ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVSゴーストコンサート : missing Songs ユニバースライダー大戦   作:ボルメテウスさん

182 / 182
青の獣達

「それじゃ、始めるとしようか」

 

『レオンバスター!50!』

 

陸王の呟きと共に手元には愛用の銃であるレオンバスター50が現れ、引き金が引かれる。

 

数で押してくる無数の敵へと放たれる青いエネルギー弾の嵐は、敵への攻撃に確かに有効だった。光の奔流が先頭の怨霊たちを飲み込み、灰色の身体が次々と崩れていく。だが怨霊は止まらない。倒れた者が消える前に、後ろから新しい怨霊が這い出してくる。まるで波みたいだ。引いては押し寄せる。終わりが見えない。

 

「きりがないねえ」

 

陸王は笑みを浮かべたまま呟いた。楽しんでいるわけじゃない。むしろ逆だ。笑っていないとやってられない。そういう種類の笑みだ。

 

その陸王の攻撃に合わせるように、十牙も既に跳び出していた。

 

『ショットライザー!』

 

鳴り響く音声と共に十牙の手には銃ショットライザーがあった。白と青の装甲に包まれた腕が、正確な軌道で銃口を向ける。

 

「っ」

 

その一撃は怨霊を確かに撃ち抜いた。

 

青い光弾が一直線に伸び、三体の怨霊の胸を同時に貫く。三体が崩れ落ちる。十牙は着地と同時に次の獲物へ狙いを移していた。

 

「へぇ、僕をバックダンサーにさせるとは、贅沢だね」

 

陸王は飄々と呟きながらも笑みを浮かべ、攻撃の手を緩めない。レオンバスター50のガトリングが唸りを上げ、青い弾幕が広場を薙ぎ払う。怨霊の群れが次々と倒れる。

 

「バックダンサー?」

 

十牙が振り返らずに応えた。ショットライザーの引き金を引きながら。

 

「君はセンターだろ。アイドルなら」

 

「おや、わかってるねえ」

 

陸王の笑みがほんの少しだけ深くなった。計算じゃない。自然と出た笑みだ。

 

怨霊の軍勢は数こそ多いが個々の力は強くない。一体一体は弱い。だが数で押す。物量で潰そうとしている。教会を囲むように広がり、じわじわと包囲の輪を狭めている。

 

「十牙、数が多すぎる。このままじゃ押し込まれる」

 

「わかってる」

 

十牙はショットライザーを構え直した。青い複眼が周囲を確認する。怨霊の配置を読んでいる。

 

「正面から潰すより、数を減らす方が先だ」

 

「どうする」

 

「俺が前に出る。君は援護を」

 

「了解」

 

陸王はレオンバスター50を構え直した。十牙が跳ぶ。白と青の装甲が宙を舞い、怨霊の群れの中へ突っ込む。ショットライザーを連射しながら、突き進む。銃弾が道を作る。道ができたところへ、陸王が弾幕を張る。青い光が左右に散り、十牙の進路を塞ごうとする怨霊を撃ち抜く。

 

(連携が取れる)

 

陸王は思った。十牙は戦い慣れている。指示を待たない。自分で判断して動く。しかも僕の攻撃のタイミングを読んでいる。この人、ただのゴーストじゃない。

 

十牙が怨霊の一団を蹴散らした。ショットライザーを一振りし、銃身で近づく怨霊の首を打ち払う。白と青の装甲が薄暗い広場で光を反射する。狼の耳がついたヘルメットが夕暮れの空を仰ぐ。

 

「数は減ったが…」

 

十牙が呟いた。息が微かに乱れている。

 

「まだ半分も減ってないな」

 

陸王も息を整えながら応えた。レオンバスター50の銃身が熱い。連射しすぎた。

 

「でも、こっちのペースにはなってきた」

 

「そうだね」

 

十牙は頷いた。その時だ。

 

広場の奥、怨霊の群れの最後方で何かが動いた。

 

黒い影だ。怨霊とは違う。もっと大きくて、もっと濃い。闇そのものが形を持ったような影。それがゆっくりと前に進み出る。

 

陸王の笑みが一瞬だけ固まった。

 

「…なんだ、あれ」

 

十牙も気づいた。ショットライザーを構えたまま、動きを止める。

 

「怨霊の親玉か。それとも」

 

「わからない。でも」

 

黒い影が口を開けた。裂けた口から低い唸りが漏れる。地面が震える。空気が重くなる。

 

怨霊たちが一斉に振り返った。黒い影の方へ。まるで命令を待つみたいに。

 

「十牙」

 

「ああ」

 

黒い影が腕を振り上げた。

 

怨霊たちが一斉に動き出した。今までとは違う。統率された動きだ。個別に襲いかかっていたのが、隊列を組んで進み始めた。

 

「まずいな」

 

陸王が呟いた。

 

「指揮官が出てきたか」

 

十牙の声が低い。

 

黒い影が腕を振り下ろす。怨霊の軍勢が雪崩のように押し寄せる。

 

数はまだ半分以上残っている。統率された動きで、確実に包囲を狭めてくる。

 

教会の中から、ゴーストたちの悲鳴が聞こえた。

 

陸王はレオンバスター50を握り直した。

 

「ここは通さないよ」

 

笑みは消えていない。だがその目は真剣だ。

 

十牙が隣に並ぶ。

 

「行こう」

 

二人の戦士が、押し寄せる怨霊の波に向かって駆け出した。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。