ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVSゴーストコンサート : missing Songs ユニバースライダー大戦 作:ボルメテウスさん
怨霊の攻撃は止まらなかった。
十牙が蹴散らしてもその隙間から新しい怨霊が這い出してくる。黒い影が腕を振るたびに隊列が変わり、統率された波となって押し寄せる。
陸王はレオンバスター50を撃ち続けた。ガトリングが唸る。青い弾幕が怨霊の列を薙ぎ払う。だが弾幕が途切れた瞬間、また怨霊が詰め寄る。
(まずい)
焦りが胸の内側で渦巻いた。数が多すぎる。十牙一人では前線を支えきれない。自分も射撃で援護しているが、銃身が熱を持ち始めている。連射の限界が近い。
「くっ…!」
十牙が押し込まれた。ショットライザーを構えたまま怨霊の波に押され、後退を余儀なくされている。白と青の装甲に傷が増えていく。数体の怨霊が左右から同時に襲いかかり、その内の一体が腕を振るう。十牙が腕で受け止めるが、体勢が崩れる。
「十牙!」
「まだ…!」
十牙が吼えた。ショットライザーで一体を打ち払う。だが動きが止まった瞬間、別の怨霊が背中に取り付こうとする。
(まずい)
陸王は銃を構え直そうとした。だが弾切れが近い。リロードの暇もない。
その時だった。
十牙が左手を振り上げた。
何かが空中を飛んでくる。銀色の円盤状の物体。投擲されたそれは陸王の方向へ弧を描いて迫る。
陸王は反射的に左手を伸ばした。掌に収まる。硬い感触。円形の道具。腕時計を思わせる形状。
ライドウォッチだ。
表面に刻まれた紋章。仮面ライダーの顔。角張った意匠。赤い複眼のライダー。
「使え!」
十牙が叫んだ。振り返らない。怨霊の波をショットライザーで押し返しながら。
「それはカブトの力だ! ライダーリングに変えて、テガソードに装填しろ!」
陸王はライドウォッチを見つめた。初めて見るデザイン。だが力の質は理解できた。吠が持っているライダーリングと同じ系統。このライドウォッチを変換すれば、自分でも使える。
(カブト…!)
陸王はテガソードを左手に構えた。右手でライドウォッチを握る。意識を集中する。自分の力。リングを生み出す力。聖夜の名を持つ者の力。
(変われ)
ライドウォッチが光った。
銀色の縁が赤く染まる。中央の紋章が変容する。カブトの複眼を象った意匠が浮かび上がる。リングの形へ。ライダーリングへと変わっていく。
カチリ。
変換が完了した。
赤いリング。表面にカブトの紋章。
陸王はテガソードの装填部へリングを嵌めた。
『ライダーリング!』
テガソードが音声を発した。赤い光がリングから溢れ出す。
「エンゲージ!」
陸王は叫んだ。テガソードを掲げる。
『カブト!』
赤い光が爆発的に広がった。ゴジュウレオンの青い装甲が光に飲み込まれる。光が収束し、新しい装甲が形成されていく。
赤い複眼。角張った頭部。黒と銀の装甲。昆虫の外骨格を思わせる意匠。背中に伸びる細長い角。カブトムシの力を宿した戦士。
仮面ライダーカブト。
光が収まった瞬間、陸王は右手を前に突き出した。
「キャストオフ!」
『CHANGE BEETLE!』
装甲が弾けた。外殻が四方八方に飛散する。その下から現れたのは、より鋭く、より細身の赤い装甲。スピードに特化したフォーム。
「それじゃ、ここからはセカンドステージだね」