ハイスクールDxD-月下水月の剣士-   作:水の柱

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4話 土蜘蛛

中学3年、1年間黒歌の指導の下で気の扱いの修行をおこない、最近では瞑想、丸太を3本背負い少しの岩を括り付けスクワット、2m80cmの大岩を押す修行と共に平行して『透き通る世界』を開く修行、そしてセラフォルーの魔法少女の衣装作成をしていた。

黒歌がいない修行帰りの京都の夜、京都では時に異界へと変わる、唐突な天気雨が降ったその日もそうだった。

 

 

「……妙だな」

 

帰路の途中に足を止めた、空気が違う、静かすぎる。

 

「……っ」

 

かすかな泣き声、視線が横へ向く。

物陰に、狐耳と尻尾の小さな少女。

怯えきった顔。

 

「……迷子か」

 

迷わず歩み寄った。

 

「大丈夫か」

 

「……ひっ」

 

少女怯えて後ずさる、だがすぐに限界を迎え、気絶しその場に崩れ落ちた。

 

「……巻き込まれたな」

 

義烈は静かに息を吐き、少女を抱き上げた、その瞬間だった。

 

「――いい匂いがするなぁ」

 

低く、愉悦に満ちた声。

振り向くとそこにいたのは、巨大な影がいた。

筋骨隆々の伸び放題になった赤い髪に6本の腕、般若の面のような異形、そして圧倒的な妖気、黒歌から聞いた会ってはいけない妖怪。

 

「……土蜘蛛」

 

戦いを求める妖怪、理屈では動かない存在。

 

「そのガキ、守るつもりか?」

 

「……ああ」

 

少女を背に庇い、前に出る。

木刀に蒼白い気を纏わせ腰を低く、木刀を水平に構える。

 

「面白ぇ、その娘を人質にすりゃあ八坂が釣れると思ったが……」

 

土蜘蛛が笑った。

 

「殺しがいがある人間が釣れたもんだぁ」

 

全集中の呼吸、スゥゥゥゥ――心拍数を150、体温を38.5℃。

 

「来い」

 

次の瞬間、地面が砕けた、土蜘蛛の拳が迫る。

だが――見える。

 

「遅い(水の技法弐之技-水精の舞い-)」

 

水流の如く滑る、紙一重で回避し足を止めず切りかかる。

 

「(水の技法参之技-潮流-)」

 

淀みない動きで斬撃を繋げる。

 

「軽いなぁ!!」

 

弾かれる、硬い、やはりまだまだ練度が足りないか

だが少女を守ると覚悟を決めた時、背後に気配。

別の妖怪が少女へ。

 

「……ちっ」

 

義烈は一瞬で判断し、少女を助けに動こうとした時

 

「邪魔ぁ、すんじゃねぇ!!」

 

鬼蜘蛛の拳か妖怪を殴り潰す。

 

「……何故?」

 

「儂はぁ手前と戦ってるのに他に注意がいくたぁ気に入らねえ」

 

「……そうか、ならば断つ」

 

「いいねぇ……!」

 

土蜘蛛の目が歓喜に歪む。

 

「もっと来いよ!!」

 

木刀を構え気を更に練り上げ纏わせる。

 

「……行くぞ」

 

土蜘蛛の再び拳が迫る。

 

「(水の技法漆之技-渦潮-)」

 

捻り、回転の斬撃で力を流す。

 

「おお!?」

 

初めての手応え、ならば流れを止めない踏み込む。

 

「(水の技法捌之技-水龍-)」

 

回転連撃、斬る、斬る、咄嗟に後ろに飛ぶ。

 

「まだだなぁ!!」

 

土蜘蛛が払い除けるのを擦り、腹の辺りが内出血するが問題ない、構える。

 

「いいなぁ、楽しめそうだ」

 

土蜘蛛の妖気が少しバチバチと放電し、6本の腕からラッシュが迫る。

 

「(不可避だ‼︎これほどの高速の接近からの広範囲の高速のラッシュ‼︎)」

 

覚悟を決めて気で刀の届く範囲の感知能力を上げ、自身の感覚を研ぎ澄ませる。

 

「(水の技法玖之技-治水(しすい) -)」

 

刀が届く範囲内に入った拳を土蜘蛛クラスでなければただ構えているようにしか見えない無拍子で全てを弾き、受け流していく。

 

「おもしれぇ!受け流す技か!!」

 

土蜘蛛の妖気が更にバチバチと放電し拳は更に加速する。

 

