TS転生人外ロリ、厭世魔法少女の使い魔になる   作:蓋然性生存戦略

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すみません、windroseって言う新作サバイバルクラフトが楽しくて執筆が進みません。
海戦楽しいです……!!


TS転生人外ロリ、終末を見る

思えば。

 

俺はご主人の本気というものを、見たことが無かった。

見る機会が無かった、出させることができなかった。

たったそれだけのことだが、俺はご主人の全力を知らない。

 

だから、正直軽く見ていた節はある。

何故、何故ご主人が最強と呼ばれるのか。

その由縁を、俺は軽く見ていた。

 

「《終極天(エンドポイント)星震(アルビスイーラ)》」

 

魔法少女《エンドロール》。

その名が何を示すのか、俺は本当に軽く見ていた。

 

ご主人が腕を振るった。

 

()()()()()()

 

無数の魔人を相手取っていた俺は、突如として揺れた世界に対応できず、飛行していたのに関わらず転倒した。

 

「初手からですか。やっぱり、気合入ってますね」

 

墜落する前にどうにか態勢を整えた俺は、ご主人の方を見た。

なんと姿が違うではないか。

喪服ドレスだった衣装は、禍々しくも整然とした軍服ドレスへと変化しており、手に持つ得物は、今はない。

 

「やはり、やはりお前だけは脅威ね。ただの余波でこの被害。木っ端の魔人は全滅したのだもの。終末の化身、終焉を齎す機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキナ)。お前さえ、お前さえいなければ今頃私は……!!」

「馬鹿ね。世界は常に均衡を象る。お前が産まれて、だから私が産まれた。それだけのこと」

 

そしてその均衡は、常に善を尊ぶ。

 

ご主人はそういって、踏み込んだ。

 

 

 


 

 

 

戦闘開始から一時間。

取り巻きは俺達で順調に処理し、魔王とご主人の戦いも佳境に入った。

相変わらず世界は揺れている。

何回か星が落ちたし、ブラックホールが発生した。

ご主人、ちょっと人間がしていい性能じゃないと思います。

魔王も対抗しているけれど、どう見てもご主人が優勢。

それでもご主人は警戒していたことを考えると、奥の手を何個も持ってるような手合いの可能性が高い。

で、あ、れ、ば。

余計な手出しはしない方がいいだろう。

少なくとも俺は戦いの素人だ。

自分より弱い奴をイジメるくらいしかできない。

なんだこいつ初狩りかよカスだな、とか言わないで欲しい。

俺は素人なんだ……。

 

それはさておき。

 

魔王やけにしぶといな。

もう何度かご主人の攻撃直撃してんのに、ぴんぴんしてやがる。

ご主人も怪訝な顔をしているね。

何かギミックがあると見た。

まさか無限リソース再生とは言うまい。

絶対に何かを消費しているはずだ。

 

「ふふ、終焉そのものは流石に受け続けられないわね」

「いい加減諦めろ。お前に勝ち目はない」

「ええ、ええ。このままではそうでしょうね。だからとっておきを見せてあげましょうか」

 

何を消費しているか。

大したものであればこいつも流石に焦るだろう。

であればこいつにとってはどうでもいいものだ。

 

 

……そういえば、大規模作戦の奴らの話を聞かないな。

 

 

まさかとは思うが。

その答えは、魔王からもたらされた。

 

「っ……!?」

「あーあ、可哀想にねぇ?最強の魔法少女に殺されちゃったわね、魔法少女が」

「お前ッ……!!」

 

おいおい、マジかよ。

どこからか盾にされるために掴まれた魔物、ありゃ魔法少女だ。

魔物にされているが間違いない。

そして、最悪なことに、だ。

 

魔王とパスが繋がっているのが、素人の俺でもわかるくらい、露骨にデザインされていた。

ああ、全く反吐が出るぜ。

 

()()()()()()()()()H()P()()()()とはなァ!!

 

だがしかし。

俺はなぜか今世は殺しに躊躇が無い。

恐らく神様モドキの配慮だろう。

ご主人の動きが僅かに鈍った。

ならカバーするのが使い魔の役目だ。

 

「セラフ!!」

「っ、礼を言うわ!!」

 

迫っていた魔王の剣をパリィ。

あとからカタパルトボーンで飛んできたヴェスちゃんとスイッチ。

ご主人を中衛に、ヴェスちゃんを前衛、俺が後衛の布陣を形作る。

ついでに魔王に攻撃を当てる。

魔物になってしまったのならば仕方がない。

皆殺しが一番早いし、慈悲だろう。

 

「セラフ。動きが鈍るくらいなら私とヴェスに任せて」

「……ナマイキ言ってくれるじゃない。少し驚いただけよ」

 

ご主人も持ち直した。

切替はうまくいったのだろう。

さて、ここからが本番だが。

 

「どれだけストックがあるか分かったもんじゃないわね。奥の手を使うわ。時間を稼いでちょうだい」

「まかせて」

「先輩の頼みとあらば」

 

ご主人のとっておきがくる。

ならば時間も稼ぐのが使い魔の仕事よ!!

