サッカー、しますわよ【ウマ娘×イナズマイレブン】 作:ローマ市民兼インド村住人
ハーレム系主人公、オグリキャップ
本来、雷門がイナビカリ修練場で特訓してるときに帝国は戦いますが、同時進行でやります。
フットボールフロンティア全国大会、開会式。会場であるFFスタジアムは満員で、歓声が鳴り止まない。
既に入場を終えていた雷門中の横に並ぶは、地区予選の準決勝で敗北したはずの帝国学園なのだが、昨年の優勝校として特別出場枠が設けられていた。
円堂は、横にいる鬼道に話しかける。
「なんか、目白学院が可哀想だな」
「それは思っていても言わないのがマナーだろう……」
配慮の"は"すら感じない円堂の発言に、鬼道は呆れざるを得なかった。
今年の帝国は地区予選同率3位だったにもかかわらず、全国大会に出場。そのことに対しての不満の声が少なからず出ているのは事実。
そして、それを一番重く受け止めているのは帝国だ。決して手を抜いたわけではなく、全力で戦った上での敗北。だからこそ、これまで以上に努力を積み重ねてきた。
影山が去ったとしても、モチベーションは落ちない。奥崎椎奈はまだ帝国を見限っていないから。
だが、彼らは互いに互いを警戒しているわけではなかった。
「……円堂、来るぞ」
『続いて東海ブロック代表、笠松学園!』
"笠松学園"と書かれたプラカードに先導されて入場する、笠松学園サッカー部。青を基調としたユニフォームで、肩のラインは赤で彩られており、左胸には黄色いダイヤが3つ描かれている。
小栗が先頭で、その横に玉藻。彼女らの後ろに染谷、藤政と続いていく。
『地区予選決勝では、24-0という衝撃のスコアで戦国伊賀島中を下しました! 圧倒的優勝候補として君臨します!』
「先頭にいる男が小栗知一か」
「
「ほう、今でも十分だと思うが」
鬼道は円堂の態度────否、照奈の言葉に興味を示す。
芹坂照奈がどれ程までに怪物であるかは、彼女の同居人の椎奈から聞いている。しかし、日本最強と評しても過言ではない火力に対して、更なる上を求めているかのような口っぷり。そこに疑問を感じたのだ。
「まあ、監督の言いたいことは分かるなぁ。オルってヤツがいるんだけど、アイツからゴールを取れるかどうかで変わるんだよ」
去年のフランス遠征。雷門の初期部員4人はそこで世界を知り、新たな境地へと至った。目前の目標は全国優勝なので、あまり先の話をしていないが、照奈を含む5人は同じ認識を持っている。
"オルフェ・ステイを攻略できなければ、世界一になれない"と。
──────身に覚えのない名前から、鬼道は椎奈から聞いたエピソードをふと思い出した。
「そういえば、お前たちはフランスに行ったらしいな」
「ああ。……そうだ、これも監督が言ってたけど、
「なら、その2人をフィールドに引きずり下ろせるぐらいの試合を見せないとだな」
世界に日本の実力を見せるチャンス。そう判断した鬼道は闘志を見せるも、円堂は微妙な表情をしていた。
まさか比喩表現が通じないのか? と思いつつ、念のために訂正を入れる。
「円堂、実際にその2人と試合をするわけじゃないからな」
「嫌だな……オレ、帰ろうかな……」
「? だから、試合はしないぞ」
いきなり様子がおかしくなった円堂に鬼道は困惑するしかなく、元に戻りそうにもないので諦める。
これまでの一連のやり取りを眺めていた染岡は、「そんなこともあったな」と渋い顔でフランスの記憶を掘り返していた。
『
★☆
雷門中職員室。
「で、初戦の相手がその世宇子中と」
1回戦で雷門中が戦う相手は、推薦招待枠で出場することになった世宇子中。開会式にも出ず、なんなら過去に試合した経歴もない謎の中学。
つまり、選手の名前さえも分からないということになる。
情報が一切ないのであれば、どのようにして自分たちの強みを押し続けていくかだけを考えればいいのだが──────
「
「いえ、特に何も……」
照奈は夏未に問うも、何も心当たりがない様子。
少年サッカー協会の会長を務めている夏未の父、雷門総一郎が把握していないとすれば、状況は更にきな臭くなる。
「もしかして、あちら側?」
「し、失礼ね! お父様が悪事を働くわけないでしょう!」
終いには総一郎まで疑う始末だが、流石に娘に咎められる照奈。「ごめんなさいね」と謝ったものの、内心はまだ疑っている。
仮に彼が関与していたとしても、「今の雷門なら変なのがいても勝てそうだし大丈夫」のようなバカげた理由で特別推薦枠を承認した可能性もなくはないからだ。一応、「仮に負けても笠松学園がなんとかしてくれる」まで推測した。
「これがまかり通るなら、辞退しようかしら……」
「そこまでのことなのですか? 相手が誰だろうと勝てばいいと思いますけど」
「透明性は大事よ。第一、中学生が主役の大会で悪事を働くとか、意味が分からないし」
