光輝の都の頂へ〜元社畜、欲望渦巻く魔都にて傭兵生活を始める 作:ズブ左衛門
拓郎のせいで妙にしまらない空気が漂ったままA班を乗せたトラックは目的地へと到着し、総勢一二人の傭兵たちが蒸し暑い空気が漂う裏路地の水道管理事務所跡へと降り立った。地下に降りるためのしっかりした設備が残っているため進入地点としてはなかなか良好な条件を有している。
そこで三人の時計をしっかりと合わせ、記録用の超小型カメラを胴体に装着してからハッチを開いた。電動式のそれはボタンを押すと錆びた金属同士が擦れ合う不愉快な音を周囲に響かせながら仄かに湿気と冷たさが感じられる空気を地表へ解き放つ。
「鋼鉄とコンクリートで出来た洞窟の中では表層付近を除いて電波はロクに届かない。放置された中継器がまだ生きていることに期待するな、なお戦果確認は今し方装着してもらったマイクロカメラの映像を分析して行う」
そんなジャンの言葉の言葉を背に拓郎たちは月が見守る地上世界にしばしの別れ──ひょっとすると永遠の別れになるかもしれない──を告げて、星々の光が一切届かぬ世界へと足を踏み入れた。
きらびやかで現代文明の象徴と言えるハイテク海上都市アシハラの地下には、誰もが知る賑やかな大通りから街でも片手の指ほどの数しか知らない暗く汚らしい隘路まで無数のトンネルや地下空間が存在する。一時期拓郎とファンが身を隠していたニューヨシハラの寂れた地下モールもそこに含まれており、そこには浮浪者や犯罪者、誰からも気付いていない者含めて二〇〇人以上が暮らしていた。
「中継ポイントαを通過……電波感度は約18パーセント。これ以上深く潜ると通信機能には期待できんな」
「思ったより臭くないし涼しいけど……なーんかジメジメするね。何日か身を隠すならいいけど、ここに住むのはゴメンかも」
現在は端末にダウンロードされたマップを頼りに迷宮じみた地下通路へと入り指定された待機ポイントへと歩みを進めている真っ最中である。自分たちの話し声と靴が劣化したコンクリートを踏み付ける音が反響する他には全くと言っていいほど音がしない。
電気及び照明系統が生き残っているため放置された通路にしては明るく歩きやすいのだが、劣化した照明器具が放つ弱々しい灯り自体が端に照らされない隙間を生み出すため一層の不気味さを醸し出す。大きさからそこにヒトや害を及ぼせる生物がいないことは分かっていても、本能的に恐怖を覚えてしまうのだ。
ガス灯や電灯で数多の迷信を生み出してきた夜の闇を追いやり、百年前の人間が見たら魔法かエイリアンの技術かと見紛うようなテクノロジーで地球だけならず月や火星まで征服したとしても、進化の過程を経てもなお何万何十万年と受け継がれてきた夜闇を恐れる本能までは未だ駆逐できていない。
「これで中継ポイントβも通過……流石にもう地上の電波は入らないか。これじゃロクに助けも呼べないな」
「より一層警戒を怠るなってことか……」
使われなくなって十数年は経つにも関わらず、通路を光で満たす照明はごく一部を除いて煌々と灯っている。そんなちぐはぐできかいな光景が生まれたのにはこの街特有の事情が大きく関わっていた。
都市を支える基礎部分に程近い最下層に鎮座し、メガトン級純粋水爆複数の直撃にも耐えうる要塞じみた複合防壁で厳重に守られた六基の大出力常温核融合炉が生み出す電力は無限とほぼ同義であり、放置された区画に多少取られていたとしてもも殆どの人は気付きもしないし、仮に気付いたとして是正しようとする物好きはいない。この街において電気とは望めば欲しいだけ手に入る無料の資源であり、例え人類社会を牛耳るメガコーポとて自分たちの取り分が欠乏しない限りその収支を気にする必要など全くないからだ。
