ハイスクールDxD-月下水月の剣士- 作:水の柱
学校から帰りいつもの様にセラフォルーの魔法少女衣装の作業をして、黒歌が布団の上でだらけながらゲームをしている。
最近この家に居ることが多くなったセラフォルーが呟く。
「うーん……どうしようかな☆」
「何がだ?」
「次の外交先がね、中々決まらないんだ☆」
「セラちんは冥界の外交官にゃからねー」
自分は少し考えてお茶に手をつけてから呟く。
「日本神話とはもうしたのか?」
「まだだけど、どうして?」
「日本は混ざる、仏や鬼、果ては外来の神すら受け入れながらも変わらなかった。
仏門は辿ればインドから中国に流れ日本に来た、帝釈天、水天、火天は」
そこまで聞いたところで、セラフォルーと黒歌が完全に止まる、黒歌がゲームをやる手を止めるとは珍しい。
「……ギレッちゃん?」
「にゃあ……?」
「元を辿ればインドラ、ヴァルナ、アグニだ、彼らはバラモン経由で来た。那羅延天、大自在天、梵天も元を辿ればヴィシュヌ、シヴァ、ブラフマーでありインド経由で来た。インドやバラモンの主神クラスが居ても変わらない」
「待って待って!ギレッちゃんなんでそんなこと知ってるの!?」
「普通だろ」
「「普通じゃないよ(にゃ)!」」
「そうか?神々が居るから仏教入門講座とか調べたらそこら辺は出てきたぞ、知らんが殆んどの神々が失敗エピソードがなかったが」
自分は一度咳払いをして答える
「まあこういった経緯もある、天照大神は狭量な訳がない、誠意を持って行けば天照大神ならばすんなり受け入れてくれるだろう、それに天照大神経由ならばバラモンのインドラもインドのヴィシュヌも無碍にはできない」
セラフォルーは少し考えて、指を鳴らす。
「よし!ギレッちゃん、サーゼクスちゃんに会おうか☆」
「……確かルシファーだったな」
セラフォルーの転移用の魔法陣で冥界の着き、ルシファー城にセラフォルーに案内され、客間に黒歌と共に待たされた。
少し経つと紅の長髪の男性と銀髪のメイド服の女性とセラフォルーが入ってくる。
「やあ、初めましてだね、私はサーゼクス・ルシファー、こちらが私の女王のグレイフィア・ルキフグスだ」
「グレイフィア・ルキフグスでございます」
「水戸義烈だ」
「黒歌にゃ」
グレイフィアが紅茶を全員に提供をしてから話しが始まった。
「セラフォルーから興味深い話しを聞かせてもらった、ただ私としては須弥山の帝釈天とインド神話は対立関係にある、天照大神経由でも難しいのではないのかね?」
「ふむ、なるほどな、須弥山はバラモンと仏門寄り、ならヒンドゥーと距離があるのも頷ける、だったら尚更天照大神経由の方が良い、仏門が日本に伝来したのが奈良時代には存在していたから記憶が正しければ約五百年頃、、更にはちょうど日本史でやったが明治時代に神仏分離令が出ても生き残って千五百年もの繋がりを保ってきた、特にシヴァやヴィシュヌなんてメインの大自在天や那羅延天以外にも異名から大黒天のように化身を創り日本を満喫してる程だ」
サーゼクスは少し考え込みながら呟く。
「……それほど長く、共存しているのか」
「何故そこまでお詳しいのですか?」
紅茶を一口飲む、グレイフィアには大分警戒されてるな、本当は前世のゲームからだが前世の話しはするべきではないな。
「昔マハーバーラタの翻訳版を読んでから興味が湧いて調べた、ネットの仏教の公式サイトにも載っていたしな」
「随分渋いものを読んでるにゃ〜、義烈らしいと言えば義烈らしいけど」
「そうだギレッちゃん☆他におすすめはある?」
前世の記憶を遡るのに少し考える。
「ケルトかエジプトだな」
「ケルトとエジプトか〜」
場が沈黙して流石に困惑する、何か変なこと言っただろうか?
「ケルトとエジプトですか、あそこは中々難しいかと」
「何故?」
「イギリスの国の成り立ちは知っているかい?」
イギリスはグレートブリテン及び北アイルランド連合王国でキリスト色が強い国……あー、なるほど。
「聖書の神関連か、しかも渋るということは聖書の神と敵対したい訳でもないと、そうなると難しいな」
「ギレッちゃんの言ったところは本来なら悪魔側としては正しいんだけどね☆」
「そう、だからエジプトも似たようなものでね」
「エジプトも?……ラムセス2世の友のでもあるモーゼの海割りと悪魔関連で聖書を読んだ時に見た十の災いか。やはり聖書の神は面倒ごとばかり残すな」
「ふふ……あはは! いや、手厳しいね。だが君の言う通りだ。あのお方は世界中に自分の足跡を残しすぎて、後始末をする私たちの身にもなってほしいよ」
「悪魔の政治も大変にゃのねー」
「サーゼクス、面白い気配を感じるから入るよ」
浅葱色の羽織の男性が入って来た瞬間場が静寂になる。それを認識し切られると感じた瞬間に脳の思考と同時に反射的に透き通る世界を開き椅子を倒して大きく後ろに下がりいつでも村雨を抜ける様にする、黒歌が気づいてないということは自分だけ狙われた!
