シムリア星人国交断絶RTA   作:非術師

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遅くなってごめんちゃい♡
でもええやろ?投稿してもせやんでも
次の禪院家当主は俺なんやから


単騎運用するので育成は必須です

 

京都府呪術総監部

 

かつては腐ったみかん共――呪術界の上層部が牛耳っていた施設も、今では呪術師達のホームグラウンドとして機能している。

 

呪いの存在が一般公開されて以降、総監部所属の呪術師は正式な公務員扱いとなった。

その影響で呪術高専も付属の専門学校に近い立ち位置へ変化している。

 

もちろんフリーの呪術師という道もある。

そっちは実力主義だが自由だ。

対して総監部勤めは福利厚生と給料が安定している。

その代わり――大祓への強制参加がある。

まぁ、命懸けの公務員だ。

 

俺は総監部勤めで毎日酷使されてる。

 

でもやりがいもあるし、ワクワクもドキドキも尽きない。

呪霊、呪術、結界、そして闘い!

俺が前世で画面越しに眺めていたものが、今は全部“現実”としてそこにある。マジで天職

あ、でも何でも呪霊のせいにするスピ系集団は滅んでください。

 

そんな総監部も、ここ数年で大きく変わっていた。

 

最高戦力 虎杖悠仁 の失踪。

五条家当主、乙骨伊織 の失踪。

そして、歴戦の呪術師達の寿命。

 

同時に失われるには大き過ぎる世代交代、大祓の質が落ちるのは当然だった。

ここまでは俺達にとって都合がいい環境だが、質を維持できないなら後は数で補うのが人間というモノで……

 

「前々から言ってたけど、今年から大祓は一ヶ月ペースになるから。みんな気合い入れていこうね」

 

「気合いでどうにかなるなら、こんな状況になってませんよ……」

 

「文句言っても現状は変わらないの。諦めて自分に出来ることをやりなさい」

 

年度初めの会議室。

 

現場組が総指揮の宮國さんに苦情を飛ばしている。

 

てか宮國さん漫画で見た時と全然見た目変わってなくてウケるよね。アンタ何歳だよ

でも気丈に振る舞ってはいるが、目元の隈は隠しきれていない。

 

ここ最近全員大忙しで、特に宮國さんは戦闘もイケるからずっと駆けずり回っている。

 

ほへ〜。大変そう。

いや俺も死にそうだけど。

 

俺も同行と補助が終わってオフィスに戻れば、山積みになった報告書と改善案、それから呪術案件の通報処理。

 

「夜行くん、大丈夫?」

 

不意に宮國さんが声をかけてきた

 

「夜行くん大丈夫?さっきからぼーっとしてるけど。最近休んでないでしょ?忙しいのは分かるけど倒れられると困るから、限界はちゃんと見極めてね」

 

「自分は大丈夫です!

全然バリバリ働けますよ!」

 

そういえば言ってなかったが斎木夜行、これが俺の名前だ。まぁどうでもいいでしょモブの名前とか。

 

フッフッフ……甘いぜ宮國さん。

今の俺は一味違う。

生き甲斐を見つけた人間は無敵なんだよ。

 

「そう?じゃあ役場から回された“呪い相談窓口”の処理もよろしく頼むね」

 

「それは本当です?」

 

 

京都府呪術総監部提供社員寮

 

公務員化した呪術師への待遇はかなり良い。住宅補助、保険、危険手当、人材不足の“呪術”に関わる人間を、絶対に逃がさないという意思を感じる。

 

その自室、夜行は旧式スマホと睨めっこしながら唸っていた。

 

「どうしたもんかね」

 

画面の向こうから返信が来る。

 

《時間だけはありますし、有効活用したいところです》

 

あれから大祓のタイミングに合わせ、“潜伏を促すタレコミ”を定期的に行いながら、こちらは戦力増強案を練っていた。

 

こちらの主戦力は、実質 朧絶 一体だけだ。

流石にキツい。

86年までに間に合わせればいいとはいえ未だ見込みすら立っていないのは問題だ。

とりあえず色々案を出し合ってみた所碌な案が出てこない。

 

①仲間を増やす案

 

却下

 

計画を共有した時点でリスクが跳ね上がる。

 

②器を量産する計画

 

貴重な戦力兼捨て駒として使える器は便利だが、持ち運びが非常に難点だった。

増やしすぎたら大祓の時に見つかるリスクが高まるし、そもそも計画の時に器の大行進でもするってのか?

