ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVSゴーストコンサート : missing Songs ユニバースライダー大戦   作:ボルメテウスさん

104 / 104
狼の咆哮

竜儀が邪悪ゴジュウティラノを倒したのを視界の端で確認し、俺はサウザーに向き直った。

 

「さあ、後はてめえだけだ」

 

サウザーは、壁の穴の向こうで、まだ余裕の表情を浮かべていた。いや、仮面の下の顔は見えないが、その立ち姿から漂う雰囲気が、まだ諦めていないことを物語っている。

 

「面白い。では、これならどうだ」

 

サウザーが、サウザンドジャッカーを再び地面に突き立てた。瞬間、黒い怨霊の靄が噴き出し、破壊された店内の瓦礫という瓦礫が、一斉に浮き上がる。テーブルの破片、椅子の残骸、割れた皿、厨房から飛び出した包丁や中華鍋。それらすべてが、俺目がけて殺到した。

 

「さっきと同じ手が通用すると思うなよ」

 

俺は、オルカブースター5050を正面に構えた。トリガーを引く。金色の銃口から、蒼いエネルギー弾が放たれ、迫り来る瓦礫の群れを次々と粉砕していく。一発、また一発。シャチの咆哮のような発射音が、店内にこだまする。

 

「オルカブースト!」

 

俺は、オルカブースター5050の出力を高める。長押し操作で武器内部のエネルギーが活性化し、通常射撃の威力と速度が格段に跳ね上がった。蒼いビームが、瓦礫の雨をまとめて蒸発させる。

 

「なに…!?」

 

サウザーが、動揺の声を上げた。奴の支配下にある物体が、俺の射撃で次々と無力化されていく。このオルカブースター5050は、ただの銃じゃねえ。歴代戦隊や仲間の力を射撃に加えられる、俺の切り札だ。

 

「次はこっちから行くぜ」

 

俺は、地面を蹴ってサウザーに急接近した。奴はとっさにサウザンドジャッカーを構え、俺を迎え撃とうとする。槍の穂先が、鋭く突き出された。

 

だが、俺はそれをオルカブースター5050で弾き飛ばした。銃を盾代わりに使い、槍の連続突きをすべて受け流す。そして、奴の懐に潛り込むと、オルカブースター5050の銃口を至近距離でサウザンドジャッカーに押し当てた。

 

「その武器、封じさせてもらうぜ!」

 

トリガーを引く。ゼロ距離からの蒼いエネルギー弾が、サウザンドジャッカーの穂先を粉砕した。槍の先端が爆発し、怨霊の靄が散り散りに霧散する。

 

「ぐっ…!」

 

サウザーが、武器を失って後退した。これで、奴の周囲の物を操る能力も、槍による攻撃も封じた。残るは、奴自身だけだ。

 

俺は、サウザーから距離を取り、オルカブースター5050を大きく振りかぶった。トリガーを操作し、撃鉄を起こす。

 

『オルカブーステッドノヴァ!』

 

オルカブースター5050が、必殺技の音声を響かせる。瞬間、俺の周囲に蒼い水が溢れ出した。それは、シャチの力が生み出す幻の海。水は渦を巻き、サウザーを中心に巨大な渦潮を発生させる。

 

「な、なんだこれは…!」

 

サウザーが、もがきながら叫ぶ。だが、渦潮は奴の巨体を雁字搦めに拘束し、身動き一つ取れなくしていた。

 

「これで終わりだ」

 

俺は、オルカブースター5050をサウザーに向けて構え、最後のトリガーを引いた。

 

砲身から、出航音を思わせる轟音と共に、蒼い超高出力の砲撃が放たれる。それは、シャチの形をした巨大なエネルギー弾となり、渦潮ごとサウザーを飲み込んだ。

 

「ぐあああっ!」

 

サウザーの断末魔の叫びが、店内にこだまする。蒼い光が炸裂し、奴の装甲が粉々に砕け散った。変身が解除され、元の男の姿に戻った彼は、床に倒れ込む。

 

「はあ…はあ…」

 

俺は、オルカブースター5050を下ろし、荒い息を整えた。渦潮の水は消え、店内には静寂が戻っている。

 

