銀河皇帝のスペアに転生した元社畜、地球軌道上の要塞でネトゲ三昧の隠居生活を満喫する 〜足元では超大国が滅亡級の異星遺産を巡って暗躍中ですが、主人公(ぼく)の命は絶対安全なので特等席で傍観します〜   作:パラレル・ゲーマー

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【ネットの反応】中国仙人、末期癌を治す。

第1章 黒鯨トレンドの余熱に、中国医療の噂が混ざる

[X(旧Twitter)世界トレンドおよび主要ハッシュタグの状況]

集計時刻:23:15(JST)

 

1位:#TokyoLightPillar(東京の光の柱)

2位:#BlackWhale(黒鯨)

3位:#SkytreeSaved(スカイツリー生存)

4位:光学的現象

5位:日本政府の隠し玉

6位:神の剣っぽい光

7位:黒鯨を消した何か

 

あの世界を恐怖のどん底に叩き落とした未曾有の事象から数日が経過してもなお、世界のインターネット空間は、日本の空を覆ったあの圧倒的な「白」の余熱から抜け出せずにいた。画面をスクロールするたびに、あらゆる言語で、あの天空から降り注いだ一億の光の柱の映像が、様々なスローモーションや色彩補正を施されてリピート再生され続けている。

 

@News_Watcher_JP

日本の空に降ったあの謎の光の柱の映像、何度見ても脳の処理が追いつかない。

政府は「光学的現象」って言い張ってるけど、気象庁のサーバーがパンクしたままなのが何よりの証拠だろ。

あの黒鯨を空間ごと消し去った何かを、日本政府が隠し持っていた。その事実だけで、もう世界史の前提が変わっちゃったんだよな。

 

@Mil_Spec_00

海外の軍事フォーラムでも「Tokyo Light Pillar」の正体について大激論が続いてる。

熱線でも爆発でもないのに、あの全長数キロの怪物をピンポイントで消滅させた。

アメリカのライトセーバーやロシアのサイボーグとは完全に次元が違う。

「神の剣っぽい光」って表現、最初は中二病かと思ったけど、今じゃ一番しっくりくるのが怖い。

 

@Corporate_Slave_00

とりあえず東京が食われなくて本当に良かった。スカイツリーが元の白い姿で立ってるのを見るだけで、なんか涙が出てくる。

でも、日本政府が「詳細は解析中」の一点張りで何も説明してくれないから、海外のインテリジェンスがめちゃくちゃピリピリしてるらしいね。日本が世界で一番不気味な国になってる。

 

@Cynical_Otaku

あのさ、黒鯨の動画を延々と見すぎて完全に感覚が麻痺してるんだけど、今度は中国のネットの方で変な噂流れてきてない?

なんか「病院で奇跡が起きた」とか「癌が消えた」とか。

いや、さすがにフェイクだろって思いたいんだけど……。

 

@History_Nerd_00

>>@Cynical_Otaku

それ、俺のタイムラインにも流れてきた。北京の病院のやつだろ。

中国当局が狂ったような速度で動画を削除して回ってるらしい。

今の時代、「当局が全力で消してる情報」が一番本物っぽいから、余計に怪しいんだよな。

 

@Anime_Otaku_00

黒鯨の次は中国の仙人医療ですか?

地球の運営さん、イベントの間隔が短すぎるってば。せめて一ヶ月くらいは「平和な日常回」を挟んでくれないと、こっちの精神が持たないよ。

 

[5ちゃんねる:ニュース速報板]

スレタイ:【速報?】中国の仙人、病院で末期癌を治しているという不穏な噂wwww

 

1 :名無しさん@涙目です

ソースは中華系SNSのリーク動画。

数分で消されたらしいけど、魚拓取った奴らが海外サイトにミラー上げまくってる。

内容:北京の病院で、末期癌の患者が突然元気になって歩き出した模様。

家族が「仙人様が光る珠を置いていった」って泣いてる。

 

2 :名無しさん@涙目です

スレタイだけで胃が痛くなる。

 

3 :名無しさん@涙目です

はいはいフェイクフェイク。

中国お得意の国威発揚プロパガンダだろ。

 

4 :名無しさん@涙目です

でも中国の仙人は「ガチで実在する」って数ヶ月前に世界に向けて公式発表されてるからな……。

あの時、国務院が「我々は仙人になった」ってジジイたちの直立映像出したじゃん。

 

5 :名無しさん@涙目です

そこがもう前提としておかしいんだよ。

「仙人が実在する世界」っていう狂った前提のせいで、どんなオカルトニュースも完全否定できなくなってる。

 

6 :名無しさん@涙目です

日本の謎の光で黒鯨が消え去るのを見た後だと、末期癌の治療くらいなら「まあ、ありそう」と思えてしまう自分が悔しい。

人類の常識、ここ数ヶ月で完全にぶっ壊されたわ。

 

7 :名無しさん@涙目です

で、その光る珠って何よ。

新しいアーティファクトか?

 

8 :名無しさん@涙目です

宝貝(パオペイ)ってやつか。

中国の仙人が使う魔法のアイテム。

 

9 :名無しさん@涙目です

もし本当に癌が治るなら、それこそ万象器とかライトセーバー以上に、一般人にとってはリアルに欲しい技術(奇跡)じゃねえか?

兵器とか経済崩壊より、自分の命の方が大事だし。

 

10 :名無しさん@涙目です

でも中国政府が動画を全力で検閲して消してるんだろ?

本当に国威発揚なら、もっと大々的に国営放送で流すはず。

隠してるってことは、何か「世界に知られたくない理由」があるってことだ。

 

11 :名無しさん@涙目です

外国人富裕層が殺到するのを恐れてるのかな。

金を積まれても、今のところは中国国内だけで囲い込みたいとか。

 

12 :名無しさん@涙目です

とにかく、動画の現物が見たい。どこに落ちてる?

 

13 :名無しさん@涙目です

海外のダークウェブ系の掲示板に、削除された動画のキャッシュが結構流れてるぞ。

マジで普通の病院の一般病棟の映像っぽい。

 

14 :名無しさん@涙目です

日本の「光の柱」の余熱の中で、静かに中国の奇跡が染み出してきてる感じ、最高に不気味でワクワクする。

お前ら、今のうちに中国語の勉強しといた方がいいぞ。

 

日本の空を救った「謎の光」への圧倒的な畏怖と興奮が冷めやらぬネットの海。その片隅に、中国の病院から漏れ出した「仙人医療」という新たな奇跡のノイズが、濁流のようなトラフィックの中に静かに、しかし確実に混ざり合い始めていた。

 

第2章 最初の漏洩:患者家族の動画

[中国国内特定SNS(検閲削除済)のタイムラインよりサルベージされたテキストおよび動画書き起こし]

 

(映像:一般の総合病院の、決してお上品とは言えない多床室。蛍光灯が白く照らす室内には、複数のベッドと医療機器が並んでいる。カメラを持つ手は激しく震えており、画面の端には点滴スタンドや酸素ボンベが映り込んでいる。ベッドの上に座っているのは、五十代後半とみられる、ひどく痩せ細った女性。

数日前までのカルテ(と思われる紙)が壁に貼られており、そこには重度の疾患名が中国語で記されているのが確認できる。

だが、その女性は今、自分の力でしっかりと上体を起こし、傍らの娘が差し出したコップの水を、実においしそうに喉を鳴らして飲んでいる)

 

(音声:カメラを持つ娘の、激しい泣き声と興奮した叫び)

「……信じられない! お母さんが、お母さんがお水を飲んでる!

 お医者様は、もう今週が限界だって、何も食べられないって言ったのに!

 さっき……さっき、あの偉い人が来たの! テレビで見る、あの仙人になったっていう指導部の一人が、警察の人たちをたくさん連れて、この部屋に来たのよ!」

 

(映像:娘がカメラを病室の入り口に向ける。そこには、数秒前までそこにいたであろう、厳重な警備を思わせる黒いスーツの男たちの背中と、バタバタと閉まる重厚な扉の影が一瞬だけ見切れている)

 

(音声:娘の叫び)

「仙人様が、お母さんの胸の上に、小さくて凄く綺麗に光る珠を置いたの。

 そしたら、珠が金色の光を放って、お母さんの体が……お母さんの呼吸が、急に楽になったのよ!

 お医者様たちがみんな腰を抜かして、機械の数値を何度も見直してる! 癌が消えたって! 影がなくなってるって言ってるの!!

 ありがとう、仙人様! ありがとう、政府!!」

 

(映像:ここで、画面が突如として激しくブレ、赤文字で「接続エラー:コンテンツは削除されました」という国家検閲のシステムメッセージが表示され、動画が完全にブラックアウトする)

 

[海外中華系コミュニティサイト / 自由亜州フォーラムの反応]

 

ユーザーA(香港):

動画を見た。消されるまでわずか三分だった。

中国のネット警察(網警)の反応速度が異常だ。これは完全に「本物」を引いた時の動き。

もしこれがただのデマ動画や、よくある気功詐欺の映像なら、数時間は放置されるはずだ。数分でアカウントごと消滅したということは、国家最高機密に触れたということだ。

 

ユーザーB(台湾):

北京の病院に勤めている従兄弟から連絡があった。

病院全体が軍と公安によって完全に封鎖され、医師や看護師は全員、スマートフォンの持ち込みを禁止され、厳しい守秘義務の誓約書にサインさせられたらしい。

「仙人が病院を回っている」という噂は、先週から一部の医療関係者の間で囁かれていたが、まさか本当だったとは。

 

ユーザーC(米国在住華人):

光る珠。アシュワース卿の万象器とは違う、別の宝物(アーティファクト)を中国が隠し持っていたのか?