「言われてみればそうですね……」
一瞬反論したものの、照奈の言うことに納得がいって引き下がる夏未。フットボールフロンティア全国大会────日本一の中学校になったとしても、得られるのは名誉だけであり、賞金はない。
"なんとしてでも記録を継続させたい帝国が不正を働いた"。ならギリギリ分からないでもないが、だとしたら別の方法を使う方が合理的だろう。
今のメンバーで全国優勝を目指すのであれば、あと1回チャンスはある。今ここで辞退しても大きな影響はなく、部員たちも納得するはず。
そう思い、照奈が立ち上がろうとしたとき、彼女のデスクに置いてあった携帯が通知音を鳴らした。
画面には"影山零治"と表示されており、通話に出るか出ないかの選択を照奈に持ち掛ける。当然ながら、出るしかなかった。
「はい」
『雷門中が辞退しそうな予感がしたので先に言っておくが、世宇子中の監督は私だ』
「……へぇ」
照奈の口角が上がる。スピーカーをオンにしていないために会話が聞こえず、夏未は不思議な表情で見守っていた。
『色々あってね。大体の事情は奥崎に話しており、了承を得ている────そして、仮に君たちに何かがあったとしても、私は関与しておらず、間接的に何かをしたわけでもないということを保証しよう』
「貴方の仲間が勝手に決めたことであり、命令はしていない、とでも言うつもりでしょうか?」
敵としての影山は信用し切れない。帝国戦で何もしてこなかったのは、彼の横に椎奈がいたからと踏んでいるためだ。
『そんな言葉遊びはせんよ。並行で進めていたプロジェクトを打ち切るわけにはいかなかっただけのことだ。私1人で成り立っているわけではないのでね』
とはいえ、彼が嘘を言っているようには見えない。少し迷ったが、念には念を入れることで照奈は決断する。
「なるほど。でしたら、もし貴方が約束を破った場合の決まり事だけは設けておきましょうか」
『自首、それだけでは不満か?』
「当たり前でしょう。豪炎寺くんの妹が無事に退院できるまで支援、も必要よ」
『では、それも付け加えよう。また会える日を楽しみにしている』
照奈の挨拶を待たずに影山は通話を切った。
★☆
翌日のFFスタジアムにて。
初試合で帝国を破った雷門中と、全てが謎に包まれている世宇子中。このマッチアップだからか、観客席は全て埋まっていた。
「相手のキャプテンは背番号10番、
先程初めて明らかとなった世宇子の選手データを端末で閲覧しながら、照奈はチームに語る。その後、世宇子中のベンチを一瞥するも影山の姿はなく。
その代わりに、ワゴンに乗った飲み物が彼らのところへ運ばれていた。
「なんだあれ?」
それを目撃した染岡が声を上げれば、雷門中一同が注目し始める。
「さあ? ドーピングじゃないかしら」
「そんな軽いノリで言っていいものではないでしょう……」
心底興味がなさそうに答える照奈に対して、夏未は苦言を呈す。しかし、自分たちの監督が問題視していないのであれば、選手たちも口を出さない。
逆に照奈は、影山零治による最後の足掻きを良しとしていた。ドーピングによって強化された選手に真正面から打ち勝てば、強さの証明にもなる。
「とりあえず、点を取れるだけ取ること。本当にドーピングだとしたら、"ズルをしても勝てない"という現実で心を折ってしまえばいいの」
「監督の言う通りだな。寧ろ、強くなってくれてありがたいぜ」
染岡の意見に頷く一同。気にしているのが自分だけと分かった夏未は溜息を吐くも、それで切り替えることにした。
「こんにちは、雷門中の皆さん」
キックオフの時間が迫っているので、選手たちがそろそろフィールドへ向かおうとしたところ、世宇子中ベンチから中性的な見た目で金髪の美少年がやって来た。白を基調としたユニフォームは、どこか神々しく感じる。
左腕にはキャプテンマークを付けているため、雷門中サッカー部は彼が亜風炉照美だと一目で判別できた。
「僕はアフロディ。君たちに神の力を見せてあげるよ」
「おう、よろしくな!」
円堂がアフロディに握手を求めながら挨拶をするも、「人間の手は取らないよ」と言い、彼は自分たちのサイドへ戻っていく。
ちょっと関わったらいけない人かもしれない。そう思った彼らは、何事もなかったかのように各々のポジションへ向かう。
「私の同級生にも、ああいう人がいたわ」
と言いつつ、照奈は「フハハハハハ!!」と高笑いする眼帯を付けたウマ娘を思い出す。
「なんか、こう……大人になって後悔しないのかなって思いました」
「大人になって拗らせるよりかはマシよ」
「確かにそうですね……」
音無は苦笑いしながら相槌を打つ。
学生時代の奇行は、時が経てば黒歴史となり己の首を絞めることになる。眼帯のウマ娘は相も変わらずラチや柵を破壊していたので、そういう