そんな贅沢極まりない電力事情とアシハラ当局のことなかれ主義故に、三人は暗闇に怯えることなく放棄された地下施設の通路を伝って目的地へと近付いていける。とはいえ本来ならスカヴィードッグスのような無法者の対象はアシハラ市警の仕事であるため、素直に感謝できなかったが。
それでも真っ暗な通路を微かな灯りを頼りにより遥かにマシであることには変わりないので、うっかり口に出してしまいそうな当局への罵詈雑言を喉元に留めながらマップの指示通り歩みを進めている。
「そして、ここが待機ポイントだが……出迎えてくれたのはもげたカラーコーンだけか。寂しいもんだ」
「寧ろ他に誰かいたらホラーそのものだと思う。そいつがこの世のものであるかないかに関わらずね」
「まああーし的にはマジモンの幽霊が出たなら是非お目にかかりたいよね。色々聞きたいコトとかあるからさ、死後の世界とか」
そうして角から飛び出してくるスカヴィードッグスやその他不埒者に地表から歩くこと三〇分と少し。厳重に溶接され開かないドアとその前に放置され半ば朽ちたカラーコーンが目印の待機ポイントであり、進む先から死角になった一角がほんの僅かながら安全性を高めていた。
歩みを止めてよく耳を澄ませば、水の流れる音やに混じってごく僅かだが誰かの話すような声が混じっており、事前情報を信じるならば恐らくスカヴィードッグスが近くにいるのだろうと感じている。
「現在時刻は二二時二八分。あと三〇分と少しだな」
「仮眠するには短く、かといって何もせず待つにはちょい長い……微妙過ぎてイヤな時間だ」
数十メートル行った先に敵がいるため完全に油断はできなかったが、それでも拓郎とファンには軽口を叩くくらいの余裕は残っている。
「すぅー……ふぅー……大丈夫大丈夫、あーしはやれる子、できる子……あの頃とは違うんだから」
つい五日前まで荒事とは無縁だった上に、二度目の作戦が高難度の指名依頼となったアリサだけは緊張と不安からかやや動きがぎこちないが、それでも溢れんばかりの闘志で褐色の瞳が爛々と輝いているようであった。
「俺が偵察に行ってくる。いざとなったらニューロンブースターを使ってでも逃げてくるから大丈夫」
そんな中で何もせずただ無為に時間を潰すよりマシだと判断し、偵察と称して待機ポイントより先へと踏み出した拓郎は、足音だけならず可能な限り呼吸音すら抑えながら忍び歩きで進んでいく。
「……っ!」
辿り着いた先で眼下に広がる異様な光景に思わず声をあげそうになったが、辛うじて抑えていた。二フロアほど下の広い空間に屯する数十人の集団は確かに記憶の中にあるスカヴィードッグスと類似しているが、想定よりも明らかに数が多い。事前の予想では多くても三〇人と少しであったのだが、現実には大まかな目算で四〇人以上いるのがすぐに理解できた。
普通の集団なら戦闘員ばかりではないのだが、個人個人の強さは置いておいても全員が戦士で略奪者であり、彼らが集団というより『群れ』であると言われるのはこのためだ。
それに何かがおかしい。借金取りからの脱出時に戦った連中とは何か違う気がする。弛緩した空気こそあれど、他者を狩りに対象として見ているのではなく、まるで戦に赴く直前の軍勢のようだ。拓郎の直感が必死に違和感を訴えており、心拍数が徐々に早くなるのを感じたため早々に撤退している。下手に長居して勘付かれてしまえば作戦が崩壊してしまうからであり、そんな初歩的なミスで台無しにしたくなかったからだ。
「お、帰ってきたか……つけられてはないな」
