キルツォン・ハエル ~Gods Are Watching You   作:フェアライン

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 はじめに神は天と地とを創造された。
 地は形なく、むなしく、やみが淵のおもてにあり、神の霊が水のおもてをおおっていた。
 神は「光あれ」と言われた。すると光があった。
 神はその光を見て、良しとされた。神はその光とやみとを分けられた。
 神は光を昼と名づけ、やみを夜と名づけられた。夕となり、また朝となった。第一日である。



act1.<the biginning>

 眼球で対象を狙い、トリガーを左右同時に絞る。

 すると、私から30m離れている人型ターゲットから数回ガンッと音が鳴り、胴体──私が撃った部分が破壊されホログラムが黄色に発光する。

 黄色に発光したということは、ターゲットはまだ生きているということだ。

 

「はぁ……」

 

 溜息をつきながら片方のトリガーを引いて止めを刺した後、私は愛用のツインサブマシンガン(chant and hymns)を持っている腕を下にさげる。

 私の名前はマーシア・イカルガ、カドーシュ教会アンデレ学園の2年生でシスターを目指している。いまは「実践的射撃訓練」略して実射の授業中で、その内容とは……

 

「……!」

 

 ボーっとしていたら視界の端に動くものを捉えたのですぐに体を捻り始める。

 その約0.1後に、私は自分の左肩からビーッ!! とブザー音が鳴るのを聞いた。

 チィッ! 油断したッ!

 反射的に私は発砲音がした方向にchantを向けて撃つ。

 

「ふっ!」

 

 近くにあったコンテナに身を隠し、chantをコンバットロードする。

 自分と撃ってきたターゲットの距離は70m。

 ターゲットとの距離を確認して腰のウェストリグから医療パックを取り出し、先程撃たれた左肩に応急処置コマンドを実行する。

 

「今日は体のキレが鈍いなぁ……」

「昨日ちょっと夜更かししたせいかな?」

 

 そう呟き、コンテナから身を乗り出してターゲットを破壊しにかかる。

 ターゲットが銃撃してくるので、身をひるがえしながら撃ち返す。

 

「とっとと壊れろ!」

 

 hymnsからガガガガッ!という音が鳴り、ターゲットが破壊される──今度のホログラム発光は赤だ。

 

「このままいくぞ!」

 

 そう言って曲がり角を曲がった先の2体、コンベアの上の1体、物置小屋の中の1体を順に片付ける。

 実射の授業内容とは、事前に決められた仮想空間のフィールド内に配置された人間的な動きをする人型ターゲットを時間内に全て破壊するというもので、授業の時間内だったら何回でもトライできる。

 人型ターゲットにはホログラムが重ねられており、破壊された部分の場所や破壊の程度などにより青、黄、赤の3色に発光するホログラム判定機能が備わっている。

 その部分を完全に破壊したと仮定した時それぞれの色の意味は、あまり人体に影響がでない部分が青、敵の動きを阻害できるが致命傷には至らない部分が黄、完全な致命傷になる部分が赤色である。

 ──これが実射の授業内容だ。この授業を毎週するのがアンデレ学園の日常だ。

 

「これで終わりッ!」

 

 ちょうどコンテナの中にいたターゲットを撃ちぬいた時、チャイムが鳴り実射の授業が終わった。

 実射の授業で出たスコアや命中率などはアプリでレポートとして閲覧できるのでロッカーから自分のリュックを取り出し、訓練室を出てラウンジへと向かう。

 

「さてさて今回の結果は~?」

 

 私はリュックからノートパソコンを取り出し、生徒専用アプリを開いて結果を確認しようとした。

 その時である。

 

『ファーン!! ファーン!!』

 

 けたたましく、そして恐ろしい轟音が鳴り響いた。

 その警報は聞く人に動揺と恐怖をもたらし、一瞬の内に日常を非日常へ塗り替えていった。

 

「!?」

「な、なんだ!?」

 

 開いたばかりのパソコンを閉じ、アナウンスの内容に耳を研ぎ澄ます

 

『緊急警報発令 緊急警報発令』

『タイプA-012 1年生は避難シェルターへ 2,3年生は迎撃に向かってください』

 

「タイプA-012!?」

「そ、それって!」

 

 アナウンスを聞いた周りの生徒がその内容にどよめいた。

 タイプA-012──それは学校が襲撃を受けていてなおかつ校舎内に襲撃者がいることを意味していたはずだ。

 その内容に鳥肌が立つも、訓練でやった通りに戦闘態勢を整える。

 パソコンをしまって周りを見渡すと既に何人かの3年生は敵を殲滅しに行ったらしく、ラウンジは人が減っていた。

 chant and hymnsを取り出し、センサーが検知した敵性反応を確認する。

 すると、校舎内の複数のエリアに散らばっていた敵性反応の1つがこちらに向かっているのが確認できた。

 

「くるか……!」

 

 そう言って私がchant and hymnsを構えると同時に、

 

 ドガァンッ!

 

 壁が爆破され、襲撃者──3体の無骨なロボットの姿を見る。

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