 

「私は確かにヴェスの遺体を持ち帰った。それを勝手に?実験に使った?」

 

は?(全ギレ)

もう殺すしかなくなっちゃったよ。

 

「セラフ、いつ行く?私は準備できてる」

「今すぐよ。皆殺しにしてやるわ」

「おっけー。きるぜむおーる」

「ちょっと先輩!?エスカちゃん!?」

 

行くぞオラ、止めるなヴェスちゃん。

害虫を殺したって刑罰には含まれないんだぜ!!

 

「どこの誰だか知らないけどぶち殺す」

「ん、セラフに同意。殺す」

「蛮族じゃないんですから!!しかも相手は国家権力ですよたぶん!!」

「刑事責任なしで解放されたけど、私虐殺前科持ちよ」

「私魔人だし。本来人類の敵だし」

「無敵になるの止めませんか?」

 

まあ、ヴェスちゃんの言うことも一理ある。

あるが……この俺、TS転生人外ロリ、エスカちゃんは賢い。

圧倒的暴力を冷静に扱えるインテリジェンスがある。

つまるところ。

 

「襲ってから証拠揃えて大義名分にすればいい」

「賢いわねエスカ」

「私の敬愛した先輩は蛮族になってしまいました……」

 

そもそもからして、ご主人は公的機関と折り合いが悪い。

まあ前提からして3年前にやらかしたのが公的機関とその手先の魔法少女だってんだから仕方ないネ!!

つまり!!ご主人に伝えたところで使えるコネは無いのだ!!

なので取れる手段は暴力しかない……やはり暴力、暴力は全てを解決する!!

 

 

 

――2Days Later

 

 

 

というわけで潰してきました。

いやね、勝てるわけないんだよね俺たちに。

圧倒的暴力の化身だぜ?主にご主人が。

 

関係各所を火の海に変えてきました。

反省も後悔もしていません。

 

「《エンドロール》……いえ、今はセラフと呼びましょう。色々と言いたいことはあります」

「なに」

「まずは前もって相談してください……!!」

「いやよ」

 

ので、魔法少女を管理する協会の会長とやらに説教?というか嘆願をされている。

せめて一言欲しかったらしい。

なお、違法行為の証拠を山ほど突き付けたので表向きお咎めは無い。

国家権力が腰を上げて壊滅に追い込んでいるらしいので、もう俺たちの出番はない。

一件落着だな!!

 

 

 

とはいかず。

 

 

 

どうやら大規模侵攻作戦自体は行うらしい。

いずれにせよ、作戦を行う予定の地、旧オート禁足地はどうにかしなければならないポイントで、現状維持を《エンドロール》ことご主人セラフに任せていたこともあり、どうにかして終息させたいところらしい。

 

俺たちは独断専行で違法組織を潰してしまったので、無罪ではあるが裏向きはお咎めアリだ。

警察とか専門の組織とかが必死に準備していたモノを横から焼き払ってしまったので、その償いというかなんというか。

 

要するに暴れて来い、というオーダー。

いいぜ、やってやらぁ!!

 

まあそれはそれとして、困ったことに。

《ヴェスペルベル》ことヴェスちゃんの処遇だ。

いやー、ほんとにもめにもめてね。

ヴェスちゃんはとりあえずうちで預かることになったんだけど。

 

「エスカちゃん、ジャンクフードが食べたいです」

「任せて」

「任されないでちょうだい」

 

やっぱりガキが一人増えました。

まあ良いけどね?ご主人も最近は明るいし。

なんならご飯をねだって来るレベルだから大歓迎なんだけど。

 

「……なんで任せっきりなの」

「……私炊事できないのよ」

「……先輩に同じく」

 

このバブちゃん共がァ!!

見た目だけで言えば幼女にお世話されてるおねーさんだぞ!?

情けないとは思わんのかね!?

食器の片付けが出来るだけましだが……食洗器あるし。

 

こいつら俺がいないと生活できないんじゃなかろうか。

俺がしっかりしなければ。

どけ!俺はお兄ちゃんだぞ!!ロリでした。

 

それはそれとして。

 

「そういえばですよ、先輩」

「なに」

「私も使い魔ってことになったじゃないですか」

「そうね」

「魔人を2体も使役してる先輩って、立場的に結構危うくないですか?」

 

などとヴェスちゃんは心配しているが。

杞憂である。

何故なら、俺たちは圧倒的暴力が過ぎるからだ。

ちなみに、脅威度A下位を雑魚扱いしているご主人だが、脅威度A下位は普通に大都市ひとつが機能不全に陥るレベルの強さ、もしくは厄介さを持つ。

そんなのが跳梁跋扈してる禁足地、魔境過ぎる。

 

で、俺もヴェスちゃんも、当然ご主人も、A下位くらいではびくともしない。

なんならA上位でも普通にボコれる。

そんなのをどうこうしようというのが無理なのだ。

お政治は圧倒的お暴力の前では無意味!!

やはり暴力、暴力は全てを解決するっ……!