「どうだったの拓郎さん? なーんかしかめっ面してるけど」
行く時と同じか少し多いくらいの時間をかけて戻ってきた拓郎を出迎えた二人は、彼の表情が明らかに渋かったため何か良くないことがあったのだと察し、彼の口から聞いた言葉に二人して顔をしかめている。
「……ちょっとヤバいかもしれない……ざっと見ただけでも四〇はいた、ひょっとすると五〇近いかも」
「げっ、これ作戦の前提からイカれてる。一割二割くらいならまだしも、五割増は普通にダメだ。具体的には弾薬や各種消耗品の用意が足りない人が出るかも知れんぞ」
「あちゃー、こんなに多いんだったら対人攻撃用の弾薬もう一セット持ってこれば良かった」
持ち帰った情報を二人と共有し、陳の予想の五割増しという数を相手にどう立ち回るかを考える。純粋な火力面でも人数でも他の二チームに劣っているため、そこをどうカバーするかが知恵の絞りどころだ。前衛一人と後衛二人というややアンバランスさを感じさせる編成ではあるが、突破されなければ遠距離からちまちまと叩けるのだから。
「『ドレッドスウォーム』はリーダーもそうだけど結構火力ありそうだったし、一番槍は任せてみようか?」
「まあ一番槍っても数秒の差だし別にいいと思うぞ。個人的には『トランセンデンス』の方が安定してそうだがな、あと付き合いやすそうなのは絶対こっちだ」
そうやって時間を潰しているうちに作戦開始時刻は刻一刻と迫っており、最小の音でかけたアラームが作戦開始三分前を知らせた。最後に各々の装備をもう一度チェックし、万全の状態であることを確認していく。武運拙く戦死するのも嫌だが、肝心な時に整備不良や点検ミスが命取りとなれば死んでも死にきれないからだ。
拓郎も現在のメインウェポンである鬼哭衆から奪った長ドスと拳銃(チャカ)を軽く確認しているとあっという間に残り一分を切り、どんどんゼロアワーは近付いている。
「一〇、九、八……」
そして残り一〇秒となり始まる最後のカウントダウン。ここで華々しい武功を立てて成り上がりの階段を駆け上がれるのか、それとも星の光も届かず停滞が支配する地の底で虚しく徒花と散るのか。数字を一つ読み上げる度にそんな考えが頭の中に浸透していき、彼に武者震いをさせた。
無論、作戦を成功裏に終わらせた上で生きて帰る気で戦いに臨むのだが、高難度の指名依頼であるためどうしても不安は感じてしまうのだ。
「……三、二、一……作戦開始だ。一気呵成に攻めるぞ」
そしてカウントダウンがゼロになった瞬間、三人は気持ちを切り替えると待機ポイントから飛び出して駆け足で敵のいる方に向かっていく。先陣を切る拓郎は鬼哭衆構成員から奪った長ドスと拳銃を抜き、最後尾に陣取るアリサは自らの背から対人攻撃仕様に換装したドローンを展開させ、敵の真上へと飛ばす。
壁に彫り込まれたような階段を降り始めると不意に視界の先で数人が何か強烈な力で押されたかのように吹き飛ばされ、その反対側から得物を構え先陣を切って突撃するカルロスとその仲間たちが見えた。
「やっぱり一番槍は『ドレッドスウォーム』か……俺も急がなきゃ」
無論彼から見えないだけで『トランセンデンス』も敵集団に取り付き攻撃を始めているのだが、大火力の火器でバタバタと吹き飛ばす様は遠目でも目立つのだ。
とはいえ三人のうち敵がいるフロアに降りて戦うのは拓郎だけであり、後衛寄りのファンとアリサは遮蔽もあり暗闇で見えにくい階段の踊り場に留まって支援攻撃を行う。何も知らない素人ならこれをズルだの卑怯だのと無責任な誹りを放つだろうが、戦いとは勝てば正義である。敗者、とりわけ死者に何か不平不満を喚く権利などなく、無様に冷たい床に横たわることしか許されていない。