あのメッセージで娘が「光る珠を胸に置いた」と言っている。

中国政府は、自国の仙人化に成功しただけでなく、その仙人の力(あるいは道具)を使って、人間の病気を直接書き換える方法を発見したんだ。

 

ユーザーD(シンガポール):

病院名を出すな。あの家族がどうなるか分からない。

でも、もう遅い。動画のキャッシュは世界中の暗号化通信(Telegram)のグループに転送されまくってる。

説明してくれ、北京政府。私の父親も、同じ癌で苦しんでいるんだ。

金をいくら払えば、その「光る珠」を我が家にも持ってきてくれるんだ?

 

[日本のネット上の反応:Xおよび各種まとめサイト]

 

@News_Watcher_JP

中国の流出動画、ミラーサイトで見た。

うわ……鳥肌が立った。

カメラがブレて部屋の外を映した瞬間、ガチの国家特務のSPみたいな奴らが一瞬だけ映ってた。

娘のあの、狂気的なまでの泣き叫び声、演技であのトーンは出せない。

「仙人様が来た」「光る珠を置いた」「癌が治った」。

字面だけ見ると完全に『まんが日本昔ばなし』の世界なのに、背景が現代の白い病院で、周りに最新の医療モニターが並んでるの、マジで脳のバグが起きる。

 

@Cynical_Otaku

中国政府、動画を消せば消すほど「ガチ案件です」って宣伝してるようなもんなのに、それでも消さなきゃいけないくらい焦ってるんだな。

オカルトのエンターテインメントは終わった。これはもう、現実の「医療ニュース」として捉えるべきだ。

 

@Medical_Ethics_Bot

臨床現場の人間として言わせてもらうが、多数転移した末期癌が「数分で消滅して患者が歩き出す」なんて現象、現代の医学のカルテには存在しない。

もしこれが事実なら、世界中の抗がん剤メーカーや医療機器産業は、明日からすべて「不要なゴミ」になる可能性がある。

日本政府は、この情報の真偽を早く確かめてくれ。

 

@Normal_Citizen_A

光る珠……。

日本の「光の柱」が空の怪物を消し去るための武器だったとしたら、中国の「光る珠」は、人間の病気を消し去るための奇跡の道具か。

仕様が違いすぎる。でも、どっちも地球外のテクノロジー(アーティファクト)の力なんだろうな。

 

国家が必死にかけた「検閲の蓋」を、情報の濁流が容易く抉り開けていく。

日本語を喋る海底のAIや、世界を灰に変える万能の機械を経験してきた人類にとって、その「光る珠」の噂は、もはやオカルトの夢物語ではなく、明日の自分のカルテを書き換えるかもしれない、極めて生々しい『現実の希望』として網膜に焼き付いていた。

 

第3章 医療関係者クラスタが騒ぎ始める

[医療関係者限定の非公開オンラインフォーラム『Med_Gate_Net』書き起こし]

 

医師A(腫瘍内科専門医):

「……信じたくはありませんが、否定できないデータが集まり始めています。

 中国国内の、複数の全く異なる地域の病院に勤務する同業者たちから、個人の秘匿ルートを通じて、信じがたい『カルテの画像』が送られてきました。

 北京だけではありません。上海、広州、成都、西安、そしてハルビン。

 それぞれの都市の主要病院で、ここ数日、完全に『医学的な常識を逸脱した症例』が、ほぼ同時多発的に発生しています」

 

医師B(血液内科):

「北京の末期肺癌の症例は、流出動画の通りです。

 上海では、急性骨髄性白血病のステージ4の少年が、一晩で血球数値が完全に正常化し、骨髄内の芽球がゼロになったというデータがあります。

 広州では、全身の90パーセントに重度の熱傷を負い、蘇生が絶望視されていた消防士の皮膚細胞が、わずか数時間で完全に『再生(修復)』したという信じがたい噂まで入ってきています。

 ……これがただの症例報告なら、私は送り主の精神状態を疑います。ですが、データが、本物の検査結果の形式として揃いすぎている」

 

外科医C:

「成都では、交通事故で脊髄を完全に断裂し、下半身不随が確定していた患者が、翌朝には自力でベッドから立ち上がって歩いていたそうです。

 西安では、進行性の筋萎縮症の患者の筋肉組織が、異常な速度で元の質量を取り戻した。

 ……そして、ハルビンからの極秘の連絡では、プレス機械で切断された指の『欠損部位』が、まるでトカゲの尾のように、数十分の間に肉芽を伸ばして完全に再生(再構築)されたという、おぞましいレベルの症例まで報告されています」

 

医師A:

「……『おぞましい』という表現は、医師として不謹慎かもしれませんが、今の私の心境も全く同じです。

 癌細胞を消滅させるだけでも、我々が何万時間もかけて行っている化学療法や放射線治療を完全にオモチャにする行為です。

 ですが、脊髄の完全結合や、欠損した四肢の再生(再構築)まで含むとなれば……それはもはや『治療』という言葉では説明がつきません。

 人体の設計図(DNA)をその場でダイレクトに読み直し、エラーをすべてデバッグして『正常な状態に上書き保存している』。……そうとしか解釈できないのです」

 

技術顧問D:

「気功や伝統医療で癌が治る、と言われれば、我々は通常、悪質な詐欺医療として切り捨てます。

 しかし、相手は『本物の仙人』です。

 彼らが、人間の理解を超えたアーティファクト(光る珠)を使用している。

 ……医学が、宇宙のテクノロジーの前に完全に敗北し、ひざまずいている。その圧倒的な現実を前にして、私はただ、言葉を失うしかありません」

 

[X(旧Twitter) / 医療・科学クラスタの動揺]

 

@Med_Researcher_JP

末期癌が自然に縮小する「自発的寛解」という現象は、医学の歴史上、数十万件に一回程度の確率で確かに存在する。

だが、それが複数の都市で、全く同じタイミングで、しかも「数時間」という超高速のプロセスで連続発生する確率は、統計学的に【絶対的なゼロ】だ。

中国で起きていることは、医学ではない。

 

@Phys_Cell_Biology

「治す」というより「正常な状態に戻す」に近い。

切断された指が生えるという情報がもし事実なら、それは細胞分裂を促進させているのではない。通常の細胞分裂のスピードをそこまで上げたら、人体の代謝熱で肉体が燃え尽きるか、細胞が癌化して死ぬ。

物理的な代償(熱や拒絶反応)を伴わずに肉体を再構築しているなら、それは我々の知らない『高次の情報場』を直接操作している。

 

@Science_Writer_T

インドの『ソーマの樹』が、汚染された大地や大河を癒やすテラフォーミング技術だったのに対し。

中国の仙人医療は、人間の肉体を直接癒やす(デバッグする)バイオテクノロジーの極致だ。

どちらも「破壊」ではなく「再生」の力。

……だけど、不思議なのは、中国政府がこれを国家の最大の武器(プロパガンダ)としてまだ公式に発表せず、水面下で隠蔽気味に処理している点だ。

何か、大々的に言えないような『強烈な制約(縛り)』があるのではないか?

 

@Hospital_Director_A

全国の病院経営者や医師会が、今、戦々恐々としながらこのニュースを追っている。

もし中国の仙人医療が本当に一般開放されたら、世界中の重症患者は既存の病院を見捨てて、全員が北京行きの飛行機に飛び乗るだろう。

医療ビジネスという概念そのものが、一夜にして崩壊する。

 

[5ちゃんねる:ニュース速報板]

 

32 :名無しさん@涙目です

末期癌だけじゃなくて、手足まで生えるってマジかよ。

ピッコロさんかよ、中国の仙人。

 

45 :名無しさん@涙目です

気功で癌が治るとか言ってた怪しいおっさんたち、今頃「ほら見ろ!俺の言ってた通りだろ!」ってガッツポーズしてそう。

※ただし本物の仙人に限る、だけどな。

 

58 :名無しさん@涙目です

>>45

あの怪しいおっさんたちの何万倍もヤバい『光る珠』を、中国指導部のジジイたちが病院に持ってきてるのがリアル。

「治す側」が国家の最高権力者って、どこのファンタジーRPGの賢者王だよ。

 

72 :名無しさん@涙目です

でもさ、その治療に使う「光る珠」って、誰でも使えるのかな?

噂だと、仙人化した指導部の人間が直接病室に来て、自分の「気」を通さないと動かないらしい。

しかも、一回使うと仙人側がめちゃくちゃ疲労して、しばらく動けなくなるっていう書き込みも見たぞ。

 

85 :名無しさん@涙目です

>>72

あー、だから一日あたりの治療人数が限定されてるのか。

無限に使えるエアコンみたいな機械じゃなくて、使う側の命(エネルギー)を削るタイプか。

だから、中国政府も「誰を先に治すか」で裏でめちゃくちゃ揉めてて、大々的に発表できないんだな。

 

「治す」という美しき奇跡の裏側に、隠しきれない異次元のテクノロジーの痕跡。医療関係者や科学者たちがその論理的な矛盾と凄まじさに頭を抱え、絶望と畏怖を深めていくその足元で、ネットの住民たちは、この「希望のニュース」が孕む、もう一つの【最も危うく、最も血生臭い前提】を、唐突に思い出すことになる。

 

 

 

 

 

 

【第4章 ネットが思い出す:「殺せば恩恵が移る」】

 

世界を恐怖のどん底に叩き落とした「黒鯨」の消滅。

その圧倒的な光の記憶がまだ人々の網膜に焼き付いている最中、ネットの海に静かに、しかし爆発的な速度で広がり始めた『中国の仙人医療』の噂。

末期癌が消える。白血病の数値が正常化する。さらには、失われた手足の欠損部位すらも再構築される。

流出した動画と、医療関係者たちの裏ネットワークから漏れ聞こえる絶望的なまでの「医学の敗北」の証言は、大衆の心をかつてないほどの熱狂と希望で包み込もうとしていた。

 

日本のネット空間でも、その奇跡を称賛し、すがりつこうとする声が溢れ返り始めていた。

「中国すごい」「うちの家族も治してほしい」「日本の光の柱は都市を救ったけど、中国の光る珠は人の命を直接救ってくれる」――。

 

しかし。

その無邪気な熱狂は、長くは続かなかった。

インターネットという巨大な集合知は、都合の悪い事実を忘却する一方で、最も残酷なタイミングで過去の記憶を掘り起こす、冷酷な記録装置でもあるのだ。

 

最初は、歓喜に満ちた5ちゃんねるの巨大スレッドの中に投下された、たった一つの短いレスだった。

 

[5ちゃんねる:ニュース速報板]

スレタイ:【奇跡】中国仙人、末期癌から四肢欠損まで完全治療してしまうwww

 

98 :名無しさん@涙目です

マジでこれ、人類の夢だろ。

病気で死ぬっていう概念がなくなる時代が来たのかもしれない。

 

99 :名無しさん@涙目です

でも中国だからな。どうせ共産党の偉い奴らだけが独占して、一般人には恩恵回ってこないんだろ。

 

100 :名無しさん@涙目です

いや、流出動画見たか? ガチの一般病棟のボロボロのベッドだぞ。

仙人が直接一般人を治して回ってるらしい。

 

101 :名無しさん@涙目です

……待て。

 

102 :名無しさん@涙目です

何?

