ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVSゴーストコンサート : missing Songs ユニバースライダー大戦 作:ボルメテウスさん
「見たまえ! これが歴史の重みだ!」
ルパンの動きは、狂気じみているというよりは、むしろ舞踏会で踊っているかのように優雅だった。右手のルパンガンナーから放たれるエネルギー弾が俺たちの足元を砕き、左手の義経の刀からは黒い霧のような斬撃が襲いかかる。歴史の影を吸い取られたその刀は、ただの鉄片じゃねえ。俺たちが追ってきた霊的な気配そのものを纏っている。
「くそっ、素人とは思えねえ動きだな!」
俺はテガソードで斬撃を受け流す。金属音が境内に響き渡るたびに、俺の腕に痺れが走る。重い。物理的な重さじゃねえ。六百年の怨念みたいなもんが、刀身から滲み出ているんだ。
「英雄の力を手にしたのだ! この程度の戦いなど、赤子の遊びよ!」
ルパンはハイテンションで叫びながら、義経の刀で俺を薙ぎ払おうとした。
「吠! 下がって!」
角乃が割って入る。彼女の手にはユニコーンの指輪が光り、テガソードが白銀の輝きを放つ。
「ハイクラス&ラグジュアリーな剣技、見せてあげるわ!」
角乃は鋭い突きを放ち、ルパンの隙を突こうとする。だが、ルパンは刀でそれを受け流し、ルパンガンナーで牽制してくる。銃口から放たれた光弾が、角乃の頬を掠め、金色の髪を揺らす。
「ちっ、思ったより手強いわね…!」
「当たり前だ! 私は英雄なのだから!」
その時、背後から銃声が響いた。
『ルナ!トリガー!』
Wがトリガーマグナムを構えている。緑と黒のボディから放たれる光弾が、不規則な軌道を描きながらルパンのマントを掠めた。変則的な弾道だ。ルパンは慌てて身を翻す。
「邪魔をするな!」
ルパンは苛立たしげに銃撃を返すが、Wは風のような動きでかわす。サイクロンジョーカーの高速機動力は伊達じゃねえ。だが、一人で二人分の能力を使っているせいか、動きに時折、微妙なズレが生じているように見えた。
「あなたのやっていることは英雄じゃない! 歴史を弄ぶ泥棒です!」
「黙れ! 偉人たちの力は、私が正しく使うのだ!」
ルパンは再び義経の刀を振るった。黒い霧が波のように押し寄せてくる。
「瑠衣! 行くぞ!」
俺は叫び、テガソードを構え直した。
「うん」
瑠衣の背後から、虎の剥製が飛び出す。縫蘇霊獣がルパンの足元に噛みつき、動きを封じようとする。
「今だ!」
俺と角乃が同時に踏み込んだ。
「うおおおっ!」
「受けなさい!」
二本のテガソードが、ルパンのボディを挟み撃ちにする。だが、ルパンは笑っていた。
「遅い!」
ルパンは義経の刀を横に薙ぎ払った。衝撃波が俺たちを弾き飛ばす。
「ぐっ…!」
「きゃっ!」
俺と角乃が石段へ転がる。Wがすぐに援護射撃を行うが、ルパンはそれを刀で弾き返した。黒い霧が弾丸を飲み込んでいく。
「見たか! これが英雄の力だ!」
ルパンの狂気じみた笑い声が響く。
「義経の刀と私の銃、これらが合わされば無敵なのだ!」
俺は舌打ちした。こいつの言う通り、今のままではジリ貧だ。義経の刀による霊的な干渉が厄介すぎる。ただの物理攻撃じゃ、あの黒い霧を切り裂けねえ。
「どうするのよ、犬!」
「犬じゃねえって言ってんだろ!」
俺は立ち上がり、テガソードを握りしめた。
「あいつの刀は厄介だが、動きは単調だ。足元を狙うぞ!」
「わかったわよ! 瑠衣ちゃん、杏子ちゃん、聞いたわね!」
「うん!」
「はい!」
四人の連携が始まろうとしていた。だが、ルパンは余裕綽々で銃口をこちらに向けている。
「さあ、次はどの歴史を作るのかね? 私の勝利の歴史か、それとも……」
「チッ、ジリ貧だ!」
俺は石段から立ち上がり、ポケットの中の異物を握りしめた。
俺が取り出したのは、赤と銀の意匠が刻まれたウォッチだった。スーパー1。
「おい、角乃! てめえも持ってんだろ、あの時計!」
「あんた、まさか…! ふふっ、わかってるじゃない!」
角乃もまた手にする。
「エンゲージ!」
俺たちは同時に叫び、テガソードへウォッチを装填した。
『ライダーリング! スーパー1!』
『ライダーリング! ガッチャード!』
テガソードが激しく振動し、二人分の変身エネルギーが爆発的に噴き出す。
「うおおおおっ!」
俺の視界が赤く染まる。全身に走る衝撃は、クローズの時の熱さとは違う。研ぎ澄まされた格闘技の痛みが、筋肉の一つ一つに刻み込まれていく。右足から旋風が巻き上がり、赤と銀の装甲が脚部を包み込む。胸には赤いラインが走り、両手には五本のスパイクが埋め込まれた赤いグローブ――スーパーハンドが装着される。最後に、背中からスカイジェットの翼が展開し、俺は宙に浮いた。
仮面ライダースーパー1。そして、その横で。
「ハイクラスな錬金術、見せてあげるわよ!」
仮面ライダーガッチャード。
ルパンが驚愕の声を上げる。無理もねえ。戦隊の剣でライダーに変身するなんて、正規の運用じゃありえねえからな。だが、この状況で正規の手順を踏んでる暇なんざねえんだよ。
「驚いてる暇はねえぞ、英雄ごっこのお坊ちゃん!」
俺はスカイジェットの推力を全開にし、ルパンへ急降下した。スーパーハンドを固く握り、空中でボクシングの構えを取る。
「てめえの其の刀、いただきだあっ!」
赤い残像を引きずりながら、俺はルパンの義経の刀に拳を叩き込んだ。スーパー1の超重力パワーが、黒い霧ごと刀身を弾き飛ばす。
「ぐあっ!」
ルパンが体勢を崩す。そこへ、角乃が滑り込んできた。
「攻撃・錬成!」
ガッチャードがクロッソードを振るうと、刃が虹色に輝き、ルパンのルパンガンナーから放たれたエネルギー弾を切り裂いていく。
「私の射撃を!?」
「なんでもありでしょ? これが錬金術よ!」
角乃は流れるような動きでクロッソードを操り、ルパンの懐へ斬り込む。
「杏子! 瑠衣! 今だ!」
俺は叫びながら、ルパンの顔面に左のストレートを叩き込んだ。スパイクが効き、ルパンが後退する。
「やります!」
Wが再びトリガーマグナムを構え、瑠衣の縫蘇霊獣がルパンの足元に噛み付く。
「義経の刀、返してもらうぜ!」
俺はスカイジェットで高度を取り、再び急降下の姿勢に入った。赤い彗星となって、英雄気取りの怪盗へ突き落とす。
「これが、俺の流儀だあっ!」