だから彼は出し惜しみなどしなかった。明確な強敵もいないため、最初から持てる全力を以て数の優位を打ち崩すべくいきなり切り札を切っている。
「先手必勝なら、最初に最大火力をぶつけなきゃ」
これを使うのも久しぶりだ。そんなことをニューロンブースターを起動し、視界がモノトーンに染まりスローモーションで混乱する一団へと超高速で殴り込んだ。
「まずは……コイツらから!」
加速する神経伝達の中、長ドスで最も近くにいた男の首を一突きし、左手の拳銃を使うことなくそのまま一気に駆け抜ける。一般的にニューロンブースターと銃器との相性は悪いとされており、銃身から弾が出る前に体ごと動いてしまうため当たらないどころか弾詰まりや不発を招きうるからだ。
極めて弾速の速い磁気加速銃や銃身がない上に文字通り光速で着弾するレーザー兵器ならば普段と同じように使えるのだが、当然ながらそれらは相応に高価であり駆け出し傭兵では運良く拾うことない限りとても手が届かない。
それでも敵に同じものがない戦場での強さは折り紙付きで、そこから一人、二人、三人と、他がスローモーションで動く色彩のない世界で、さながら戦国時代の武者であるかのように敵を斬り捨てていった。
「まだまだッ!」
流れるようなで四人を斬り捨てた拓郎は次の標的の首を落とすべく長ドスを振るうも、表皮を容易く切り裂いた次の瞬間明らかな違和感が彼の右手を襲う。
「クソッ、皮膚下装甲だ……! 廃ホテルの時も遭遇したってのにまたやられた!」
刃と柄、二つの素材を経由して手に伝わってきたのは柔らかい肉を裂くのではなく、表皮のすぐ下にある何か硬質なものによって刃が受け流されてしまったことを示す感触。ここで相手が皮膚下装甲を装着していたことを悟り、今度は別の部位を狙おうとした。
しかしその瞬間加速効果が解除されてしまい、視界に色彩が戻り敵が再び加速する。正確には彼が元の速度に戻っただけであるが、当人の視界ではそう見えてしまうのだ。
「ハッハァ、残念だったなァ! 俺様の首は特別製だぜ! んじゃあくたばれぃ!!」
意図せず拓郎の攻撃を跳ね返した男は驚愕する彼を嘲笑しながら手にした返り血塗れの釘バットを振り上げ、思い切り拓郎へと振り下ろす。これまで両手の指を用いても足りない数の頭をかち割ってきた得物で小癪な敵の頭蓋を叩き割り、自らの手柄としようと思ったのだ。
「うおっ、危ねェ」
しかし拓郎は咄嗟に長ドスでその一撃を受け止めていた。本来日本刀やそれに類似した刀剣類で打撃武器を受けるのはリスキーな選択肢だが、バットに釘を打ち込み有刺鉄線を巻いた殺意の塊のような危険物で殴られるよりはマシだと思ったからだ。
とはいえこの鈍く輝く刃物は玉鋼を用いた伝統的な製法ではなく、現代冶金学の粋を用いたスチールベース合金製のため見た目より遥かに頑丈であり、殆ど刃こぼれすることなく運動エネルギーを持った錆びかけた釘や有刺鉄線を食い止めている。鬼哭衆の伝統的な価値観へのこだわりと、今をときめくギャング組織として有する合理主義の合わせ技の結果として生まれたこの武器は、製造者からすれば些か不本意なシチュエーションながらその真価を遺憾無く発揮していた。
「なぁっ!?」
「あ、危なかった……!」
直系でもない三次団体の下っ端に支給される量産品とはいえ、性能は決して低くない。武器の性能に助けられた形となった拓郎はとりあえず安堵しながらも、薄っぺらい刃物が禍々しい改造をなされた鈍器を受け止めたことに驚く相手に対して次なる一手を打つ。
「これでも食らえ!」
「おぶぉっ!」