 

105 :名無しさん@涙目です

お前ら、何か決定的なこと忘れてないか。

中国の指導部って、殺せば恩恵が移るんじゃなかったか?

 

108 :名無しさん@涙目です

あっ。

 

110 :名無しさん@涙目です

あっ。

 

113 :名無しさん@涙目です

おい、思い出させるな。

 

117 :名無しさん@涙目です

「我々は仙人となった。不老無病の肉体を得た。そして、我々を殺害した者にその恩恵は移る」

数ヶ月前、李天明が世界に向けてドヤ顔で公表してた絶対ルールじゃねーか。

 

121 :名無しさん@涙目です

で、その「殺せば恩恵が移る仙人」が、今度は他人を治すチート医療スキルまで使い始めたと。

 

125 :名無しさん@涙目です

……つまり、仙人を殺せば、自分も不老無病になる上に、【他人を治す側】になれる可能性があるってことか?

 

129 :名無しさん@涙目です

最悪の報酬テーブル更新やめろ。

 

133 :名無しさん@涙目です

中国指導部、歩くエリクサー兼レイドボスじゃん。

 

137 :名無しさん@涙目です

もうこれ国家の指導者じゃなくて、完全にネトゲの期間限定イベントボスだろ。

 

141 :名無しさん@涙目です

倒すと「仙人化」ドロップ。

しかもその仙人が、現代医学を過去の遺物にする「超回復スキル(光る珠)」持ち。

 

146 :名無しさん@涙目です

人類に与えていい仕様じゃない。

 

その気づきは、冷や水のようにネットの熱狂を凍りつかせ、全く別の種類の『狂気』へとタイムラインを反転させた。

 

[X(旧Twitter) / タイムライン]

 

@Cynical_Otaku

中国、殺せば恩恵が移る仙人指導部が、今度は他人を治す仙人医療まで始めたの、ゲームバランス崩壊しすぎだろ。

どんだけヘイトと欲望を一身に集める気だよ。

 

@Pol_Sci_Expert

これは最悪の事態です。

これまでは「自分自身が不老無病になりたい」という狂信者や権力者だけが彼らを狙っていました。

しかし、これからは違います。「自分の愛する家族を治すために、仙人の力を奪いたい」という、最も切実で、最も同情を誘い、そして最も歯止めが利かない動機を持った人間たちが、殺意の列に加わることになります。

 

@News_Watcher_JP

治療してほしいって泣いてすがる患者家族と、不老無病を奪いたい暗殺者たちの視線が、全く同じ「北京の病院」に向かってるの、構図として怖すぎるだろ。

 

@Mil_Spec_Watcher

中国が一番の勝ち組なのか、一番の地雷原なのか分からなくなってきた。

日本の謎の光は空のバケモノを消し去って都市を救った。

中国の仙人医療は、絶望してる家族を救うかもしれない。

ただし、その仙人は殺せば恩恵が移るという最悪の仕様付き。

地球のルール、邪悪すぎる。

 

@Corporate_Slave_00

治す仙人と、狙われる仙人。

これ、もし病室で治療してる最中に暗殺者が突っ込んできたらどうなるんだ?

患者を庇いながら戦う国家主席とか、どこのバトル漫画だよ。現実がフィクションを軽々と超えていくな。

 

希望の光として拡散されたはずの医療ニュースは、たった一つの過去の設定が掘り起こされただけで、世界規模の「暗殺インセンティブ再燃ニュース」へと変貌を遂げた。

純粋な感謝と祈り。そして、底なしの強欲と殺意。

相反するはずの二つの巨大な感情が、今、北京という一点に向けて、恐ろしい速度で収束し始めていたのである。

 

【第5章 過去の公開イベントを踏まえたネットの雑まとめ】

 

あまりにも高頻度で発生し続ける地球外テクノロジーの事象に、ネット民の脳内処理能力は完全に限界を迎えつつあった。

「黒鯨」の恐怖から「仙人医療」の狂騒へ。数日単位でコロコロと変わる世界の前提条件を前に、人々は自らの精神の安定を保つため、現在の世界の『異常な勢力図』を何とかして整理・俯瞰しようと試み始めた。

 

[5ちゃんねる:オカルト板]

スレタイ:【神話大戦】アーティファクト時代の各国の状況を雑にまとめるスレ Part.45

 

1 :名無しさん@オカルト

情報過多で脳がショートしそうだから、現状の各国の手札を一回整理しようぜ。

 

15 :名無しさん@オカルト

【ロシア】:シベリアの凍土から掘り出した機械で、兵士の四肢を切断してサイボーグ化。完全にディストピアの機械化帝国ルート。

 

22 :名無しさん@オカルト

【中国】:指導部が仙人化(不老無病+超身体能力)。ただし殺せば恩恵が移る仕様。さらに今回、末期癌すら一瞬で治す「仙人医療(光る珠)」を開始。歩くチート集団兼レイドボス。

 

35 :名無しさん@オカルト

【アメリカ】:宇宙人の技術を解析する専門部隊(セレスティアル・ウォッチ)を保持。さらに最近、どんな装甲も両断する「光る剣(ライトセーバー)」を正式配備。物理と資金力で世界をねじ伏せる気満々。

 

48 :名無しさん@オカルト

【イギリス】:スコットランドの森に潜む現実改変能力者(魔女)と、紅茶とお菓子を対価に「公認魔女契約」を結ぶ。図太さ世界一のオカルト外交国家。

 

60 :名無しさん@オカルト

【インド】:ヒマラヤの奥地で90年守られた種子「ソーマの雫」を起動。死の川を一週間で浄化し、環境再生の覇権を握る。なお次の種は一つしかないので世界中から「うちによこせ」とカツアゲされている模様。

 

72 :名無しさん@オカルト

【日本】:出雲の森と与那国の海底で何かを隠している疑惑。そして数日前、東京を食おうとした怪物「黒鯨」を、天から降らせた『謎の光の柱』で空間ごと消し飛ばす。政府は「光学的現象です」と言い張っている。

 

85 :名無しさん@オカルト

【EU】:倫理委員会作って会議してる。あとヘルメス協会ってカルトっぽいのが「精神的導き」とか言ってるけど、一番影が薄い。たぶん裏で必死になんか探してる。

 

102 :名無しさん@オカルト

こうやって見ると、もうこれ国際政治じゃなくて、完全に「神話ごとの勢力図」だな。

 

118 :名無しさん@オカルト

一番ヤバいのはどれだ? やっぱりアメリカのライトセーバーか?

 

125 :名無しさん@オカルト

いや、局地戦ならアメリカ最強だろうけど、スケールで見たら日本の「謎の光の柱」が頭一つ抜けてるだろ。

全長数キロの空飛ぶバケモノを一瞬で消し去るんだぞ。あんなの撃ち下ろされたら、サイボーグもライトセーバーも魔女も消し飛ぶわ。

 

132 :名無しさん@オカルト

でも日本政府は「光学的現象」って言って隠そうとしてるから、連発できるもんじゃないか、撃つとめちゃくちゃヤバい代償があるかのどっちかだろうな。

 

140 :名無しさん@オカルト

そこに「仙人が癌を治す」が投下されたわけだ。

破壊と再生のインフレが止まらない。俺たち、もう絶対元の世界には戻れないんだな。

 

[X(旧Twitter) / 有識者の整理投稿]

 

@GeoPol_Watcher_JP

直近のニュースだけを追っていると、黒鯨から中国の仙人医療へ話題が移ったように見えますが、事態の本質はもっと重層的です。

ロシアは機械化へ突き進み、中国は精神と肉体の超越(仙人化)へ行き、インドは環境の再生を選択し、イギリスは土着の神話(魔女)と契約し、日本は空から降る絶対的な「謎の光」で防波堤を築いた。

各国のアーティファクトの性質が、そのままその国の「国家としての在り方」を決定づけています。これは兵器開発競争ではありません。全く異なるルールの文明同士がぶつかり合う、異種格闘技戦の始まりです。

 

@World_History_Bot

万象器のオークションで「価値」の概念が揺らいだのも束の間。今度は「生命」と「破壊」のルールが書き換えられている。

我々は今、人類史上で最も濃密な数ヶ月を生きている。

 

ネット民による乱暴ながらも的確なまとめは、世界がもはや「政治力学」ではなく「神話的抑止力」によって辛うじて均衡を保っているという事実を、人々の心に深く刻み込んだ。

 

【第6章 富裕層の反応:治療枠を買いたい】

 

ネットの大衆が「ゲームバランスの崩壊」を茶化し、オカルト的な考察に興じている一方で。

表社会を裏から操る真の権力者たち、そして莫大な資産を持ちながらも「病」という逃れられない死の影に怯える世界の富裕層たちは、全く別の、極めて生々しく切実な動きを見せ始めていた。

 

彼らにとって、中国指導部が「殺せば恩恵が移るレイドボス」であるかどうかなど、些末な問題であった。

重要なのはただ一点。彼らが【現代医学に見放された命を、確実につなぎ止める奇跡の力】を持っているという事実のみである。

 

[海外ダークウェブ掲示板 / VIP限定医療ブローカー・コミュニティの書き込み(翻訳抽出)]

 

User: Silicon_Valley_CEO_99

【至急】北京の『光る珠』の治療枠、あるいは仙人となった党幹部との直接面会ルートを探している。

私の父は膵臓癌のステージ4だ。金ならいくらでも出す。予算の上限はない。自社の株式の5%(約300億ドル相当)を譲渡してもいいし、中国への技術移転の裏契約を結んでもいい。仲介できるエージェントはすぐに暗号回線で連絡をくれ。

 

User: Gulf_Royal_01

西側の最新医療設備など、もはやガラクタ同然だ。中国共産党中枢に繋がる確固たるパイプを持つ者はいないか?