 

「ヴェス」

「《森羅晩鐘(シンラバンショウ)》」

 

あの鐘の音が聞こえるか。

聞けい!晩鐘は汝が名を指し示した!!

 

「《神託:撃滅》!!」

 

それにな。

時間を稼ぐのは構わないが、別に倒してしまっても構わんのだろう?

 

「《無限の墓標(アンリミテッド・グレイブ・ワークス)》!!」

 

やってみたかったんだよなー、これ!!

無限の骨の槍に全方位貫かれて死ぬがよい!!

ふははははははは!!

攻撃は最大の防御、全方位からの飽和攻撃こそ活路と見たり!!

 

「えげつな……」

「勝てばよかろうなのだ」

「それはそうですが」

 

そしてヴェスちゃんとのコンボで、俺の攻撃は必中になっている。

《森羅晩鐘》からの《神託:撃滅》は、相手があらゆる一切の回避行動を行うことができなくなる魔法である。

相手の意思に関係はない。

発動されれば避けても当たるだけである。

 

問題は、ヴェスちゃんが鐘を鳴らし続けている間は効果を発揮するが、鐘を鳴らすのをやめると途端に効果が切れる。

鐘を鳴らすのに人の手は不要だが、エネルギーを常に消費するため、俺たち魔人族にとってはかなりの致命傷である。

エネルギー生命体みたいなところあるからな、魔人って。

ガス欠=死である。

え?じゃあ俺は死にかけたのでは?だって?

そうだよ(すっとぼけ)。

 

だがしかし。

事前にご主人ブラッドを補給させてもらった俺にガス欠などあり得ない。

またしても採算度外視の攻撃!!

守りにヴェスちゃんがいる。

俺は攻撃に集中しても良いというわけだぁ!!

 

「ふふ、また首だけにしてあげようかしら、ね!!」

「させませんよ」

 

うっせやろ、あの包囲網を突破してきたんか!?

やはり魔王、怖い。

ヴェスちゃんがいなければ即生首だった。

だって気づいたら目の前で鍔迫り合いだもの。

魔王はレイピア、ヴェスちゃんは双剣。

手数ではヴェスちゃんに軍配が上がるが、リーチと正確性で言えば魔王が有利か。

この神様謹製ボディでなければ見落とすところだった。

 

「一応言っておきますが」

 

お?

 

「白兵戦だけなら、私は先輩よりも強いですよ」

 

え?

じゃあなんすか。

ご主人てもしかして本来は。

 

「……冗談でしょう?」

「この形態は久しぶりね。腕が鈍ってないといいけれど」

 

なんか出てきたー?!

スタ◯ドみたいなメカメカしいなんかが出てきたー?!

 

「お前は私をこう呼んだわね。機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキナ)と。当たりよ。《終末機神(デウス・エスカ・マキナ)》。これが私の最後の切り札。3年前は余裕がなくて出せなかった形態よ」

 

やばい、逃げたい。

全力でこの場から去りたい。

アレはやばい。

正直魔王なんかよりやばい。

そりゃ最強だよ。

最後にあんなものが出てきたら誰だって負ける。

 

「これをやると後で知らない誰かに怒られるんだけど……お前を殺す方が優先度が高いわ。光栄に思いなさい」

「そんな……この時代に許されるはずがない、あり得ない」

「生憎と容認されてるわ」

「まさか、まさかまさかまさか!!なぜ、なぜなの?!神は私の願い星なのに!!」

「多分、神とやらはお前のことが嫌いなんじゃない?」

 

死刑宣告。

ご主人は腕を上から下に振り、それを合図とした。

それは、機械仕掛けの神の裁き。

あらゆる有機生命体を根絶せんとする、最強の人災。

 

俺はヴェスちゃんを盾にした。

だって怖かったんだもん。

ご主人が不器用で優しくていい子だって知っててもアレは怖い。

というか普通にトラウマである。

見ただけで存在を脅かされた気分になったもん。

よく平気だねヴェスちゃん。

 

「《終極天(エンドポイント)明星(ミソロジーメルトダウン)》」

「ふざ、ふざけるな!それは私のものだ、私の星だ!!返せ、返せえええええええええ!!!」

 

光が魔王を包んで、音もなく消し飛ばした。

……こわ!!