それが彼の得意技になりつつある両手で別の武器を扱うことであり、長ドスで釘バットを受けながら左手に持った拳銃を発砲。ほぼ密着した距離から放たれた三発の九ミリ弾は装甲のない腹部へと容赦なく突き刺さり、死にはしないもののひっくり返る。
そこに容赦なく脳天めがけてさらに一発叩き込むことでようやく相手は息絶え、単なるタンパク質の塊と化した肉体の額と腹からどくどくと流れ出す血液と脳漿がそれを実感させていた。
「ふう、ふう……思い描いたように上手いこといかないな」
少し離れていた一隊を数秒で壊滅させた拓郎は自らが全くマークスされていないこともあって、少しだけ周囲を俯瞰する余裕があった。
三方向からの同時多発的な攻撃を受けた集団は混乱の最中にあり、元々ロクな統率など持ち合わせていないとはいえまとまった反撃を行うことすら能わず、徒に数を減らしていく。数人程度の犠牲を厭わぬ人海戦術で押し寄せる時は強いのだが、こうも錯綜した戦場で冷静に戦局を見極めた上で瞬時に対応できる優秀な人材は皆無である。
身を守る術に乏しい大衆や貧民にとっては確かに大きな脅威となりうるが、ある程度以上の実力を持つ者にとって数以外は殆ど脅威足り得ない烏合の衆でしかない。所詮は飢えた一般人やチンピラ連中が破れかぶれで人間性を捨て、ケダモノへと堕ちただけの連中でしかない。
スカヴィードッグス側は既に二〇名近くが死亡もしくは脱落し、残りも混乱から立ち直ることなくてんでバラバラに反撃を行うのみである。包囲された上に頭上からも攻撃が飛んでくるとなれば士気もガタ落ちであり、数では圧倒していてもどんどん弱腰になっていった。
「置いてかないでくれ、俺を助けてくれよぉ!」
「に、逃げろおぉぉぉ!」
「た、戦え臆病者! 獣のよう……にっ!?」
三つのチームによる同時攻撃によって成り立つ疑似大火力包囲撃滅戦は順調に進んでおり、返り血で汚れた近接武器や質の悪い小火器による抵抗も虚しく一人また一人と倒されていく。
これならもう楽勝だろう。あとは追撃戦で一つでも多くの首級(しるし)を積み上げ報酬を稼ぐ時間になりそうだ。破れかぶれで向かってきた素人丸出しの一人を叩き斬ってキルスコアを六に伸ばした拓郎は全体的な余裕からやや楽観論に傾いており、自分たちの報酬を増やすべくより一層敵陣深くまで斬り込もうかと考えた。
「これなら後は落ち武者狩りだな……」
「俺たちももっと踏み込むか?」
しかし次の瞬間、算を乱して逃げ惑う敵をなるべく多く討ち取るべく敵中深くまで突出し、二挺拳銃で絶え間ない銃火を浴びせていた『ドレッドスウォーム』のメンバーの頭が不意にバラバラになってあちらこちらに飛び散り、赤黒い血と一体化しながら床にこびりつく。ついコンマ数秒前まで圧倒的優勢を保ち、もはや逆転の目などありもしないと思っていた傭兵たちにとってその光景は青天の霹靂に等しかった。
「えっ」
「なっ……!!」
スカヴィードッグス側に固い頭を粉々に吹き飛ばせる火力を持った構成員は確認されておらず、未知の攻撃を警戒して追撃は止まり、突進力は失われる。
幸か不幸か、そんなことをしでかした下手人はすぐに見つかった。というより、大きくて目立つ上に極めてやかましいとなれば戦場と言えど分からない方が異常である。
拓郎たちから見て死角となっていた南側の錆びついたシャッターが勢いよく開き、体長五メートルほどもある機械仕掛けの巨人が目を覚ますと、侵入者へ鉄槌を下すべく型落ちのサーボモーターが放つ耳障りな駆動音も高らかに動き始めていたのだ。
「あ、あれは……まさか!」
「クソ! メックだ、メックが出たぞ! 奴ら、とんでもない切り札を隠し持ってやがった!」