一族の長老を治したい。見返りとして、中東の特定の油田の採掘権の一部を、ダミー会社経由で譲渡する用意がある。

 

User: Euro_Old_Money

EUの倫理委員会の馬鹿どもが会議をしている間に、私の一族は滅びてしまう。

スイスの口座から即座に十億ユーロを動かせる。北京へのプライベートジェットの飛行許可と、仙人への謁見を取り付けられる交渉人を求む。

 

だが、これら天文学的な金額が乱れ飛ぶ富裕層たちの悲痛な要請に対し、裏社会のフィクサーたちの回答は、どれも絶望的なものであった。

 

User: Shadow_Fixer

無理だ、諦めろ。我々のルートで北京の党中枢に接触を試みたが、すべての窓口が物理的にも電子的にも完全にシャットアウトされている。

連中は今、外貨にも資源にも全く興味を示していない。札束を積んでどうにかなる相手じゃないんだ。

 

User: Private_Military_Contractor

ならば、金で買えないのなら【物理】で連れてくる(拉致する)か、奪うしかない。

あの光る珠か、あるいは仙人そのものを確保するための「特別作戦」に資金を出すスポンサーはいるか? 我々の部隊が請け負う。ただし、対象は生身で戦車をスクラップにするような連中かもしれない。成功報酬はそれ相応の額を要求する。

 

金で命が買えるはずだと信じて疑わなかった世界の特権階級たちは、初めて「自らの資産が全く通用しない領域」に直面し、焦燥と怒りを募らせていた。

その怒りは、やがて表のSNS上にも、薄汚い建前をまとって溢れ出し始める。

 

[X(旧Twitter) / 一般の反応]

 

@Global_Investor_A

中国がこの奇跡の医療技術を自国民だけに独占しようとしているのは、明らかな人道に対する罪だ。

医療に国境を持ち込むべきではない。彼らは直ちに国境を開放し、世界中の重篤患者を受け入れるべきだ。

 

@Normal_Citizen_JP

普段は金で医療の順番を横入りしてる連中が、自分たちの金が通用しないと分かった途端に「人命に国境を持ち込むな」とか言い出してて草生える。

 

@Corporate_Slave_00

自国の貧困層の医療格差をずっと見捨ててきた富裕層が、いざ自分の家族が病気になって中国の仙人に無視されると「非人道的だ!」って騒ぎ出すの、何の寓話だよ。最高に滑稽だな。

 

@Cynical_Otaku

でもさ、中国が嫌いでも、父親が治るなら土下座でも何でもする。これが命の重さなんだろうな。

金持ちも貧乏人も、死を前にしたらただの無力な人間になるってことだ。

 

@News_Watcher_JP

そもそも中国国民優先は当たり前だろ。

自分の国の指導者(仙人)が、自分の国の国民を先に治す。国家としては一番真っ当な判断じゃん。それを責めるのはお門違いも甚だしい。

 

しかし、こうした富裕層の焦りと大衆の混乱の隙を突くように、インターネットの深淵からは、人間の最も醜い業とも言える『ビジネス』が雨後の筍のように乱立し始めていた。

 

[ネット広告・スパムメールの急増]

 

『【極秘】中国仙人治療枠、特別手配可能!』

『北京特別病棟へのVIP紹介状、限定3名様。前金100万ドル』

『光る珠・奇跡の治療予約フォーム(※仮想通貨決済のみ)』

『仙人医療コンサルティング。あなたの命を確実につなぎます』

 

[5ちゃんねる:ニュース速報板]

スレタイ:【地獄】末期癌の家族を狙う「仙人治療詐欺」サイトが大量発生してしまう

 

1 :名無しさん@涙目です

もう詐欺サイト出てて草も生えない。

 

2 :名無しさん@涙目です

行動早すぎだろ詐欺師ども。

 

3 :名無しさん@涙目です

「光る珠治療予約フォーム」って字面が地獄すぎる。

こんなのに引っかかる奴いるのか?

 

4 :名無しさん@涙目です

引っかかるんだよ。

家族が明日死ぬかもしれないって時に、「1000万振り込めばワンチャンあるかも」って言われたら、藁にもすがる思いで振り込んじゃうんだよ。

末期患者の家族の心理状態を舐めるな。

 

5 :名無しさん@涙目です

一番最悪なのは、中国の病院で「本物の奇跡」が起きちゃってるせいで、詐欺だと100%断言しきれないところなんだよな。

「もしかしたら本当に裏ルートがあるのかも……」って思わせるだけの現実がそこにある。

 

6 :名無しさん@涙目です

アーティファクトの力は、人を救う前にまず人の心をぶっ壊すんだな。

金持ちは札束で殴り合い、詐欺師は弱者の血を啜り、暗殺者はナイフを研ぐ。

これが、仙人がもたらした「奇跡」の現実だ。

 

 

 

 

【第7章 裏の反応:暗殺市場がさらに狂う】

 

表のインターネット空間が「中国の奇跡の医療」への賛否と、富裕層たちの露骨な命のオークションで沸き返っているその裏側。

Torネットワークや秘匿された暗号化通信プロトコルの奥底、一般の検索エンジンでは決して到達できないディープウェブの深層において、全く別の、そして極めて冷酷で血生臭い論理が展開され始めていた。

 

それは「治療枠を金で買うことが不可能である」と悟った者たちが、必然的に行き着く最悪の結論であった。

 

[海外ダークウェブ / 匿名傭兵・情報ブローカー向け秘匿掲示板(翻訳抽出)]

 

User: Black_Hound_88

『北京の医療ルートは完全に物理遮断されていると聞いた。人民解放軍の精鋭と、公安の特務部隊が病院を要塞化しているらしい。金もコネも一切通用しない。……ならば、クライアント(雇い主)に提案すべきプランは一つしかないな』

 

User: Shadow_Fixer_01

『ああ。「治療枠を買えないなら、自分が治療者(仙人)になればいい」。

数ヶ月前、中国の指導部自らが世界に向けて宣言した絶対のルールがある。

――「我々を殺害した者に、不老無病の恩恵は移る」。

クライアントの中には、自分の命だけでなく、一族の長老や愛する者をどうしても救いたいと願う狂った富豪が山ほどいる。彼らは今、恩恵の移転ルールに「治癒能力の獲得」が含まれている可能性に、天文学的な資金をベットする準備を始めている』

 

User: Reaper_Actual

『ターゲットの変更だ。

病室で警備に守られた「治療中の仙人」を狙うのはリスクが高すぎる。狙うべきは病院ではない。

彼らの移動ルート、あるいは中南海(指導部の居住区)そのものだ。

中国の指導部四十六人。彼らは単なる一国の権力者ではなく、今や「殺せば歩く万能医療ポッドになれる」という、世界で最も高価なドロップアイテムを持った賞金首に変わった』

 

User: Crimson_Bullet

『これまでは「自分が不老不死になりたい」という自己中心的な狂人だけが暗殺を企てていたが……今回は違う。「家族を救うために仙人の力を奪う」という、歪んだ正義感と大義名分を持った連中がスポンサーにつく。予算の規模が桁違いだ。

世界中のプロフェッショナルな暗殺者やPMCが、今、北京の地図をダウンロードしている頃だろう』

 

User: Intel_Broker_X

『問題は、標的が「ただの人間ではない」ことだ。

彼らは仙人化し、現代の火器に対する圧倒的な耐性と、人間離れした知覚能力を持っていると推定される。おまけに中国の国家防衛網がそれを全力で守っている。

……だが、どんな神様にも必ず物理的な「隙」はある。報酬は十億ドルを下らない。誰が最初にその首を取るかのレースだ』

 

裏社会の論理は、残酷なまでにシンプルだった。

買えないなら、殺して奪えばいい。

彼らにとって、仙人たちが今、一般の市民を治して徳を積んでいることなどどうでもよかった。

重要なのは「殺せば恩恵が移る」という、中国政府自身が世界に明かしてしまった最悪の『仕様』である。

 

この暗殺市場の異常な沸騰は、すぐさま表のセキュリティ専門家やジャーナリストたちの目にも留まり、SNS上で強い警鐘が鳴らされることになった。

 

[X(旧Twitter) / セキュリティ・国際情勢クラスタのタイムライン]

 

@Cyber_Sec_Expert

ダークウェブのトラフィックを監視しているが、中国の要人に関する通信傍受や、北京の立体地図、中南海の警備システムに関するデータの取引量が過去最高を記録している。

今回の「仙人医療」の報道で、中国指導部への攻撃リスクは単なるテロのレベルから、「世界規模の暗殺レース」へと完全に跳ね上がった。

 