 

真面目な話、俺たちをどうにかしようとしたら被害がデカすぎるのである。

 

今ある俺たち以外の戦力全てより、俺たちの方が強いらしい。

まあ、3年前とやらでご主人とヴェスちゃんの襲撃に加担した有力者を片端からぶち殺したのもあるらしいが。

 

それもあって、ご主人は絶対的なタブー扱いである。

今更魔人の使い魔が増えたところでタブー扱いはかわりゃしない。

そもそもご主人一人で何とかなるのだから。

 

「というわけだから。分かった?」

「……先輩、何やってるんですか」

「……冷静じゃいられなかったの」

 

相思相愛って感じ。

末永く爆発しな。

じゃ、俺は空気になるから……。

 

『3年前の惨事を踏まえ、戦力を確保するため、プロジェクトを発足』

 

あと、この資料は握り潰しておこうね~~。

念入りにシュレッダーして、と。

 

「エスカ?」

「なんでもない」

 

出会って数か月程度のご主人だけどな、それなりに情が湧いてるわけ。

ワガママ聞いてくれるし、分からない事は聞いたらちゃんと教えてくれるし、ご飯も美味しそうに食べてくれるわけ。

だからまあ、さ。

曇った顔なんか見たくないんだよね、俺は。

後輩といちゃついてニコニコ笑顔になったほうがいいよ。

 

それはそれとして処すときは一緒に処すよ。

使い魔だからね、ずっと一緒だょ……。

 

 

 

そういえば俺の寿命ってどうなってんの?

……問題になった時に考えればいーや!!

 

 

 


 

 

 

「先輩、エスカちゃんに感謝しないとですよ?」

「分かってる……」

 

せっせと家事を遂行しているエスカを尻目に、私たちは話し合っていた。

エスカとどう向き合うかについてだ。

 

彼女は出会った時から人間くさい。

姿かたちが違うだけの人間と言ってもいい。

だが、それはあり得ないのだ。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

その過程の性質上、魔人は基本的に人へ向ける食欲が強い傾向にある。

 

が、ここに例外が二つ。

一つはヴェス。

人の死体から人工的に魔人とされたのであれば、食欲、言ってしまえば偏食傾向が抑えられているのも納得がいく。

 

もう一つは、そう、エスカだ。

彼女は最初から人の食事しか求めない。

自然発生したと思われる魔人であるにもかかわらず、だ。

 

だが、そもそもの話。

前提からしておかしいとしたらどうだろう。

 

エスカは、生まれたての魔人だ。

恐らく人の形を経てからそう時間は経っていない。

 

()()()()()()()()()()()()

何故ならば、エスカを発見した禁足地は()()()()()()()()()()()()()()()()、なおかつ禁足地から出てこないように、()()()()()()()()()()()()からだ。

 

そう、人を多く喰らう土壌など、前提からして存在しない。

この前提を覆すのであれば、それこそ禁足地に何かしらの施設が存在する可能性が浮上する。

 

エスカと出会い、ヴェスが戻って来るまでの四か月。

私はそれまで、全てがどうでもよかったために気にしていなかったが、今は違う。

 

エスカと名付けた使い魔は、不審なところしか見当たらなかった。

冷静になってみると得体のしれない存在過ぎる。

 

とはいえ、それでも私は信頼している。

私を殺すつもりで差し向けられた存在であるのならば、私は既に死んでいるはずだ。

そう、死んでいても、おかしくはない。

 

だから、信頼も信用もしているし、エスカが毎日楽しそうであれば、私もそれで構わない。

娯楽に費やすお金にはルーズでワガママだが、それ以外はしっかりとしたいい子なのだ。

私とヴェスの仲を取り持ったり、家事を率先して行ったり。

 

……これじゃあ、まるで私たちがダメ人間みたいではないか。

無論、任せっきりというわけではない。

ないが……いつの間にか終わっていることも多い。

 

まあ、それだけ尽くしてくれる存在だ。

疑問はある。

だが疑うことはしたくない。

 

だからこそ。

私は今、エスカとどう向き合うべきなのか。

よく分からなくなっていた。

 

「感謝してる。けど、分からないの」

「何がですか?」

「エスカを、どう見ればいいのか」

「どう見れば良いか、ですか?」

「正直、もう魔人としては見れない。魔物として、使い魔として見ることはできない」

「それは……分かります。人としての情緒が、あまりにも育っていますから」

 

私の本能が告げている。

この疑問に、答えを出さないと、何か致命的なことが起きるのだろうと。

いつかきっと、後悔することになると。

理性すらも、それを否定することが、出来ていない。

明確な反論を、行えない。

 

こんな無様な姿を、過去の私が見たらどう思うだろう。

あの日の私は、どんな結論を出すのだろうか。

 

私には、分からなかった。




・魔物
某神喰のアラ〇ミみたいな生態している生物
流石にオラクルな感じに全てを喰らうことは無いが、生物なら何でも取り込みかねない性質がある。
なのでファンタジーお馴染みのモンスターよりも、キメラ感のある存在がほとんど。
なお、ドラゴンは作者が好きなので絶対に出ます。

脅威度A下位がどれくらいの強さかというと、神喰の接触禁忌種一歩手前みたいな感じ。
これ以上はもう禁忌種以上。

余談だが、魔法少女は偏食因子みたいなのを撃ち込まれているわけではない。
が、それはそれとしてなんかこうチョメチョメすれば魔人になったりする。
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