「終わったか…」

 

だが、その時だった。倒れた男の身体から、黒い靄が立ち昇り始めたのだ。それは、サウザーに取り憑いていた怨霊。ライドウォッチの力ではなく、もっと別の、もっと古い、もっと邪悪な何か。

 

靄は、ゆっくりと人の形を取り始めた。中華風の衣装を纏った、長い髭を蓄えた謎の男の姿。その目は、赤く発光し、俺たちをじっと見つめている。

 

「これは…!」

 

芹亜が、息を呑んだ。彼女の瞳の奥で、金色の光が警戒するように輝いている。

 

「あの怨霊、まだ生きてたのか…!」

 

俺は、再びオルカブースター5050を構えた。だが、中華風の怨霊は、俺たちに向かって不気味に笑いかけると、そのまま霧のように消え去った。後に残されたのは、気を失った男と、砕け散ったサウザンドジャッカーの残骸だけだ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

Fate/Last Snow Grail(作者:ボルメテウスさん)(原作:Fate/)

願いとは、呪いである。▼北海道の古い倉庫で住み込みの仕事をしていた青年、遠野吠は、ある夜、人ならざる怪物に襲われる。▼逃げ込んだ廃屋。▼雪と闇に沈むその場所で、吠は生きた魔法陣を見つけ、己でも理解できぬまま英霊召喚の呪文を口にする。▼現れたのは、新選組一番隊隊長、沖田総司。▼願いを持てない青年と、帰る場所を失った剣士。▼逸れ物の2人は、北海道の地で始まった亜…


総合評価:15/評価:-.--/連載:14話/更新日時:2026年07月26日(日) 02:00 小説情報

戦姫絶唱シンフォギア~光の絆~(作者:@a.s)(原作:戦姫絶唱シンフォギア)

突然見知らぬ部屋で目覚めた主人公、記憶はあるが記憶に当てはまらない姿や名前をしていて驚く。夢だろうと思い寝てみると今度はよく知っている遺跡に辿り着く。▼そこでウルトラマンネクサスにこの世界を救って欲しいと頼まれる。了承したところでネクサスからこの世界は戦姫絶唱シンフォギアの世界であることが伝えられた。▼一般人に厳しい世界で、適能者となった男がノイズやスペース…


総合評価:354/評価:8.29/連載:58話/更新日時:2026年07月23日(木) 16:38 小説情報

ハイスクールD×Z(作者:攻月レイド)(原作:ハイスクールD×D)

ゼッツ.......それは夢を叶える力▼ゼッツ.......それは悪夢を叶える力▼ゼッツ........それは守る力▼ゼッツ........それは壊す力


総合評価:265/評価:7.83/連載:16話/更新日時:2026年07月09日(木) 10:00 小説情報

夢想は甘き鎧となる~ダンジョン世界でおカシな仮面ライダー!?~(作者:妄想めっちゃ代理人)(原作:仮面ライダー)

一人のライダー好きがダンジョンのある日本に落ちてしまう話▼ライダーがファンタジーで活躍するのが読みたかったので作って貰いました▼作:俺の妄想を形にしてくれたAI様▼校正と編集:自分▼です。AIとインターネットの集合知へ感謝を捧げます▼07/13追記:ちょっとだけタイトル変えました


総合評価:1024/評価:8.88/連載:21話/更新日時:2026年07月25日(土) 01:19 小説情報

守護者はヒーローになれるか?(作者:ボルメテウスさん)(原作:仮面ライダービルド)

天才物理学者・葛城巧が密かに造り出した、試作型ガーディアン。▼本来ならば、ビルドシステムの耐久実験に使われるだけの機械兵だった。だが、ネビュラガスの影響により、そのガーディアンは意思を宿す。感情を知り、言葉を覚え、やがて自らを「ビリー」と名乗った。▼葛城巧にとって、ビリーは最高傑作であり、ただの実験機ではなかった。▼共に戦い、共に研究を重ね、背中を預けるうち…


総合評価:30/評価:-.--/連載:9話/更新日時:2026年07月25日(土) 01:15 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>