@Pol_Sci_Analyst

以前は「仙人化の恩恵(不老不死)を奪う」ことが暗殺の主目的でした。

しかし今後は、「自分が家族を治療する側に回るため」という、最も歯止めが利かない、狂気じみた動機が追加されてしまいます。

人は、自分の命のためなら躊躇するかもしれませんが、「愛する子供や親を救うため」となれば、どんな非道な手段でも正当化してしまいます。この動機の追加は、暗殺という行為への心理的ハードルを劇的に下げてしまうのです。

 

@Investigative_Journo

中国は今、世界で最も危険な磁場を生み出している。

患者とその家族からの純粋な「祈り」。

治療枠を求める富裕層からの膨大な「金」。

そして、その恩恵を物理的に奪い取ろうとする犯罪組織や暗殺者からの「殺意」。

この三つが、全く同じ「中国の指導部」という一点に向けて、同時に、かつ猛烈な速度で引き寄せられている。

北京は今、世界最大の巡礼地であると同時に、史上最悪のデスゲームの舞台になっている。

 

この「恩恵移転ルールの存在」に気づいた日本のネット民たちもまた、その仕様のあまりの邪悪さと、それがもたらす地獄のような未来図に戦慄し、大喜利のような軽口を完全に叩けなくなっていた。

 

[5ちゃんねる:ニュース速報板]

スレタイ:【悲報】仙人医療のせいで、中国指導部への暗殺者が急増する可能性。仕様が邪悪すぎる件

 

1 :名無しさん@涙目です

治療してほしい患者の行列と、隙あらば殺して能力を奪おうとする暗殺者の行列が、同じ北京の病院に向かってるってことだろ?

地獄絵図すぎる。

 

15 :名無しさん@涙目です

「仙人を守れば患者が助かる」。

「仙人を殺せば自分が仙人になれて、家族を治せるかもしれない」。

どっちも「命を救うため」の行動なのに、やってることが完全に真逆なんだよ。

こんな悪魔の選択肢、誰が考えたんだよ。

 

28 :名無しさん@涙目です

中国の指導部も、自分が「歩く特効薬」になったせいで、四六時中命を狙われるハメになってるの、因果応報というか何というか。

不老不死を手に入れた代償が、永遠に続く暗殺の恐怖って、皮肉が効きすぎてる。

 

42 :名無しさん@涙目です

でもさ、暗殺者が仙人を殺して新しい仙人になったとして、そいつが大人しく一般人の治療なんかすると思うか?

絶対に自分の身内だけ治して、あとは力を悪用するに決まってるだろ。

だから、今の「一応一般人を治してる中国のジジイたち」を守るしかないっていう、最悪の防衛ゲームが発生してる。

 

55 :名無しさん@涙目です

中国勝ち組!とか言ってたけど、全然勝ち組じゃないわ。

勝ち組すぎたせいで、全世界からのヘイトと殺意の標的にされてる。

完全に「防衛力がないと即死する」縛りプレイの真っ最中だ。

 

70 :名無しさん@涙目です

日本の「謎の光の柱」は、都市を丸ごと消し去ろうとした空のバケモノ(黒鯨)から俺たちを救ってくれた。

中国の「光る珠」は、死にかけの患者を救ってくれるかもしれない。

でも、その奇跡を使う奴らは「殺せば能力が奪える」という爆弾を背負ってる。

アーティファクトの世界、人間を試すようなクソ仕様ばっかりで本当に嫌になる。

 

【第8章 患者家族の反応:黒鯨より近い恐怖】

 

ネット上が各国のパワーバランスや、暗殺者の動向といった「マクロな世界情勢」で盛り上がる中。

その大きな波の陰で、決して茶化すことの許されない、極めてパーソナルで、重く、血の通った『悲痛な声』が、SNSのタイムラインに静かに溢れ出し始めていた。

 

アーティファクトの脅威。

イギリスの魔女や、日本の空を泳ぐ黒鯨は、確かに圧倒的な恐怖であった。それは都市を破壊し、文明を脅かす「巨大な外側の怪物」だ。

だが、人間にとっての最も切実な恐怖とは、常に『自分の内側』、あるいは『愛する者のベッドの隣』に存在している。

 

病魔という、昔からずっと家の中にいる怪物。

 

それに対して、現代医学が完全な敗北を宣言した「末期」という状態。

その絶対的な死の淵に立たされている患者とその家族にとって、中国から漏れ聞こえてきた「仙人医療」の噂は、単なるオカルトニュースでも、国際政治の駆け引きでもなかった。

それは、絶対に手が届かないと分かっていてもすがらずにはいられない、残酷なまでの【希望の光】だったのだ。

 

[X(旧Twitter) / 日本の患者家族のポスト(長文)]

 

@Hope_For_Tomorrow_JP

母が、末期癌です。

もう手の施しようがないと、昨日、主治院の先生から告げられました。

痛み止めのモルヒネの量を増やすことしかできず、母はベッドの上で、細くなった腕にたくさんの点滴の管を繋がれながら、ただ浅い呼吸を繰り返しています。

私は、その横で、ただ泣くことしかできません。

 

黒鯨が空に現れた時、私は「このまま世界が終わればいい」とすら思いました。

どうせ母が死ぬのなら、皆で一緒に消えてしまえばいいと、そんな黒い感情を抱いていました。日本の空から降ってきた光の柱が怪物を消し去った時、世界中の人が歓喜していましたが、私は病室の窓からそれを見つめながら、ただ空しかったです。

 

でも。

中国で、末期癌が治ったというニュースを見ました。

宝貝とか仙人とか、少し前までなら、カルト宗教の与太話だと笑って見過ごしていたはずの言葉です。

でも今は、笑えません。

動画の中の、私と同じように母親のベッドの横で泣き叫んでいたあの娘さんの姿が、目に焼き付いて離れません。

 

嘘でもいい。フェイクでも、プロパガンダでも構わない。

もし、1パーセントでも……いや、0.1パーセントでも、母の苦しみを消し去り、また一緒に家に帰れる可能性があるのなら。

私は、その「光る珠」の情報を知りたい。

 

中国国民が優先だとニュースで言っていました。

そりゃそうだよね、と頭では分かります。自分の国の偉い人が、自分の国の民を優先するのは当たり前のことです。

でも、どうしても、どうしても諦めきれない自分がいます。

政治の話や、国際問題、暗殺のリスクなんて、私にはどうでもいいんです。

ただ、母を助けたい。

それだけなんです。

 

この血を吐くような長文のポストは、多くの人々の心を打ち、リポストを通じて一気に拡散された。

「大喜利」や「陰謀論」で消費されていたアーティファクトのニュースが、突如として【生身の人間の切実な命の叫び】へと引き戻された瞬間だった。

 

そして、この叫びは日本国内に留まらなかった。

世界中の、同じような絶望の淵にいる家族たちが、言語の壁を越えて、それぞれの想いをネットの海へと投下し始めた。

 

[X(旧Twitter) / アメリカの患者家族のポスト(翻訳)]

 

@US_Father_Love

My daughter has leukemia. She is only ten years old.

(私の娘は白血病です。まだ10歳です)

The doctors say the latest treatments aren't working. We are out of time.

(医者は最新の治療も効果がないと言っています。もう時間がありません)

If Beijing can save her, I would beg. I would get on my knees right now.

(もし北京が彼女を救えるなら、私は懇願します。今すぐこの場でひざまずいてもいい)

I have always hated the CCP. I fought against their ideology.

(私はずっと中国共産党を憎んできました。彼らのイデオロギーと戦ってきました)

But if they can cure my child, I would surrender all my beliefs.

(ですが、もし彼らが私の子供を治してくれるなら、私は自分のすべての信念を捨てます)

We have the best insurance companies in the world. But they have immortals who cure cancer.

(私たちには世界最高の保険会社がある。しかし、彼らには癌を治す仙人がいる)

What kind of world is this? What am I supposed to do?

(これは一体どういう世界なんだ? 私は何をすればいいんだ?)

 

アメリカの、ゴリゴリの反共産主義者であろう父親の、この悲痛な告白。

国家のイデオロギーや個人の思想信条など、愛する子供の命の前では塵芥に等しいという、あまりにも生々しい現実がそこにあった。

 

[海外大手フォーラム Reddit / r/europe(ヨーロッパ板)より翻訳]

 

u/French_Mother_88

EUの政治家たちは、ジュネーブで「アーティファクト医療の倫理委員会の設立」について、何週間もかけて優雅な会議を開くつもりらしい。

だが、その会議をしている今この瞬間にも、私の夫の病状は進行している。

中国が好きではない。彼らのやり方は常に強権的で非民主的だ。

だが……家族が助かるなら、人は民主主義も思想も喜んで窓から投げ捨てる。

EUが机上の空論をこねくり回している間に、中国は現実の病院で患者を治している。

悔しいが、これは圧倒的に強い。医療は理念ではなく「結果」だと言われたら、我々には返す言葉が一つもない。

 

世界中から上がる、病に苦しむ者たちの生々しい声。

それを見た一般のネットユーザーたちは、もはや中国の仙人医療を安易なオカルトネタとして消費することができなくなっていた。

 

「読んでて泣きそうになった」

「これ、笑えないわ。もし自分の家族が同じ状況だったら、絶対中国の病院に向かって土下座してるもん」

「黒鯨みたいな分かりやすいバケモノより、こういう『絶対に届かない希望』を見せつけられる方が、人間にとっては残酷な拷問だよな」

「治す力があるのに、自分は選ばれない。その絶望感は、病気そのものより重いかもしれない」

 

希望という名のアーティファクトは、絶望の淵にある者たちにとって、あまりにも残酷な光を放っていた。

そして、この「圧倒的な結果」を見せつけられた大衆の心が、少しずつ、しかし確実に、既存の国家や医療制度に対する不信感へと傾き始めていることを、各国のインテリジェンス機関は不気味な兆候として観測し始めていたのである。

