ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVSゴーストコンサート : missing Songs ユニバースライダー大戦 作:ボルメテウスさん
俺と角乃は同時に踏み込んだ。
エターナルの白い光が迫る。あれはエターナルの力だ。T2メモリじゃねえ。隼人自身の力。白と銀の光が渦を巻き、周囲の空気を歪めている。
(あれを受けたらただじゃ済まねえ)
本能が告げる。俺は左に、角乃は右に散った。白い光が俺たちの間を通過する。地面が消し飛ぶ。アスファルトが蒸発するみたいに消える。
「まずいな」
俺は呟いた。エターナルの光は触れたものを消す。防御じゃ防げねえ。
「吠、盾!」
角乃の声が飛んだ。
角乃の左手に盾が現れる。ビッカーシールドだ。虹色に輝く盾。エターナルの光を受け止める。
ゴォォン!
重い衝撃音が響く。角乃の身体が後方へ押し出される。靴底がアスファルトを削る。だが盾は光を弾いた。ビッカーシールドがエターナルの光を防いでいる。
「今!」
角乃が叫ぶ。
俺は応えた。側面から。オルカブースター5050の銃口をエターナルに向ける。奴は角乃に集中している。光を押し出している。側面が空いている。
ドォン!
赤い砲撃が放たれた。エターナルの脇腹を直撃する。
「ぐっ…!」
隼人が呻く。光が揺らぐ。その隙に角乃が盾を押し返す。エターナルの光が弾かれる。
「退避先から離すぞ!」
俺は叫んだ。二人で挟み込むように動く。俺が右から砲撃し、角乃が左から盾で押す。エターナルを建物から遠ざける。避難経路から引き離す。
隼人はそれに気づいた。目が動く。背後の建物を見る。標的が逃げた方角を確認しようとしている。
「させるか」
俺はテガソードを振るった。上段からの一撃。エターナルはエターナルエッジで受ける。白銀の剣が金色の刃を受け止める。金属音が駐車場に響く。
(重い…!)
エターナルエッジが重い。単なる剣じゃねえ。T2メモリの力が込められている。受け止められた俺の腕が震える。
「くっ…!」
押し込まれる。だが引かねえ。両足で踏ん張る。オルカブースター5050を左手で構え、エターナルの腹部に押し当てた。
「離れろ!」
零距離砲撃。ドォン! 赤い光弾がメタルの装甲を直撃する。衝撃でエターナルが後退る。その隙に俺も距離を取る。
「吠!」
角乃の声だ。
「メモリの切り替えが見えた。ヒートからメタルへ。右手でメモリを交換する時、必ず左半身が空く」
「わかった」
俺は頷いた。角乃は分析していたんだ。戦いながら。メモリの切り替え動作を。隙を見つけていた。
エターナルが動く。メモリを交換する。右手が動いた。
「右!」
角乃の合図。
俺は右側面から踏み込んだ。エターナルの左半身が空いている。テガソードを突き出す。エターナルエッジで防ごうとするが遅い。刃が左肩を掠める。
「ぐっ…!」
隼人が体勢を崩す。
角乃が動いた。その手にプリズムソードが現れる。虹色に輝く剣だ。ビッカーシールドと対になる武器。
「解析完了」
角乃が呟く。冷静な声だ。
「あんたのメモリ、切り替えるたびに一瞬だけ力が落ちる。その一瞬を突く」
プリズムソードがエターナルに当てられた。虹色の光がエターナルの身体を包む。T2メモリの力を解析する光だ。
「! なにを…!」
隼人の声が焦った。
プリズムソードの光がエターナルのメモリに干渉する。メタルの力が揺らぐ。ヒートの力が弱まる。エターナルの力そのものが不安定になる。
「今だ、吠!」
角乃の叫び。
俺はオルカブースター5050の撃鉄を引いた。チャージ音が響く。掌の中で赤い光が凝縮されていく。
(行くぞ!)
エターナルが反撃に出た。残った力を振り絞る。白い光を集中させる。エターナルエッジを構えて突っ込んでくる。
「させるか!」
角乃が盾で受けた。
ゴォォン!
ビッカーシールドとエターナルエッジが激突する。角乃の身体が押し込まれる。だが盾は離さねえ。
「吠! 今!」
角乃の声。
俺は引き金を引いた。
『オルカブーステッドノヴァ!』
オルカブースター5050が吼えた。赤い光が銃口から噴き出す。奔流だ。赤い光の奔流が一直線に伸びる。
角乃はそれを待っていた。
エターナルと鍔迫り合いをしていた角乃が、射線の脇へ跳んだ。盾を引き身体を横へ流す。
赤い光線が角乃の横を通り過ぎる。
角乃はプリズムソードを振り上げた。
赤い光線の軌道に、虹色の刀身を重ねる。
「はああっ!」
角乃の踏み込みと俺の射撃が重なった。
虹色の剣に赤い砲撃の光が纏わりつく。巨大な光の刃となる。赤と虹色の光が螺旋を描きながらエターナルへ迫る。
「なっ…!」
隼人が防御しようとする。エターナルエッジを構える。白い光を前面に押し出す。
だが間に合わねえ。
光の刃がエターナルの防御を砕く。
エターナルエッジが弾かれる。白銀の剣が宙を舞う。
光の刃がエターナルの身体を直撃した。
ドゴォォォン!
爆発が起きた。白い光が弾ける。エターナルの装甲が砕け散る。白いコートが引き裂かれる。
隼人の身体が後方へ弾き飛ばされる。地面を転がり駐車場の端で止まる。
変身が解除されていく。
エターナルの装甲が光の粒子となって剥がれ落ちる。左隼人の素顔が現れる。泥に汚れ血を流している。だが生きている。
俺は着地した。オルカブースター5050を下ろす。銃身が熱い。掌が焼けるみたいだ。だが構わねえ。
角乃も着地した。プリズムソードを下ろしビッカーシールドを収める。
「終わったわね」
「ああ」
俺は短く答えた。
隼人は倒れている。動けないみたいだ。だが息はある。胸が動いている。
俺は歩いた。ゆっくりと隼人に近づく。
隼人が俺を見た。泥に塗れた顔でそれでも目は生きている。
「殺せ」
隼人が言った。
「好きにしろ」
俺は隼人の前に立った。
「殺さねえよ」
俺は言った。
「殺したところで何も変わらねえ」
「ならどうする」
隼人の声は掠れている。だが芯がある。
「法で裁く」
俺は言った。「あんたの言い分も聞く。被害者の声も聞く。その上で裁く」
「法は…」
「法は完璧じゃねえ」
俺は遮った。「だが法を無視した正義も完璧じゃねえ。あんたはそれを証明しただけだ」
隼人は答えなかった。
ただ静かに俺を見上げている。
その時だ。
隼人の腰にあったジクウドライバーが光った。
白い光だ。ライドウォッチが外れ、光の粒子となって浮かび上がる。
『エターナル』
音声が響いた。
光が凝縮し形を変える。
リングだ。
白銀のリング。表面にエターナルの紋章が刻まれている。
リングはふわりと浮かび俺の手元へ落ちてきた。
俺は受け取った。掌の中のリングを見つめる。