少年2人、一週間   作:かどめた

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−372日目

 

 

「「「「かんぱーい!!」」」」

 

1月1日、正月。

 

僕のここ最近の人生で、一番憂鬱な日。

『みんな来るから』って理由で部屋を引っ張り出されて、食べたくもない料理を皿に乗せられ、名前が曖昧なおじさんおばさんから憐れみ10割の視線を向けられる日。

 

「よお優斗!元気か!?」

 

はぁ...この前の忘年会の時もおんなじセリフで絡んできたの忘れたのかなこのおじさん。

 

「はい...それなりに...」

 

「...そうか、頑張れよ!」

 

無責任な応援と小声での哀れみ、それがこの日もらうものの全てだ。あとおまけに幾らかの金。これが無ければ僕はこんな場所になんて来たくない。

 

 

 

 

ピンポーン

 

新年の喧騒の中、間抜けな音が一つ響く。

...おかしいな、僕の曖昧な記憶が正しければ、親戚はここにいる人達で全員だった筈だが。

 

「はーい!今出まーす!」

 

おばさんが玄関に向かった。ピザか何かの宅配だろうか?できればそうであって欲しい。これ以上哀れみの目線を向けられるのは流石に嫌だ。

 

「あら〜!孝之くんじゃないの〜!いつ帰って来てたの!?」

 

「ええ、少し前に仕事の関係でここに戻って来てたんです」

 

名前は聞き取れなかったが、どうやら人らしい。会話の内容を聞く限り、遠くからわざわざここまで帰って来たらしい。頼むからそのままバックで元居たところに戻って欲しい。決してここではない。

 

「まぁまぁ、せっかく来たんだし食べてって頂戴!今年はお肉いっぱいあるわよ!」

 

「ではお言葉に甘えて」

 

甘えないでくれ。わかったからせめて僕の近くには寄らないで欲しい、あと話しかけないで欲しい。

 

だがその望みは叶わなく、この謎のお兄さんは他がわずかに空いてるにも関わらず、僕の隣へと座ってきた。

 

頼むから去ってくれ〜という念を込めながらお兄さんに視線を向ける。その視線に気付いたのか、お兄さんもこっちを向く。が、それは憐れみの視線ではなかった。

 

何も知らない、何故自分がそんな視線を向けられているのか心底わからないという視線、もしかしてこのお兄さん、僕のこと知らない感じなのか...?

 

「...肉、食わなくていいのか?」

 

目線を僕の紙皿へと移し、何も乗っていない事を気にしているようだ。

 

「...お腹いっぱいなんで」

 

「そうか...」

 

沈黙。周囲を満たしているのは喧騒だと言うのに、ここの間だけ空気が冷え切っている。

 

先に沈黙を破ったのはお兄さんのほうだった。

 

「...LINE、交換しとくか?せっかく出会ったし...」

 

???何故このお兄さんはおそらくほぼ初対面の僕から連絡先を手に入れようとしてるんだ?気味が悪いことこの上ない。

 

「あの、いきなりどう「え!?お前帰って来てたのか!?」

 

うるさい。何故大人はこうも会話を遮るのが好きなのだろうか、それとも自分の存在は影が薄過ぎて見えてないのだろうか、後者だとしたらいい傾向なのだが...

 

「お久しぶりですね」

 

「久しぶりじゃないか本当に〜!ほら、お前も自己紹介しな!」

 

優斗です」

 

「よろしく」

 

ああ、嫌だ。この名前も、ここにいることも。

 

「そういやお前、うちの息子見るの初めてだっけか?」

 

「はい。珍しく出会ったので連絡先でも交換しようと思ったのですが...」

 

「良いじゃないか!ほら、お前もそんな俯いてないで、お兄さんと仲良くなりな!」

 

うるさい。人間関係の強要をするな。

 

「...わかった」

 

本当に仕方ないがこの謎のお兄さんとLINEを交換した。なんで来たくも無いクソみたいな集まりに来てまでやる事が知らないお兄さんとの連絡先交換なんだ

 

はぁ...部屋戻りたい。






はい。プロローグ的なのでした。実は自分別名義で作品他にも投稿してるので、こっちの更新はそこまで早くないどころか亀です。申し訳ない。
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