 

【第9章 陰謀論者とスピリチュアル界隈の爆発】

 

絶望する患者家族の悲痛な声がネットの一部を沈痛な空気に染める一方で、インターネット特有の『狂気と妄想の掃き溜め』とも言える界隈は、この異常事態を己の思想に都合よく取り込み、かつてない規模で大爆発を起こしていた。

 

現実がすでに「仙人が光る珠で癌を治す」というオカルトの極地にある以上、陰謀論者やスピリチュアル界隈にとって、もはやタガは完全に外れていた。

彼らの主張は、現実の狂気をさらに上回る速度で、ネットの深部から表層へと増殖していく。

 

[海外・国内の陰謀論系匿名掲示板 / まとめ]

 

「目を覚ませ! 中国はずっと仙人技術を隠していたんだ!」

「アメリカの光る剣も、日本の空に降った光の柱も、そして中国の仙人医療も、すべては同じ『古代地下文明システム』の一部だ! 彼らは裏で繋がっていて、我々一般人を騙すための巨大なショーを演じている!」

 

彼らの妄想は、現代医療への不信感と結びつき、さらに先鋭化していく。

 

「癌は、本当は昔から治せる病気だったんだよ! ロックフェラーと巨大製薬会社(ビッグ・ファーマ)が、抗がん剤で莫大な利益を搾取するために、治癒のアーティファクトを隠蔽していたんだ!」

「中国の指導部がそれに反旗を翻して、アーティファクトの力を解放した。だから西側のメディアは彼らを叩いているんだ!」

 

さらに、アーティファクトの性質そのものに対する独自の「解釈」が、次々と投下される。

 

「仙人化ってのは、遺伝子改造なんかじゃない。あれは高次元のエネルギーによる【魂のアップグレード】だ」

「中国指導部がなぜ、わざわざ一般の病院に行って下民の病気を治して回っていると思う? 慈善事業なわけないだろ。彼らは治癒の過程で、患者から強烈な【信仰エネルギー(プラーナ)】を吸収しているんだ!」

「そうだよ。治してやる代わりに、患者の魂の所有権にロックをかけてるんだよ。それが彼らの本当の狙いだ!」

「『殺せば恩恵が移る』っていうルールも、実は肉体の話じゃない。魂の契約書(ブロックチェーン)が書き換えられるっていう、宇宙のシステム(スマートコントラクト)の話なんだよ!」

 

一方、スピリチュアル界隈のSNSでも、この現象は彼らの教義(スピリチュアリティ)の証明として、熱烈に歓迎され、独自の言語で語られていた。

 

[X(旧Twitter) / スピリチュアル系・自己啓発アカウントのタイムライン]

 

@Cosmic_Healer_Love

皆さん、気づきましたか?

中国の仙人様たちが、自らの足で病院へ赴き、民を癒やしている。これは、彼らが単なる権力者から、本当の意味での「悟りを開いた修行者」へと波動を上げている証拠です!

病を癒やすことは、彼らがこれまで政治の世界で積んできた「殺しや争いの因果(カルマ)」を清めるための、神聖な修行なのです。

 

@Aura_Reader_JP

光る珠は、宇宙のソース(源)からのダイレクトな愛のエネルギーです。

仙人様たちが自らの生命エネルギー(気)を分け与えることで、地球全体の波動が引き上げられています。私たちも、彼らに感謝の祈りを送りましょう。

 

@Soul_Awakening_00

ただし、その尊い仙人様たちに「殺意」を向ける者たち(暗殺者や強欲な権力者)は、自らの魂を決定的に汚すことになります。

恩恵を力ずくで奪おうとする者には、必ず宇宙の法則による強烈な跳ね返り(カルマの浄化)が待っています。愛と調和だけが、これからのアーティファクト時代を生き抜く鍵なのです。

 

この、陰謀論とスピリチュアルが入り混じった狂騒状態に対し、一般のネット民たちは、もはや呆れるのを通り越して、的確で冷ややかなツッコミを入れ続けていた。

 

[5ちゃんねる:ニュース速報板]

スレタイ:【悲報】陰謀論者とスピリチュアル界隈、中国の仙人医療で元気になりすぎるwww

 

1 :名無しさん@涙目です

陰謀論者、全員水を得た魚みたいに元気になりすぎだろww

 

5 :名無しさん@涙目です

「魂のアップグレード」とか「信仰エネルギーの吸収」とか、相変わらず想像力がたくましいな。

でも残念だったな。お前らの陰謀論より、現実の「殺せば恩恵が移る」っていう公式仕様の方がよっぽどヤバくて狂ってるんだわ。

 

12 :名無しさん@涙目です

今回に限っては、マジで現実の方が陰謀論よりタチが悪い。

陰謀論者は「製薬会社が隠してた!」とか裏でコソコソやってる前提で語るけど、現実は国家のトップが「俺たち仙人になりました。殺したら能力移ります。ついでに癌も治します」って全世界に堂々と宣言してんだからな。

 

25 :名無しさん@涙目です

スピリチュアルのおばさんたちが「仙人様は徳を積んでいるのよ!」ってキャッキャしてるけど。

その仙人様を殺そうとする暗殺者が、世界中から北京に向かってフルマラソンしてる現実からは目を逸らしてるのウケる。

 

38 :名無しさん@涙目です

「殺せば恩恵が移る」

これが誰かの妄想じゃなくて、国務院が発表した【公式設定】だっていうのが、本当にこの世界終わってる。

陰謀論者がどんなエグい設定考えても、公式の邪悪さには勝てない。

 

50 :名無しさん@涙目です

事実は小説より奇なり、を地で行く時代。

俺たち一般人は、ただ画面の前で「すげえ」「こええ」って言いながらポップコーン食うことしかできない。

日本が謎の光で黒鯨を消してくれたおかげで、とりあえず今日ポップコーン食えることには感謝してるけどな。

 

現実がフィクションや妄想を遥かに凌駕する速度で展開していく中、ネット空間の混沌は極みに達していた。

だが、その喧騒を再び一刀両断にするかのように、当事者である中国政府が、ついに重い口を開き、公式な対応を見せる時がやってきたのである。

 

 

 

 

【第10章 中国政府が事実を一部認める】

 

世界中が半信半疑と熱狂の狭間で揺れ動く中、事態を静観し続けるには、中国のインターネットファイアウォールをもってしても限界が近づいていた。

情報の漏洩から二日。海外からの非公式な外交照会と、国内外の富裕層たちからの露骨なアプローチがピークに達しようとしていたその時、中国国務院はついに、重い腰を上げて公式な対応を見せることとなった。

 

北京、中国中央電視台(CCTV)のニュース速報。

いつも通りの硬質なセットと、一糸乱れぬ表情を作った報道官がカメラの前に立つ。

世界中のニュースネットワークがその映像を同時通訳付きで中継し、数億人の視聴者がスマートフォンやモニターの前に張り付いていた。

 

「……一部の海外メディアおよびインターネット上において流布されている、我が国の医療機関に関する未確認情報について、政府としての見解を発表します」

 

報道官の声は、平時の無味乾燥としたトーンを保っていた。

「現在、中国国内の一部指定医療機関において、仙人化の恩恵を受けた国家指導部による【特別治療支援】が実施されていることは、事実であります」

 

世界中のネット空間が、一瞬だけ時を止めた。

 

「当該支援の対象は、重篤な疾患、重度外傷など、通常の医療技術では救命が困難と判断された患者の一部に限られます。

 これは、人民の生命と健康を守るための、国家的な取り組みの一環です」

 

報道官は、用意された原稿を淡々と、しかし強い警告を含んだ眼差しで読み上げる。

「この特別治療支援は、あくまで我が国の人民を対象とした無償の国家的事業です。いかなる金銭的取引、民間ブローカーの介在、ならびに外国勢力による不当な介入や枠の要求も、一切認めません。

 当面の間、中国国民の生命保護を【最優先】といたします。仙人となった指導部は、人民のためにその責務を果たします」

 

そして最後に、極めて厳しい口調で釘を刺した。

「なお、本件に関する根拠なき噂の拡散、違法な仲介行為、および治療枠を騙る詐欺行為に対しては、公安当局が厳正かつ容赦のない対処を行います」

 

「光る珠」とも「宝貝」とも、ましてや「奇跡の治癒力」とも明言しなかった。

だが、その行政用語でガチガチに固められた声明は、ネットの住民たちにとって、これ以上ないほどの『完全な肯定』として受け取られた。

 

[X(旧Twitter) / グローバル・タイムライン]

 

@News_Watcher_JP

認めたああああああああ!!!

中国政府が公式に「指導部による特別治療支援」を認めたぞ!!

言い方は固いけど、要するに「仙人が病院で奇跡起こしてるのはマジです」ってことだろ!!

 

@Tech_Visionary

「特別治療支援」という単語。政府の公式発表で出ていい文字列ではありませんよ。

国家指導者が直接病院に出向いて末期癌を治す。それが「国家的取り組み」として認められた瞬間です。近代国家の概念が完全にバグりました。

 

@Corporate_Slave_00

「当面は中国国民優先」「外国勢力の介入は認めない」。

ハッキリ言いきったな。これで裏で裏金積んでた欧米の金持ちとか、中東の王族とかは完全に終了のお知らせだ。

自国の民を優先するって、独裁国家なのに一番真っ当なこと言ってるの笑う。

 

@Security_Analyst_01

詐欺対策とブローカー排除をここまで強く言うってことは、もう国内で相当な数の闇ビジネスが横行してたってことだろうな。

だが一番重要な「指導部への暗殺対策」については一言も触れなかった。

言わないだけで、病院と中南海の警備は今、文字通り戦争レベルの厳戒態勢になってるはずだ。

 

[5ちゃんねる:ニュース速報板]

スレタイ:【確定】中国政府「仙人が病院で治療してるのはマジです」

 

1 :名無しさん@涙目です

宝貝とは言わないけど、事実上完全に認めたな。

 

12 :名無しさん@涙目です

「特別治療支援」って言葉の破壊力よ。

保険適用外どころの話じゃねえ。

 

25 :名無しさん@涙目です

外国富裕層、涙目の帰国ラッシュwww

金で命が買えると思ってた連中が、中国の国境前で門前払い食らってる姿を想像すると飯が美味い。

 

38 :名無しさん@涙目です

でもこれ、逆に言うと「金で買えないなら力ずくで奪うしかない」って発想になる奴らが増えるってことだぞ。

暗殺希望者と、狂った金持ちが雇った傭兵部隊が、一斉に北京を目指し始める。

 

45 :名無しさん@涙目です

治療希望者と暗殺希望者を同時に相手する中国政府、難易度高すぎないか?