「(防ぎきれない、なら致命傷を避ける)」

 

致命傷になり得る拳のみを取捨選択して弾き、流していく。

土蜘蛛は下の2本の腕を地面に突き刺さし自分のいる場所の岩盤ごと捲り上げる。

俺はそれを利用して水の技法陸之技-水煙の演舞-で上へ上へと跳び上がり最高点に行く。

 

「(水の技法肆之技-大瀑布!!)……断っ!!」

 

上段から土蜘蛛目掛け渾身の加速を加えた斬撃。

土蜘蛛は腕を交差させて防ぐ、防ぎきれないと判断したら腕2本を引き換えに飛び退いて歓喜の笑みをする

 

「いいなぁ人間!儂の腕を切り落とした人間はお前が初めてだ、名を聞こう!!」

 

「水戸……義烈」

 

「義烈!続きといこう!!」

 

その時空気が変わった、土蜘蛛とは違う圧。

 

「……そこまでじゃ」

 

声一つで、世界が止まる、現れたのは、一人の女性。

九尾の妖気、圧倒的な存在感

 

「八坂……」

 

土蜘蛛が笑う。

 

「今日はここまでか、お前とやる予定だったが良い収穫だった」

 

「好きに暴れてくましたな土蜘蛛」

 

八坂の視線が自分に向く。

そして少女へ状況を理解するのに時間はかからない。

 

「人間なのに……よくやったものじゃ、土蜘蛛の腕を切り落とすなんて」

 

何も言わない、ただ、構えを解かない。

その姿に、八坂はわずかに笑う。

 

「安心しい、もう終わりじゃ」

 

土蜘蛛は背を向ける。

 

「次は殺す、俺と殺し合うまで死ぬんじゃねぇぞ」

 

「そうか」

 

短い会話、だが互いに理解していた。

土蜘蛛が居なくなると限界を迎え、倒れ込む。

 

「娘の為に頑張ってくれたんじゃ、少しお眠り」

 

 

次に目覚めたのは屋敷だった。

 

「……ここは?」

 

「ようやく目を覚めたか」

 

八坂は優しく微笑む。

 

「改めてありがとうございます、娘を守ってくれて」

 

「……助けられたのなら、それでいい」

 

「そう、謙虚になる必要はない」

 

「そうか、これは元からだ、帰らせてもらう」

 

起きようとするが起き上がれない、やはり致命傷を避けたとはいえ土蜘蛛のラッシュを受けたからか。

 

「無理はいけない、私が治療しましたが貴方は人間なのじゃから」

 

「……なら休ませてもらう」

 

眠ろうとすると八坂が布団に潜り込み胸の谷間を腕に押し付ける

 

「何故?」

 

「この方が早く治療ができるからじゃ」

 

「そうか……そうか?」

 

少し考え、八坂がそう言うのならそうだろうと思い、気にせず眠る。

 

「そんな清廉な気だと食べてしまいたくなりそうじゃ」

 

「……生命ではなく、なんか別の危機を感じたのは気のせいか?」

 

「気のせいじゃ」

 

もういいと心を凪いだ水面にして今度こそ眠る。

 

 

次に目覚めたら身体が動けるようになったので起き上がる。

 

「もうよいのか?」

 

「あぁ、世話になった」

 

「娘を九重を助けてくれた礼じゃ、何かほしいのはあるか?」

 

「無い」

 

俺はあの九重という少女を助けられたのならもう充分だ。

 

「欲が無いやつじゃ、ならばコレを受け取れ」

 

八坂は一振りの妖力の帯びた刀を渡す。

 

「コレは?」

 

「それの名は妖刀『村雨』、八犬伝に登場する村雨の元となった一振りじゃ」

 

「そのような貴重なものは貰えない」

 

刀を八坂に突き返す、八坂は楽しそうに微笑む。

 

「お主の技を見てこの刀が相応しいと感じたからじゃ、そのお主の清廉な水の気と合わされば村雨の本当の真価を発揮できるじゃろう」

 

「……わかった、受け取ろう」

 

「後日また九重を連れて礼をしに行こう」

 

「……そうか」

 

新しい繋がり、そして土蜘蛛という今の自分では勝てない強敵、もっと強くなり水面の月、あれを断てるようになるほどに。

 

 

 




ぬら孫から最初の妖怪は土蜘蛛さんです、ぬら孫世界でも3〜4番目の実力者なのでまだ本気をだしていないです
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