俺だからわかる。

カルシウムだけとは言え元素を操れる俺だからわかる。

アレ、それ以上分解できないはずの元素すら分解しやがった!!

ふざけんな、何が起こるか分かったもんじゃねえぞ!!

ヴェスちゃん、ご主人、逃げるぞ今すぐ!!

こんなところに居られるか、俺たちは帰るぞ!!

ホネホネテイルでヴェスちゃんとご主人を引っ掛けて全力飛行。

次元の歪みが崩壊する気配がする。

いっそげ、いっそげ!

みんなで帰るんだ!

なお見捨てた犠牲者には目を瞑るものとする。

だってご主人は警告したからね、しーらね。

 

あとご主人。

そのスタ◯ドしまってくんね?

怖くて仕方ないんだ。

 

 

 


 

 

 

邪悪の根源は滅びた。

完璧な手応えだった。

これで復活したら、私はもう泣く。

泣きながらまた殺すしかない。

二度と蘇るな。

 

犠牲も多かったが、私の忠告を無視したのだから自業自得である。

遺体も残らない完全な消滅にしただけ、尊厳を守ったので感謝してほしいくらいだ。

あとはヴェスを魔人にしてくれやがった組織の根絶をすれば、大まか騒動は終わったと言っていいだろう。

禁足地の根源も潰れ、私は必ずしも必要な人材ではなくなった。

徐々に出番を減らしながら貯金して、社会に出るなり隠居するなりすればいい。

 

正直言って、もう疲れたのだ。

戦いに身を置くのは、腐っていた頃には気付かなかっただけで、とてつもなく消耗する。

今はもう、ヴェスもエスカもいる。

1人ではないのだ。

戦いからは距離を置いて、ゆったりと時間を過ごすべきかもしれない。

尤も、遺族がそれを許すかどうかはまた別の話だが。

だがまあ、エブラナがなんとかするだろう。

信用も信頼もしていないが、協会を建て直した手腕は認めている。

是非とも、その実力を奮ってもらいたいものだ。

 

それはそれとして。

 

最近、エスカに避けられている気がする。

なんというかこう、怯えられているような。

ウロヴォロスを消し飛ばしてから、距離を感じる。

何かしてしまっただろうか。

アレをエスカやヴェスに向ける気はさらさらないのだけど。

とりあえず、エスカを捕まえt

 

「エスカ」

「ひぅ?!」

「ちょ」

 

ーーガシャン!!

 

危ない。

後ろから声をかけたら骨の翼で攻撃された。

周囲にあった小物を巻き込んで、だ。

 

「あっ……ご、ごめんなさい……」

「良いわよ。でも、私何かしちゃったかしら」

「ちが、その……怖くて」

「先日のアレが?」

「……分かってる、セラフがそんなことしないのは分かってるのに……体が言うことを聞いてくれない……」

 

本能的な恐怖。

理性を抑えて動いてしまう本能が、私を拒絶しているのか。

 

「分かったわ。しばらくは不用意に近づかないから、落ち着いてちょうだい」

「ごめん……」

 

さて困った。

うちの家事担当が支障を抱えてしまった。

どうしてくれようか。

よく見れば、エスカの体は震えている。

 

それほど恐ろしいと感じてしまっているのか。

少し、心が痛んだ。




・《終極天》
セラフの固有魔法。
終焉をその身に宿してぶん殴る魔法。
とは言いつつワープしたりもできるのでなんだかんだ応用が効いて便利。
ただし一番得意なのはやはり破壊。
回復だけはどうあってもできない。

・《終末機神》
人が終焉を迎えるのならば、それはきっと人の手によって作り出された神によってだろう。
人は己が傲慢さゆえに滅ぶのだ。
なお変身に時間がかかったのは『え〜、それ使うの〜?できればやめてほしいな〜……速戦即決?まあわかるけどさぁ〜〜』と渋った神モドキがいたせい。
真面目に使って欲しくないので激渋りした。
だって元素すら分解する砲撃無差別に打たれたら本気で世界が終わるもの。

・《森羅晩鐘》
突如として現れるクソデカベルを鳴らして、指令バフみたいなのが発生させ、盤面を有利にするヴェスの固有魔法。
サポーター向き、ただし本体がクソ強い。
ヴェスもご主人も本体の基礎スペックがクソ強いのでバフ効果の乗りがいい。
ただしやはり回復だけはどうあってもできない。

・エスカ
失敗1d10くらいのSANチェックに失敗して正気度8くらい失ったので変調を起こしている。
終末機神のせいで死の恐怖という概念を叩きつけられたのでセラフを本能的に避けている。
理性はいつも通り過ごしたいと思っている。
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