男性の僅かに右腕の筋肉の収縮を認識して左に大股で三歩の距離を跳んで移動する。
黒歌がまだ状況に気づいてすらおらず「にゃ!?」と声を上げるが気にしてられない。
「これは驚いた、久しぶりだなぁ、入った瞬間に躱されただけでなく、動いた瞬間避けられるなんで、しかも裕斗とさして変わらない年齢なのに実力では斎藤さんや永倉さんに及ばなくても、同じ領域にいる、しかも僕を前にしても動揺すらしてない」
グレイフィアは予想外という驚いた表情になる。
「……沖田様の気配を読んで躱したのですか?」
「(動揺はしている、表には出してないだけで、目の前の新選組の男は間違いなく明鏡止水や無我の境地に入ってる、斎藤一や永倉新八の名がでるということは……)」
「僕は元新選組一番隊組長沖田総司、よろしくね」
「(やはり沖田総司……!)」
「総司。君はまた、挨拶代わりにそれをおこなうのかい」
サーゼクスの一言で、客間がミシミシと鳴るほどの重圧に包まれる、これこそが本物の四大魔王『ルシファー』の覇気。
「ごめんごめんサーゼクス。でも良い収穫だったでしょ? 前に悩んでいた『駒王学園でリアスたちの実力以上の相手が現れた時、誰を護衛に回すか』っていう問題、これで解決じゃないか、彼ならリアスやソーナたちの眷属も誰一人として知らないし、そちらの猫又も結構な実力者だろ?」
「はぁ、だが総司が認めたのならば確かに問題はないのだろうね」
「駒王学園……」
黒歌が浮かない表情になる、何かあるのか?
「あー、駒王学園なら黒歌ちゃんの妹もいるもんね☆」
「そう言えば黒歌がはぐれになった理由を知らないな」
「うっ、ここで言わなきゃダメかにゃ」
黒歌は観念したのか喋りだす。
白音という名の妹を守り育てるために父親と関係のあった上級悪魔ナベリウスの眷属に『妹には手を出さない』との契約の元転生悪魔となった事。
周囲の眷属やその家族が妙な実験に付き合わされて不審死を繰り返していたこと。
主となった上級悪魔がまだ幼かった彼女の妹に死の危険と契約を無視して仙術を無理やり覚えさせようとした、それ故に主を殺し、妹を連れて逃げようとしたけど不自然なほどに早く追手が差し向けられ妹と離れ離れになった事。
自分と別れた後で妹は迫害を受け処分されそうになったと知り、負い目を感じているという話しを黒歌はする。
自分はそれを聞き何か言おうとするよりセラフォルーとサーゼクスがガタッと立ち上がり黒歌に近づくと手を握り始める。
「「安心して欲しい黒歌(ちゃん)、私も同じ立場なら同じことをしていた(から)!!」」
「んにゃ!?」
おぉ、黒歌が二人の熱に押されてる、そんなことを思っているとグレイフィアが耳打ちしてくる。
「サーゼクス様もセラフォルー様もどちらもシスコンです、黒歌様の行動には思うことがあったのでしょう」
「ははは、まあ家族が大切なのはいいことだ。……それにどうやら俺がやるべきことは3人に幸せが壊れる血の匂いを与えないことみたいだからな、それにナベリウスだったな、覚えておいて損はない」
「水戸様……」
自分の手を強く握りしめる、幸せが壊れる時には血の匂いがするのは身を持って知っている、この刀が届くのなら3人の妹ぐらいは守ろう。
「ギレッちゃんからも黒歌ちゃんに何か言ってやって!」
「そうだな、妹と話し合うと良い、今の黒歌はセラフォルーの眷属で鯉伴の兄貴と化猫組が身元を保証してくれてるんだ」
「うぅ、義烈は一番難しいことを言うにゃ」
「なるほど、鯉伴が認めるわけだ」
「そうそう☆今はまだ政府のはぐれ認定は外せないけど鯉伴ちゃんが保証してくれてるから黒歌ちゃんもちゃんと話すこと!」
サーゼクスは何か納得したように頷く。
「サーゼクス、駒王学園の件は受けよう、どうせ高校は近場を選ぶ予定だったのだ」
「それはありがたい、駒王学園に合格次第こちらで家は用意しよう」
守る者は増えたがサーゼクスの要件は実力以上の相手が現れたら……水面の月に近づくのに研ぎ澄ませるのにはちょうどいい。
ここの沖田総司ですがぬらりひょんの孫の原作で鯉伴と戦ってるのもあり内にいる鵺も祢々切丸で切られて存在してません、ただ無明の果てに事象を捉えられる様になり剣気で避けるという事象を穿ったり、一の突きに二の突き三の突きを内包するとかの型月剣豪の様なことをしてきます。