タワーディフェンスゲームの最終ステージだろこれ。

 

56 :名無しさん@涙目です

日本の謎の光は「光学的現象です(すっとぼけ)」で逃げ切ろうとしたけど、中国は「はい、やってますけど何か?」って正面突破してきたな。

お国柄が出てる。

 

噂が公式に「否定されなかった」ことで、それは「事実上認められた」という強烈な現実へと変貌した。

世界は今、仙人という存在が単なる武力や寿命の延長ではなく、現代の医療技術を凌駕する『神の手』を持っていることを、正式な国家の声明として突きつけられたのである。

 

【第11章 中国国民の反応:感動と防衛意識】

 

中国政府の公式発表を受けて、中国国内のインターネット空間(微博や微信などのSNS)は、強烈な検閲の網と、政府による意図的な宣伝(プロパガンダ)の波に洗われていた。

だが、その情報統制の壁をすり抜けて、あるいは政府があえて「残した」書き込みの中には、作られた愛国心だけではない、人民の生々しく、そして熱狂的な感情が渦巻いていた。

 

実際に一般患者が治っているという事実。

それが、権力者のためでもなく、外国の富裕層に売り渡されるでもなく、自分たち『人民』のために使使われているという現実が、中国の一般市民の意識を劇的に変えつつあった。

 

[中国国内特定SNS(微博・微信) / 翻訳抽出]

 

ユーザーA(北京):

「本当に患者を治していたのか。幹部専用の病室や、富豪のVIPルームではなく、本当に一般病棟の、我々と同じ普通の人民のところに来ていたなんて」

 

ユーザーB(広州):

「仙人様は人民を見捨てなかった。

外国の金持ちどもがどれだけ札束を積んでも、主席たちは首を縦に振らなかったのだ。一日数十人でもいい。毎日誰かが確実に助かるなら、それは本物の奇跡だ」

 

ユーザーC(四川):

「古来より、力を得た者が民を癒やすなら、それは正しい仙道だと言われている。彼らはただの政治家であることをやめ、仙人として『徳』を積んでいるのだ」

 

ユーザーD(上海):

「正直に言うと、私はこれまで政治には全く興味がなかったし、政府の言うこともどこか冷めた目で見ていた。

でも……あの流出した動画で、お母さんが治って泣き崩れる娘さんの姿を見て、本当に泣いた。宣伝だとしても、プロパガンダだとしても、あの家族の命が戻ったのは嘘じゃない」

 

特に、これまで政府に対してシニカルな態度を取ることが多かった中国の若者層の反応が、大きく変化していた。

 

ユーザーE(学生):

「仙人って、不老不死になって権力者の延命をするだけのエゴイストだと思ってた。でも、実際に民を助ける存在だったんだな」

 

ユーザーF(IT技術者):

「教科書で見る偉い人のスピーチより、一般病棟で疲れて座っている仙人の方が、百倍信じられる」

 

ユーザーG(地方都市):

「北京だけじゃなくて、地方の病院にも来てくれているのが大きい。うちの省にも治療枠が来るかもしれない。順番を待つ。だから、どうか公平にしてほしい。地方の幹部の家族が割り込まないなら、我々は今の指導部を全力で支持する」

 

そして、この「感動」と「期待」は、すぐさまもう一つの、より強固で危険な感情へと結びついていく。

それは、世界中が仙人たちを「暗殺の標的」として見ていることに対する、猛烈な【防衛意識】の芽生えであった。

 

ユーザーH(国防関連掲示板):

「世界中のハイエナどもが、また主席たちを狙っている。我々の奇跡を奪おうとしている」

 

ユーザーI(軍属):

「仙人様を守ることは、人民の命を守ることだ。もし彼らが暗殺されれば、明日の治療枠は消え去る」

 

ユーザーJ(一般市民):

「治療する仙人を殺そうとする奴らを絶対に許すな! 彼らは民を癒やしているのだ。だから我々人民が、彼らを守らなければならない!」

 

ユーザーK(過激派):

「仙人を狙う外国の工作員や暗殺者は、人民の敵だ。見つけ次第、我々の手で八つ裂きにしてやる」

 

中国国内では、指導部への尊敬と感謝が、「仙人を守る=自分たち家族の命の可能性を守る」という極めて実利的な防衛本能と完全に融合していた。

これまでは「強権的な支配者」であった国家指導部が、今や「民衆に奇跡を分け与える聖人」として神格化されつつある。

外国の暗殺者から仙人を守るためなら、人民は自ら盾になることも厭わない。

中国のナショナリズムは、この「仙人医療」を契機として、かつてないほど強固で、狂信的な結束を見せ始めていた。

 

【第12章 海外ネット:「中国が一番の勝ち組では?」】

 

中国国内が熱狂と結束を深める中、世界のインターネット空間では、各国がこれまでに手にした「アーティファクトの手札」を冷静に比較し、どの国が最も優位に立っているかを巡る議論が白熱していた。

 

[5ちゃんねる:ニュース速報板]

スレタイ:【神話大戦】結局、今の地球で一番の勝ち組国家ってどこなん?

 

1 :名無しさん@涙目です

各国の手札整理するぞ。

【日本】黒鯨を消し飛ばした謎の光。都市を救う広域殲滅バリア?

【イギリス】政府公認魔女。お菓子と紅茶で動く現実改変者。

【インド】ソーマの雫。大地を癒やす環境再生チート。

【アメリカ】宇宙人技術の解析班と、あらゆる装甲を斬る光の剣(ライトセーバー)。

【ロシア】シベリア産サイボーグ兵工場。

【中国】殺せば恩恵が移る仙人指導部+末期癌を治す仙人医療。

 

……中国だけ報酬テーブルおかしくね?

 

12 :名無しさん@涙目です

日本の謎の光は確かに凄かった。都市を丸ごと救ったからな。

でも、中国の仙人医療は「家族」を救うんだよ。

どっちがすげえかって言われたら日本の光だけど、どっちが欲しいかって言われたら、圧倒的に中国の治療だわ。

 

25 :名無しさん@涙目です

自分や家族が病気になったら、日本の謎の光じゃ病気は治せないからな。

正直、中国の治療枠が一番現実的に喉から手が出るほど欲しい。

 

38 :名無しさん@涙目です

でもさ、その治療する仙人は、「殺せば恩恵(仙人化)が移る」っていうクソみたいな仕様を背負ってるんだぜ。

自分を治してくれるかもしれない神様が、世界中からPvPの賞金首として狙われてる。

 

50 :名無しさん@涙目です

仕様が邪悪すぎるんだよ。

中国が一番の勝ち組なのか、一番の地雷原なのか、マジで分からん。

 

62 :名無しさん@涙目です

完全無欠の勝ち組国家になってきた、というより。

「勝ち組すぎて、全世界からのヘイトと殺意と欲望を一身に集めるタワーディフェンスの防衛対象」になっちゃってる。

仙人国家、強すぎるけど怖すぎる。

 

[海外大手フォーラム Reddit / r/worldnews(世界ニュース板)より翻訳]

 

u/US_Citizen_01 (米国):

China has immortals who cure cancer. We have aircraft carriers and light swords.

(中国には癌を治す仙人がいる。我々には空母と光の剣がある)

I am not sure which is more powerful anymore.

(もう、どちらが強力なのか私には分からないよ)

 

u/Euro_Diplomat (フランス):

This is not soft power. This is life-and-death power.

(これはソフトパワーなどではない。生殺与奪の権力だ)

They don't need to threaten us with nukes. They just need to hold the cure and wait for us to bow.

(彼らは核兵器で我々を脅す必要はない。ただ治療法を握りしめ、我々が頭を下げるのを待っていればいいのだから)

 

u/Desperate_Father (英国):

If my child was dying, I would beg Beijing. That scares me more than missiles.

(もし私の子供が死にかけていたら、私は北京に懇願するだろう。それはミサイルよりも私を恐れさせる)

 

u/Russian_Observer (ロシア):

The darkest part is that killing one of them may grant the blessing.

(最も暗い部分は、彼らの一人を殺せばその恩恵が得られるかもしれないということだ)

Humanity was not ready for this rule. It’s an open invitation to global chaos.

(人類はこのルールに対処する準備ができていなかった。これは世界的なカオスへの公開招待状だ)

 

世界は、中国が手にした「命を救う力」の圧倒的な優位性を認めざるを得なかった。

日本の光の柱が都市防衛の究極系であるなら、中国の仙人医療は人類の根源的恐怖(死)に対する究極の解答である。

だが、その解答の持ち主が「殺せば奪える」という最悪のシステムに縛られている以上、中国は永遠に安息を得られない。世界中が、羨望と恐怖の目で北京の空を見上げていた。

 

【第13章 医療倫理の議論:奇跡のトリアージ】

 

大衆が「奇跡の治療」に熱狂し、各国のパワーバランスを論じている裏側で、医療現場の最前線に立つ医師や生命倫理の専門家たちは、全く別の、極めて重苦しい議論を交わしていた。

 

[医療倫理系SNSコミュニティ『Bioethics_Net』]

 

@Ethics_Prof_US

中国の仙人が、自らの気を削って治療を行っているという情報が事実であるなら、彼らが一日に治療できる人数には明確な「物理的(エネルギー的)限界」があるはずだ。

一日数十人しか治療できないとすれば、何億という患者の中から「誰を救うか」を決める【選定基準】がすべての焦点となる。

 

@Hospital_Director_JP

子供を優先するのか? 若い労働力を優先するのか? それとも病状の重さ(緊急度)か? 国家への貢献度か? あるいは完全な抽選か?