──────世宇子中からのキックオフで試合が始まろうとしている。
定位置についた豪炎寺と染岡は、センターサークル内にいる
「なあ豪炎寺。今、新技を思い付いたんだが」
「思い付いたからなんだ」
「アイツらからボールを取ったら、俺に寄越せってことだ」
「技の名前次第だな」
豪炎寺がそう言えば、染岡はニヤつく。
「"ゴッドスレイヤー"。相手は世宇子中、これ以上に相応しい技はないだろ?」
「神殺し、か。これで点が決まらなかったら笑い者だな」
「ほざけ。テメェは
さっきのアフロディにちょっと影響されたか……? と思いつつ、豪炎寺は視線をボールに向ける。
雷門が監督から告げられた作戦は"とにかく点を入れまくる"という、戦術ですらないパワープレイ。とはいえ、相手がどんなプレイをするのか全く分からないことを考えれば、いつものようにこちらの強みを押し付ける他ない。
────ホイッスル。
ヘラがデメテルにボールを渡し、そのままバックパスでアフロディへと繋げる。
「まずはお手並み拝見といこう」
彼は指を鳴らす。
「初っ端から遊んでんじゃねェよ!」
「ぐわああああああ!!!」
だが、染岡がタックルでアフロディを吹き飛ばした。その瞬間、世宇子中の選手に動揺が走る。染岡はファウルを取られていないことが分かれば、そのまま世宇子側のゴールへと向かう。
自分たちのキャプテンが手も足も出ずにやられたことが受け入れられず、MFもDFも足が動かない。となれば当然、あっという間にキーパーとのタイマン勝負に。
世宇子のキーパーである
あまりにも簡単にゴール前へ行けてしまったことに対して、流石に思うところがあったのだろうか、染岡は一度立ち止まる。
「……まあいいか」
とりあえず、1点目を入れることにした。
「"ドラゴンクラッシュ"!」
ボールを蹴れば、蒼い竜が現れる。構えていたポセイドンは必殺技のモーションに入ったものの、速過ぎて間に合わず。
世宇子中の意気消沈っぷりに、観客がざわつく。それを横目に染岡が自陣へ戻れば、豪炎寺が何か言いたそうな表情で待っていた。
「"ゴッドスレイヤー"はどうしたんだ?」
「悪い、どうやるか忘れたわ」
「お前……」
★☆
side:Shiina
「まずは1点……」
帝国学園のグラウンドで試合をしているのもあって、空気はホーム寄り。そして、全国大会初試合というプレッシャーが、笠松学園の動きを鈍らせている。
巧みなパス回しで佐久間くんへと繋ぎ、"
けれど、一切の油断は許されていない。どういうわけか、北原は小栗知一をベンチに引っ込めている。
「いつでも取り返せるぞ」という帝国への宣戦布告なのだろうか。もしくはどこかを怪我しているから、出場時間が限られていたり?
──────
「"
一瞬、白い雷がバチッとフィールド上に現れた気がした。
「奴を止めろ!!」
焦燥にかられた鬼道くんの声で、何が起きたか気付く。10番が一気に6人ほど抜き、そのままペナルティエリアへ差し掛かろうとしていたのだ。
──────それは対策済み。前方を3人で塞ぎ、残りの2人はサイドの笠松の選手にマークを付ける。5バックの帝国だからこそ、万全な守りを構築可能。これで10番は後ろへ戻して仕切り直すはずだ。
「もしくは────」
ボールを蹴り上げた直後に高く飛び上がる。残念ながら、それも対策済みだ。
「「"ダブルサイクロン"!!」」
万丈くんと大野くんが同時に鋭いキックを上空へ繰り出すことで、荒れ狂うサイクロンを生み出す。
「うわああああああ!!」
空中でバランスを崩した10番は吹き飛ばされ、浮き上がったボールを辺見くんが胸トラップで確保。鬼道くんにパスを出し、彼の指示でラインを前線へ押し上げる。
……雷門と目白は、私たちを強くしてくれた。二度の敗北が帝国再誕のきっかけになった。
だから北原、早く彼を出さないと負けるわよ?
年齢:22歳
ポジション:GK
背番号:1
中学は帝国学園で、芹坂世代のゴールキーパー。大学卒業後はプロサッカー選手になるつもりだったが、ある日小栗が現れ、「笠松学園で監督をやってほしい。私はキミが監督じゃないとモチベーションが上がらない」と懇願されたのが全ての始まり。
Q.円堂は何がトラウマなの?
A.ミニサッカーでジャーニーに43点入れられた。
Q.椎奈はなんで佐久間に皇帝ペンギン1号を使わせてるの?
A.
椎奈「1試合に3回ぐらいなら使えるはずです」
佐久間「でもそれは禁断の技じゃ……」
椎奈「私自身で検証した結果、この秒数までにこの角度でこの足の振り方でやれば、負担は軽減されます。やってください」
佐久間「ハイ(なんでこの人は身体が壊れてないんだ……?)」
Q.ビーストファングは?
A.ハイビーストファングを開発しました。佐久間は泣いた。