ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVSゴーストコンサート : missing Songs ユニバースライダー大戦 作:ボルメテウスさん
「ギギギギギ……」
耳障りな音がしたかと思うと、俺たちの目の前で動き出したのは、腐りかけたメリーゴーランドの木馬だった。
本来なら足がなくて動くはずもねえ木製の馬が、関節なんてねえのにギチギチと脚を曲げ、闇の中から飛び出してきたのだ。その目玉には白濁したガラス玉が埋まっていて、口からは黒い涎みたいな霊気が滴り落ちている。
「うわあああっ!」
芹亜が悲鳴を上げ、俺の背中に飛び込んできた。
「うおっ!」
俺は押し倒されそうになりながらも、すぐにテガソードにセンタイリングを装填する。
「来るぞ!」
木馬だけじゃねえ。錆びたジェットコースターのレールからも、崩れかけたお化け屋敷の扉からも、黒い影がじわりと滲み出してきやがる。こいつら、ただの怨念じゃねえ。この廃遊園地自体が持ってる「負」の記憶が実体化したみてえだ。
「チッ、こんな夜中に娯楽に付き合ってる暇はねえんだよ!」
俺はテガソードを抜き放った。金色の手のひらの剣が、闇の中で鈍く光る。
「エンゲージ!」
叫ぶと同時に、センタイリングを装填する。
『クラップユアハンズ! ゴジュウウルフ!』
獣の本能が全身を駆け抜ける。骨が軋み、筋肉が膨れ上がり、視界が鋭くなる。狼の装甲が俺を包み込み、荒々しい気迫が肺を満たした。
名乗りを上げる間もなく、先頭の木馬が俺に向かって突っ込んでくる。
「遅えんだよ!」
俺は低く身を沈め、テガソードを横に薙いだ。
ドガッ!
鈍い音と共に、木馬の胴体を真っ二つにする。腐った木材と黒い霧が爆散し、俺の頬をかすめる。
「次!」
右から迫る影――壊れたピエロの像。そいつが歪んだ笑みを浮かべながら鎌のような手を振り下ろしてくる。俺は一歩踏み込み、テガソードの腹で受け止めると、そのまま押し込んでピエロの腹を貫いた。
「がらくたは大人しく鉄屑になってろ!」
引き抜きざまに蹴り飛ばす。ピエロは黒い霧となって消え失せた。
だが、まだ足りねえ。闇からわらわらと湧き出てくる影は、きりがない。
「吠さん! 上!」
芹亜が叫ぶ。
見上げると、観覧車のゴンドラから何かが飛び降りてきた。コートを着た男の影。いや、ただの影だ。そいつが空中で鋭い爪を光らせている。
「チッ、飛び道具まで使いやがるのかよ!」
俺はテガソードを上段に構え、跳躍した。獣のように地面を蹴り、空中で影と交錯する。
「うおおおおっ!」
渾身の一撃。テガソードが影を縦に両断する。悲鳴のような風切り音が響き、影は霧散した。
着地すると同時に、左右から新たな影が迫る。まるで捨てられた遊具たちの無念が、俺たちを道連れにしようとしているみたいだ。
「芹亜、凛空! 下がってろ!」
俺は二人を背に庇い、テガソードを構え直した。荒い息遣いが口から
俺は再び地を蹴り、影の群れへと飛び込んだ。テガソードが唸りを上げ、その刃が闇を切り裂く。一振りごとに黒い霧が舞い、静寂だった廃遊園地に金属音と影の悲鳴が響き渡る。