真人みたいにポケット感覚で持ち運べるわけじゃなからなぁ…めっちゃ嵩張る……

しかもそんな強くない

 

③ 奸骨奪胎で強力な術式持ちの呪霊を使って器を少数精鋭化する

 

これも問題があった。

全然つよい呪霊に朧絶が負けかねない。結界パワーでムキムキでもない朧絶は呪霊の中でも中の上程度の力しかないと見て問題ない。

仮に領域展開で条件をスキップしても、その呪霊が大祓で討伐されたら手間でしかない。

 

④3の呪術師版

 

論外、虎杖に勘づかれたらどうすんねん。

 

といった具合にあまり良い戦力増強案が出ず困っていた。

 

うーん、、一旦状況整理

・仲間を増やすのは無し

・上手いこと朧絶を強化したい

・器であれこれするのはハードル高い

 

ウチの最高戦力朧絶さんのスペックも挙げよう。

・領域展開

・器作成による物量戦

・基礎スペック虫くん以上花御以下

・ 奸骨奪胎による初見殺し

強いのは間違い無いんだけどねぇ……

自然呪霊ズには一歩劣る絶妙なこの感じ

そもそも土俵が違うって話はあるけど、コイツそもそも結界がメインの戦略だったし…

 

各地に結界張って朧絶強化できたとしても虎杖にバレたら誤差レベルの強化幅だし、東京一極化してる今結界張りまくったらバレるに決まってんだろいい加減しろ!!

 

「ん?バレなければ……あっあっあっ、、」

 

夜行の脳裏に電流走る

 

結界→帷→補助監督→俺→羂索の見本……

 

そして――今の呪術界

 

「……あ」

 

《何か思いつきましたか?》

 

「いや、待て。これ……いけるな」

 

夜行は勢いよくベッドから起き上がる。

 

現在の呪術界は慢性的な術師不足だ

大祓の頻度増加、地方の呪詛師・漏れ呪霊対応

それら全てに帷が必要だ

 

だが天元様のサポートが無い今、帷を安定して展開できる術師は限られる。

本誌でサラッとやってた美野さんは凄い方だよホント

ただでさえ向き不向きが極端な結界術

それを呪力が扱えるなら誰でも使えるなら――

 

予め結界術を構築しておき、最低限の呪力注入だけで展開可能にする半自動型の帷。

もしそんなモノがあれば

 

「普及する」

 

《?》

 

「俺達がわざわざ結界を張り巡らせなくていい。向こうが勝手に展開してくれる」

 

数秒、既読が付かなかった。

 

《…………詳しく》

 

夜行はニヤつきながら説明を始める。

 

「まず前提として、“嘱託式帷”を俺が開発する」

 

《ほう》

 

「建前は現場負担の軽減。実際かなり便利な物にする。地方でも使えるようにして、大祓にも組み込ませる」

 

《なるほど》

 

「で、その基礎術式構造にお前の呪力を混ぜる」

 

送信した瞬間、既読。

少し遅れて考えについてきたようで確認が返ってくる。

 

《よく考えたモノです。ここまで言われれば期待してることも察せますよ。

私の術式のプロセスは繋がり・情報・呪力の3つを元に術式を再現する物。

私の呪力を元に結界を構築すれば術式は起動を求め、それらの要素を蒐集しようとする。

完全でなくとも、僅かであっても要素を結界に取り込み始めるでしょう。

使い終わって用済みになった誰の目にも止まらない帷、それを私が吸収するのですね?》

 

こいつ察し良すぎるだろ。

まぁほぼ答えだったが

 

「ポイントは“便利すぎる”ことだ。便利なものは疑われない。当たり前になっていくのさ」

 

呪術界は今、人が足りない。

なら効率化を求める。

現場が楽になる術式なら、多少のリスクには目を瞑る。

しかも開発者は総監部所属の補助監督。

怪しまれにくい。

 