これは、災害現場で行われる「トリアージ(治療の優先順位付け)」の、最も究極で残酷な形だ。

奇跡のトリアージが、今、北京で始まっている。

 

@Surgeon_UK

仙人たちは人を治している。それは素晴らしいことだ。

だが、その裏で、彼らは必ず「治さない人」を選んでいる。

治せる力がある者にとって、治さないこと(見捨てること)はどんな重さを持つのか。それを想像するだけで、医師として胃が捩れる思いだ。

 

@Palliative_Care_Dr

私は毎日、末期の患者さんに「もう医学ではどうすることもできません」と告げている。

もし私に「光る珠」があったなら、全員を救いたいと思うだろう。だが、自分の命を削って一日三人しか救えないとしたら? 四人目の患者の家族に、どうやって「あなたは選ばれませんでした」と告げるのか。

医師として、羨ましいと思うより先に、「選ぶ側になりたくない」と心の底から思ったよ。

 

[5ちゃんねる:ニュース速報板]

 

18 :名無しさん@涙目です

一人を治せる力がある時、目の前の二人目を見捨てる精神力が必要になるんだよな。

 

32 :名無しさん@涙目です

仙人として徳を積んでいるとか言ってるけど、実際には毎日地獄の選別(命の仕分け)をやらされてるんだぞ。

普通の精神構造なら数日で発狂するわ。

 

45 :名無しさん@涙目です

これを、医療のプロじゃなくて「政治家」がやってるのが恐ろしいんだよな。

でも、逃げずに現場に出て自分の命削ってやってるなら、単なる独裁者だと軽蔑するだけじゃ済まない。

 

60 :名無しさん@涙目です

救える人がいるから、救われなかった人の絶望も深くなる。

今までなら「寿命だから」って諦められたのに、「仙人に選ばれなかったから死ぬ」になっちゃうんだから。

 

75 :名無しさん@涙目です

奇跡って、思ったより「救い」だけの綺麗なもんじゃないんだな。

アーティファクトの力は、本当に人間の精神を試してくる。

 

専門家たちの冷徹な分析は、この奇跡がもたらす「救われなかった者の絶望」という重い影を浮き彫りにした。

魔法の杖を振るうことは容易いが、杖を振る回数に制限がある時、振る者は「神」ではなく「死刑執行人」の顔を持たざるを得ないのだ。

 

【第14章 各国政府の表向き反応】

 

この中国の劇的な動きに対し、各国の政府は定例会見などで表面上の反応を示したが、その言葉の裏には隠しきれない本音と焦りが滲み出ていた。

 

[アメリカ合衆国政府]

 

ホワイトハウス報道官は、記者団の質問に対して極めて事務的に答えた。

「中国の特別治療支援についてですが、未確認の報道について詳細なコメントは控えます。

 ただし、いかなる国においても重篤患者の治療が進むこと自体は歓迎すべきことです。

 同時に、医療アクセスの公平性、透明性、そして国際的な倫理基準の遵守は、極めて重要であると我々は考えています」

 

(ネットの翻訳)

「翻訳:喉から手が出るほどその技術が欲しい」

「翻訳:でも中国に頭を下げてお願いするのは絶対に嫌だ」

「翻訳:自国の富裕層や政治家が『北京に行かせてくれ』って言い出したら止められないから、今から予防線張っておくわ」

 

[日本政府]

 

首相官邸、官房長官の定例会見。

「中国国内の報道については、現在政府として事実関係を確認中です。

 医療上の人道的成果が事実であれば、それは歓迎すべきことと考えております。

 一方で、こういった情報に便乗した未確認の仲介業者や詐欺的行為には、国民の皆様には十分注意していただきたい。

 日本政府としては、引き続き各国と連携し、関連情報の収集を進めてまいります」

 

(ネットの反応)

「官房長官の顔が、また死んでる……」

「そりゃ『日本にも同じようなの(与那国のAI)あるんですか!?』って絶対聞かれるもんな」

「黒鯨が片付いたと思ったら次は医療奇跡。政府の胃壁が完全に消滅しそう」

「詐欺への注意喚起を真っ先に言うの、リアルすぎて日本政府らしい」

 

[EU(欧州連合)]

 

EU報道官の会見。

「治療対象の選定過程における透明性が、何よりも重要です。

 我々は、国際的な医療倫理枠組みについて、早急に協議が必要であると考えています。患者の権利と生命の尊厳は、特定の国家の思惑によって歪められてはなりません」

 

(ネットの反応)

「EU、また会議してるよ」

「でも今回は、会議しないとマジでヤバい問題だからな」

「奇跡のトリアージは完全に倫理委員会の管轄案件だから、EUがしゃしゃり出てくるのは仕方ない」

「問題は、EUが会議してペーパー作ってる間にも、中国では現実に患者が治り続けてるってことなんだよな。結果出してる方に勝てるわけない」

 

【第15章 中国国営メディアが映像を出す】

 

そして、各国の疑心暗鬼とネットの喧騒が続く中、中国国営メディア(CCTV)が、ついに「特別治療支援」に関する短い公式のドキュメンタリー映像を公開した。

 

それは、これまでの中国政府のプロパガンダ映像に見られがちな、過剰なオーケストラBGMや派手なCG演出、大群衆の歓呼といったものを一切排した、驚くほど静かで、抑制の効いた映像だった。

 

(映像:北京の某病院の長い廊下。警備は厳しいが、重武装の兵士の姿は意図的にフレームから外されている。

病室のドアが開き、仙人化した国家指導部の一人が入ってくる。彼は普段の威圧的な人民服や高級スーツではなく、極めて簡素で動きやすい服装をしている。

彼は政治演説をぶつことも、カメラに向けて笑顔を作ることもない。

ただ静かに、ベッドに横たわる痩せ細った患者の前に立ち、深く頭を下げる。

そして、患者の手をしっかりと握る)

 

映像では、「光る珠」そのものは意図的にぼかされているか、あるいは指導部の手元に隠されていてはっきりとは見えない。

だが、治療が施された後、画面が切り替わると、そこには血色を取り戻した患者が、涙を流しながら家族と強く抱き合う姿が映し出されていた。

 

カメラは最後に、病室の隅の椅子に深く腰掛けた指導部の姿を捉える。

彼の額には汗が浮かび、肩で息をし、その顔には隠しきれない【深い疲労】が色濃く刻まれていた。

 

短いナレーションが、静かに流れる。

 

『人民の生命を、第一に。』

『力は、人民のために。』

『仙人となった指導部は、常に人民と共にある』

 

[中国国民の反応(SNSより抽出)]

 

「……本当に、疲れている顔をしている」

「普段の宣伝映像なら、もっと元気で力強い姿を見せるはずだ。あんなに消耗した姿を国営放送で流すなんて」

「気を削って治療しているという噂は、本当だったんだな」

「これは徳だ。彼らは間違いなく、仙人としての徳を積んでいる」

「指導部を無条件で信じるわけじゃない。でも、あの治った患者と家族の涙は、本物だ。命が戻ったのは事実だ」

 

[海外ネットの反応]

 

「プロパガンダ映像なのは百も承知だ。でも、実際に患者が治っているなら、プロパガンダだけでは片付けられない」

「中国は今、世界で最も危険で、最も羨ましい国家になった」

「彼らを殺せば仙人になれる。彼らを守れば患者が助かる。……人類には重すぎる仕様だよ」

 

【第16章 締め:感謝と尊敬と殺意が、同じ場所へ向かう】

 

その日、世界のインターネットのトレンドは、日本の空を覆った黒い怪物から、北京の病室に現れた仙人たちへと、完全に移り変わっていた。

 

黒鯨は、空から来る得体の知れない怪物だった。

それは都市を破壊する恐怖であったが、どこか自分たちの日常からはスケールが大きすぎる、映画のような災害でもあった。

 

でも、病気は違う。

病魔は、最初から家の中にいる怪物だ。

誰の家族にも平等に訪れ、静かに命を削っていく、最も身近で、最も逃れられない絶望。

それを治せる国が、現実に現れたのだ。世界がそちらを向くのは当然のことであった。

 

[X(旧Twitter) / タイムラインの最後の投稿]

 

@Global_Voice_00

日本の謎の光は、都市を救った。

中国の仙人医療は、家族を救うかもしれない。

どっちが怖いか、どっちが欲しいか、もう俺には分からない。

 

[5ちゃんねる:ニュース速報板]

スレタイ:【総括】中国仙人、民を治して徳を積む。なお殺せば恩恵が移る

 

1000 :名無しさん@涙目です

人類に与えていい仕様じゃない。

 

その日。

中国の仙人たちは、怪物を倒したわけではなかった。

だが彼らは、人類が最も古くから恐れてきた怪物――『病と死』に、公然と手を伸ばしてみせたのだ。

 

それは圧倒的な希望であった。

しかし同時に、世界中のあらゆる欲望の形を、再び強烈に思い出させるものでもあった。

 

その奇跡を使う者たちは、殺せば恩恵が移る存在なのだと。

 

感謝。

尊敬。

そして、底知れぬ殺意。

 

人間の持つ最も美しく、そして最も醜い感情のすべてが。

今、北京というただ一つの場所に向けて、一斉に向かい始めていた。

 

 




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