《ですが、それだけでは少々弱いですね》

 

画面に表示された一文に、夜行は眉をひそめた。

 

「弱い?」

 

スマホ越しでも分かる。

朧絶は今、自分の術式と呪術的要素・そして結界の構築、どの程度自分が強くなるかを考えている。

 

《えぇ。結界に私の呪力を混ぜれば、微量ながら情報や呪力の残滓は回収できるでしょう》

 

《少しずつ呪力総量も増えますし情報と繋がりも役に立つ場面があるでしょう。ですが……足りませんね》

 

夜行はベッドに腰掛け直した。

 

部屋は静かだった。

社員寮の壁は厚く、外の音もほとんど聞こえない。

その静寂の中で、

頭の中だけが妙に熱を持っていた。

 

《貴方の話を信じるならマルル・クロス・ダブラの怪物達には遠すぎる》

 

「……まぁな」

 

そもそも目的を忘れちゃいけない。

まともにやったら勝ち目なんてない相手だ。

だから必要なのは、真正面の火力じゃない。

 

“噛み合った瞬間だけ上を食える何か”だった。

 

その時、再びメッセージが届く。

 

《なら縛りを利用しましょう》

 

夜行の指が止まる。

 

来た!!呪術の本命!!!設定厨の本懐!!!

 

足りないものを条件付きで無理やり成立させる技術

 

制約と誓…縛りは実に奥が深い。

呪術は縛りゲーなんて言われるぐらいだ。

なお俺は多少縛った程度じゃカスみたいな対価しか望めないので使い道がない。

 

《嘱託式帷の構造そのものを、私の生得領域として定義するのですよ》

 

気づけば自然と姿勢を正していた。

頭の中で帷の構造式を組み立てる。

 

外殻 認識阻害 侵入条件 呪力

 

そこへ朧絶の結界理論を噛ませる。

 

「ヤケクソすぎないか?全部の帷を腹の中ってことにするのは何を代価にしても相当キツく…」

 

《“他者によって展開された嘱託式帷の内部に私が存在する場合、その帷を領域構成要素として扱う”》

 

「なるほど??」

 

そ、そっちかぁ〜

勝手になんらかのデメリットを負うことでそのヤケクソを成立させると思ったが……

『条件を軽くする』んだな

 

口元が勝手に歪む。

 

「やること自体は条件を満たした時にマーカーで一括色塗りするみたいに、朧絶が帷内に入った時その場を生得領域に塗り替えること」

 

あぁ〜気持ちいぃ〜

このつながっていく感覚!

そもそも帷の構成要素に本人の呪力と結界術の監修、そして不可能だが術式の起動に向けて結界自体が動き続ける物だ。

呪術的な要素を十二分に満たしている。その上で本人が直接中に行く『縛り』によって無理なく条件を突破。

 

これはいい奇襲になる

 

《えぇ》

 

短いチャットから画面の向こうに自慢げな顔が浮かんでくるようだ。

楽しそうだなぁ!俺も今楽しいよ!

 

これは強い

真正面から押し潰す力じゃない。

既に存在している仕組みに寄生し、後から意味を書き換えるいやらしい強さ。

 

あぁ…美しい…実物がない今でも完成度高くて泣けてくるね。

 

術師達は善意で使う。

便利だから。

人手不足だから。

現場が楽になるから。

 

その結果、呪術界そのものへ朧絶式結界理論が浸透していく。

 

羂索が見たら呪術界鼻で笑いそう

 

「……悪趣味だな!」

 

《クックック、では後ほど久々に会って実物の制作実験に取り掛かりましょう。提案したからには草案ぐらいあるのでしょう?》

 

「ちょっと暫く忙しくて行けなそうだから、そっちでも色々試行錯誤しててくれ」

 

《えぇ、そうさせてもらいましょう》

 

あぁ〜この世界最高!!

ここ最近で1番生を実感した。

嘱託式の帷かぁ〜結界術は得意な方だし、総監部の忌庫に羂索の遺産……破壊された渋谷の時の嘱託式の帷の実物がある。

 

縛りでも結んで実物の再現を理由に貸し出しの要求するところから動き始めますかぁ!




独自解釈マシマシお待ちぃ!!
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